Category: 図書館

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @ナレッジキャピタル(大阪)


7月さいごの週末、大阪市図書館さん、DNPさんとのコラボでワークショップをしました。ナレッジキャピタルが、学校や家庭以外の第三の学びの場として活用されることをめざし定期開催されているワークショップフェスの一環です。
当日は、ナレッジキャピタルに参画する大学や企業による様々なプログラムで大賑わいでした。

2日間ピッケの会場となったACTIVE Studioは、外の喧騒から隔てられた独立空間です。3年前にも使わせていただきました。

図書館さんによる絵本の読み聞かせから始まります。

続いて、ピッケの絵本づくり。小学1年生~4年生に加えて、付き添いで来ていた3歳の子も参加しました。

画面上でキャラクタやアイテムを並べてお話をつくります。図書館の皆さんもファシリテートに入ってくださいました。

録音。ボタン操作は、保護者の方にもお手伝いいただきました。

各人で製本をして

紙の絵本のできあがり。

発表会。

ピッケの絵本づくりワークショップの後は、別プログラムとして、ARを活用したアートタイムトリップワークショップも開催されました。

図書館さん、DNPさんとのコラボは、3年前の、子どもたちが未来の図書館を考えるワークショップから始まりました。その1年後、図書館にデジタルを導入するかの実証実験としてお招きいただき、さらに翌年、新設されたえほん図書館に講師としてお招きいただきました。
子どもたちに、絵本を読む/読んでもらう楽しさに加えて、自身で物語をつくり語る楽しさを届けたいです。図書館が、これまでの役割からさらに進んで、想像し創造できる場に、そして、地域の多世代多様な人が集い繋がる拠点になることを願っています。ピッケでお手伝いできれば幸せです。

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
最初のピッケ:「ピッケのおうち」15年以上昔につくったもので、iPadやスマホ上では動作しません。マウス操作のパソコンでのみピッケと遊べます。
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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ヘルシンキ旅行メモ2 図書館・書店


(旅行メモを更新する暇ないまま帰国しました。メモの続きを。)

Espoo郊外の小さな図書館を見学させてもらいました。フィンランドの図書館は、本を読むだけでなく、電子化もすすんだ情報の拠点であり、地域コミュニティの拠点、開かれた学びの場でもあります。

Espooに限らず、各地域にたくさんの図書館があります。一方、小学校すべてに図書館があるわけではないそうです。図書館は、基本的に自宅の近所にあり、子どももひとりで歩いて出かけます。(ただし、都市部で駅の大型モール内にある場合などを除く)

見学させてもらった日は、夏休みが始まったところで、近隣の子どもたちがやって来て工作のワークショップに参加していました。

子どもだけでなく、バギーに赤ちゃん乗せたお母さんも、シニアも、のんびり過ごしています。ここは絵本のコーナー。

学校の授業でも利用されていて、近所の小学校から、ひとクラスでやってくることもよくあるそうです。担任の先生が、図書館に限らず、美術館、博物館などへ児童を連れて出かけるとのこと。日本では、担任の先生の裁量での学外授業は、なかなか簡単ではないですよね。
他に日本との違いを感じたのは、絵本。日本では、未就学児は、絵がメインの絵本を大人に読んでもらうことが主流です。対してフィンランドでは、絵本を読んでもらうこともありますが、小学校へ上がる頃には、この程度の文字量+挿絵の本を自分からすすんで読むのだそうです。

行き当たりばったりに歩いたヘルシンキ市街地で、ひときわ趣があり気になった建物がありました。ひとりで動いていた別の日にもたまたま通りがかり、GoogleMapで図書館であることは確認できたので、思い切って重い扉を開けて入ってみました。

Rikhardinkatu図書館、外観も内観も歴史を感じます。
高い天井、重厚な空間に圧倒されます。どのフロアにも、木の机+椅子の部屋と、間接照明のゆったりしたソファスペースがあって、自宅のリビングに居るようにくつろいで本を読む姿がありました。階段の踊り場に大きな老犬も眠っています。


夜19時から、中央の吹き抜けの空間で現代舞踏のパフォーマンスが始まり、誰でも自由に観ることができました。

建物は旧いですが、WiFi完備、電子書籍、機器の貸し出しがあり、諸々の手続きはICカードでしている様子でした。写真右:フィンランド語で書かれた内容は不明ですが、掲示板にポストイットがいっぱい貼ってあります。

アアルト大学 (Otaniementie)の図書館は、テーブル、椅子も全てアアルトデザイン。

国立図書館は、毎度タイミングはずしてしまい開館時間内に行けずじまい。次回に。

有名な老舗書店。何度か足を運びました。天窓は、開いた本をイメージしているとのこと。2階アアルトデザインのカフェは眺めただけ。

宿の近く、住宅地にある素敵な書店。地階に降りると居心地よいソファスペース、奥の真っ白なギャラリースペースでは、コンサートもするそう。さらにその奥にも隠れ家的小部屋あり。



長居したくなる魅惑の書店でした。

図書館も書店も(書店はたまたまその店がそうだったにすぎないかもですが)本の提供だけではなく、文化育成(過去のアーカイブ+未来)、地域コミュニティ拠点としての活動、教育を本気でやっています。Rikhardinkatu図書館は、もう溜息ものでした。フィンランドの読書量は世界一とよく聞きますが、その懐の深さを垣間見たようでした。

ヘルシンキ旅行メモ
ヘルシンキ旅行メモ1幼稚園
ヘルシンキ旅行メモ2 図書館・書店
ヘルシンキ旅行メモ3 リサイクル・アップサイクル
ヘルシンキ旅行メモ4 社会の中の学びの場
ヘルシンキ旅行メモ5 街の中のデザイン
ヘルシンキ旅行メモ6 番外(宿、食事)
ヘルシンキ旅行メモ7 雑感

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@札幌市えほん図書館(北海道)


3月19日日曜、昨年11月にオープンした札幌市えほん図書館でワークショップをしました。
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この図書館の新設にあたり、デジタル導入を検討する実証実験として札幌市中央図書館へお招きいただきワークショップをしたのは、おととし6月のことです。
どんな図書館になったのだろう、わくわくした気持ちで1年半ぶりの札幌へと向かいました。

えほん図書館は、地下鉄白石駅に直結の白石区複合庁舎の最上階にあります。
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その名のとおり絵本専門の図書館で、蔵書数は当初は15000冊、ゆくゆくは2万冊程になるそうです。デジタル絵本などのデジタルコンテンツも利用できます。
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館所有のiPadが3台あり「ピッケのつくるえほん」も入っています。

午前9時開館で、朝から親子連れでにぎわっていました。
陽が射しこみ床も書架も白木で全体に明るく、書架の高さが低く揃えてあるので見通しがよく広く感じます。入ってすぐのあかちゃん絵本のコーナーは、靴を脱いで入る丸く囲まれたスペースです。奥のテラス側にも、読み聞かせできるコーナーと木製家具でおままごとを楽しめるカーペット敷きコーナーが設けられていました。
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子ども用トイレ、多目的トイレや授乳室、水飲み場もあります。
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おはなし会などに使う「おひさま」「おつきさま」と名付けられた部屋があり、ピッケは、前日の事前講習会、日曜のワークショップとも、「おつきさま」を利用させていただきました。

さて当日。午前は4~6歳の親子、午後は小学1~4年生の子どもたちが参加してくれました。

絵本のお話を少しして、贈る相手を決めてつくり始めます。8人中6人はママへプレゼント、他は、妹へとパパへがそれぞれひとりずつでした。
未就学児の回は、保護者の方もお子さんの隣に座っていただいて、録音や文字入力の操作を必要に応じてお手伝いいただきます。でも実はこれは表向きの理由で、お話が生まれるその瞬間に立ちあわせてあげたいのです。皆さん一様に、お子さんの語る物語に驚かれます。ただし、くれぐれもお話づくりには口を挟まぬよう、良い聴き手であるようお願いしています。
4歳の女の子が、次々浮かぶお話をおしゃべりしています。お母さんは手を出さずにこやかに聞いていらして、女の子はますます自由に楽しんでいました。写真は録音中の様子です。
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続いて、印刷した展開図を製本しました。大好きな車がいっぱい登場するお気に入りの一冊ができました。4歳男の子。
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発表会。自分の作品が上映される時は、嬉しくて、でもちょっと照れくさい様子です。
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兄(6歳)と妹さん(4歳)は大の仲良し。お兄ちゃんは妹へ贈る絵本をつくりました。
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午後の小学生の回は、ご父兄の方には後部席から見学いただきました。録音時のみ、子どもたちからの希望があれば声の出演をしてもらいます。
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午前とは異なり、制作中はしーんと静かになりました。
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実証実験をするなど、数年をかけてじっくり検討し生まれた新しい図書館は、従来の、子どもたちが絵本を読む/読んでもらうことに加えて、想像+創造できることも志向する図書館となっていました。
とはいえ、創作できる場を平素から用意することは、通常業務だけでも多忙な、限られた人数の職員の方だけでは、なかなか難しいことでしょう。図書館が地域の核となり、地域の皆さんが気軽に集い、その中で子どもたちを見守ることができれば理想的です。
ピッケに限っていえば、見守る大人がひとり居てくれれば、操作方法等は子どもたちの教え合いで習得できることでしょう。もしまたいつか伺える機会がありましたら、子どもたちを支えるサポータを育てることもお手伝いさせてほしいと願っています。
デジタルも取り入れたこんなに素敵なえほん図書館ができて、そこでピッケも使っていただけるなんて、夢のようです。ありがとうございます。札幌がひょいと行ける距離でしたら、ときどきお手伝いに行きたい気持ちです。

自作のいちばんお気に入りの場面を開いた絵本作家さん8人。
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子どもたちの作品をmovieでご覧いただけます。
午前回(4~6歳)8作品

午後回(小学1~4年生)8作品

※ 8作品が順番に自動再生されます。うまく連続再生されない場合は、直接YouTubeの再生リストから個々の作品をご覧ください。
  午前回(4~6歳)の再生リスト 午後回(小学1~4年生)の再生リスト

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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最初のピッケ:「ピッケのおうち」15年以上昔につくったもので、iPadやスマホ上では動作しません。マウス操作のパソコンでのみピッケと遊べます。
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @藤枝市立岡出山図書館


10月29日土曜、藤枝市立岡出山図書館(静岡県)でワークショップをしました。寺社や公園の緑に包まれた落ち着いたたたずまいの図書館です。
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兄弟姉妹、家族ぐるみで参加してくれたり、参加者同士が幼稚園や学校の友達で知合いだったり。子どもたちが司書さんと親しく言葉を交わす姿も多く見られ、地域に根ざした図書館なのだなと感じました。

いつものように、最初にプレゼントする相手を決めてからつくります。
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おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、友だち。自分へ贈るとした子もいました。乗物が好きな弟さんのために「けんちゃんだいすき」と題した絵本をつくった5歳のお姉ちゃんもありました。
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おはなしを録音します。小さな子どもたちは保護者と一緒に。
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2年生の男の子は、まずメモに書いてしっかり発話していました。
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続いて、紙の絵本をつくります。
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ホチキスで綴じます。お母さんに押さえてもらって、パチン。
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発表会。5歳女児作「みんないっしょ」の最後の場面「ボールあそびもたのしいな」
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いちばん気に入っている場面を開いて記念撮影をしておしまい。
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ワークショップ終了後、館1階の受付担当者に自分の作った絵本を楽しそうに見せてくれる子どもたちが大勢いたそうです。

完成作品をいくつかご紹介しますね。まず、4歳児さんの2作品。
「うみのなかのいきもの」かんすけくん(4歳)
おじいちゃんとおばあちゃんへ贈る絵本。

「たのしいはっぴょうかい」ほのかさん(4歳)
お友達のみすずちゃんへ贈る絵本。

小さい子たちが感心した4年生の作品です。
「かめさんとばったりあったよ」なのかさん(小4)
おばあちゃんへ贈る絵本。

「きれいなにじ」リコさん(小4)
お友達へ贈る絵本。

今回は、司書の方がネットで見つけて問合せくださったところから始まり、メールや電話での打ち合わせを経ての当日でした。遠方から講師を招くことははじめてだそうで、企画を通すことも実施に至るまでも、さぞご苦労あったことと推察します。IT系を含む準備や当日のファシリテートも万全で心強く、さらに、ウェルカムボードで迎えてくださったり、館長さん自ら駅までお送りくださったり、心づくしも嬉しい限りでした。

いつもの常連さんだけでなく、今回のワークショップのために初めて岡出山図書館を訪れた親子もあったそうです。
この岡出山図書館のような近隣の子どもたちが集う場で、読んでもらったり自分で読むことに加えて、自らも創ることで、言葉や物語に親しむことができたらいいな、さらには物語を通して交流が生まれるとよいなと願います。
たくさんの子どもたちに、おはなしをつくる楽しさ、語る楽しさを届けたいです。大人にとっても、我が子の作品はもちろんのこと、子どもたちの作品を読む/聴くことはとても楽しいですよ。

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高遠と伊那の図書館 ~江戸の図書館、昭和の図書館~


長野県の伊那市で開催された「信州発・これからの図書館フォーラム」に参加しました。
記憶うすれていくのがもったいなくて、以下まとまらないまま覚書きメモ。

高遠図書館(現 高遠町図書館)は、明治41年に地元有志による会員制の私立図書館として始まった。
中村不折(「吾輩は猫である」挿絵、新宿中村屋の商品表記などで知られる)による書。
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江戸時代の貴重な資料の数々。
印刷技術誕生の前なので当然なこととはいえ、手で書き写した書物の質と量に圧倒された。「知」の蓄積そのもの。
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天文学は農業にも必須。
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医師の馬嶋家が何代かに渡り、書き写した文庫。膨大な量。
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浅間山の噴火の被災地図。立体になっていて、煙が流れた方向もわかる。被害がどこまで及んだかが細かに記載されている。
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洪水の被災記録。(同様の震災版もあり) 複数人が四方から取り囲み読むことを想定した文字の向き。
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高遠藩藩校「進徳館」も見学。
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「ひとりの落伍者も出さない」互いに学びあう場。それは、新しい時代を迎えようとする幕末において藩にとっての死活問題であったから。儒学にとどまらず、和学、漢学、兵学、砲術、後には洋学も講するなど、実践学を重んじた。
ここで学んだ多くの人が、維新後に教育者となった。この精神はDNAとなり信州の近代教育に今も引き継がれている。

上伊那図書館(現 伊那市創造館)、昭和5年に地元の製糸家の寄付で竣工。
建物の外観も内装も素敵。鉄筋コンクリート建築、外壁に高遠焼(タイル)が貼られている。
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往時の書庫がそのまま残る空間。
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戦前戦中の貴重な資料もアーカイブされている。
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戦火から守るために東京から送られた資料を預かったり、戦後、進駐軍に接収されるとなったとき、資料を守るため大急ぎで他所へ送ったりした。

どちらの館でも、これらを残そうとした人々、保管し後世へ手渡そう伝えようとした人々が居て、長い年月経て今ここにあると思うと、胸が熱くなるよなグッとくるものありました。

アプリ「高遠ぶらり」 。高遠、伊那、内藤新宿の古地図がアーカイブされている。GPSをオンにしたスマホを片手に、江戸時代の地図上の場所を表示しながら街歩きができる。

<自分の関心に引きつけての自分メモ>———-

情報がのるプラットフォームが紙の本である時代が長く続いたために「図書館」と呼ばれているが、集積したいのは「情報」である。プラットフォームは、紙の本とは限らない。
プラットフォームがデジタルになることで、より自由になる。紙は定着し腰を据える感じ、デジタルはフットワーク軽くなる感じ。
むろん、紙の本が魅力あるプラットフォームであることは変わらない。今回のツアーでも大いに魅了された。同じ資料をWebのブラウザ上で見ても、この感動はないだろう。強さがある。
人や物や場所もまた、情報のプラットフォームである。(例えば、ランチタイムに伊那の名物「ローメン」を頂きながら伺った長谷部さんの話。林業から猟師へ。仕留めた鹿を活かしたくて、料理人に転向。マトンでなく鹿を使ったローメンを考案。地産地消になるようごま油を菜種油に、七味も地元のものを使用。「長谷部さん」という「人」に、地域課題、経済、食などリアルな情報がのっている)

デジタルアーカイブは、視聴覚の魅力が強まる、共有や発信がしやすい。一方、再生するための機器も合せて持ち続けなければならないという弱点もある。(平成の今、江戸時代の書物を手にとり読めることを思うと、息が長いのは、むしろ紙の本だったりするわけで…)

インターネットの普及により、個人が膨大なデータベースにアクセスして必要な情報を得ることがとても手軽になった。(得られる情報の質はさておき)
そんな中で図書館へ足を向かわせるには、情報の見せ方(キュレーション)や、人が居る、人と繋がることのライブ感を活かす。明治の高遠図書館では、レコード鑑賞会や、実験や研究など、多様な活動が行われていた。
ネットで手に入る平均化された一般情報よりも、その地域に密着した課題や情報が強い。図書館は、情報が行き交う地域のコミュニティとなりうる。

デジタルの良さは、「創造」への敷居を大きく下げ、「創る」をエンパワーすることにもある。
「創る」ことには、あらゆる学びがつまっている。私自身は、そこに関わっていきたい。
関連ブログ: 子どもたちの考える「未来の図書館」

家庭、学校など教育機関、地域社会。3つが緩やかにつながった多様な社会全体で子どもたちを育てたいと常々考えている。図書館は、その3つともにまたがるではないか、と、今回ハタと気付いた。
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生活知と乖離しない、真の知や学びは、楽しい。

未来に思いを馳せるとき、過去の知の集積にあたり起源を知ることは役立つ。
例えば「進徳館」での実践の学び、学びあいは、いま盛んに言われてるアクティブラーニング。

——— 以上

実に、わくわくする1日でした。眺めも素晴らしかった!
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写真をFacebookのアルバムにアップしました。>>こちら
このフォーラムの主催、仕掛け人である県立長野図書館 平賀研也館長によるまとめ>>こちら

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@江戸川区立松江図書館


「春の読書週間ワークショップ」イベントとして2日間、東京都江戸川区立松江図書館で絵本づくりをしてきました。29日は松江図書館の誕生日(現在の建物が完成した日)でもあるそうで、そんな日にお招きいただき光栄でした。
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初日の28日は、大人対象。子どもたちと行なっている絵本づくり活動の内容や意味について簡単にお話して、絵本づくりを体験いただきました。
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グループに分かれ、おはなし絵カードを使っての自己紹介から始めて、体験後には同じメンバーでふりかえりや共有をしてもらいました。
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最初どう作ればよいか悩まれていた方が、中盤から見事な追い上げで2人のお子さんへ贈る絵本を完成なさいました。ふりかえり時に次のようなコメントをくださいました。「贈る相手がきまったら沢山色々な事がでてきました」「子どもに一番何を伝えたいのかどういう風に育っていってほしいのか自分の考えが明確になった」「絵本で何を伝えたいか考える中で自分の気持ちに気がついた」

2日目29日の子ども回も、人数の関係もあって全体での大画面の発表はせずに、グループ内での発表としました。
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そのため最初にグループ内で自己紹介をしてもらいました。子どもたちにも同じ絵カードを使ってもらいましたが、こちらは難易度を下げ、大人回では3枚としてところを、好きなことや場所や食べもの、得意なことを1~2枚のカードを選んで話すとしました。
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高学年ほど超大作になる傾向があり録音時間が足りなくなる子もあったのですが、終了後に残って仕上げていました。

2日間の絵本作品は、5月以降、図書館内で展示されるそうで、楽しみです。

主催の図書館さんへ、何がきっかけでお声掛けくださったのかをお尋ねしたところ、数年前にご自宅でとっている新聞でピッケのワークショップの記事を読み、いつか職場の図書館でやってみたいと切り抜いて大事に取っていてくださったのが最初と知りました。機が熟して提案してくださり、そこから区の予算取り等の手続きもあるので、さらに1年以上をかけて準備、企画してくださったのでした。
子どもたちに、絵本を読んでもらう楽しみに加えて、自ら絵本をつくる楽しみも味わってもらいたいです。それを今回は、幅広い世代が集う地域の図書館で、図書館の方が動いて実現してくださったことがとても嬉しく心強いです。

追記:
図書館内で展示されたそうです。江戸川区立図書館のTwitter投稿より。
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @和歌山県田辺市 と熊野の森


8月23日日曜日、一般社団法人グリーンエデュケーションのお招きで絵本づくりをしてきました。会場は和歌山県立情報交流センター「Big・U」。ICT系設備も充実の広々とした施設です。図書館(詳細は後述)や、時間が足りなくて見れなかったのですがプラネタリウムまであるそうです。
和歌山県立情報交流センターBig・U
床にも天井にも地元の紀州材がふんだんに使われています。
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会場の飾りつけを手伝ってくれた女の子。
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4歳~9歳の子どもたちが親子で参加してくれました。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さんお母さん、いとこ、友だち等に贈る絵本を作りました。
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お父さんといっしょに録音中。
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友だち同士で相談したり教えあったりしながら。
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デジタル絵本の次は紙の絵本をつくります。
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いよいよ発表会。身を乗り出して見入っています。
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仲良しの友だち&姉妹の4人組。開いた見開きは、それぞれがいちばん気にいっている場面です。
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「Big・U」館内に、和歌山県立紀南図書館があります。
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これが、血の通った、実に密度濃い素敵な図書館なのです。
昨年秋の未来の図書館を考えるワークショップで、子どもたちが絵本に描いてくれたのは「人が集いつながる図書館」でした。私自身も、本を借りるだけでなく、人が集いつながる図書館、想像し創造できる図書館が日本中にできる日を夢みています。この紀南図書館ではいち早く、紀南の人や文化を大切にしコラボレーションすることで、地域の人が集いつながる場を積極的につくろうとされています。

紀州材の高い天井からは地元作家さんの切り絵作品が下がり、ゆらりと揺れています。物語の一場面の平面作品の他に、立体作品の鯉もあって眼をひきました。低い書棚の上には地元の伝統工芸である紀州手毬が飾られていて、手毬の展示の下には関連書籍があります。中央部の天井が円錐形の天窓になっていて音が程よく響きます。それに気づいて、閉館後の時間に大人のための読み聞かせ会を開催されたそうです。また、植芝盛平氏と合気道関連本の特設コーナーもありました。合気道開祖の植芝氏は、地元田辺市の出身なのだそうです。近く紀南文化会館で合気道演武大会が開催されるので、それに向けての展示とのことでした。坪野賢一郎館長をはじめ職員の皆さんでアイディアを出し合ってさまざまな試みをされていて、嬉しくなる場でした。

主催のグリーンエデュケーション代表の水野雅弘さんの経歴が実にユニークです。TVの放送作家や音楽関係の映像プロデューサからコンサルティング業界へ。お子さんの誕生を機に再びメディアの世界へ戻り、環境問題に関わる内に「外から見るだけではわからない、暮らしてみよう」と、10年以上住んだ横浜を離れ4年前に南紀熊野へ移住されたそうです。自宅も築20年の日本家屋をリフォーム、畑を耕し、ソーラー発電でのオフグリッド生活を目指されています。
ワークショップ前日に、熊野の森で実験中のオフグリッドタイニーハウスを見せてくださいました。屋根がソーラーパネルになっていて、照明、冷蔵庫、パソコンくらいの電力なら充分にまかなえます。窓を開けると風が通って涼しく、眺めも抜群で、泊まってみたくなりました。
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途中「霧の郷たかはら」という熊野古道にある宿でランチをごちそうになりました。水野さんの友人であるオーナーが、敷地内につくったアースバッグハウスを案内してくださいました。床面積が10m2以内であれば建築確認申請の手続きが不要とのこと、基礎工事は無しで earth bag=土のうを積み上げて、たった4か月で作ったそうです。
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1日6時間働いて滞在費フリーとしていて、長期滞在の外国人に大人気、かなり先まで予約が埋まっているとのこと。この日はフランスの方が宿泊中。快く中を見せてくださいました。内装も可愛いです。眼下の眺めも素晴らしく、天空の宿といった趣です。
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他に熊野本宮大社、大斎原、真名井社へも案内していただきました。なかでも、もともとの社殿があった大斎原は、空気の澄んだ気持ちの良い場で、心身に風が通り抜けるようでした。
人も場もすべての出会いに感謝する2日間でした。ありがとうございました。南紀熊野、ゆっくり再訪したいです。

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。
子どもたちの作品紹介と嬉しい後日談は、次のブログへ。

追記)主催のグリーンエデュケーションさんが、レポートをアップしてくださいました。記録映像付き!

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @札幌市中央図書館


6月28日日曜日、札幌市中央図書館にお招きいただき、絵本づくりワークショップをしました。来秋以降 (仮称)絵本図書館を開設するにあたっての、デジタル導入を検討するための実証実験とのこと。重責を感じながら札幌入りしました。
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図書館の皆さんはお気持ちもフットワークも抜群で、直前1時間のざっくりとしたレクチャーで操作方法も進行手順も把握してくださいました。おかげで子どもたちを迎える頃には私の緊張も解け、親子8組の皆さんと一緒に私自身も楽しみながら絵本づくりができました。

導入に絵本の話をして、ふだんは借りたり買ったりしている絵本を今日は自分でつくること「みんなが絵本作家です」と伝えます。
5~8歳の子どもたち、操作方法を聴くときは真剣そのものです。
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贈る相手を決めて、それぞれに作ってゆきます。未就学の子どもたちはお話を声に出しながらなので、実ににぎやかです。
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パパへプレゼントする絵本をつくる1年生。水のない場所で遊んでみたかったあひるさんが、友達に誘われはじめて公園で遊んだお話です。
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おじいちゃんへプレゼントする絵本。8歳。海へ出かけたうっきー達にいったい何が起こったのでしょう!?
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思い思いの場所で録音。お父さんやお母さんに声で出演してもらう親子もありました。
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上映会。8作品それぞれに個性豊かな作品となりました。子どもたちの想像力と創造力は、いつも私たち大人の予想を上回ります。
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終了後、いちばん気に入っているシーンを開いた絵本を手に、皆で記念撮影をしました。
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さっそく翌日の北海道新聞にも、ワークショップの様子が掲載されたそうです。

昨年9月の未来の図書館を考えるワークショップで、子どもたちのつくった絵本を思い出しました。そこには、多様な人々があつまり、ともに過ごし(たいていカフェがあります)人のつながりが生まれる未来図が描かれていました。
人が集いつながる図書館、本を借りるだけでなく想像し創造できる図書館。
そんな図書館が日本中にできる日を夢みています。その先駆けとならんとする札幌の皆さんにお招きいただけて、とても嬉しく光栄でした。

こちらから子どもたちの作品をmovieでご覧いただけます。
※ 8作品が順番に自動再生されます。

うまく連続再生されない場合は、直接YouTubeの再生リストから個々の作品をご覧ください。

みらいドットDNPさん公式レポートも公開されました。
「絵本の楽しみ方が変わってきた!?「札幌市中央図書館 デジタルえほん実証実験」」

未来の図書館「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @デジタルえほんミュージアム


15日(月・祝)未来の図書館について考えるワークショップを、新宿区立中町図書館、ドットDNPさんとのコラボで行いました。
会場は、中町図書館から徒歩圏のデジタルえほんミュージアム。
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図書館は、個人的にも関心あるテーマで、このお話をいただいた時はちょうど、菅谷明子さんの「未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―」を再読中でした。(10年以上前に書かれた本なのですが、今読んでもちっとも古くなくて面白いです)
そんなわけで大いにはりきったものの、いきなり 「さぁ今日は未来の図書館をテーマに絵本を作りましょう!」というわけにはもちろんいかず、いつものワークショップの時間にプラスして、導入の時間と考える時間をとる必要があります。お願いして、当初の計画より30分余分に時間を頂戴することにして、それでも2時間半。デジタル絵本と紙の絵本の両方をつくり発表会もというリクエストなので、かなりシビアに時間配分を考えねばなりません。そして、大きく漠然としたテーマを、もう少しイメージしやすいよう、子どもの生活に近いところから考え始められるものにしたい。かといって、現実的になりすぎても面白くないし。さて、どうしよう。資料を集め、構成を考えるのは、とても楽しい時間でした。

未来を考えるとき、まずは現在、そして過去について知ること。「起源」は大事です。
参加は、小学4~6年生(最終的には3年生がひとり混じりました)新宿区立の小学校在籍で、大半が中町図書館の地区の子どもたち。日頃から親しみある中町図書館の、でも会ったことはない鹿島館長から、図書館の日頃の業務や、世界/日本の図書館の歴史、図書館の役割について、最初にお話いただくことにしました。たった5分の中に、歴史にも触れてほしいという無理をお願いしましたが、中町図書館内の写真などを使いながらわかりやすく紹介してくださいました。
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続いて、私から世界のいろんな図書館を紹介。これも5分なので、イメージを広げやすいビジュアルあるもので繋げました。
・立地がユニーク(ツリーハウスイベントでの図書館、海底ホテル内の図書室)
・町の中のマイクロ図書館ネットワーク(little free library
・動く図書館(コロンビアのロバの図書館、オランダのBieb Bus、タイの水上図書館など)
・紙の本が無い図書館も(digital book mobile
・図書館ではないけれど、デジタルになることでプラットフォームが自由になる例(チームラボ×ダイキン工業 雲プロジェクト
・自分たちの町の図書館を、皆でアイデアを出し合ってつくる(愛知県豊橋市)

それから、アイディアシートに各自で書いてもらい、グループ内で発表。互いの質問やアドバイスをうけてブラッシュアップ。
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参加者の募集も、3人ずつのグループに分けることも、図書館の方がしてくださいました。兄弟姉妹や友だちで参加のペアはそれぞれ別のグループに分かれて、学校も違う「はじめまして」どおしのグループになりました。
3年生女児と6年生男児、すっかり仲良しになっていました。
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次に、「伝えるためにアイディアを物語にする」を考えるヒントに、絵本を紹介。モニカ・ブラウン作「こないかな、ロバのとしょかん
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書画カメラで映しながらあらすじを話したあと「この絵本は、最初にムービーで見てもらった コロンビアの小学校の先生ルイスさんのお話です」と種明かし。(途中で気づいていた子もいました)
この絵本では、ロバの図書館がやってくるのを心待ちにしている 本好きな女の子アナ側から見たお話として描かれていますが、もしアナの視点ではなく、ルイスさんの視点、2頭のロバ、アルファとベットの視点、あるいは、ルイスさんがやってくると その木陰がひととき図書館になる樹の視点など、他の視点から描くと同じ話がどう変わるかを想像してもらいました。(実際、市販されている絵本には、ルイスさん側から描いた1冊もあります)
「皆のアイディアを一番よく伝えるには、誰の視点からのどんな物語にするとより伝わるでしょう」と投げかけると、子どもたちの表情がパッと考える顔つきに変わるのがわかりました。で、そこで時間をとってあげられればよいのですが、進行の都合上無理なので、アプリの使い方の練習しながらのマルチタスクをお願い。子どもたち、ちゃんと付いてきてくれました。

ここからはiPadを使って、まず絵だけで4見開き。次に表紙と裏表紙を作成。アイディアの特徴を伝える絵本の題名も考えます。
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早く終わった人のみ本文に文字を入力。それから録音。
居心地よい場所を見つけて、それぞれで録音中。
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録音内容を綿密に書く子もいます。
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続いて、紙の絵本を製本。
進捗に差がついてしまったので、揃うのを待つと発表会はあまり時間がとれなくて、かなりの駆け足になってしまいました。
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鹿島館長から講評をいただき、ふりかえりをしてお開き。
子どもたちの作品から、いくつか紹介しますね。

6年生男児「本が読みたい」——————
場所:飛こう機の中
ひと:飛こう機でほかのところへいく人
特徴:シートベルトが消えているときだけ利用でき、きんきゅうのときのために いすにはシートベルトがついている(食べ物は食べれない)
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5年生女児「大きな木のある小さな図書館」——————
場所:森の中の大きな木の中
ひと:子どもからおとしよりまで→ペットも!
こと:本の貸しかり、カフェ、マッサージ(チェア)、おかし(お茶会)、ねる
特徴:真ん中に木、木でできた図書館、上(天じょう)ガラス、人工しば
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3年生女児「海の中の図書館」——————
場所:海の中
ひと:ダイバーとかもぐってくる人
こと:本をよんで自動でのみものとかたべものとかがでてくる
特徴:海の中をおよぎながら本をよめる
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5年生男児「土の中の図書館」——————
場所:地下(土の中)
ひと:人・動物
こと:本の貸し出し 土の中を見たり どこにあるかわからなくなる(たまに動く)
   入る時は、どこかに穴があり、そこからすべって入る。
   午後1時から午前3時まで
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5年生女児「いつでも、どこでも!想像で行ける図書館」——–
場所:みんなの頭の中
ひと:だれでもこれる(動物も!)
こと:だれかが頭の中で「いきたいな…」と思ったときにこれる。
   好きな本を選んでプレートにおくと かりることができる。
   本は(こんな本が借りたい)と思うと、それに関連した本が たなにでてくる。
特徴:電子本もある。動物の大きさ、高させいげんは10kg以内と1.5m以内。
   その図書館に来ても、1人だけだということは絶対にないのでさびしくならない!!!
   物 かえす期げんをすぎると その人のなにかをうばわれる
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「土の中の図書館」作者の5年生男児は、録音が照れくさくて、上映の時点では表紙以外は無音でした。ほんとは音も入れたかったのではと思い、終了後に声をかけてみたところ、残って最後まで仕上げてくれました。嬉しいことに、アンケートの感想に「すごくたのしかった」、図書館でこれからしたいことは「自分の本をいっぱいつくる」と書いてくれていました。

今回は、①未来の図書館のアイディア出し、②そのアイディアを物語に変換する、という大きな2つの山を入れねばならず、2時間半では無謀かも、という懸念もありました。でもいつも、子どもたちの柔軟性、発想、創造力はこちらの予想を上回るので、ワークショップの回数を重ねるほど、そこは子どもたちなんとかしてくれるだろうと思えるようになり、実際、今回も期待以上に応えてくれました。

ピッケの絵本づくりワークショップでしたいことは、3つあります。
1)言葉や物語の楽しさや喜びを味わう。
2)自分のつくったお話を語り聴いてもらう楽しさを知る。それは、自分を認めること、人を信じることにつながる。
3)つくる側になる。衣食住どれにおいても消費者であることが多い子どもたちに、いつだってつくる側に回っていいんだと感じてほしい。

たまにご父兄から、お話の作り方、起承転結などの指導がほしかったなどの声もあるのですが、たった2時間ほどの中、まずお話づくりの楽しさを味わうことを優先しています。楽しければ、もっと良くしたくて、勝手に友だちの作品から学び、工夫する、自走式になります。正統な手法や文法の習得よりも、むしろ、実は創造も表現も得意なのに、正しい文法が使えなかったり規定枠に合せることが難しいため学校で低い評価を受け自分でも低く自己評価してしまっている子どもにこそ、本来の力を自由に発揮してほしいのです。

「未来の図書館」テーマの今回特にしたかったのは、上記の1)~3)に加え3)をさらに発展させ、図書館など社会のインフラも、与えられた箱を使うだけではなくて、自分たちでアイディアを出して自分たちでつくっていくと感じてほしいということでした。
当初は支配者層や知識階級のものであった図書館が、欧米でも160年ほど前、日本ではたかだか60年ほど前にようやく市民誰にでも開かれた場になったことを知り、その連なりの先に、次は自分たちが作っていくのだと楽しみに思ってくれたらいいなと。

準備も当日も、今こうして子どもたちの作品を振り返ることも、ほんとに楽しいワークショップでした。鹿島館長をはじめ図書館の皆さん、毎回お世話になるドットDNPの皆さん、参加してくれた子どもたち、ありがとうございました!

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。
DNPさん(プロのカメラマンさん)撮影の写真はコチラです。
みらいドットDNPさん公式レポート「未来の図書館は土の中!?」

特製ほんだな「ピッケのつくるえほん」


立命館小学校1年生の特別授業でつくった絵本。
新谷先生が特製の本棚を作ってくださいました。
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屋根までついた「ピッケのおうち」型本棚です。
メッセージの看板付き:「1年生がロボットのじゅぎょうで小さな絵本をつくりました。ぜひ見てください!」
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メディアセンターという学内の図書室の、絵本コーナーに展示されています。上級生のお兄さんお姉さんにも、読んでもらえるといいですね!
子どもたちの絵本作品は こちら>>