Category: ピッケのつくるえほん

おでかけピッケ@京都府立医科大学附属病院


京都府立医科大学附属病院の分教室(院内学級)へ、チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の井上さん(保育士さん)、川井さん(自立支援員さん)と出かけてきました。はじめて訪問させていただく病院です。小学部と中学部の合同授業として、2コマ90分で絵本づくりをしました。

分教室内には、モニタ、PC+プリンタ等が揃っています。京大附属病院と同じテレビ会議システムもあるので、教室へ来ることが難しい3人の児童生徒さんは、それぞれのベッドサイドから参加できました。各人での制作中は教室全景を映し、操作説明をするときには手元を大きく映しながら伝えます。

看護師さんの出入りもありながら、子どもたちそれぞれの病状やその日の体調に合わせて進めます。お薬がきいて眠ってしまった男の子は、皆と一緒に居たくて病室には戻らず最後まで参加しました。先生から「好きな色は赤」と教えていただき、お名前入りの赤色表紙+中は白紙ままの絵本として製本しました。

4年生男児作「魚と船の物語」。メモを取りながら長文の録音もやり遂げました。壊れた船は積木で表現しています。


「雷がごうごう鳴っている時に、大きな魚は船を襲うそうです」「大きな魚は 船を襲うことに成功しました」「大きな魚は、次の壊す船を探す旅に出ようとした瞬間、壊れた船から 3匹の小魚が飛び出してきました。そして小魚たちは、大きな魚にこう言いました。『弟子にしてください!』」「こうして 大きな魚と小魚たちは 仲間になったのでした」

別の4年生男児作「くりんとまんねんのたいけつ」

「あるひ くりんくんとまんねんくんが けんかをしました。そして野球で対決をすることになりました」「そして対決が終わり、勝ったのはくりんくんでした」「勝ったくりんくんは、まんねんくんにやさしくしてあげました」「そしてふたりはベンチに行き、くりんくんがまんねんくんに『いっしょにいちごを食べよう』と言って、ふたりは仲良くなりました」「おしまい」
とても優しいお話で、ふたりの後ろに見える大きな夕日もこのシーンにぴったりです。

6年生女児さんたちも、絵もストーリーも凝った長編のお話をつくりました。タイトルも「Kakurenbo」です。録音の段になって、「みつかっちゃったぁ~」のセリフが照れくさくて少し躊躇。見つけられる側のうさぎちゃんやりすくんのセリフをチャイケモの川井さんが引き受けて、楽しい作品に仕上がりました。裏表紙も素敵です。(一部を抜粋)

教室でつくった4人は、録音の声が互いにかぶらないよう、ひとりひと見開きずつ順番にすることに。これが実に楽しかったです。

受け入れてくださった分教室の先生方に、とても感謝しています。普段の時間割の中に2コマ、しかも小学部と中学部の合同授業として入れることは、やりくりにご苦労かけているに違いなく、準備も当日も後日も、かなりのご負担かけてしまっていることと思います。にもかかわらず、ぎりぎりまで、紙をもっと良いのに変えようとか、プリンタのヘッダーをクリーニングするともっときれいに印刷できるかもしれないから後日やり直してみようとか。少しでも子どもたちに良い体験をとおひとりおひとりの先生が取り組んでくださり、ありがたく、とても嬉しいです。見習おう、といつも思います。
子どもたちに対しても「お話を聞かせてくれてありがとう」の気持ちです。

子どもたちにとって、お話を作ること自体が楽しいのはもちろん、絵や言葉でお話をつくることで、長い入院生活でがんばっている様々な気持ちを解放することができます。ご家族や医療者にとっても、作品から子どもさんの心の内を垣間見ることができます。
「おでかけピッケ」入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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本領発揮できる自由な世界 2019


昨年度に続き「アートとこころのケア講座」(於:兵庫県こころのケアセンター)で講師を務めました。いつもは物語づくり活動全般についての話題提供が多いのですが、今回は「病児や発達に困りごとのある子どもたちのサポート」に絞っての話です。事前にお送り頂いた情報(名前など個人情報のない属性のみのデータ)で、介護職に携る参加者が何人かいらっしゃると知り、シニア対象の事例もひとつ入れました。たっぷり3時間あったので、事例を紹介しつつ、場づくりにおける留意点をお伝えし、子どもたちの動きや発言、作品について解説しました。

ピッケのおうち」の工作類のサンプルや、そのアレンジで手作りしたマグネットのペパドルも持って行って開始前の時間にご覧頂きました。

いくつかの事例は、このブログにも書き残しています。カテゴリーで選ぶと探しやすいです。
Category:「小児医療」
Category:「発達障害・特別支援(チャレンジド)」

お話づくりの楽しみと可能性をご自身で感じてほしくて、体験時間を設け4人グループで作品をつくってもらいました。短時間であったにもかかわらず録音までなさったグループもありました。

昔ピッケで絵本づくりをしてくれた女の子のお母さんからその当時届いたメッセージを、今回も紹介しました。

チーコは長いこと周囲とうまく付き合えず、苦しい思いからファンタジーの世界へ逃避しがちだったのですが、ピッケがうまく橋渡しをしてくれました。チーコが作ったピッケの作品を見た先生が「こんなに豊かな世界を持っているんですね!」と、文字を書いて表現するのは難しいけれど、絵と音声ですてきなお話を作れることをご理解いただけました。ピッケの世界はチーコにとってとても自由な世界のようで、チーコにとってピッケは「本領発揮できるところ」らしいです。( 当時 小学1~2年生 )

ピッケは「本領発揮できる自由な世界」。1年生だったチーコちゃんにそう感じてもらえたのは、私にとって今も励ましであり大切な指標です。

その数年後には、チーコちゃん作の俳句作品がNHKの番組で紹介されるまでになりました。今は6年生です。メッセージを公開させていただいてよいでしょうかとご連絡をさしあげた際、快諾とともに嬉しい近況もお知らせくださいました。

文字を読んだり書いたりできなくても、物語の主人公になってピッケとたくさんのことに挑戦できました。学びを楽しみ、物語を楽しみ、沢山の感情を表現できるようになったのは、ピッケで培った力だと思っています。幼稚園や学校で長いこと理解されず、理解できず、周囲に溶け込めず、辛い日々を送っていましたし、学習にも大きなハンデがありましたから… 今では国語の課題でパラレルワールドの物語とか書いたりするようになりましたよ。

ASD児など発達に困りごとのある子どもたちにとっては、人や社会と接続するための言葉による表現が、皆と同じを強いられる従来の方法では難しい場合があります。一方、彼らの内側にある言葉は、むしろ豊かに育っています。その豊かな言葉を聞けないのは、本人が困ったりもどかしく思うのはもちろんのこと、社会にとっても、とても残念で、もったいないです。誰もが自分に合った方法で表現できるよう、変わるべきは社会の側です。

後半で、ブルーナーの唱える2つの思考様式、論理科学モードとナラティブモードについてと、関連して三項関係の話もしました。療育や医療的ケアでナラティブ法をとる際、インタビューなど言語のみだと向き合う二項関係になりますが、メディアを介することで三項関係となります。セラピストとクライアント、親と子ども、教員と児童生徒。いずれにおいても、前者にそのつもりがなくとも後者にとっては圧を感じてしまう場合があるのです。両者が横並びとなる三項関係では二項関係に比べドミナントが弱まり、後者がリラックスしやすくなります。タイムラグを許容するという点でもメディアを介する利があります。リアルタイムに立ち会えるに越したことはありませんが、メディアが残るので(ピッケであれば音声入りの物語)、後になってからでも解析できます。また、文字のみによらず、絵や音声も総動員しての表現ができるので自由度があがり、これまでの手法では表出の難しかった思いを伝えることができます。インタラクティブに操作しながらの発話は物語の中に入っていきやすいです。全員に有効ではないかもしれませんが、良くデザインされたデジタルメディアは、発達に困りごとのある子どもたちの創造表現を助けます。

言葉の喜びや楽しみは、子どもたちが生きていく上での大きな力となります。社会の中で不自由を感じている子どもたちには尚さら、言葉と物語の深い喜びを味わい、本領を発揮して、幸せに生きてほしいと願います。ピッケでわずかながらでもお手伝いできれば幸いです。

# ピッケのルーツ「ピッケのおうち」は、Flashなのでそろそろ動作しなくなり始めていて、2020年にはすっかり見れなくなるそうです。もしマウス操作のパソコン環境(WinでもMacでも)がありましたら、今のうちに最初のピッケに会ってやってください。私の Win10 × Chomeブラウザでは未だ動いているのですが、いつまでかな… と思うと寂しいです。

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」:https://www.pekay.jp/pkla/ipad
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:https://www.pekay.jp/pkp/
最初のピッケ「ピッケのおうち」:https://www.pekay.jp/house/ ※ Flash Playerのはいったマウス操作のパソコンで。紙工作もあります。
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おでかけピッケ@京大附属病院院内学級


京大附属病院の分教室(院内学級)へ、チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の於保さん(アートディレクター)、井上さん(保育士さん)と出かけてきました。
小児病棟のプレイルームへは4年前から伺っていて、分教室へは今回が2回目です。小学部と中学部の合同授業として、2コマ90分で絵本づくりをしました。

子どもたちそれぞれの病状や体調に合わせて、無理のないペースで進めます。中抜けしたり、途中から参加したり、途中までにして病室へ戻ったり。

テレビ会議システムがあるので、教室へ来ることが難しい児童生徒さんは、病室から参加できます。

各人での制作中は教室全景を映し、操作説明をするときには手元を大きく映しながら伝えます。それぞれのベッドサイドには先生が付いてくださり、最初の自己紹介もさいごの発表会も、病床からの参加ができました。

全員が絵本を完成させました。
小学校1年生の男児は、北海道のおばあちゃんへ贈る絵本をつくりました。表紙から裏表紙まで食べ物がいっぱい。みたらし団子は積木を並べて表現しています。

検査の都合で遅れての参加になった4年生男児は、あっという間に皆に追いついて、わかる人にはひとめでわかるあのゲーム機のお話です。

中学1年生の男子生徒がつくったのは、1歳の従兄弟さんへ贈る「海で気を付ける事」を伝える絵本。病室から参加した小学校2年生の女児は、授業後も延長してつくり続け、文字入力までして仕上げました。

ナラティブは、がんばっている子どもたちの気持ちをひととき軽くし楽しみをもたらします。ご家族や医療者にとっても、作品から子どもさんの心の内を垣間見ることができます。
入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


豊橋市中央図書館のアウトリーチとして、外国ルーツのご家族が多く暮らす地域へ出かけ絵本の読み聞かせとピッケの絵本づくりをしました。午前は県営岩田住宅の集会所で、午後は市営西部住宅の集会所で。どちらの会場も前回に続き2回目です。

午前回。フィリピンにルーツのある4年生の女の子が、学校でもらったチラシを手に来てくれました。完成したのは、来月生まれてくる赤ちゃんへ贈る絵本。

上にお姉ちゃんがいるので、弟だといいなぁと楽しみにしているそう。

ブラジル人学校に通う9歳の男の子は、お母さんへ贈る絵本をポルトガル語で。

「素敵」をタガログ語とポルトガル語でそれぞれ何と言うかを、教えてもらいました。
ブラジルルーツの2歳の女の子も、お母さんと一緒に好きな物をいっぱい並べてお話をつくりました。

午後回。前回参加のフィリピンルーツの女の子が友だち3人と転がるように駆けて来てくれました。ところが、定刻になっても集会所の鍵が届きません。男の子たちは、すぐにもつくりたくて、とても待てず、しばし青空ワークショップとなりました。寒さが厳しくない日でよかった。

エネルギーあふれる男児トリオは、ブラジルルーツ、フィリピンルーツ、日本人。女の子がよく気がついて操作を教えてあげていました。

日本語が得意でない外国ルーツの子にとって、絵や音声も使えるデジタル絵本は表現の自由度を上げます。とはいえ日本語必須というわけではなく母語の絵本でもOK。自由に表現し、言葉の楽しみに浸ることが優先です。
課題は、いかに外国ルーツの子どもたちに知ってもらい参加してもらうか。できればお母さんお父さんも一緒に来てほしい。そこも含めてのトライアルなので、図書館の皆さんが様々なルートでの声がけを試みてくださっています。なんと言っても子ども同士の口コミは確実に効果あり、徐々に増えていきそうです。
自治会の方たちも快く場を貸してくださりご親切です。団地の敷地内で日向ぼっこしてる人に話しかけたら、たまたま世話役の方で、子どもさんのある住民に声をかけ連れて来てくださいました。手伝いに入ってくれるブラジルルーツの2人の若者、ブルーノさんとさゆりさん(春から米国の大学へ進学するそう)は、通訳をしたり絵本を訳してくれたりで大助かりです。中央図書館の皆さんも、すっかり慣れたもので、大きな荷物を運び、絵本を読み、フル稼働。開催日がご自身の休日にあたるとお子さんを連れて参加してくれます。
気持ち良い場が育ちつつあり、タブレットがフル稼働となる日を夢見つつ、これからも続けます。

「3月に生まれる赤ちゃん」ルティさん(小4年)作

「A Aventura de Flufy」Thiagoくん(9歳)作 音声はポルトガル語

表紙)「フラッフィーの冒険」
① サーカスにあそびに行きました
② サーカスのあと、友だちのガブリエルと公園へあそびに行ってきました
③ 疲れたので家に帰りました
④ そしてとても疲れていたので寝ました
裏表紙)おしまい

今後の開催など決まれば、豊橋市図書館のFBページ に情報が出ます。 豊橋市図書館のFacebookページ>>

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@せんりひじり幼稚園


晴天の土曜日、せんりひじり幼稚園(大阪府豊中市)へ絵本づくりに出かけてきました。
全員がそろうのを待つ間、おはなし絵カードで、好きなことや得意なことを伝えてもらいます。最初はまだちょっと恥ずかしくて、お母さんの後ろに隠れている子も。

ピッケの顔表情を変えるあたりから、徐々に前のめりになってきました。

タブレット類を操作するのが初めての子も何人かいたので、まず練習。続いて、贈る相手を決めてから本番。絵本をつくるのが大好きで、事前にストーリーを考えてきてくれた子もありました。

弟作の絵本では救急車が、お兄ちゃん作の絵本では消防車が活躍しています。


お父さんが消防士さんであることを、あとで知りました。お父さんの仕事を、お父さんを、誇りに思う気持ちがあふれています。

録音、製本をして、発表会。

子どもたちはもちろんのこと、お母さんたちもお互いに仲良しで、終始和気あいあい。活発なPTAの皆さんのために、なんと、専用の部屋まであるのです。

せんりひじり幼稚園では日頃から「遊びは学び」を半端なく実践されていて、いつ訪れても、子どもたちも先生もPTAの方たちも実に活き活きしています。以前来たときには、育てていたナスを食い散らかした「犯人」をカミ痕から推察、アイディアを出しあって対策。話し合いの結果、かかし「かわしままもる」くんをつくったそうです。長年続けている「お店屋さんプロジェクト」では、例えば、店も商品も宣伝も自分たちで考えつくり上げて、レストランを運営します。何をするかも先生による設定や提案ではなく子どもたちからの発案です。子どもたちの間でオバケが流行った今年度は、1か月以上かけて「二度と帰れない恐怖の病院(おばけ屋敷)」をつくったそうです。

ワークショップを終え、副園長かえで先生と幼児教育の話をしながらのランチも楽しすぎて。おかげで、すっかり気持ちがなごみ元気がチャージされました。(せんりひじり幼稚園の教育理念

兄弟でピッケの絵を描いて持ってきてくれました。嬉しいなー。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


豊橋市中央図書館のアウトリーチとして、三連休後半の2日間、ポルトガル語と日本語の絵本の読み聞かせとピッケの絵本づくりをしました。日曜は県営住宅の集会所へ、月曜は市営住宅の集会所へ。どちらも、外国ルーツのご家族が多く暮らす地域です。付近には、ブラジル料理の店やブラジルの食材を扱うスーパーもあります。

集会所横の掲示板には、緊急時の避難、車庫証明、就職面接会等について日本語/ポルトガル語での案内がありました。

お祖母さんがお孫さんにポルトガル語で、お母さんがお子さんにタガログ語で。それぞれのご家族で、絵本を母語で読んでもらいました。英語以外の外国語絵本となると書店でも手に入りにくく、参加者のご家庭でもほとんど持っていないそうです。母語で読める絵本がこれだけ揃うというのは図書館なればこそです。

続いて、ピッケの絵本づくり。
日本語が得意でない外国ルーツの子にとっても、また「文字」を知らない小さな子にとっても、絵や音声も使えるデジタル絵本は、表現の自由度を上げます。夢中でつくる子どもたちの様子に、絵本においては、絵も言葉であることを、あらためて実感しました。

お父さんがフィリピン人、お母さんがブラジル人の5歳の女の子は、裏表紙に「お誕生日おめでとう」と録音しました。あさって4歳になる弟にプレゼントするそうです。

製本後は発表会。( 絵本、iPad、プリンタに加えて、プロジェクタやスクリーンまで何もかも一式、図書館から運んで来てくださっています )

2歳の弟のためにつくった絵本を、さっそくお母さんと弟に見せてあげていました。

終了後のふり返りでは、伊藤館長や名古屋大学の小川明子さんをはじめとするチームの皆で、方向性を確認し、外国ルーツのご家族にもっと参加してもらえるようアプローチの方法も考えました。次回は2月3日です。

今後の開催情報などは、豊橋市図書館のFBページ をご覧ください。 豊橋市図書館のFacebookページ>>

今回の様子は、豊橋市図書館のブログでも紹介されています。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


豊橋市中央図書館のアウトリーチとして、22日土曜はデイサービスセンターで、23日日曜はエコビレッジで、ポルトガル語と日本語の絵本の読み聞かせとピッケの絵本づくりをしました。
初日の会場は、センターというより「生活」の場のよう。子育て世代の職員さんがお子さん連れで出勤されていて、子どもたちは利用者とも仲良しです。赤ちゃん+お母さん~シニアが、思い思いに好きな場所でお話づくりを楽しみました。介護職員さんの中に数名いらした外国ルーツの方に、ポルトガル語の他、スペイン語の本も読んでもらいました。

2日目は「ちゃいるーかの森」(エコビレッジ「いるかビレッジ」内)。広い庭、菜園では野菜づくり、鶏やうさぎも飼育されていて、手作りのソーラーパネルまでありました。

ここも職員と利用者がボーダレスで、それぞれ子連れ参加。子どもたちにとってはほぼ「我が家」ですから、そのにぎやかなことといったら。

最初に、館長さんが日本語の絵本を、

続いて、スタッフのまりさんがポルトガル語の絵本を読んでくれました。

そのあと絵本づくり。18人もだったので発表会までは無理かしらと思っていましたが、録音、製本、全員の発表までできました。


完成絵本は、妹さんへ、お父さんお母さんへ等それぞれが決めた相手へプレゼントする約束です。


1月2月は、外国ルーツのご家族が多い地域の集会所へ出かけます。(日時や会場が決まったら、豊橋市図書館のFBページに出ます)

次回開催情報をチェック! >> 豊橋市図書館のFacebookページ 

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おでかけピッケ@阪大病院院内学級


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の保育士 井上さん、自立支援員 川井さんと一緒に、大阪大学医学部附属病院の院内教室(大阪府立刀根山支援学校の分教室)へ出かけて、2コマ90分で絵本づくりをしました。

「大阪大学医学部附属病院小児医療センター」施錠された扉の中へは、感染症の持ち込みや拡大防止のため、15歳以下の人は、たとえ兄弟姉妹であっても立ち入ることができません。扉を入ると長い廊下が左右に伸び、それぞれからさらにもう1本枝分かれの廊下が伸び、それらの両サイドに子どもたちの病室が並んでいます。右の廊下のいちばん奥、向かい合わせに小学部と中学部の教室があります。

今回は小学部中学部の合同授業です。在籍中の児童生徒さん8人の内、教室へ来ることができたのは3人で、5人は病床からの参加となりました。あらかじめ先生が、ひとりひとりの病状や特性を考慮して考えておいてくださった方法や分担に基づき、皆で手分けして、教室+5つの病室に付きました。

病床からの5人の内2人は、テレビ会議システム(ハングアウト)で教室とやりとりしながら参加。写真の左は病床側、右は教室側です。

小学1年生の男児は、システムを使いこなして、教室へ質問もしながらつくっていました。小学2年生の女児は、「森のなかま」と題した楽しい作品を仕上げ、(先生がiPadを教室まで運んで来てくださって)教室のモニタで発表もできました。

一方 教室では、中学1年生の男子生徒が、長文をすいすい入力して7見開きもの大作を仕上げました。両親へ贈る、ひねりのきいたお話でした。別の男子生徒は、先生の助けを借りつつ録音まで完了。お姉さんへ贈る絵本をつくりました。

できあがった人から印刷し製本します。贈る用と自分用とで、ひとり計2冊ずつ。小学1年生の女児が先生と一緒につくったのは、おばあちゃんへ贈る絵本「わたしのすきなもの」です。

なんとかがんばって、表紙(積木を組み合わせて表現した象)をつくった男児の作品は、先生のアイディアで見開き12枚を追加して「メモ帖」となりました。

先生方にはプリンタやパソコンなど備品の準備だけでもお世話をかけますのに、ウェルカムボードを用意してくださり、御礼にと子どもたちとクリスマスオーナメントまで手づくりしてくださいました。お気持ち嬉しいです。ありがとうございます。

ナラティブは、がんばっている子どもたちの気持ちをひととき軽くし楽しみをもたらします。ご家族や医療者にとっても、作品から子どもさんの心の内を垣間見ることができます。入院中の子どもたちのところへ、チャイケモの方と一緒に絵本づくりに伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@大田区立東調布第一小学校


11月25日(日)三連休の最終日に、大田区立東調布第一小学校 支援地域本部「とういちサポーターズリンク」さん主催で、午前は教員と保護者を対象に講習会、午後は児童対象でワークショップが開催されました。「とういちサポーターズリンク」は、保護者OBOGを中心としたボランティアグループです。皆さんそれぞれお忙しいお仕事の合間を縫って、告知のチラシをささっとDTPで作成し、募集、準備、当日、すべての一切を段取りよく進めてくださいました。会場に使わせて頂いたのは図書室です。休日に入らせて頂きありがたいことでした。写真は会場への案内看板(東調布第一小学校の歴史は古く、今年度で開校140周年だそうです)

今回の企画のそもそもは、平井聡一郎先生(ICTを活用した授業改革やプログラミング教育の普及をめざし全国を行脚中、前職は古河市の小学校校長や古河市教育委員会の参事兼指導課長等)が、アウトプットの学びに関心を寄せ、ピッケを体験または見学してみたいと言ってくださったのがきっかけでした。光栄です。
午前の講習は、平井先生に本時の学びのポイントをお話し頂いたあと、ピッケのレクチャ、途中で体験時間も30分ほど設けて、さいごは平井先生の講評でしめました。

私からは、10年以上同じことばかり言っていますが、インプット型の学びにアウトプット型の学びが加わる相乗効果で学びのスパイラルが生まれる、「創る」にはあらゆる学びがつまっている、ただしここでの「創る」はお手本のとおりにつくるのではなくオープンエンドであること、ICTは「創る」への敷居を下げエンパワーする、「創る」の中でも「言葉、物語」は人の根源に関わる、豊かな言葉とともに在ることは子どもを幸せにする、楽しい学びの副次的効果として、学びの基盤となる言語能力も育成される、といった話をしました。

短い体験時間の中で録音まで終えた方も。こちらは小学生の娘さんへ贈る絵本です。
「わたしの木」まゆさん作

午後は、午前の講習を受けてくださった皆さんがファシリテータとして入ってくださり、在校児童を対象にワークショップをしました。
全員がそろうまで、お話づくりへの導入も兼ねたアイスブレイクとして、おはなし絵カードで遊びました。定刻となったので、絵本には作者がいることなどを伝え、贈る相手を決めてから創作に入りました。

黙々とつくっています。

見学席の保護者の方へは、平井先生が「手を出さず見守る姿勢が大事」と話してくださっていました。
表紙をつくり、録音をします。その間に、牛島先生と平井先生とが手分けをして、2台のプリンタで展開図を出力してくださいました。
製本をして、いよいよ発表会。今回は22作品もあり、全体での発表は難しいので、4つの島それぞれでの発表としました。

作品をいくつか紹介しますね。

「いちにちのせいかつ」いこいちゃん(小1年)作

「ウッキーとこりす」ももなちゃん(小1年)作

「サンタさんの本」舞ちゃん(小3年)作

「ミーちゃんとまんねんかめさん」まいちゃん(小3年)作

「ゴロゴロの森」もりおくん(小3年)作

「絵本を最初に決めた相手にプレゼントしましょう、そのとき黙って渡すのではなくお話を語ってあげてね」と約束してお開き。自分用におうちで製本する展開図もお土産に渡しました。

あっという間の2時間半。撤収のあと「とういちサポーターズリンク」の皆さんが、美味しいバターケーキとコーヒーを用意してくださり、ほっとひと息。なごやかな輪の中でお話を伺っていると、すでに我が子は大学生という方もいらして、お子さんが巣立った小学校を息長く応援なさっているとわかります。過去にも、逆転時間ワークショップや Nintendo Switchでの音楽づくりを課外活動として実施なさっていたり、熱意と実行力すばらしいです。休日に学校を開放し休日出勤して協力くださる先生方の姿勢も、活動が続く素地と感じました。PTA活動もままならない昨今、こんな応援団がいるなんて、東調布第一小学校の子どもたちは恵まれていますね。

これもずっと同じことばかり言っていますが、家庭と学校と地域社会の境が低くなってゆるやかにつながった社会全体で子どもたちを育てたいという願いがあります。
平井先生、とういちサポーターズリンクの皆さん、東調布第一小学校の先生方のおかげで、良い場がもてました。ありがとうございました。

Web「こどものミライ」で、当日の様子をご紹介くださいました。記事はこちら>>

【お知らせ】今回は東調布第一小学校の保護者や在校児童限定でしたが、年明け 1月26日に、所属校を限定しない教職員対象講習会と児童対象ワークショップが大井町であります。よろしければご参加ください。(利用ソフトはWin「ピッケのつくるプレゼンテーション」、紙の絵本づくりはありません) 詳細はこちら>>

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」← 今回利用のアプリ
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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ピッケで英語絵本@同志社中学校


11月初旬、同志社中学校に、今年もゲスト講師としてお招きいただきました。8クラスあるので2日間、比叡山を望む素敵な学舎へ通いました。

同志社中では全生徒が1人1台iPad を所有していて、1年生の英語の授業に「ピッケのつくるえほん」が導入されています。英語の先生は14人もいらして、ネイティブスピーカーによる授業、外国人講師と1対1で話すSkypeを使ったオンライン授業、国際交流プログラムなど、学校をあげて長年英語教育に力を注いでおられます。
反田任先生をはじめとする先生方による独自のカリキュラムは、教科書の枠にとらわれず(もちろん教科書の内容はおさえた上で、それと組み合わせて)、1年生ではピッケで英語絵本づくり、2年生では「My Dream」英語プレゼン、3年生ではキング牧師のスピーチの暗唱など、アウトプットも大事にされた学びのデザインとなっています。

クラスは36人の少人数編成です。通常の英語の授業はハーフサイズクラス(18人)ですが、今回のピッケの授業は1クラス単位で行われました。この授業では、フリーライティング+絵コンテ+ピッケ絵本がリンクしています。提出物としては、フリーライティングのテキストとピッケ絵本となり、ピッケ絵本は各人で動画に書き出してロイロに貼り付けて提出します。

今年度は、複数人でテーブルを囲める新しい教室となり、互いの画面が見えるので、教えあいやアイディアの伝播が起こりやすくなっていると感じました。

導入に絵本の話を少しして、イメージをつかんでもらうために昨年度の先輩の作品も紹介しました。

「My good friend」Fukaさん(中学1年生)作  昨年度の生徒さん作品

先生からの約束事としては、1学期に習った三人称単数をどこかで使う、のみ。時制は(既習の)現在形でよく、過去形や未来形を調べて挑戦することも、もちろんOKです。反田先生が用意してくださった絵コンテ用紙を各自が利用したい方法で使いながら、4~8見開きでまとめます。

最初はアプリ上で絵で情景を描いていきます。

続いて、まずは知っている英語で表現します。

わからない単語やつづりを調べたり(常時ネット接続なので、検索も自由にできます)、習っていないことは先生に尋ねながら、自分の伝えたいことを絵と言葉(英語)で物語にしてゆきます。
後半で、表紙のつくり方、録音方法、動画書き出しの方法を伝えました。45分の授業ですので、途中までとなり、続きは宿題として各自で仕上げ、後日、担当の先生へ提出します。

賑やかに互いに話し合いながらつくるクラス、静かに集中するクラス、様々ですが、どのクラスも熱心に取り組んでいます。ちょっとやんちゃな男子生徒の一群まで、お昼休みが始まっても未だつくっていました。「創りたい」がまず先にあるとき、意欲をもって学びに向かえることをあらためて感じました。

あるクラスで授業前、女生徒さんから「これ使ってください」と小さな機器を渡されました。オンにすると、その生徒さんのイヤホンに音声が届きます。耳の聞こえにくい生徒さんへの配慮があたりまえになされていて、よいなぁと思いました。

生徒が主体となって取り組むオープンエンドな「創る」には、多くの学びがつまっています。とはいえ、先生の立場からみると、時間中は生徒さん個々に応じたファシリテートが必要となりますし、自由制作作品の評価はさぞ手間がかかることでしょう。質問してみたところ「ルーブリック評価でするからさして大変ではない」とのこと。とはいえ、正誤の明らかな採点に比べれば簡単ではないはずで、さらりと言えるのは先生方の度量の広さです。

英語の授業の中で、キング牧師やアレン・ネルソン氏などの著書も読むそうです。語学力を伸ばすにとどまらず、平和の大切さを理解し、異文化や社会に対して柔軟で広い視野を備えた国際人の養成を図ろうとする教育指針に、新島襄氏の建学の精神が今も息づいていることを感じました。

廊下を歩く2年生たちから「あ、ピッケ」の声が聞こえました。覚えていてくれて嬉しい。今年度の生徒さんたちの完成作品も、とても楽しみにしています!

番外)なんと、構内で発掘調査中。さすが京都です。

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」← 同志社中学校で導入
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」
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