Monthly Archives: 9月 2014

おでかけピッケ@大阪府立母子保健総合医療センター


ピッケ(パペット)と一緒に、大阪府立母子保健総合医療センターへ出かけてきました。
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今日も、チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の於保さんと一緒。なんとiPad10台を手持ちで運んできてくれましたっ、力持ち!(帰りは宅急便)
入院中の子どもたち10人ほどと、付添のご父兄の方も何人かご参加くださり、絵本づくりをしました。楽しみに待っていてくれて、皆がそろうのを待ちきれないほど。少し練習したあと、お姉ちゃんへ、ママとパパへ、など、家族へ贈る絵本をそれぞれ作りました。夢中になりすぎて、つい、もう少しもう少しとなってしまうのですが、疲れてはいけないので1時間少々で区切りとしました。
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子どもたちにとって、お話を作ること自体が楽しいのはもちろん、絵や言葉でお話をつくることで、長い入院生活で知らず知らずたまった様々な気持ちを解放することができます。ご父兄にとっても、子どもさんの心の内を垣間見ることができます。
小児がんなど長期入院中の子どもたち。治療でたいへんな思いしている入院中だからこそ、楽しい体験をさせてあげたいと願っています。
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チャイケモだけでなく、他の小児病院へも出かけます。チャイケモのアートディレクター於保さんと私とでiPadを持って伺いますので、ご希望ありましたらお気軽にご連絡ください。

※ iPadの提供(2014年度)は、iOSコンソーシアムの文教チームによるものです。

チャイルド・ケモ・ハウス
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がん専門治療施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

未来の図書館「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @デジタルえほんミュージアム


15日(月・祝)未来の図書館について考えるワークショップを、新宿区立中町図書館、ドットDNPさんとのコラボで行いました。
会場は、中町図書館から徒歩圏のデジタルえほんミュージアム。
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図書館は、個人的にも関心あるテーマで、このお話をいただいた時はちょうど、菅谷明子さんの「未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―」を再読中でした。(10年以上前に書かれた本なのですが、今読んでもちっとも古くなくて面白いです)
そんなわけで大いにはりきったものの、いきなり 「さぁ今日は未来の図書館をテーマに絵本を作りましょう!」というわけにはもちろんいかず、いつものワークショップの時間にプラスして、導入の時間と考える時間をとる必要があります。お願いして、当初の計画より30分余分に時間を頂戴することにして、それでも2時間半。デジタル絵本と紙の絵本の両方をつくり発表会もというリクエストなので、かなりシビアに時間配分を考えねばなりません。そして、大きく漠然としたテーマを、もう少しイメージしやすいよう、子どもの生活に近いところから考え始められるものにしたい。かといって、現実的になりすぎても面白くないし。さて、どうしよう。資料を集め、構成を考えるのは、とても楽しい時間でした。

未来を考えるとき、まずは現在、そして過去について知ること。「起源」は大事です。
参加は、小学4~6年生(最終的には3年生がひとり混じりました)新宿区立の小学校在籍で、大半が中町図書館の地区の子どもたち。日頃から親しみある中町図書館の、でも会ったことはない鹿島館長から、図書館の日頃の業務や、世界/日本の図書館の歴史、図書館の役割について、最初にお話いただくことにしました。たった5分の中に、歴史にも触れてほしいという無理をお願いしましたが、中町図書館内の写真などを使いながらわかりやすく紹介してくださいました。
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続いて、私から世界のいろんな図書館を紹介。これも5分なので、イメージを広げやすいビジュアルあるもので繋げました。
・立地がユニーク(ツリーハウスイベントでの図書館、海底ホテル内の図書室)
・町の中のマイクロ図書館ネットワーク(little free library
・動く図書館(コロンビアのロバの図書館、オランダのBieb Bus、タイの水上図書館など)
・紙の本が無い図書館も(digital book mobile
・図書館ではないけれど、デジタルになることでプラットフォームが自由になる例(チームラボ×ダイキン工業 雲プロジェクト
・自分たちの町の図書館を、皆でアイデアを出し合ってつくる(愛知県豊橋市)

それから、アイディアシートに各自で書いてもらい、グループ内で発表。互いの質問やアドバイスをうけてブラッシュアップ。
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参加者の募集も、3人ずつのグループに分けることも、図書館の方がしてくださいました。兄弟姉妹や友だちで参加のペアはそれぞれ別のグループに分かれて、学校も違う「はじめまして」どおしのグループになりました。
3年生女児と6年生男児、すっかり仲良しになっていました。
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次に、「伝えるためにアイディアを物語にする」を考えるヒントに、絵本を紹介。モニカ・ブラウン作「こないかな、ロバのとしょかん
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書画カメラで映しながらあらすじを話したあと「この絵本は、最初にムービーで見てもらった コロンビアの小学校の先生ルイスさんのお話です」と種明かし。(途中で気づいていた子もいました)
この絵本では、ロバの図書館がやってくるのを心待ちにしている 本好きな女の子アナ側から見たお話として描かれていますが、もしアナの視点ではなく、ルイスさんの視点、2頭のロバ、アルファとベットの視点、あるいは、ルイスさんがやってくると その木陰がひととき図書館になる樹の視点など、他の視点から描くと同じ話がどう変わるかを想像してもらいました。(実際、市販されている絵本には、ルイスさん側から描いた1冊もあります)
「皆のアイディアを一番よく伝えるには、誰の視点からのどんな物語にするとより伝わるでしょう」と投げかけると、子どもたちの表情がパッと考える顔つきに変わるのがわかりました。で、そこで時間をとってあげられればよいのですが、進行の都合上無理なので、アプリの使い方の練習しながらのマルチタスクをお願い。子どもたち、ちゃんと付いてきてくれました。

ここからはiPadを使って、まず絵だけで4見開き。次に表紙と裏表紙を作成。アイディアの特徴を伝える絵本の題名も考えます。
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早く終わった人のみ本文に文字を入力。それから録音。
居心地よい場所を見つけて、それぞれで録音中。
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録音内容を綿密に書く子もいます。
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続いて、紙の絵本を製本。
進捗に差がついてしまったので、揃うのを待つと発表会はあまり時間がとれなくて、かなりの駆け足になってしまいました。
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鹿島館長から講評をいただき、ふりかえりをしてお開き。
子どもたちの作品から、いくつか紹介しますね。

6年生男児「本が読みたい」——————
場所:飛こう機の中
ひと:飛こう機でほかのところへいく人
特徴:シートベルトが消えているときだけ利用でき、きんきゅうのときのために いすにはシートベルトがついている(食べ物は食べれない)
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5年生女児「大きな木のある小さな図書館」——————
場所:森の中の大きな木の中
ひと:子どもからおとしよりまで→ペットも!
こと:本の貸しかり、カフェ、マッサージ(チェア)、おかし(お茶会)、ねる
特徴:真ん中に木、木でできた図書館、上(天じょう)ガラス、人工しば
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3年生女児「海の中の図書館」——————
場所:海の中
ひと:ダイバーとかもぐってくる人
こと:本をよんで自動でのみものとかたべものとかがでてくる
特徴:海の中をおよぎながら本をよめる
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5年生男児「土の中の図書館」——————
場所:地下(土の中)
ひと:人・動物
こと:本の貸し出し 土の中を見たり どこにあるかわからなくなる(たまに動く)
   入る時は、どこかに穴があり、そこからすべって入る。
   午後1時から午前3時まで
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5年生女児「いつでも、どこでも!想像で行ける図書館」——–
場所:みんなの頭の中
ひと:だれでもこれる(動物も!)
こと:だれかが頭の中で「いきたいな…」と思ったときにこれる。
   好きな本を選んでプレートにおくと かりることができる。
   本は(こんな本が借りたい)と思うと、それに関連した本が たなにでてくる。
特徴:電子本もある。動物の大きさ、高させいげんは10kg以内と1.5m以内。
   その図書館に来ても、1人だけだということは絶対にないのでさびしくならない!!!
   物 かえす期げんをすぎると その人のなにかをうばわれる
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「土の中の図書館」作者の5年生男児は、録音が照れくさくて、上映の時点では表紙以外は無音でした。ほんとは音も入れたかったのではと思い、終了後に声をかけてみたところ、残って最後まで仕上げてくれました。嬉しいことに、アンケートの感想に「すごくたのしかった」、図書館でこれからしたいことは「自分の本をいっぱいつくる」と書いてくれていました。

今回は、①未来の図書館のアイディア出し、②そのアイディアを物語に変換する、という大きな2つの山を入れねばならず、2時間半では無謀かも、という懸念もありました。でもいつも、子どもたちの柔軟性、発想、創造力はこちらの予想を上回るので、ワークショップの回数を重ねるほど、そこは子どもたちなんとかしてくれるだろうと思えるようになり、実際、今回も期待以上に応えてくれました。

ピッケの絵本づくりワークショップでしたいことは、3つあります。
1)言葉や物語の楽しさや喜びを味わう。
2)自分のつくったお話を語り聴いてもらう楽しさを知る。それは、自分を認めること、人を信じることにつながる。
3)つくる側になる。衣食住どれにおいても消費者であることが多い子どもたちに、いつだってつくる側に回っていいんだと感じてほしい。

たまにご父兄から、お話の作り方、起承転結などの指導がほしかったなどの声もあるのですが、たった2時間ほどの中、まずお話づくりの楽しさを味わうことを優先しています。楽しければ、もっと良くしたくて、勝手に友だちの作品から学び、工夫する、自走式になります。正統な手法や文法の習得よりも、むしろ、実は創造も表現も得意なのに、正しい文法が使えなかったり規定枠に合せることが難しいため学校で低い評価を受け自分でも低く自己評価してしまっている子どもにこそ、本来の力を自由に発揮してほしいのです。

「未来の図書館」テーマの今回特にしたかったのは、上記の1)~3)に加え3)をさらに発展させ、図書館など社会のインフラも、与えられた箱を使うだけではなくて、自分たちでアイディアを出して自分たちでつくっていくと感じてほしいということでした。
当初は支配者層や知識階級のものであった図書館が、欧米でも160年ほど前、日本ではたかだか60年ほど前にようやく市民誰にでも開かれた場になったことを知り、その連なりの先に、次は自分たちが作っていくのだと楽しみに思ってくれたらいいなと。

準備も当日も、今こうして子どもたちの作品を振り返ることも、ほんとに楽しいワークショップでした。鹿島館長をはじめ図書館の皆さん、毎回お世話になるドットDNPの皆さん、参加してくれた子どもたち、ありがとうございました!

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。
DNPさん(プロのカメラマンさん)撮影の写真はコチラです。
みらいドットDNPさん公式レポート「未来の図書館は土の中!?」

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@東京大学情報学環・福武ホール ラーニングスタジオ


CollableCAMP、ピッケ(グッド・グリーフ) の3団体協働での障害のある子もない子も一緒に学ぶ場作りのプロジェクト、第3回目を実施しました。

9月7日日曜日、小雨ふる秋の気配の福武ホール。
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今回も、開始前のアクティビティは、あえて、ピッケともお話づくりとも関係ない絵カードつなぎゲームをしました。
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最初の自己紹介では、名前と「夏たのしかったこと」を、それぞれ紹介してもらいました。
次に、おはなしづくりに入る助走的な活動として、2チームに分かれて、カードを引きお話を繋げていく遊び。
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できあがったお話をチーム全員で読み上げて発表する頃には、すっかり気持ちがほぐれています。

はたこうしろうさんの「なつのいちにち」と、ジオンさんの「はちうえはぼくにまかせて」の2冊で、絵本のおはなしを少し。
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「ピッケ、おうちでもしてる!」と言ってくれる子もいて、練習はそこそこに本番へ。
前回10見開き前後の長いお話をつくる子が増えすぎてしまい、時間が足りなくなってしまったこともあり、今回は基本は4見開きと決めました。
贈る相手は、お母さんやお父さん、もうすぐ敬老の日ということで、おじいさんおばあさんとした子も多かったです。
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絵ができあがったら録音。
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出力した展開図を切って製本します。
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「発表したいひと~!」と手を挙げてもらい、順番に発表していきました。
作品を観たあとに質問や感想を募ると、お話のすみずみ細かな点もよく見ていることがわかります。
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ここで予定の3時間が経過。前回 時間切れであきらめた鑑賞会を、駆け足でしました。ポストイット片手に皆の作品を見直し、次々感想を貼っていきます。
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今日の活動を写真でふりかえり、アンケートを書いてもらって、お開き。

このプロジェクトは、様々な発達状態にあるお子さんが一緒に混じっての活動です。途中多少走り回る子がいてもOK、教室へ入れなくてもOK。創りたい気持ちはあって、その子なりの調整をしているので。
聴覚過敏のある子はうるさい声や拍手の音なども苦手だそうで、教室の外で皆から離れて作成。後半、本を工作するときには、教室の中へ入ってきてくれました。がんばって録音もして(録音は特に、ひと一倍たいへんだったことでしょう)、長丁場を最後までやり遂げました。お母さんの支援のなさり方が見事でした。

友だちどおしで参加している子たちは、互いの様子が気になり気遣って様子を見に行ったり、彼らなりのやり方で励ましています。最初お母さんと離れるのが心細くて泣いてしまった女の子も、さいごまでがんばり、アンケートに「たのしかった」と書いてくれていました。いろんな子がいることで、子どもたちどおしの関わりあいが生まれ、場もリラックスするように感じます。
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これまでの3月と6月の開催時には、午前午後2回実施しましたが、今回はワークショップは1回のみにして、終了後のオールスタッフでのふりかえりミーティングに時間をかけました。ひとりひとりの子どもについてエピソードを書きだして壁面に貼り付けて皆で共有。これが、想像していた以上に興味深かったです。ひとりの子についての時間経過の垂直方向、周辺の子どもとの関わりという水平方向、加えて、それぞれの子どもたちへのファシリテータからの働きかけとそれに対するリアクションという多層多視点になって、子どもひとりひとりの活動を浮き彫りに立ちあがらせてくれる感じ。
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ファシリテーションの立場からも、自分がその子と接した点が、その子のトライのどの段階だったのかが見えたり、有効でなかったと感じていた自分の言葉がけが、その後、ちゃんと子どもにアクション起こさせていたことがわかったり。
嬉しいのは、どの子も、上手くいかないことや自分の中での葛藤があったとしても、そのせいで立ち止まっても、とにかく工夫し時にはファシリテータに助け求めて、なんとかやりくりして作品完成のゴールへたどりついていること。私たち大人は、カッコ悪くなったら、何か理由づけしてやめてしまうこと多々ありますが、子どもにはそれがない(短期で見てあったとしても、なんとかしようとしている)。子どもの精神のみずみずしさ、進んでいくひたむきさは素晴らしいです。
そして速度や方法に個人差はあったとしても、どの子からも語ろう創ろうとする意欲や他人を認める肯定感が強く感じられて、人間は誰しも本来はそうなのだと思えて、なんだか励まされるようでした。

また、ファシリテータひとりひとりが、とてもよく子どもたちを見て考えて、さらに互いの動きも見て動いているので、そこからも学べること多くて、ほんとに深いです。

神戸へ戻ってきて全作品を見直しながらひとりでふりかえりをしていると、子どもたちの、つくっているときの真剣な顔、発表の順番がまわってくるまでの心配で不安な顔、みんなの拍手にほっとした顔、友だちの作品のユーモアに大笑いしてる顔、みんなが書いてくれた感想を読んでほころんでる顔…、いろんな顔が思い出されて、その時間を一緒に過ごせる幸せを感じます。ありがとう。
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たった3ヶ月に1度、参加してもらえる人数も少なくて、小さな試みにすぎないけれど、この「場づくり」をしっかり積み上げていくことで見えてくることがきっとあると思っています。

今年度は、あと2回(12/7、2/1)実施予定です。どうぞご参加ください。
(参加希望者が多くて毎回抽選になっています。開催の数週間前にCAMPさんのWebサイトから募集告知が出ます)

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。