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ピッケのおはなし絵カードを活用した物語作り@石神井特別支援学校


東京都立石神井特別支援学校の海老沢穣先生の授業をご紹介します。

はじめの2時間は、WinタブレットPC上の「ピッケのおうち」でピッケに親しみ

そのあと、ピッケのおはなし絵カードで一人一人簡単なお話作りをして発表。 例)「ミミちゃんが公園でアイスクリームを食べました」

次回は、おはなし絵カードでのお話づくりからiPad上でのお話づくりに入り、ちょうど授業参観なのでお母さんたちにも一緒に取り組んでもらおうと思っているとのことでした。

3ステップの構成ですね:
1)「ピッケのおうち」でピッケの世界に親しむ
2)おはなし絵カードで文章の組み立てを考える
3)タブレット上でお話づくり

いろいろ工夫なさっています。例えば、毎回授業のはじめに、YouTubeにある子どもたち作の絵本作品を教室前方のスクリーンで紹介したり、おはなし絵カードを書画カメラで投影して皆に見えるようにしたり。

YouTube、Webなど様々なピッケのリソースを上手く組み合わせて活用されています。なんと「ピッケのおうち」まで。2002年公開からの長寿を生き延びてきた甲斐がありました。(Flashなのでそろそろ動作しなくなり始めていて、2020年にはもうすっかり見れなくなります。今のうちに最初のピッケに、ぜひ会ってみてください)

尚、ステップ3)のお話づくりは、学校向けWinソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」でもできます。「ピッケのつくるプレゼンテーション」は、無料版(3ページ3作品までの制限あり)をWebからダウンロードしてお試しいただけます。授業実践なさりたい先生には、フル機能試せるランセンスキーをお渡しできますので、お問い合わせください。

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ピッケのつくるえほん for iPad:http://www.pekay.jp/pkla/ipad
ピッケのつくるプレゼンテーション(学校向けWinソフト):http://www.pekay.jp/pkp/
最初のピッケ「ピッケのおうち」:http://www.pekay.jp/house/ ※ Flash Playerのはいったパソコンでのみ動作します(指やペンよりもマウスでの操作が向きます)。紙工作もあります。
YouTube:https://www.youtube.com/user/TamieAsakura/ ※ 「再生リスト」タブから年齢別の作品をご覧いただけます。
PyonkeeやScratchでピッケを利用する方法:http://blog.pekay.jp/?p=3493
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本領発揮できる自由な世界



「アートとこころのケア講座」(於:兵庫県こころのケアセンター)で講師を務めました。いつもは物語づくり活動全般についての話題提供が多いのですが、今回はテーマを「障害のある子どもたちの自己表現」に絞ってのご依頼で、私にとってもあらためて考える良い機会となりました。当日は、時間もたっぷり3時間いただけたので、様々な事例を紹介し、場づくりにおける留意点をお伝えしたり、子どもたちの動きや発言、作品について解説しながら、お話しすることができました。

活動事例としては、プロップ・ステーションでの「中学・高校世代向けチャレンジドICTスキルアップ夏期講習会」、横浜市立港北小学校の個別級での授業、CAMPおよびCollableと三者協働したインクルーシブなワークショップ全7回などを紹介しました。( ピッケのブログ内でカテゴリー「発達障害・特別支援(チャレンジド)」を選んでいただくと、それぞれのレポートがあります。こちら>>

ピッケをご利用くださった女の子のお母さんからのメッセージも紹介しました。頂戴した言葉に、今も励まされます。

チーコは長いこと周囲とうまく付き合えず、苦しい思いからファンタジーの世界へ逃避しがちだったのですが、ピッケがうまく橋渡しをしてくれました。チーコが作ったピッケの作品を見た先生が「こんなに豊かな世界を持っているんですね!」と、文字を書いて表現するのは難しいけれど、絵と音声ですてきなお話を作れることをご理解いただけました。ピッケの世界はチーコにとってとても自由な世界のようで、チーコにとってピッケは「本領発揮できるところ」らしいです。( 当時 小学1~2年生 )

そして数年後には、チーコちゃん作の俳句作品がNHKの番組で紹介されるまでになりました。今は5年生です。メッセージを公開させていただいてよいでしょうかとご連絡をさしあげた際、あわせて近況もお知らせくださいました。

文字を読んだり書いたりできなくても、物語の主人公になってピッケとたくさんのことに挑戦できました。学びを楽しみ、物語を楽しみ、沢山の感情を表現できるようになったのは、ピッケで培った力だと思っています。幼稚園や学校で長いこと理解されず、理解できず、周囲に溶け込めず、辛い日々を送っていましたし、学習にも大きなハンデがありましたから… 今では国語の課題でパラレルワールドの物語とか書いたりするようになりましたよ。

ASD児など発達に困りごとのある子どもたちにとっては、人や社会と接続するための言葉による表現が、皆と同じを強いられる従来の方法では難しい場合があります。一方、彼らの内側にある言葉は、むしろ豊かに育っています。その豊かな言葉を聞けないのは、本人が困ったりもどかしく思うのはもちろんのこと、社会にとっても、とても残念で、もったいないです。

療育や医療的ケアでナラティブ法をとる際、言語のみだと向き合う二項関係になりますが、メディアを介することで三項関係となります。また、文字のみによらず、絵や音声も総動員しての表現ができるので自由度があがり、これまでの方法では表出の難しかった思いを伝えることができます。全員に有効ではないかもしれませんが、良くデザインされたデジタルメディアは、発達に困りごとのある子どもたちの創造表現を助けます。

言葉の喜びや楽しみは、子どもたちが生きていく上での大きな力となります。社会の中で不自由を感じている子どもたちには尚さら、言葉と物語の深い喜びを味わい、本領を発揮して、幸せに生きてほしいと願います。ピッケでわずかながらでもお手伝いできれば幸いです。

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」:http://www.pekay.jp/pkla/ipad
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:http://www.pekay.jp/pkp/
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