Category: ピッケのつくるえほん

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


6月21日土曜日は、愛知県豊橋市での月1回のワークショップでした。
寺井さんによる読み聞かせ『はははのはなし』(加古里子 作・絵、福音館書店)からスタート。選書は図書館司書さんによります。同音の連続、または自由をテーマに絵本をつくりました。

ベネズエラルーツの5歳さんがお母さんに伴われて参加してくれました。本が好きで、ようやくタイミングが合い来れたとのこと。静かに黙々とつくっています。


傍らに置かれたノート(※)が気になり、中を見せてもらいました。どのページにも大好きな妖怪がびっしり描きこまれています。お祖父さんが聴き手となられているそうです。豊橋で妖怪と言えば!と思いつき、ばったり堂 内浦有美さんの『豊橋妖怪百物語』を薦めてみました。

同じく初参加の4歳さんは、参加数回目の小1お姉ちゃんに教わるはずが、くるりと後ろ向きになり、ベネズエラルーツの5歳さんとの差し向かいでつくっていました。同じ年中さん同士で波長があうのでしょうか。

中盤、ふと見ると、後方で皆で何かを囲み賑わっています。小4さんが箱いっぱいの折り紙作品を持って来てくれたのでした。立体的に動く複雑な作品も多くて、皆それぞれ手に取り感心しきりです。私をイメージしたという「ミカンの精」をプレゼントしてくれました。ありがとう。

前日の放課後子ども教室と午前回に助っ人に入ってくださった日和さんは、海外生活の経験もある生物の研究者で、リタイア後は、子どもたちに日本語を教えたり、保育士の資格をとって保育園で働いたりなさっています。子どもたちの様子をよく観察されていて、ワークショップ終了後も、将来は蛇の研究者になりたい小6男児くんと生物談義をされていました。
小3くんのお祖父さんが前回に続き広島からご参加くださったのも嬉しいことでした。たまたま来豊中だったそうで、そして今回も、ご自身の孫ではなく別の小1くんと共作なさっていました。

岩田校区市民館へ移動して午後回。
午前は都合がつかず午後回への参加となった日本人6歳さん。読み聞かせをいつも熱心に聴いていて、「子どもの歯は20本」で口の中に指を入れて数えていました。今回はじめて4歳の弟くんも一緒に来てくれました。4歳くんは2時間ほぼ走りっぱなしの元気さく裂。自作の録音時には「ごちゃい(5歳)」を繰り返していました。

近頃「ギャル」にハマっているという常連のブラジル籍さんは、ルーズソックス姿で登場。4歳くんが駆け回る喧噪のなか集中力を発揮して、ギャル雑誌「egg」を完成させました。「雑誌」なので録音は無しだそうです。

国籍限定を外した午前回はほぼ日本人となってはいるものの、幼児からシニアまでの異年齢、静かな子や賑やかな子、様々な特技や特性をもった子たちが集う触発の中で、それぞれが自分のやってみたい表現を試み楽しんでいます。子どもも大人も、互いの異なる興味やこだわりを認め合っているのもいいなぁと思います。集う皆さんによって良き土壌が耕され、そこで子どもたちが、それぞれのお日様の方へと伸びていく。その様子を伊藤さんと私はまぶしく見守っています。

次回は7月6日日曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」代表:伊藤孝良さん、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

※)のんぽいパーク(豊橋総合動植物園。動物園と植物園に自然史博物館も併設された総合公園)で、のんほいパーク認定アーティスト花島愛弥さんの絵のハンコを押せるそうです。生き物の絵を描くのが大好きな愛弥さんは自閉症で聴覚過敏の特性があります。私も愛弥さんがまだ高校生だった頃に個展を覗かせてもらいました。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
https://www.youtube.com/@TamieAsakura/videos

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/

市民ボランティア「ピッケの会とよはし」(PeKay Toyohashi)さんのFacebook:
https://www.facebook.com/100091953173119

----------------

放課後子ども教室でピッケ@豊橋市立岩田小学校



ピッケの会とよはし 伊藤孝良さんと一緒に、外国人集住地区にある放課後子ども教室へ出かけました。
以前はブラジル籍の子が多かったのですが、近頃は逆転しフィリピン籍の子たちが大半に。言いたいことに語彙が追い付かなかったり助詞に苦戦しつつも、お話つくるのはみんな大好き。お迎えのお母さんの声に生返事して続けていたり、製本した絵本のページを繰りながら、全編聴かせてくれた子もありました。
----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
----------------

教育短大で講義



先週~今週、客員教授を務める神戸教育短期大学(学長:三木麻子先生)での講義でした。今年で6年目です。大半の学生さんが長期履修制度(3年制)を利用していて、担当するのはその2年生、保育士や幼稚園教諭をめざす学生さんたちが対象です。ICTを活用した楽しい「創る」学び、なかでも幼少期に育みたい言葉の「創る」である物語づくりの楽しい学びのデザインができる保育者となってほしいと授業準備をしました。
講話に加えひとり1台環境で実際につくります。録音の段になるとあちこちに輪が生まれ、セリフを複数人での掛け合いにしたりピアノを弾いて歌ったりとにぎやかです。
このあと、三木先生が全員分(!)の展開図を印刷してくださるので、ひとり一冊紙の絵本もつくります。学生さんたち、きっと嬉しいことでしょう。社会に出たとき、物語づくりの楽しみを子どもたちへ届けてくださいね。

そして、今週は台湾の大学院のオンライン授業で話す機会もありました。30分にも満たない時間でしたが、英語のスライドを作成し英語で話すというのは、私にとってかなりのチャレンジでした。学生さんたちも熱心に聞いてくれて、準備~当日、楽しく充実した経験となりました。

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
----------------

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


5月10日土曜日は、愛知県豊橋市での月1回のワークショップでした。
絵本を読むのは、長く参加してくださっているきょうこさんにお任せ。図書館司書さんによる選書で『にじいろのさかな』(マーカス・フィスター 作・絵、谷川 俊太郎 訳、講談社)を読み、分ける・分けてあげる、または自由をテーマに絵本をつくりました。

「どんぐり100こひろったりんご」題名からすでに心ひかれます。6歳さん作。

隣で並んでつくっていたお母さんも、同じ「どんぐり」で作話なさっていました。でも、相談しているわけではなく、制作中はそれぞれ自身の物語世界に没していて、録音時に互いのストーリーを知るのでした。

こちらも保護者さん作。いつもアイディアにあふれています。

祖父さんと孫、親と子、兄弟姉妹、友だち同士で。だったはずが、いつの間にかその組み合わせが変わっていて、あれっ?となることが、しばしばあります。

国籍限定を外した図書館での午前回は、近頃ではほぼ日本人ばかりとなっています。とはいえ、子どもたちにとって楽しみな創作の場、安堵できる居場所と言って頂けて、来月もまた子どもたちに会いに行きたくなります。発表会でも、自身の作品(この日は新旧5作)を詳しく解説したり、ひとの作品に感じることがあれば、すかさずスクリーン前まで出て来て伝えたりと自由で、それが実に良いのです。

岩田校区市民館での外国ルーツの子どもたち対象の午後回、この日は残念ながら常連ブラジル籍さんからキャンセルの連絡が入り、誰も現れず。外も小糠雨でありました。

次回は6月21日土曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
https://www.youtube.com/@TamieAsakura/videos

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/

市民ボランティア「ピッケの会とよはし」(PeKay Toyohashi)さんのFacebook:
https://www.facebook.com/100091953173119

----------------

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


4月12日土曜日は、豊橋市でのワークショップ今年度の初回でした。国籍限定を外した図書館での午前回は、この日も全員が日本人。年長さんは新1年生に、小学生もそれぞれひとつずつ進級、「(元の)*年生と言い間違えちゃう」と話す顔も嬉しそうで、頼もしさが感じられます。冒頭で大型絵本を読むのも子どもたちにお任せ。『とんとんとん』(あきやま ただし 作・絵、金の星社)を仲良しのふたりに読んでもらい、「ドアを開けると~」または自由をテーマに絵本をつくりました。

お昼寝。とんとんとん、ドアを開くと蜂の世界、次のドアは雪だるまの世界、さらに次のドアは海の中、奥へ奥へと進んで行き、さいごは夢落ちかと思いきや、残された本を開くと…。

友だち同士や親子での録音は声が弾んでいます。逃げる足音やイビキの効果音まで凝ったご家族もありました。録音が終わった人から製本。見開き数の多い大作をつくると切る量も多くて大変ですが、黙々と。

全作をファイリングしていたり、どの子もこれまでつくった絵本を大切にしています。小3さんは手書きのオリジナル本もつくっていて、その内の1冊を見せてくれました。キャラクターごとに一人称やセリフの文字色を変えています。最初に登場人物の相関図をつくってから創作しているのだそう。

校区市民館へ移動しての午後回。常連ブラジル籍さんご家族から「友だちを2人連れていく」と事前の連絡がありました。伴われて賑やかにやって来たのは、家族ぐるみで仲良くしているという日本人の女児ふたり。「私たち姉妹なの」と3人で並び、常連さんが操作を教えてあげていました。

午前は習い事があるため午後回に参加した新小1くん。用意してあった絵本の表紙を見るなり「あっ、へんしんトンネルの人だ」と。すごい、絵のテイストでわかるのですね。録音では、果物が地面に落ちる音を「ドーン!」「ボーン!」のどちらにするか真剣に迷ったり、周りの喧噪をものともせずお話の世界に入り込んでいました。

「ドーン!」になっていました。

お迎えの保護者さんたちも加わっての発表会。

次回は5月10日土曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館2階児童室です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」代表:伊藤孝良さん、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずご参加いただけます。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
https://www.youtube.com/@TamieAsakura/videos

ご参加の方で自身の作品を探したいときは、YouTube の検索窓で、例えば「豊橋 ピッケのつくるえほん きょうこさん」など「豊橋 ピッケのつくるえほん (作者名)」で検索してみてください。

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/

市民ボランティア「ピッケの会とよはし」(PeKay Toyohashi)さんのFacebook:
https://www.facebook.com/100091953173119

----------------

「ピッケのつくるえほん」発表会@羽田保育園(豊橋)


すっかり春の陽気のこの日、先月絵本づくりを行った羽田保育園で発表会でした。

「表現をたのしむ会」(私の時代でいうと「学芸会」)での劇や楽器演奏、鬼役を務めた豆まき、重い杵をふるった餅つき、園庭で鉄棒したこと、お弁当がおいしかった遠足… 長い子では6年通ったという日々を、お話にして語ってくれました。「**ちゃんと**くんと ~しました」一緒にあそんだ友だちの名前が出てくるのも、オリジナル絵本ならではで、いいなぁと感じます。
始まりの笛が「ピー」と鳴りフラフープを「ぐるぐるぐる」回すといった具合にオノマトペで再現し、さらに歌まで歌うという、ドキュメンタリー仕立ての作品もありました。

登園や遠足の場面では頭に園帽を被せています。自分たち年長=緑組さんは緑色、桃組さん赤組さんの妹や弟にはそれぞれの色の帽子を。毎年、園庭の「門」が出てくる作品が多いのも特徴です。送り迎えの場に在るこのカラフルな門は、きっと羽田保育園の子どもたちにとって印象深いのでしょう。

互いの作品を楽しんだあと、先生から嬉しいサプライズがありました。なんと、全員分を製本してひとりひとりラッピングまでしてくださっていたのです。卒園式の準備も大詰めの多忙な中、よくここまでしてくださいました。手渡された子どもたちは大喜び!「紙の絵本に録音は入っていないから、おうちの人に渡す時お話を聞かせてあげてね」と約束しました。
緑組のみなさん、いよいよご卒園ですね。おめでとうございます。

羽田保育園(社会福祉法人 育栄会):
https://www.toyo-ikueikai.jp/nursery/ns01.php

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/
----------------

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


2月15日土曜日は、外国にルーツのある子どもたちとのワークショップ。今回は、いつにも増して楽しみにしていました。というのは、外国ルーツの子どもたち対象の午後回に、初参加者の事前申込が4組、計6名もあったのです。でも残念ながら、いずれも欠席でした。1組は欠席のご連絡があり、他は忘れていたり、連絡がつかなかったり。でも、まぁ、行ってみようと思い面倒な事前申込までしてくれた人がそんなにあったのだから、前進ですね。
もうひとつ、楽しみにしていたのは、ブラジル籍の青年ブルーノさんとの再会でした。岩田団地の集会所で開催していた頃、いつも手伝ってくれていたブルーノさん、2週間ほど前に突然電話があって、会場は変わったけれど今も続けていると伝えると、こんど行くと約束してくれたのです。約束通り、同僚のお子さんを連れて来てくれました。早朝からの8時間超勤務を終え昼食もそこそこに。そして、ブラジル人学校へ通っていて日本語を解さないその9歳さんのために、以前のように操作方法を教えたり、通訳をしてくれました。

常連の小3さんが『あなたがとってもかわいい』( みやにし たつや 作・絵、金の星社)を読んでくれたあと、かわいい、または自由をテーマに絵本をつくりました。選書は図書館司書さんです。
よく子どもたちから「流行」や「推し」を教わります。この日の「えっ知らないのー??」は、ピラフ星人。小3さんによると、TikTokerでラッパーなのだそう。
小5さん作は、推しのクロミでの言葉探し。小2くんが、背景に紛れている文字を懸命に探しています。

午前回に参加した小2くんが、もっとつくりたいと午後回にも来てくれたのです。午後も見事な集中力で2作目を作り、お母さん作の録音にも参加、さらに、お姉さんたちが繰り出す理不尽ともいえるクイズにまで奮闘したのでした。

常連さんたちに前回1月の急な中止を詫びると「(代わりに)家で画用紙で絵本をつくったよ。レオン(飼犬)が噛んで破っちゃったけど」と話してくれました。

ブルーノさん、ありがとうございました。また来てくださいね!

一方、国籍限定を外した午前回は、全員日本人となりました。実は午前回にも初参加の外国籍児の事前申込が複数あったのですが、残念、現れず。彼らを断りたくなくて、定員大幅超えで受付けていたので、もし全員そろっていたらカオスになるかもだったのですが、キャンセルも多く、結果おさまる人数となりました。
初参加の子どもたちもどんどんつくっています。

あらかじめつくりたいテーマを決めてきている子も多く、小1くんは調べるための本も持参して国旗のお話をつくりました。カービーからポケモンへ移行しつつある年長くんも資料本を持参、兄貴分の小2くんと見せ合いっこしながらつくっていました。

思い思いの場所で録音。6歳さんは、いつも周囲の喧噪をものともせずお話の世界へ入り込んでいて、録音も楽しんでいます。録音ボタンを押すお母さんも、はたしてどんなお話なのか、できあがってみるまでご存知ないのです。なので毎回さいしょの読者として、驚いたり笑ったりなさっています。

今回はカニが吹っ飛んでいきますよ。

小2くんがホワイトボードに描き始めると6歳さんも出てきて隣で描きました。後ろの席では、見学にいらした祖父さんが、孫ではない別のお子さんと共作なさっていたり(と言っても、さいごはほぼ祖父さんにお任せ状態)。ふと見ると、並んで座っていたはずの家族の組み合わせが入れ替わっていることもよくあって、そんな混ぜこぜになっている光景はいいなぁと思います。

次回は、この1年の集大成、合同での発表会を行います。各自がこれまでつくった中から選んだベスト作品を上映します。ワークショップに参加したことがない方も、子どもも大人も、どうぞどなたでもお越しください。
3月15日土曜 14時~、豊橋市中央図書館3階の集会室です。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
https://www.youtube.com/c/TamieAsakura/videos

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/

市民ボランティア「ピッケの会とよはし」(PeKay Toyohashi)さんのFacebook:
https://www.facebook.com/100091953173119

----------------

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@羽田保育園(豊橋)


2月14日、羽田八幡宮の参道沿いにある保育園へ出かけました。外国ルーツ対象のワークショップをご一緒している伊藤孝良さん(元中央図書館長)が園長先生をなさっているご縁です。

皆で見に行ったドクターイエロー、餅つき、大風が吹いて飛ばされた劇のシーン、園で飼ってるメダカ。他にも、豆まきで鬼になったこと、マリンバ演奏、100回だって回せるフラフープなど、園生活のあれこれをお話にしてくれました。積木を丁寧に並べて作ったのは園庭の門とのこと。
現実と空想とがゆるやかに繋がった世界観は、この年頃の子どもたちならではです。例えば、実際には水槽で飼っているメダカが、お話の中では、園舎の中を大勢の仲間たちと悠然と泳いでいたりします。
来月、もう1回訪問し録音して仕上げます。すでに待ち遠しいです。

羽田保育園(社会福祉法人 育栄会):
https://www.toyo-ikueikai.jp/nursery/ns01.php

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
----------------

「アートとこころのケア講座」でピッケ



今年度も「兵庫県アートとこころのケア講座」(於:兵庫県こころのケアセンター)で講師を務めました。この講座では「病児や発達に困りごとのある子どもたちのサポート」に絞ってお話ししています。

概要説明のあと、ごっこ遊びをしていた幼い日の物語る楽しみを思い出してほしくて、5歳の頃にワープ。好きだった遊びや場所、嬉しかったこと、あるいは心細かったことなど心に残っているできごとをお話にしてもらったところ、例えばこんなエピソードを語ってくださいました。
有馬の山でオニヤンマを見つけたとき、いつもは寡黙なお父さんが「よし待ってろ」と虫捕り網を手に、まるで武士の太刀捌きのような見事さで捕まえてくれたのだそう。その鮮やかな光景を描いてくれました。そのとき抱いた尊敬の気持ちとあふれる嬉しさが伝わってきます。

また別の方は、お腹が痛くなりがちな私を気遣ったお母さんが、ハチミツをかけたりの工夫をして正露丸をのませてくれたこと。それぞれの場面の背景に置いた冷蔵庫の表情も効いています。お話を聴かせてもらって、そういえば、虚弱だった私も、ビオフェルミン、正露丸、養命酒、あれこれのませてもらったなと思い出しました。幼い日に大切にしてもらった記憶は心の奥底にいつまでも残りますね。大事なお守りのように。

療育や医療的ケアの領域では特に、ナラティブモードの語りが助けになります。その際、インタビュー形式などの言語のみで向き合う二項関係と比べ、メディアを介しての三項関係がより望ましいです。セラピストとクライアント、親と子ども、教員と児童生徒といった二項関係においては、前者にそのつもりがなくとも後者にとっては圧を感じてしまう場合があります。対して、両者が横並びとなる三項関係ではドミナントが弱まり、後者がリラックスしやすくなります。また、デジタルメディアであれば、文字のみによらず、絵や音声も総動員しての表現ができるので自由度があがり、これまでの手法では表出の難しかった思いを伝えることができます。インタラクティブに操作しながらの発話は物語の中に入っていきやすいです。全員に有効ではないかもしれませんが、良くデザインされたデジタルメディアは、発達に困りごとのある子どもたちの創造表現を助けます。

受講くださった皆さんが、お話づくりの楽しみを思い出し、その可能性を感じ、ご自身が携わる場へ持ち帰って、次のどなたかへ届けてくださると嬉しいです。

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/
----------------

「おへやでピッケ」でチャイケモへ


先週オンライン授業をした京都大学医学部附属病院からiPadが戻ってきたので、チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)へ出かけてきました。データを取り出してみると、丁寧につくりこまれた作品がいっぱい。子どもたちの大切なお話を、チャイケモの井上さんと一緒に製本しました。

この日はちょうど「よりみち」の開催日でした。病気のある子どもたちや、きょうだいじさん、ご家族を対象に、ハウスの一部が解放されます(「一部」と言っても、かくれんぼできるくらい広ーいです)。事前申込不要、開催時間内はいつ来てもいつ帰っても自由、参加無料です。クラフト、楽器、折り紙、ボードゲームといった遊びの他、各種お茶の用意もあるので、おしゃべりしたりお昼寝したり、居心地よいハウス内でのんびり過ごせます。
私も、ハウス滞在中の女の子考案の即興遊び「なコンテスト」に加えてもらいました。まず手書きの参加券が配られ、指名されると、自分の「名前(な)」の一文字を選び自慢できる点を話します。それを、主催、進行、かつ審査員の女の子がジャッジするという趣向です。遊びを思いつく→皆でやってみる→次の遊びを思いつく… 外は凍てつく寒さでしたが、ハウスの中は春みたいでした。

もし外出が難しかったり、直接会うのは恥ずかしいけれどおしゃべりしたり遊びたいという場合には「オンラインよりみち」もあります。次回は2月13日(木)。毎月の開催日や詳細はチャイケモのWebにあるので、覗いてみてくださいね。

公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金
重い病気をもつ子どもたちや家族をサポートする活動を行っている。( NPO法人チャイルド・ケモ・ハウスは、発展的解散の手続きを経て、2022年9月より公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金に統合されました )

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
----------------