Monthly Archives: 12月 2019

おでかけピッケ@阪大病院院内学級


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の保育士 井上さん、鈴木さんと一緒に、大阪大学医学部附属病院の院内教室(大阪府立刀根山支援学校の分教室)へ出かけて絵本づくりをしました。チャイケモボランティアのおふたりもお手伝いくださいました。

「大阪大学医学部附属病院小児医療センター」施錠された扉の中へは、感染症の持ち込みや拡大防止のため、15歳以下の人はたとえ兄弟姉妹であっても立ち入ることができません。この扉を入り長い廊下のいちばん奥に小学部と中学部の教室が在ります。

導入用にクリスマスの絵本を数冊持って行きました。小児医療センター内にも、大きなツリーが飾られています。

中学生はテストの日ということで小学部のみの授業となりました。教室へ来ることができたのは4人。それぞれの体調に応じて、疲れたら無理せず休憩したり部屋へひきあげるなどしつつ、全員が完成させました。ママや3歳の弟さんへ贈る絵本です。
4年生女児は治療のため大型バギーに乗っている苦しい体勢の中で、録音にも挑戦。カエルの声は阿部先生、アヒルの声は井上さん、カマキリは自身でと配役も決めて録音しました。

8見開きもある大作ゆえ途中までになってしまいましたが、こちらの院内学級では昨年度よりピッケを導入してくださっているので、後日また続きができます。今回教室での授業に参加できなかった子どもたちにも、先生方で実施を予定してくださっているそうで、ありがたいです。

ナラティブは、がんばっている子どもたちの気持ちをひととき軽くし楽しみをもたらします。ご家族や医療者にとっても、作品から子どもさんの心の内を垣間見ることができます。医療の現場でもっとナラティブが活かされますように。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。2019年度の「おでかけピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


12月7日土曜日、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって6回目、通算で9回目です。そもそもは、昨年2018年度、豊橋市が文部科学省からの委託を受けて始まったプロジェクトで、豊橋市中央図書館の伊藤孝良館長(当時)を中心に実施されました(正式決定が夏前だったので始められたのは10月、実質は半年)。文科省がこの「地域の教育資源を活用した教育格差解消プラン」自体を終了したため、今年度からは、豊橋市中央図書館の自主企画として、伊藤元館長を核とする市民ボランティアによって続けられています。

前回から2か月空いてしまい、ちょっと心配。
午前の市営西部住宅は、残念ながら常連の姉弟だけに。お母さんがふたりの手を引いて連れて来てくださいました。

今回のテーマは、子どもたちの希望により「クリスマス」。
冬の長期休暇、帰国時のお土産にもなります。ふたりもフィリピンの従兄弟たちにプレゼントするそう。

お迎えにいらしたお母さんにつくった絵本を見せているとき、ほんとに嬉しそうです。

午後の県営岩田住宅は、8人の参加。初参加のフィリピンルーツ(タガログ語)の子たちが連れ立って来てくれました。お母さんもおひとり。
これまで岩田はブラジルルーツの子が大半だったのですが、はじめて反転しました。

司書の田中さんが、「クリスマスのかくれんぼ」(いしかわこうじ 作)大型本と「まどから おくりもの 」(五味太郎 作)の読み聞かせをしてくれました。

クリスマスツリー、リース、プレゼント箱、雪だるま、子どもたちは積木の組みあわせで、あらゆるモノをまたたく間につくっていきます。さらに、白雲をサンタの髭に見立てたり、ぶどうを逆さにしてイルミネーションのツリーにしたり、雨粒を横方向に使って星空を表現したり。柔らかな発想に驚きます。

来日まもないブラジルルーツの4年生は初参加です。ポルトガル語での録音。活き活きした語りはまるで唄っているようで、声の調子からも絵からも物語が伝わってきます。

ブラジルルーツの兄妹。お兄ちゃんはいつもアイディア素晴らしくて、妹さんはいつも細かに作り込みます。

自治会の舛木さんとブルーノさん、名古屋大学 小川明子さんのサポートで、ふたりとも日本語での録音もがんばりました。
10歳の兄。日本語での表現がわからない時は、ブルーノさんに短い日本語に訳してもらい、何回か復唱練習してから録音しました。「ほうほうほう 私サンタクロース プレゼントを届けに行くよ」から始まり、「ゆっくり おやすみなさい」で終わります。

6歳の妹さん。舛木さんによる通訳で、言いたい表現を短くてやさしい日本語に。小川さんとの掛け合いにしたり、発音の難しいところは一緒に声を合わせる等して録音。さいごは「プレゼントどうぞ」

フィリピンルーツの4年生も初参加。日本語で文字入力と録音までできました。「泣かないで」のシーンでちょっと照れていて、それも含め素敵です。

家庭では日本語を使っていない子たちが多く、何人かは母語での文字入力となり、録音はせずに終わりました。
特に日本語が未だ不安な子については、できれば個別に付いて丁寧にみてあげたいのに。手が足りないことがもどかしいです。もし手伝ってくださる方あれば、お力貸していただけるととてもありがたいです。ポルトガル語、タガログ語、ビサヤ語ができる人も切望しています。子どもたちの物語が生まれる場に立ち会うのは楽しいですよ。

次回は、1月18日土曜日、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です。その次は2月22日、そして3月21日には中央図書館で発表会をしようと計画中です。発表会はどなたでもお越しいただけます。3月21日の午後、どうぞご予定空けておいてくださいね。

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放課後子ども教室でピッケ@豊橋市立岩田小学校


豊橋市は、外国籍児童が多い3つの小学校で、外国籍児童対象にした放課後子ども教室を平日毎日開設しています。その内の1つ岩田小学校での絵本づくりに同行しお手伝いさせていただきました。豊橋市中央図書館のアウトリーチとしての活動です。iPad、絵本、プリンタを持って訪問。

岩田小の放課後子ども教室では、母語できる通訳さんを含む4人の指導員さんがついて、宿題を丁寧にみてあげたり、随時、生活や学校のルールを教えてあげています。
低学年から順に、授業を終えてやってきます。まずは宿題。漢字ドリル、計算ドリル、国語の教科書の音読。そして、宿題が済んだ子からピッケ。

岩田住宅の集会所へも時々来てくれたことがあるフィリピンルーツの男の子は、操作方法もよく覚えていてどんどんつくります。これまでテキスト入力や録音はいつも母語になっていたのを、初めて日本語での録音にチャレンジ。りんごにすべってしまい、飛行機にあたって、空へと飛んでいくお話です。「すべって」とか「あたって」は言いにくくて、納得いくまで何回もやり直して完成させました。

あさって土曜は、集住地区集会所でのいつもの絵本づくりです。子どもたちからの強いリクエストでクリスマス絵本をつくる予定です。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @「とりアート2019」(鳥取)


11月30日、12月1日、昨年度に引き続き 第17回鳥取県総合芸術文化祭 「とりアート2019」(西部地区)よりお招きいただき、鳥取県米子市で絵本づくりワークショップをしました。今年の大会テーマも「こどもと一緒にアートしよ!」、会場も同じ米子市児童文化センターでした。

海を臨む部屋で、初日はまず子ども対象。

5歳~10歳の子どもたちが参加してくれました。昨年からのリピータさんも2人。絵本を贈る相手は、おばあちゃんが多くて、その中のひとり「大きなおばあちゃん」は、ひいおばあちゃんのことでしょうか。

楽しいお話がいっぱい生まれました。
細かにつくり込んだクリスマス絵本や、お客さんが次々やって来る美味しいパン屋さんのお話。「パンをください」「いいですよ」、さいごは「パン屋さんのパンは売切れです。ありがとうございます」

空っぽのお皿の表紙で始まって、山へ海へ樹の中へと食材を探しに行ってご馳走を食べるお話も。6歳男児作の「ぴっけとかめちゃん」は、「風船のお礼に絵をあげるよ」「よかったね。おしまい」

今年も、鳥取大学の学生さんたちがスタッフとして付いてくれました。5歳くんが「次、どうしよっかなー」と考えつつ録音したのは「かくれんぼ」のお話。

製本をして発表会。

完成した絵本は、おばあちゃんをはじめ、それぞれの大事な人へプレゼント。

2日目は大人対象で絵本づくり。5歳の頃を思い出してもらいました。大好きだった幼馴染との想い出-海で岩から落っこちたり-を描いてくれた方もありました。将来医療者になる大学生も参加してくれて和やかに終了。

ゆったり予定を組んでくださったおかげで、他のアーティストのプログラムも楽しむことできました。糸崎公朗さんの「フォトモ」photo+model は、飛び出す立体写真。子どもたちの作品も素晴らしかったです。

巨大クジラに子どもたち皆でペイント。大山町在住の「絵かき」朝倉弘平さん。

米子出身のピアニスト、作・編曲家 松本哲平さんによる、音を感じて粘土で表現するワークショップも良かったです。続いてコンサート。終盤、哲平さんの言葉でカーテンを開け、夕暮れの光の中で皆で聴いたピアノは心震えました。
2日目の最後は、松本哲平さんと朝倉弘平さんのコラボでライブペイント。子どもたちも駆けたり寝そべったりリラックスして鑑賞。素敵なクロージングとなりました。

絵本づくりの会場から見た中海の夕景。

場の雰囲気も、子どもたちも、スタッフの皆さんも、出会ったアーティストさんたちも、みんな和やか。穏やかで幸せな2泊3日でした。

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