Category: 日々の暮らし・雑感

「絵本」にまつわる話


実は、先の「教科書に載った小説」の「絵本」で、祖母のことを思い出しました。(「絵本」という以外に共通点はありません)
私事ですが、書き留めておきます。

昨年の夏の終わり、祖母が暮らす両親の家で1泊を過ごしました。
昼下がり、8歳の姪がピッケの絵本を作るというので、父のPCで1作つくり、3冊製本しました。1冊は自分、1冊は3歳の妹、1冊はひいおばあちゃん(祖母)にあげるのだと言って。
絵本ができあがり、祖母が寝たり起きたりで過ごしていた1階の座敷へ、3冊を携え駆け下ります。3歳も、とことこついてきます。
3人で祖母が座る座椅子を囲むと、姪は少し得意げな様子で、絵本のページをめくりながら大きな声で読み上げました。ピッケの絵を見て「たみちゃん(=私)の?」と問う祖母に、「ちがう、私が作ったの」と表紙の作者名のところを指し示します。
日頃「お年寄」に会うことがなく、腰が90度以上に曲がった祖母を時に恐がり泣くことさえあった3歳の姪も、この日はリラックスした様子で、祖母にもたれ顔を寄せ絵本をのぞきこんでいます。
祖母は、補聴器をつけてはいるものの、ほとんど聴こえていません。おそらく訳はわからず、でも、とにかくも、こうやって曾孫2人と孫(私)とが、自分のためにと絵本を読んでくれるのですから、嬉しそうな様子で聴いていました。
「おしまい」となり、閉じた裏表紙に持ち主のなまえとして自分の名前が入っているのを見て、眼を丸くします。(初期の仕様では、裏表紙に持ち主の名前を入れる欄があったのです)
姪が同じ絵本を3冊並べ、裏表紙の持ち主名を示しながら、「これは私、これは妹。これはひいおばあちゃんにあげるの。どうぞ」と手渡すと、なんとなくはわかったようで「ありがとう」と嬉しそうに受け取りました。
その3週間後、祖母は息を引き取りました。92歳の大往生でした。
もらった絵本を、ずっと大事に、繰り返し繰り返し読んでいたそうです。葬儀の日、他の遺品とともに絵本を棺に入れました。
初孫だった私は、幼少の頃から特に可愛がってもらいました。
大好きな祖母とのさいごの風景が、姪っ子たちと一緒にピッケの絵本を読んだおだやかな時間であることは、とても幸せです。
先月、その祖母の一年祭でした。
今でも、守られている気がします。

新緑の陽ざし


先週の東京は、凍える寒さ。
でも、たくさんの仲間や友人と心ゆくまで話し
嬉しい「はじめまして」もあって、心は温かに満たされました。
某大学のデジタルメディアのゼミ&ゼミコンにも潜入。
「ゼミナール」たるものかくあるべしの自由闊達な学問の場。
活きの良い学生さんたちからも刺激を受けました。

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   潜るだけのつもりが、プレゼンしてしまった。

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今日の神戸は陽ざしも風もキラキラ。
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ランチのあと緑の下を歩くと
胸の中にまで光が射し、風が通るようです。

お花見2009@夙川


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恒例のお花見に出かけてきました。
駅で待ち合わせて、まず ゆっくりランチをして
桜の下をそぞろ歩いて、また ゆっくりお茶をして。
と、何が主目的かわからぬお花見。
毎年変わらぬ春の風景。この平和が嬉しいのです。

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ブログをさかのぼると…去年も同じ4/5日曜に行ってますね。
写真も、ほとんど同じです。(笑)  この3枚は今年撮ったものですよ。

初トラックバック!くじけし…


以前 「ピッケの」で検索して出てきた「ピッケのお弁当」
なんだろう? とのぞきに行った先に
とっても可愛いピッケの黄色い顔のお弁当!
Tomoyuiさん のブログでした。
嬉しさのあまり、突然のコメントをつけて、驚かせてしまったのでした。
(おまけにブログに不慣れでどこにコメント欄があるのかわからず
 掲示板に書いてしまった…。)
子どもさんのために作ったアイデアと可愛さがあふれるお弁当とパンがいっぱいのページです。センスの良さにつくづく感心、エピソードになごみます。おなかは少々空きますけれど。(しばらくお休みとなっていますね)

さて ゆうべ、また嬉しいブログを発見してしまいました。
「ピッケのおうち」を、4歳の息子さんと楽しんでくださっている様子。
豆本までつくってくださっているのです。そして、息子さん自身で、おそらく A4のコピー用紙を折りたたんでの、オリジナル豆本づくり。
山のてっぺんにのぼって、おーい!って叫んで、パラシュートで降りてくる。 いいなぁ~。
またもや嬉しくてつい書き込みそうになりましたが、また驚かしてしまうかも。 そうだ、トラックバックなるものをしてみよう と思いました。

いざっ、まず記事を書いて、っと。 書きました。
で、これで、どうするのでしょう。
調べて、やってみます。

追記:
残念、FC2のユーザーでないとトラックバックができないみたいです。
というわけで、アップロード後はや5分にして撤退、タイトル変更。
「初トラックバック」→「初トラックバック!くじけし…」

鬼祭@安久美神戸新明社


「つくるえほん」プロジェクト追い込み中。
でも、どうしてもあきらめきれずで、午前しごとの後
愛知まで日帰り決行。 鬼祭をみたかったのです。

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場所は、安久美神戸新明社。あくみかんべしんめいしゃ。
「こうべ」ではなく「かんべ」です。

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日本の国のはじまりの神話を田楽にとり入れ、祭の神事としたもの。
赤鬼は暴ぶる神を、天狗は武神を表わし、神社創立当時から
農作物の豊穣を願い、執り行われてきたのだそうです。
地元の氏子町の方によって、何100年も伝承されています。

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「浦安の舞」をちらりと見れて

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厄除けのタンキリ飴まき

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御的の神事

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赤鬼と天狗のからかいの神事 この途中で引き上げ。

丸2日間、朝から深夜まで、神話に基づいた多くの神事が行われています。ひとつひとつは、とても素朴な所作の繰り返しです。
来年はぜひ、前夜の青鬼出動、岩戸舞~ とおして見てみたいです。
日本の神話の奥深さに、とても魅かれます。

神社の方にタンキリ飴をいただいてしまい
これで無病息災、厄除けも間違いなしです。
さて、リリースまで残り2週間、がんばらなくては!

あと1ヶ月!


2月になってしまいました。
開発は着々すすんでいます。主な部分はできてきました。
あと白紙状態のページは、原稿もデザインも私待ち。
仕事が速い人ばかりで、やっとの思いで渡した途端、何でもすぐ片付いてしまうのです。 当の本人が、すっかりボトルネック状態です。
こんな強力サポートの下で作れるなんて、ほんとになんて幸せなことでしょう。 がんばらねばバチがあたります。
と言った先から、コンセプトページの原稿を書こうとPCに向かったものの、こうやって脱線中…。

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土曜朝は、身体のメンテナンス。「三軸修正法」で、ゆがみを治してもらっています。
体育会系に混じり浮いてますが↑こんなところでまで応援いただいています。感謝!

ワークショップ開催のお知らせ(1/25@東大福武ホール)


あっと言う間に年の瀬ですね。
暮れの静かな街並みを駅に向かうと、町内イベントなのか餅つきの音。
その音に、祖父母宅の裏庭での遠い日の情景が立ちのぼってきました。

せいろで蒸しあがったばかりの熱々を、叔母が両手でホッホと臼まで運び、祖父、父、叔父が代わる代わるついてゆきます。
餅を返す手際の良さは、やはり祖母がいちばんで、かっぽう着の曲った腰のまま、指先まで赤くなった手ですばやく返します。子どもの私は、そのリズミカルで絶妙な間合いの掛け合いを、まばたきもせず見つめていました。年に1度のはずなのに、祖父母や父たちが、どうしてこうも巧みに杵を扱い毎年同じようにできるのか、不思議でもあり大人はすごいと尊敬もしました。
つきあがった餅を、離れで女性陣が丸めてあんころ餅にします。「手を洗ってらっしゃい」の言葉に、この日ばかりは素直に従った10人ほどの小さな頭が並び、懸命に丸めます。あんこを多めに包もうとして破れたり。小さい子たちも、どうにか丸くはして、盆の上にそっと置きます。自分の餅には名前貼りたいくらいの気持ちです。「これ私のだからね」って。

冷たい冬の空気、湯気、杵の音、大人や子どものいそいそ華やいだ様子、手のひらで丸めた感触まで。まるで昨日のことのようにまざまざとよみがえり、しばし、祖父母や取り壊された屋敷に想いを馳せました。
冬の静けさは、心を澄ませてくれるようで気持ちのよいものですね。

肝心なコトを忘れるところでした。
ワークショップのお知らせをしようと、久しぶりにブログを書き始めたのでした。(前回の更新から、こんなに日が経っていたとは… スミマセン。)

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■「ピッケのつくるえほん」ワークショップ ■

会場: 東京大学情報学環・福武ホール地下2階
    「福武ラーニングスタジオ」
日時: 2009年1月25日(日)
   ・幼児クラスA  10:00~11:30 
   ・幼児クラスB  13:00~14:30 
   ・小学生クラス 15:00~17:00
   *小学生クラスのみ所要時間が2時間となります。
定員: 各クラス10名
参加費:各回3,000円(税込み)
講師: 朝倉民枝
主催: NPO法人CANVAS

*参加お申込みは、CANVASの詳細サイトエントリーフォームから。
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来年2009年、最初のワークショップです。
10×3=30。30の新しいお話が生まれる場に、また立ち会えます。
とっても楽しみです。