Monthly Archives: 2月 2025

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


2月15日土曜日は、外国にルーツのある子どもたちとのワークショップ。今回は、いつにも増して楽しみにしていました。というのは、外国ルーツの子どもたち対象の午後回に、初参加者の事前申込が4組、計6名もあったのです。でも残念ながら、いずれも欠席でした。1組は欠席のご連絡があり、他は忘れていたり、連絡がつかなかったり。でも、まぁ、行ってみようと思い面倒な事前申込までしてくれた人がそんなにあったのだから、前進ですね。
もうひとつ、楽しみにしていたのは、ブラジル籍の青年ブルーノさんとの再会でした。岩田団地の集会所で開催していた頃、いつも手伝ってくれていたブルーノさん、2週間ほど前に突然電話があって、会場は変わったけれど今も続けていると伝えると、こんど行くと約束してくれたのです。約束通り、同僚のお子さんを連れて来てくれました。早朝からの8時間超勤務を終え昼食もそこそこに。そして、ブラジル人学校へ通っていて日本語を解さないその9歳さんのために、以前のように操作方法を教えたり、通訳をしてくれました。

常連の小3さんが『あなたがとってもかわいい』( みやにし たつや 作・絵、金の星社)を読んでくれたあと、かわいい、または自由をテーマに絵本をつくりました。選書は図書館司書さんです。
よく子どもたちから「流行」や「推し」を教わります。この日の「えっ知らないのー??」は、ピラフ星人。小3さんによると、TikTokerでラッパーなのだそう。
小5さん作は、推しのクロミでの言葉探し。小2くんが、背景に紛れている文字を懸命に探しています。

午前回に参加した小2くんが、もっとつくりたいと午後回にも来てくれたのです。午後も見事な集中力で2作目を作り、お母さん作の録音にも参加、さらに、お姉さんたちが繰り出す理不尽ともいえるクイズにまで奮闘したのでした。

常連さんたちに前回1月の急な中止を詫びると「(代わりに)家で画用紙で絵本をつくったよ。レオン(飼犬)が噛んで破っちゃったけど」と話してくれました。

ブルーノさん、ありがとうございました。また来てくださいね!

一方、国籍限定を外した午前回は、全員日本人となりました。実は午前回にも初参加の外国籍児の事前申込が複数あったのですが、残念、現れず。彼らを断りたくなくて、定員大幅超えで受付けていたので、もし全員そろっていたらカオスになるかもだったのですが、キャンセルも多く、結果おさまる人数となりました。
初参加の子どもたちもどんどんつくっています。

あらかじめつくりたいテーマを決めてきている子も多く、小1くんは調べるための本も持参して国旗のお話をつくりました。カービーからポケモンへ移行しつつある年長くんも資料本を持参、兄貴分の小2くんと見せ合いっこしながらつくっていました。

思い思いの場所で録音。6歳さんは、いつも周囲の喧噪をものともせずお話の世界へ入り込んでいて、録音も楽しんでいます。録音ボタンを押すお母さんも、はたしてどんなお話なのか、できあがってみるまでご存知ないのです。なので毎回さいしょの読者として、驚いたり笑ったりなさっています。

今回はカニが吹っ飛んでいきますよ。

小2くんがホワイトボードに描き始めると6歳さんも出てきて隣で描きました。後ろの席では、見学にいらした祖父さんが、孫ではない別のお子さんと共作なさっていたり(と言っても、さいごはほぼ祖父さんにお任せ状態)。ふと見ると、並んで座っていたはずの家族の組み合わせが入れ替わっていることもよくあって、そんな混ぜこぜになっている光景はいいなぁと思います。

次回は、この1年の集大成、合同での発表会を行います。各自がこれまでつくった中から選んだベスト作品を上映します。ワークショップに参加したことがない方も、子どもも大人も、どうぞどなたでもお越しください。
3月15日土曜 14時~、豊橋市中央図書館3階の集会室です。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
https://www.youtube.com/c/TamieAsakura/videos

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instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/

市民ボランティア「ピッケの会とよはし」(PeKay Toyohashi)さんのFacebook:
https://www.facebook.com/100091953173119

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@羽田保育園(豊橋)


2月14日、羽田八幡宮の参道沿いにある保育園へ出かけました。外国ルーツ対象のワークショップをご一緒している伊藤孝良さん(元中央図書館長)が園長先生をなさっているご縁です。

皆で見に行ったドクターイエロー、餅つき、大風が吹いて飛ばされた劇のシーン、園で飼ってるメダカ。他にも、豆まきで鬼になったこと、マリンバ演奏、100回だって回せるフラフープなど、園生活のあれこれをお話にしてくれました。積木を丁寧に並べて作ったのは園庭の門とのこと。
現実と空想とがゆるやかに繋がった世界観は、この年頃の子どもたちならではです。例えば、実際には水槽で飼っているメダカが、お話の中では、園舎の中を大勢の仲間たちと悠然と泳いでいたりします。
来月、もう1回訪問し録音して仕上げます。すでに待ち遠しいです。

羽田保育園(社会福祉法人 育栄会):
https://www.toyo-ikueikai.jp/nursery/ns01.php

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「アートとこころのケア講座」でピッケ



今年度も「兵庫県アートとこころのケア講座」(於:兵庫県こころのケアセンター)で講師を務めました。この講座では「病児や発達に困りごとのある子どもたちのサポート」に絞ってお話ししています。

概要説明のあと、ごっこ遊びをしていた幼い日の物語る楽しみを思い出してほしくて、5歳の頃にワープ。好きだった遊びや場所、嬉しかったこと、あるいは心細かったことなど心に残っているできごとをお話にしてもらったところ、例えばこんなエピソードを語ってくださいました。
有馬の山でオニヤンマを見つけたとき、いつもは寡黙なお父さんが「よし待ってろ」と虫捕り網を手に、まるで武士の太刀捌きのような見事さで捕まえてくれたのだそう。その鮮やかな光景を描いてくれました。そのとき抱いた尊敬の気持ちとあふれる嬉しさが伝わってきます。

また別の方は、お腹が痛くなりがちな私を気遣ったお母さんが、ハチミツをかけたりの工夫をして正露丸をのませてくれたこと。それぞれの場面の背景に置いた冷蔵庫の表情も効いています。お話を聴かせてもらって、そういえば、虚弱だった私も、ビオフェルミン、正露丸、養命酒、あれこれのませてもらったなと思い出しました。幼い日に大切にしてもらった記憶は心の奥底にいつまでも残りますね。大事なお守りのように。

療育や医療的ケアの領域では特に、ナラティブモードの語りが助けになります。その際、インタビュー形式などの言語のみで向き合う二項関係と比べ、メディアを介しての三項関係がより望ましいです。セラピストとクライアント、親と子ども、教員と児童生徒といった二項関係においては、前者にそのつもりがなくとも後者にとっては圧を感じてしまう場合があります。対して、両者が横並びとなる三項関係ではドミナントが弱まり、後者がリラックスしやすくなります。また、デジタルメディアであれば、文字のみによらず、絵や音声も総動員しての表現ができるので自由度があがり、これまでの手法では表出の難しかった思いを伝えることができます。インタラクティブに操作しながらの発話は物語の中に入っていきやすいです。全員に有効ではないかもしれませんが、良くデザインされたデジタルメディアは、発達に困りごとのある子どもたちの創造表現を助けます。

受講くださった皆さんが、お話づくりの楽しみを思い出し、その可能性を感じ、ご自身が携わる場へ持ち帰って、次のどなたかへ届けてくださると嬉しいです。

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「おへやでピッケ」でチャイケモへ


先週オンライン授業をした京都大学医学部附属病院からiPadが戻ってきたので、チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)へ出かけてきました。データを取り出してみると、丁寧につくりこまれた作品がいっぱい。子どもたちの大切なお話を、チャイケモの井上さんと一緒に製本しました。

この日はちょうど「よりみち」の開催日でした。病気のある子どもたちや、きょうだいじさん、ご家族を対象に、ハウスの一部が解放されます(「一部」と言っても、かくれんぼできるくらい広ーいです)。事前申込不要、開催時間内はいつ来てもいつ帰っても自由、参加無料です。クラフト、楽器、折り紙、ボードゲームといった遊びの他、各種お茶の用意もあるので、おしゃべりしたりお昼寝したり、居心地よいハウス内でのんびり過ごせます。
私も、ハウス滞在中の女の子考案の即興遊び「なコンテスト」に加えてもらいました。まず手書きの参加券が配られ、指名されると、自分の「名前(な)」の一文字を選び自慢できる点を話します。それを、主催、進行、かつ審査員の女の子がジャッジするという趣向です。遊びを思いつく→皆でやってみる→次の遊びを思いつく… 外は凍てつく寒さでしたが、ハウスの中は春みたいでした。

もし外出が難しかったり、直接会うのは恥ずかしいけれどおしゃべりしたり遊びたいという場合には「オンラインよりみち」もあります。次回は2月13日(木)。毎月の開催日や詳細はチャイケモのWebにあるので、覗いてみてくださいね。

公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金
重い病気をもつ子どもたちや家族をサポートする活動を行っている。( NPO法人チャイルド・ケモ・ハウスは、発展的解散の手続きを経て、2022年9月より公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金に統合されました )

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