Main Content

石井桃子さん


貯まっていた1週間分の新聞に眼を通していて、
今頃、訃報を知りました。
100歳のお祝いの記事を嬉しく読んだのが、
ほんの1年前のことなのに。

子どもの頃発見した、
図書館の本棚からはずれなく面白い本を選ぶ法則。
いしいももこ(石井桃子)、あるいは せたていじ(瀬田貞二)
と書いてある本を選ぶこと。
ももこ というお名前も、ピンクの桃が連想されて、おいしそうだし、
コレは面白い本だぞ のおしるしに、ぴったりでした。
石井さんの本で、どれほどわくわくさせてもらったことでしょう。

私にとって、ブルーナさんのうさこちゃんが、
決して「ミッフィー」ではなく、「うさこちゃん」なのは、
石井桃子さんの訳文が染みついているからです。

大人になって、
本づくりの他にも、ご自宅で文庫を開かれたり、
児童文学界に多大な貢献をなさったのだと知りました。

大切にしている3冊。

Img080407_1
左)
石井桃子さん、いぬいとみこさん、瀬田貞二さん、渡辺茂男さん、
松居直先生などの共著。
児童文学の恩人ともいえる方々の真摯な取り組みに
頭の下がる思いです。
右)
かつら文庫の立ち上げからの7年の記録。後半の「ちびくろさんぼ」の
分析など、子ども時代 夢中になった絵本の面白さの紐解きもあって、
なるほどー と思うことばかり。

Img080407_2
子ども時代の自伝。
吉井爽子さんの挿絵とともに、
豊かな情景、豊かな日本語があふれています。
生活に結びついた生きた言葉にあふれた幼少期が、
石井さんの言葉を育てたのだなとわかります。
克明な記憶力にも驚かされました。

Img080407_3

どうぞ安らかに。深い感謝をこめて…。