Category: 公教育

おでかけピッケ@阪大病院院内学級


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)のCLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)西尾さんと一緒に、大阪大学医学部附属病院の分教室へ出かけて、2コマ90分で絵本づくりをしました。
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クリスマスも近いので、クリスマスの絵本も2冊持って行きました。子どもたちが知っていそうなのを1冊、知らないかなを1冊。
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小児医療センター内にも、大きなツリーが飾られていました。
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5年生の女の子は、おじいちゃんへ贈る絵本を、楽しんで録音していました。気球に乗っておじいちゃんのところへと出かけます。
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デジタル積木を工夫して、ケーキ、雪だるま、ツリー、プレゼント箱。丁寧に作り込んで「クリスマスイブ」の情景を作った子もいました。

体調のすぐれない子は、なんとか2見開きまで作って病室へ戻りベッドで横になりました。しんどい中で考えてくれた題名を聞き取って、代わって入力しました。「森の音楽会」音が聞こえてくるような絵本になりました。

病院のよいところは、それぞれが違うことが当たり前であること。「皆と同じように」録音できたり、「皆と同じように」がんばれなくていいのです。それぞれが納得や満足のいくようつくり、子どもたち同士も先生方も互いを尊重します。ただついどの子も、つくりたくて無理しがちになるので、日頃の様子や病状を把握している先生方が気を配ってくださいます。

治療でたいへんな思いしている入院中だからこそ、楽しい体験をさせてあげたい。チャイケモ・クリニック楠木院長先生やチャイケモの皆さんが進めてこられた活動を、わずかながらお手伝いしています。入院中の子どもたちのところへ、チャイケモの方と一緒に絵本づくりに伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がん専門治療施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

おはなし絵カードでお話づくり@せんりひじり幼稚園


7月7日、大阪府豊中市にあるせんりひじり幼稚園へ出かけてきました。
副園長のかえで先生と一緒に取り組んでいる、言葉と物語に関わる「創る」遊びの2回目です。前回が個人ワークだったので、今回は、グループワークをメインでやってみたいと考えていました。

到着すると、かえで先生とさっそく場所の相談です。前回は園庭やテラスを使いました。猛暑の今日は、広いホールの大テーブルか2階の図書室は?ということで、皆で図書室へ移動。参加してくれたのは、5~6歳年長さんの女の子たちです。
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少し難しいかなと思いながらも、絵だけでも見せたくて、初山滋画の「たなばた」を持っていきました。
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パラパラと何場面かを見せているとお話を聴きたい子が前へ集まってきたので、結局、最初からさいごまで読みました。読み終わって感想をきくことはしていないのですが、本を閉じた時、近くで熱心に聴いていた子が「悲しいお話ね」と静かに言いました。

今日使うのはお話絵カードです。
手始めに、1人1枚ずつひいてリレー式にお話をつくることをしてみました。一応は繋がったのですが、ひとりが自分のひいたカードが気に入らず「これやだー、別のに替える~」と言い始めると「私もヤダー」が次々伝播。
さてどうしようかな。場の空気を切り替えるために「そう。じゃあ、好きなのを1枚選んでみて」と言いました。すると熱心に吟味して選びます。なぜ好きなのか、理由を話してもらうことにしました。
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ケーキ。ドーナツ。アイスクリーム。カレー。カレーが好きな理由は「コーンが入っているから」。きっとおうちのカレーに入っているのですね。
食べ物を選ぶ子が多い中、さいごのひとりは「宇宙」。
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「今日は、1年に1回 彦星と織姫が会う日だから」。この子は、皆の騒ぎからは少し離れていて、本棚の絵本を取り出して読んだりもしながら、でも終始、よく聴いてよく考えていました。
かえで先生も参加。選んだのは「雷」、意外な選択にみんなびっくりしています。なんでも、田んぼに雷が落ちるとマイナスイオンが放出して、稲に栄養をもたらすのだそうです。科学的な話をわかりやすく説明してくださいました。私もはじめて知りました。そういえば「雷」の字は「雨」に「田」ですし、「稲妻」=稲が好むものですものね。雷がちょっと好きになりました。

次に、今度は絵を見ずに計3枚をひいてもらい、その3枚でお話をつくってもらいました。(また「替えたい~」が出始めたので、1回1枚だけ替えていいことにしました)
作ったお話を、全員が前で発表。その様子をムービーに撮りました。
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そろそろ時間切れとなってきました。実は7人で1作品つくり録音もしてムービー化をやってみたかったのですが、無理はせず、今日はここまで。
と思ったら、ひとりの子が、5枚のカードを並べ、順番を入れ替えながらお話を推敲し始めました。
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語ってくれたのはこんなお話です。「おうちでうっきーがクリスマスイブにプレゼントをあけたら中味はケーキでした」(本人の言葉まま)。雪のカードを「クリスマスイブ」にあてていました。
他の子も「もう少ししたい」というので、短い時間でできる、ひとりが選んだ1枚のカードについてヒントを出して、他の子が何のカードかを当てる、を数問やってみました。
新しいあそび方を子どもたちが見つけてくれるといいなぁ。

さて、ほんとにおしまい。皆で色ごとにカードを集めて片づけ、ホームクラスへ戻って、他の子たちも一緒に作品発表の記録ムービーを観て、お開きとしました。
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せんりひじり幼稚園での実践を見ていると、本気の遊びが子どもを育て、その遊びの中に生活に結び付いた深い学びがあるのだと、つくづく感じます。
つい最近もこんな事件があったそうです。日頃から皆で野菜を育てています。そろそろ食べごろのナス。金曜日、「あとちょっとおいて、月曜に収穫しようね、どうやって食べる?」「つけもの!、焼きナス!、味噌汁!」週明け楽しみに通園してくると、なんとナスが落ちて、食い散らかされていたそうです。誰のしわざか、皆で推測。食べたカミ痕から、これは鳥がついばんだんだ、きっとカラスだ! どう対策するかをみんなで話し合いました。キラキラしたCD盤がいいんじゃないか、いろんなアイディアが出て、かかしを作ることになったそうです。設計図を描く子。材料を集めて作る子。かかしに名前も付けていて、その名も「かわしままもる」くん。サッカーのキーパーの名前+「守る(護る)」なのだそうです。ときに話し合いが激しくなりすぎる時もあるそうですが、子どもの自治にお任せ。
いいなと思うのは、クラス全員がかかし作りをしているわけではなくて、この事件が気になって一緒にしたい子だけでしていて、サッカーが好きな子は、かかわりなくサッカーしているということ。
新しいクラスは4月から始まるので、今の時期は未だぶつかりあいがあったり、ハラハラする応酬もあるそうですが、互いの関係性のつくり方や協働することを自分たちで身につけていって、1年が過ぎる頃には、落ち着いてくるのだそうです。子どもたちを「信じて任せる」が揺るぎなく続けられていて、素晴らしいです。

しばらく先になりそうですが、3回目を今から楽しみにしています。

オープンキャンパスとゲスト講義 @環太平洋大学


6月19日日曜日、岡山のIPU・環太平洋大学(INTERNATIONAL PACIFIC UNIVERSITY)のオープンキャンパスにお招きいただきました。
1990年まずニュージーランドに開校、2007年には岡山でも開学。今年で9年目の若さあふれる大学です。緑に囲まれた広いキャンパスに安藤建築が3棟も点在しています。

メイン会場となった学舎
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アスリートホール(入口)
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カフェテリア
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八田さんというチャーミングな女子学生さんが終日アテンドに付いてくれました。
ダンス部のエキシビションで華やかに幕を開け、学生さんの司会進行で進んでいきます。学校紹介のムービー上映、それに続く大橋博理事長の講話は心に響きました。用意した原稿を読むとは対極の、来校した子どもたちへの心をこめた言葉がけでした。「教える側がその気になれば子どもは付いてくる。やり直したいことがあればIPUへおいで。自分のやりたいことを形にするのがIPU。やる気になるかの違いだけ。自分の夢をかなえよう」子どもたちへの愛や教育への熱い想いが伝わってきました。大橋節子学長からも「折れない、やめないIPU」とお話がありました。教育成果のひとつの指標である就職率も驚きの高さです(正確な数字は忘れましたが、ほぼ100%に近い高率)。客席に姿の見えたOBOGを檀上に招き、即興でスピーチを依頼、ふたりともが堂々と話したことにも感心しました。ひとりは東京で大手生命会社に勤務、もうひとりはインドの学校で先生をしているそうです。
マーチングバンドやチアリーディングのパフォーマンスもハイレベルで、来校の目的を忘れてしまうほど楽しみました。
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ランチのあと、こども発達学科の模擬授業として高校生対象にピッケ絵本づくりをしました。贈る相手を決めて、あとは自由につくってもらいました。小さい妹や弟へ、歳が近くてつい喧嘩しがちになる妹への「けっきょくなかよしなふたり」もこの年頃らしいです。女子高生2人組でつくった担任の先生へ贈る絵本も素敵でした。「いつも困らせてばかりでごめんね」「あとちょっとだけど こんな私たちをどうぞよろしく」ふたりで声をそろえて録音していました。(太陽が先生です)
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翌20日(月曜)は、こども発達学科2年生の授業でゲスト講義をしました。
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物語づくり活動についての活用事例(きらめき保育園での活用、女子大での活用 作例movieなど)や子ども作品紹介のあと、40分ほどを絵本作りと作品発表に充てました。ほとんとが保育や幼児教育へとすすむ学生さんたちとのことでしたので、幼稚園児に贈る絵本をグループ制作してもらいました。食べ物の好き嫌いの克服、集団遊びの中での喧嘩→ごめんね、困り場面に助けてくれる人登場→ありがとう、現代版竜宮城へ行く、はじめてのおつかい(がフェイントで)ユーモア絵本、あたまじゃくし→かえるの成長絵本、もりのくまさんを絵本にした歌絵本など。
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講義室後方で黙々とつくっていた男子学生グループの作品を紹介します。
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「アッ!あぶない!!」 IPUけいさつ作


繰り返し3回の構成、声の演出(役割分担、声色使い分け、リズム)、表紙は危険を示す赤色、惹きつける題名、テーマに合せたチーム名、恐い3場面のあとの裏表紙にみみちゃん(うさぎ)が甘いドーナツを食べるシーンをもってくることで読み手に安心感を与える配慮、出演者を総出演させ、悪役だったうっきー(猿)を端っこに涙目で配置するさりげないユーモア。この短時間で、よくここまで練り、作りこんだものです。
他どのチームも、声がよく出て録音がしっかりできていて感心しました。

「人間力を育む」教育における「ICTを活用した保育を学ぼう」という趣旨でお声がけいただき光栄でした。ICTを子どもの創造表現活動に活かせる保育者や幼児教育者が、IPUから巣立つことが心強いです。
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小学2年生がプレゼン作成


放課後の課外教室で「ピッケのつくるプレゼンテーション」を活用してくださっているということで、見学&ゲスト講師として出かけてきました。迎えてくれたのは、はつしば学園小学校(大阪府堺市)の2年生と3年生の子どもたち。自分で作ったクレーン車について、1枚のスライド「作品紹介カード」にまとめます。

4月5月に、滑車やおもり、車について基礎学習をしたあと、おもりで動くクレーン車を1人1台作ったそうです。
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前時からスライドづくりに入り、クレーン車の写真を読み込み、自分のクレーン車を名づけてタイトルとするところまでが済んでいます。本時は、ゲストの私がソフトの操作を説明した後、自由に制作してもらうことになりました。
スタート時は、全員のスライドが、テンプレート通りのほぼ同じ見た目です。
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制作途中の様子から、いくつか紹介します。

タイトルも「タイヤにひっぱられるくん」ですから、「注目」してほしいのは、もちろんタイヤです。丸で囲んでありますね。クレーンがすごい馬力で家ごと引っ張りあげるので、ピッケがびっくりして飛び上がっています。
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構造としては、吊り上げられたおもりが落ちる時に、紐を通してその力が車軸に伝わり、巻かれた糸がほどけることにより車軸が回転するのだそうです。デジタル積木を使って解説しています。
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もしクレーン車が港で活躍したとしたら、いっぱいの荷物も軽々と荷揚げします。
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大半が2年生の子どもたち、自分のつくったクレーン車の良さを伝えるにはどうすればよいか、切り口や表現を工夫して、友だち同士わいわい楽しみながら作る様子に嬉しくなりました。
次回が最終回で、動き方や工夫したことを文字で入力して、作品紹介カードを完成させるそうです。残念ながら訪問はできませんが、完成した作品紹介カードを、後日見せていただくことが楽しみです。

大学でゲスト講義


6月1日。青山学院大学 教育人間科学部3年生、杉本卓先生のゼミでゲスト講義させていただきました。
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毎年この時期を心待ちにしていて、特に去年からは ピッケが入ったiPad mini 30台が導入され、1人1台環境で実際に作ってもらえるので、ますます楽しみなのです。
皆さんに見せたくて、絵カードやお話マグネット(ボードも)「ピッケのおうち」の紙工作類など大荷物で出かけました。
今年のゼミ生は全員女子学生。各自の関心領域で、物語作成が課題解決に有効であると思われる具体的な事例と対象者を想定して、絵本を作ってもらいました。
仲間はずれをテーマに、教科学習の深い理解に、食育をテーマに、幼稚園への通園で泣いていたかつての自分のような子どもを励ますために etc. たった30分でそれぞれまとめてくれました。
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以下、講義後に学生さんが杉本先生へ送った感想や気付きから抜粋。

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お話を聞いて、紙の絵本にはないICTを使った絵本の多様性に驚きました。実際にやって思いましたが、子ども達自身がiPad上で自分の頭のなかにある物語を、手を動かしたり、いろいろ試行錯誤することで目に見えるものとして創り出すことは、子ども達にとってとても充実した経験になると思いました。また便利すぎないようにアプリを作る際に工夫されたというお話を聞いて、従来からの教育現場の良さとICTを使うことの良さを程よく掛け合わせていて素晴らしいと思いました。
—–
・絵本アプリと聞いた時、子どもの遊びだろうというのが第一印象でしたが、実際にやってみると大人の私でもとても面白く、もっとやりたいと思いました。
・機能を最小限にするなど、しっかり子どもの視線に立っているのが分かりました。子どもが自ら成長できる場を考えるというのは、幼小の授業でよく聞きますが、その実現を見た気がしました。
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ITがどんどん発展していく中でアプリもどんどん発達していますが、そのアプリから実際の紙にうつしていくという考えが私の中ではありそうでなかったので驚きました。
私は、教育現場でもそうですが、ITのみを利用することにはあまり賛成ではなかったのですが、この絵本のアプリのようにデジタルとアナログがつながるようなものがあると、うまく連携して活動の目的ごとに使い分けることができて、さまざまな現場で応用して使うことができたら良いと思いました。
絵本作りは大学生になっても楽しいと感じました!!
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絵本は子供たちが読んで楽しむものであると考えていましたが、今回のお話を聞いて、子供たちにとって絵本は言葉以上に自分の心や考えを雄弁に語れるツールであり、想像をアウトプットしてかたち創っていけるものでもあるのだと思いました。
自分が作った絵本を誇らしげに自慢している子供たちの姿や、真剣にお話を作っている姿が印象的でしたが、特に子供たちが本当に楽しそうに取り組む姿が心に残っています。
スポーツや音楽、今回のようなものづくりなどを通して、時間を忘れて夢中になるという体験を子どもたちがすることは大切だと思っていて、ピッケのつくるえほんはその手助けになるのではないかなと思いました。
ICTを利用した製品というと少し難しくて、でも便利というイメージでしたが、逆にシンプルで誰でもつかえて、それでいて便利すぎないというのが味噌になっているところがとても興味深かったです。実際に絵本を作ってみて、私も熱中してしまいました。
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手書きを写真で撮って送った学生さんも。柔軟でいいなと思いました。
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高遠と伊那の図書館 ~江戸の図書館、昭和の図書館~


長野県の伊那市で開催された「信州発・これからの図書館フォーラム」に参加しました。
記憶うすれていくのがもったいなくて、以下まとまらないまま覚書きメモ。

高遠図書館(現 高遠町図書館)は、明治41年に地元有志による会員制の私立図書館として始まった。
中村不折(「吾輩は猫である」挿絵、新宿中村屋の商品表記などで知られる)による書。
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江戸時代の貴重な資料の数々。
印刷技術誕生の前なので当然なこととはいえ、手で書き写した書物の質と量に圧倒された。「知」の蓄積そのもの。
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天文学は農業にも必須。
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医師の馬嶋家が何代かに渡り、書き写した文庫。膨大な量。
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浅間山の噴火の被災地図。立体になっていて、煙が流れた方向もわかる。被害がどこまで及んだかが細かに記載されている。
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洪水の被災記録。(同様の震災版もあり) 複数人が四方から取り囲み読むことを想定した文字の向き。
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高遠藩藩校「進徳館」も見学。
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「ひとりの落伍者も出さない」互いに学びあう場。それは、新しい時代を迎えようとする幕末において藩にとっての死活問題であったから。儒学にとどまらず、和学、漢学、兵学、砲術、後には洋学も講するなど、実践学を重んじた。
ここで学んだ多くの人が、維新後に教育者となった。この精神はDNAとなり信州の近代教育に今も引き継がれている。

上伊那図書館(現 伊那市創造館)、昭和5年に地元の製糸家の寄付で竣工。
建物の外観も内装も素敵。鉄筋コンクリート建築、外壁に高遠焼(タイル)が貼られている。
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往時の書庫がそのまま残る空間。
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戦前戦中の貴重な資料もアーカイブされている。
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戦火から守るために東京から送られた資料を預かったり、戦後、進駐軍に接収されるとなったとき、資料を守るため大急ぎで他所へ送ったりした。

どちらの館でも、これらを残そうとした人々、保管し後世へ手渡そう伝えようとした人々が居て、長い年月経て今ここにあると思うと、胸が熱くなるよなグッとくるものありました。

アプリ「高遠ぶらり」 。高遠、伊那、内藤新宿の古地図がアーカイブされている。GPSをオンにしたスマホを片手に、江戸時代の地図上の場所を表示しながら街歩きができる。

<自身の関心に引きつけての自分メモ>———-

情報がのるプラットフォームが紙の本である時代が長く続いたために「図書館」と呼ばれているが、集積したいのは「情報」である。プラットフォームは、紙の本とは限らない。
プラットフォームがデジタルになることで、より自由になる。紙は定着し腰を据える感じ、デジタルはフットワーク軽くなる感じ。
むろん、紙の本が魅力あるプラットフォームであることは変わらない。今回のツアーでも大いに魅了された。同じ資料をWebのブラウザ上で見ても、この感動はないだろう。強さがある。
人や物や場所もまた、情報のプラットフォームである。(例えば、ランチタイムに伊那の名物「ローメン」を頂きながら伺った長谷部さんの話。林業から猟師へ。仕留めた鹿を活かしたくて、料理人に転向。マトンでなく鹿を使ったローメンを考案。地産地消になるようごま油を菜種油に、七味も地元のものを使用。「長谷部さん」という「人」に、地域課題、経済、食などリアルな情報がのっている)

デジタルアーカイブは、視聴覚の魅力が強まる、共有や発信がしやすい。一方、再生するための機器も合せて持ち続けなければならないという弱点もある。(平成の今、江戸時代の書物を手にとり読めることを思うと、息が長いのは、むしろ紙の本だったりするわけで…)

インターネットの普及により、個人が膨大なデータベースにアクセスして必要な情報を得ることがとても手軽になった。(得られる情報の質はさておき)
そんな中で図書館へ足を向かわせるには、情報の見せ方(キュレーション)や、人が居る、人と繋がることのライブ感を活かす。明治の高遠図書館では、レコード鑑賞会や、実験や研究など、多様な活動が行われていた。
ネットで手に入る平均化された一般情報よりも、その地域に密着した課題や情報が強い。図書館は、情報が行き交う地域のコミュニティとなりうる。

デジタルの良さは、「創造」への敷居を大きく下げ、「創る」をエンパワーすることにもある。
「創る」ことには、あらゆる学びがつまっている。私自身は、そこに関わっていきたい。
関連ブログ: 子どもたちの考える「未来の図書館」

家庭、学校など教育機関、地域社会。3つが緩やかにつながった多様な社会全体で子どもたちを育てたいと常々考えている。図書館は、その3つともにまたがるではないか、と、今回ハタと気付いた。
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生活知と乖離しない、真の知や学びは、楽しい。

未来に思いを馳せるとき、過去の知の集積にあたり起源を知ることは役立つ。
例えば「進徳館」での実践の学び、学びあいは、いま盛んに言われてるアクティブラーニング。

——— 以上

実に、わくわくする1日でした。眺めも素晴らしかった!
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写真をFacebookのアルバムにアップしました。>>こちら
このフォーラムの主催、仕掛け人である県立長野図書館 平賀研也館長によるまとめ>>こちら

ピッケで家庭科 (Win「ピッケのつくるプレゼンテーション」)


「ピッケのつくるプレゼンテーション」の作例を、数回に渡ってご紹介します。
6回目は家庭科です。

■ 野菜炒めのおいしさの秘密

調理実習のあと、考えを深めたいポイントについて、発表スライドにまとめます。サンプルでは、野菜炒めを美味しく作るための3つのポイントをまとめました。
実習の前に、工程を把握し調理のポイントをおさえる手順カードの作成にも使えます。

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ソフト(ライセンス)をお持ちの方は、上記サンプル作品データをダウンロードしてご利用いただけます。
・ 野菜炒めのおいしさの秘密 samp_yasaiitame1.pkp

作品データ(*.pkp)をダウンロードして任意の場所に保存(デスクトップなど)
トップページ右上の「インポート」ボタンを押して、保存した作品データ(*.pkp)を選択してください。

インポート方法1
※ サンプルは改変可です。学内での非営利のご利用については、ご自由にお使いください。
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ピッケで図工 (Win「ピッケのつくるプレゼンテーション」)


「ピッケのつくるプレゼンテーション」の作例を、数回に渡ってご紹介します。
5回目は図工です。

■ ランチョンマット

色彩と構成の楽しい学びとして、ランチョンマットを作ります。幼稚園のおやつタイム、モダンなカフェ、イタリアン、和食屋さん、ドーナツショップetc. 使用シーンを想定して、デジタル積木の色とカタチの制限の中でデザインします。A3サイズで出力すれば、実際に使えます。絵具で塗る、紙を切るなどの手法に比べ、思い切った配色や構成を躊躇なく試せます。

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■ 作品解説カード

夏休みの工作の解説カードを作ります。作品を写真を撮り、使った材料や工夫したところを記述します。作品発表会で用いる投影スライドとしてはもちろん、A5もしくはA4サイズで出力すれば展示作品に添える作品解説カードとしても使えます。
※ 画像は、廃材リユースのワークショップで小学1年生の男の子が作った作品です。許諾いただきお借りしました。

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ソフト(ライセンス)をお持ちの方は、これらのサンプル作品データをダウンロードしてご利用いただけます。
・ ランチョンマット samp_placemat1.pkp
・ 作品解説カード samp_sakuhincard1.pkp

作品データ(*.pkp)をダウンロードして任意の場所に保存(デスクトップなど)
トップページ右上の「インポート」ボタンを押して、保存した作品データ(*.pkp)を選択してください。

インポート方法1
※ サンプルは改変可です。学内での非営利のご利用については、ご自由にお使いください。
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ピッケで絵地図 (Win「ピッケのつくるプレゼンテーション」)


「ピッケのつくるプレゼンテーション」の作例を、数回に渡ってご紹介します。
4回目は社会です。

■ ぼくの/わたしの通学路

自分の暮らす町や通学路を、地図記号やデジタル積木を使って地図にします。地図にすることで、中から主観で見ていた町を俯瞰で客観視でき、特性や関連性が見えてきます。
「**にとって暮らしやすい町」や「防災に強い町」などテーマを設け、架空の町をデザインすることも、楽しい学びになります。
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■ **ができるまで

町の商店を取材して、あるいは工場への社会科見学後などに、「**ができるまで」を発表資料にまとめます。
消費者として見知った「製品」の生産工程を見学・取材し、原材料、製造方法、生産者の工夫を学びます。産業を糸口に、自身の暮らす地域の特性を知り関心をもちます。インタビュー方法(質問の準備、聴き方)や表現手法(生産工程に番号を振りわかりやすく整理等)を身につけます。
サンプルでは、4年生と2年生の姉妹が、実際にりんご農家である祖母を取材し、りんごジュースの作り方をまとめました。
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絵コンテ用紙をA4サイズのpdfで作りました。ダウンロード>印刷してご利用ください。
(画像クリックで開きます)
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ソフト(ライセンス)をお持ちの方は、これらのサンプル作品データをダウンロードしてご利用いただけます。
・ りんごジュースができるまで samp_ringojuice1.pkp
・ わたしの通学路 samp_tsuugakuro1.pkp

作品データ(*.pkp)をダウンロードして任意の場所に保存(デスクトップなど)
トップページ右上の「インポート」ボタンを押して、保存した作品データ(*.pkp)を選択してください。

インポート方法1
※ サンプルは改変可です。学内での非営利のご利用については、ご自由にお使いください。
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ピッケで英語 (Win「ピッケのつくるプレゼンテーション」)


「ピッケのつくるプレゼンテーション」の作例を、数回に渡ってご紹介します。
3回目は英語です。

■ 前置詞

日本語とは異なる英語の前置詞の感覚を、暗記に頼らず、視覚イメージとともに学びます。先生の話す英文を聞き取りながら、アイテムを指定の場所に置いていって、2枚目の状態から3枚目の状態に完成させます。
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出題者を先生にせず、2人組になって互いに問題を出し合ったり、事前に用意しておいた3枚目のような完成スライドを提示して、情景を英語で説明し合っても楽しいです。
英文例)——————
Let’s tell a story of a room on a sunny day.
Listen to the sentences and drag items where you are told.

A tulip flower is by the window.
A picture frame is hanging on the wall.
An apple is on the table.
A toy car is under the table.
A gift box is on the blue chair.
A book is on the other chair.
A balloon is floating above the table.
A ball is on the floor.
(text by Takako Yamaguchi)
——————
<操作の小技>
動かすアイテム以外の背景扱いとなるアイテムは、ロックしておくと、操作しやすいです。
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■ Fruit

果物、色彩、天気などの名前、基本の挨拶などを、楽しく学びます。サンプルは果物での例。7枚目は、自分の好きな果物を配置します。

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以前ご紹介した ピッケの「なんじかな?」を使って、時刻や時間ごとの生活シーンを簡単な英語で話してみるのもよいかと思います。

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ソフト(ライセンス)をお持ちの方は、これらのサンプル作品データをダウンロードしてご利用いただけます。
・ 前置詞 samp_preposition1.pkp
・ Fruit samp_fruit1.pkp

作品データ(*.pkp)をダウンロードして任意の場所に保存(デスクトップなど)
トップページ右上の「インポート」ボタンを押して、保存した作品データ(*.pkp)を選択してください。

インポート方法1
※ サンプルは改変可です。学内での非営利のご利用については、ご自由にお使いください。
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