Category: 英語教育

ピッケで英語絵本@同志社中学校


10月30日、今年もゲスト講師としてお招きいただき、同志社中学校へ出かけてきました。

同志社中学では全生徒が1人1台iPad を所有していて、1年生の英語の授業に「ピッケのつくるえほん」が導入されています。英語の先生は14人もいらして、学校をあげて長年英語教育に力を注いでおられます。反田任先生をはじめとする先生方による独自のカリキュラムは、教科書の枠にとらわれず(もちろん教科書の内容はおさえた上で、それと組み合わせて)、アウトプットも大事にされた学びのデザインとなっています。

クラスは36人の少人数編成です。通常の英語の授業はハーフサイズクラス(18人)ですが、ピッケの授業は1クラス単位で行われました。この授業では、フリーライティング+絵コンテ+ピッケ絵本がリンクしています。提出物としては、フリーライティングのテキストとピッケ絵本となり、ピッケ絵本は各人で動画に書き出して提出します。

昨年度から複数人でテーブルを囲める新しい教室となり、互いの画面が見えるので、教えあいやアイディアの伝播が起こりやすくなっています。

導入に絵本の話を少しして、昨年度の先輩の作品を紹介しました。
「Let’s go adventure!」Mihiroさん作

反田先生が用意してくださった絵コンテ用紙を各自が利用したい方法で使いながら、4~8見開きでまとめます。
制作に入ると、集中して静かになります。「創りたい」がまず先にあるとき、意欲をもって学びに向かえることをあらためて感じました。
最初は絵で情景を描いていきます。続いて、まずは知っている英語で表現します。わからない単語やつづりを調べたり(常時ネット接続なので、検索も自由にできます)、習っていないことは先生に尋ねながら、自分の伝えたいことを絵と言葉(英語)で物語にしてゆきます。

後半で、表紙のつくり方と録音方法を伝えました。45分の授業ですので、途中までとなり、続きは宿題として各自で仕上げ、後日、担当の先生へ提出します。

生徒が主体となって取り組むオープンエンドな「創る」には、多くの学びがつまっています。とはいえ、先生の立場からみると、時間中は生徒さん個々に応じたファシリテートが必要となりますし、自由制作作品の評価はさぞ手間がかかることでしょう。おそらく、この「評価」が、多くの先生方を躊躇させるのではないでしょうか。反田先生に尋ねてみたところ「ルーブリック評価でするからさして大変ではない」そうです。とはいえ、正誤の明らかな採点に比べれば簡単ではないはずで、さらりと言えるのは度量です。

Musio(AIを搭載したロボット)を活用したりネイティブとの1対1のオンライン会話も取り入れたりの先進的な英語授業は、全国からの視察が相次ぎ、メディアからも注目されています。訪問日にも、昼は日テレWebニュースで、夕方には読売TVのニュースで放映がありました。番組用に短く編集されるとき、視覚的キャッチーさが優先されたり「ICTが課題解決!」的にまとめられがちです。しかし、肝心なのは授業のデザインです。ただ表面的にまねてやみくもに同じICT機器を導入したところで同様の結果は得られません。優れた学びのデザインが先にあり、その適所要所に活用されてこそ生きるのです。見習うべきは、どう学びをデザインするかです。あと、メディアに取り上げられる内容だけを見ていると、オーラル重視に見えてしまうかもしれませんが、文法やライティングも同じくらいなさっています。ピッケ授業の提出物(評価対象)も、動画とフリーライティングのテキストです。

授業4クラスを終えたあと、今年は特別に、青森から同志社中学を訪問中の風間浦中学校2年生16人へも授業をさせていただきました。

お話を頂いたとき、おもわず地図で調べました。風間浦村は下北半島の北西部に在る津軽海峡に面した村で、小学校と中学校が(統廃合を経て)ひとつずつあります。生徒さんは1人1台自分のiPadminiを持っています。より良い活用を学びに、先生と村の教育委員会の方が、なんと生徒さんも連れて来訪されているのでした。せっかくなのでピッケの絵本づくりも体験できるようにと、反田先生と風間浦中の先生方とでスケジュールを調整してくださり実現した授業です。

事前にオンラインでの交流もなさったそうで、全員が、どんなお話にしたいかを絵コンテに描いてきてくれています。

皆どんどんつくっていきます。文章は英語でも日本語でもどちらでもOK。1時間足らずでしたが、録音までできた生徒さんもありました。

続きをしたい人は、宿泊先のホテルで各自完成させて、翌日、反田先生が動画書き出しや展開図の印刷をしてくださいます。
16人とも素直で「ハイ!」の声が大きくて礼儀正しくて、びっくり。どんな作品が完成するか楽しみです。ピッケの授業のあとは、生徒会との交流とのこと。丸一日スケジュールびっしりですが、生徒さんたちは元気いっぱいでした。

反田先生の、たとえ他校であってもやる気と誠意のある先生や生徒さんをとことん応援なさる姿勢には敬服します。同志社中学校で、毎年ピッケを活用いただけて嬉しいです。

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」← 同志社中学校で導入
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ピッケで英語絵本@同志社中学校


11月初旬、同志社中学校に、今年もゲスト講師としてお招きいただきました。8クラスあるので2日間、比叡山を望む素敵な学舎へ通いました。

同志社中では全生徒が1人1台iPad を所有していて、1年生の英語の授業に「ピッケのつくるえほん」が導入されています。英語の先生は14人もいらして、ネイティブスピーカーによる授業、外国人講師と1対1で話すSkypeを使ったオンライン授業、国際交流プログラムなど、学校をあげて長年英語教育に力を注いでおられます。
反田任先生をはじめとする先生方による独自のカリキュラムは、教科書の枠にとらわれず(もちろん教科書の内容はおさえた上で、それと組み合わせて)、1年生ではピッケで英語絵本づくり、2年生では「My Dream」英語プレゼン、3年生ではキング牧師のスピーチの暗唱など、アウトプットも大事にされた学びのデザインとなっています。

クラスは36人の少人数編成です。通常の英語の授業はハーフサイズクラス(18人)ですが、今回のピッケの授業は1クラス単位で行われました。この授業では、フリーライティング+絵コンテ+ピッケ絵本がリンクしています。提出物としては、フリーライティングのテキストとピッケ絵本となり、ピッケ絵本は各人で動画に書き出してロイロに貼り付けて提出します。

今年度は、複数人でテーブルを囲める新しい教室となり、互いの画面が見えるので、教えあいやアイディアの伝播が起こりやすくなっていると感じました。

導入に絵本の話を少しして、イメージをつかんでもらうために昨年度の先輩の作品も紹介しました。

「My good friend」Fukaさん(中学1年生)作  昨年度の生徒さん作品

先生からの約束事としては、1学期に習った三人称単数をどこかで使う、のみ。時制は(既習の)現在形でよく、過去形や未来形を調べて挑戦することも、もちろんOKです。反田先生が用意してくださった絵コンテ用紙を各自が利用したい方法で使いながら、4~8見開きでまとめます。

最初はアプリ上で絵で情景を描いていきます。

続いて、まずは知っている英語で表現します。

わからない単語やつづりを調べたり(常時ネット接続なので、検索も自由にできます)、習っていないことは先生に尋ねながら、自分の伝えたいことを絵と言葉(英語)で物語にしてゆきます。
後半で、表紙のつくり方、録音方法、動画書き出しの方法を伝えました。45分の授業ですので、途中までとなり、続きは宿題として各自で仕上げ、後日、担当の先生へ提出します。

賑やかに互いに話し合いながらつくるクラス、静かに集中するクラス、様々ですが、どのクラスも熱心に取り組んでいます。ちょっとやんちゃな男子生徒の一群まで、お昼休みが始まっても未だつくっていました。「創りたい」がまず先にあるとき、意欲をもって学びに向かえることをあらためて感じました。

あるクラスで授業前、女生徒さんから「これ使ってください」と小さな機器を渡されました。オンにすると、その生徒さんのイヤホンに音声が届きます。耳の聞こえにくい生徒さんへの配慮があたりまえになされていて、よいなぁと思いました。

生徒が主体となって取り組むオープンエンドな「創る」には、多くの学びがつまっています。とはいえ、先生の立場からみると、時間中は生徒さん個々に応じたファシリテートが必要となりますし、自由制作作品の評価はさぞ手間がかかることでしょう。質問してみたところ「ルーブリック評価でするからさして大変ではない」とのこと。とはいえ、正誤の明らかな採点に比べれば簡単ではないはずで、さらりと言えるのは先生方の度量の大きさです。

英語の授業の中で、キング牧師やアレン・ネルソン氏などの著書も読むそうです。語学力を伸ばすにとどまらず、平和の大切さを理解し、異文化や社会に対して柔軟で広い視野を備えた国際人の養成を図ろうとする教育指針に、新島襄氏の建学の精神が今も息づいていることを感じました。

廊下を歩く2年生たちから「あ、ピッケ」の声が聞こえました。覚えていてくれて嬉しい。今年度の生徒さんたちの完成作品も、とても楽しみにしています!

番外)なんと、構内で発掘調査中。さすが京都です。

追記)今年度の完成作品から2つ紹介。ストーリー、絵作り、英文、録音、いずれも素晴らしくて、嬉しい驚きでした!

「Let’s go adventure!」Mihiroさん作

「Strange Halloween」Chisakoさん作

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」← 同志社中学校で導入
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」
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ピッケ in English 国際交流の英語授業@横須賀学院小学校


オープンキャンパスの翌日、横須賀学院小学校へ、Winソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」を利用した阿部志乃先生の英語の授業を見学に伺いました。

図書室と繋がった情報の教室に、子どもたちが「ピッケしたい!」「ピッケ、ピッケ!」「早くしたい」と口々に言いながら駆け込むようにやって来ます。阿部先生から「子どもたちピッケ大好きですよ」と聞いてはいましたが、ここまでとは予想しておらず、さらに「今日はゲストが来てくれています。ピッケをつくった人です」と紹介してくださると歓声が上がり、嬉しいやらこそばゆいやらでした。

これまで使い方の説明はしていなくて、見慣れないアイコンに興味をもった子が遊び始め、教えあいで操作方法を習得したとのこと。阿部先生いわく「こちらがイチから教えると時間がかかるし、子どもたちもウズウズするので、好きにやらせました。新しい事を発見できた子は他の子どもに教えてくれます」とのこと。なるほど。

前時は自由制作ひとつと もう1作、エリック・カールの「月ようびはなにたべる?」 ” Today Is Monday ” を子どもたちが気に入ったので、そのアレンジで ” Today is Monday. Monday Bananas ” を、ピッケでつくったそうです。

時間の最初は、続きの自由制作をして、つくりたい気持ちをひとまず落ち着かせます。ページを増やし、Tuesday をつくっている子もいました。新しいアイディアを見つけた子のところへ集まったり、わからないことは隣の子に聞いたり、表現したい英語の表現は先生に教えてもらったり、賑やかに授業は進みます。

続いて、録音をしてみることになりました。” Today is Monday. Monday Bananas !” ヘッドセットを付けて、それぞれ録音します。

さて、ここからが本時の主題です。
横須賀学院小学校では、毎年3年生で「トラベル・テディ」Travel Teddy Project として、海外の小学生とぬいぐるみの留学生を交換しています。一緒に授業を受け行事にも参加して、その体験を子どもたちが記録し、留学生の帰国時に持たせてあげるのだそうです。今年は、オーストラリアから3人の留学生が来ています。(左から Koolah、COCO、Marlu)

こちらは、2008年から続くこのプロジェクトの歴代の日本側留学生たち。行き先は、英国、米国、台湾、韓国、ウクライナ、セルビア、インド、オーストリア、ドイツ・・・世界の様々な国々です。

「帰国する留学生に、ピッケでつくった紙の絵本と、声入りのデータを持って帰ってもらいましょう!」先生の提案に、子どもたちは大喜び、ますます張り切ってつくります。自分のクラスの留学生の写真をとりこみ、吹き出しを付けて、メッセージを入れてゆきます。留学生と一緒に行ったという富士山の絵を描いている子もいれば、クリスマスカードをつくり始めた子もいました。

あっという間に45分が経ちました。復元ソフトが入っているので、ローカル保存では消えてしまいます。ファイル名を付けて保存、それをエクスポートで共有フォルダにも保存してから、パソコンをシャットダウン、所定の位置に片づけます。「『生徒』(共有フォルダ)をカチカチッ、自分の名前をカチカチッ」3年生でも、その一連ができることにびっくりしました。

阿部先生は、まず楽しく、子どもが進んで取り組み、互いに教えあうことを大事になさっていて、とても共感しました。楽しくてしかたない状態のところに、目的、今回でいえば留学生に託してオーストラリアの子たちへ届ける「つくりたい、伝えたい」気持ちが強くあるから、前のめりでどんどん学び工夫し覚えていきます。
ほんとに素敵な授業を見学させていただきました。

今回見学させていただいたのは3年生のクラスでした。4年生英語では、” Handa’s Surprise “というケニアのお話を「ピッケのつくるプレゼンテーション」で思い思いのお話につくり直すそうです。
授業後、数人の子たちから「お願い、来週も来て」と懇願してもらいました。4年生の授業も見てみたく、ぜひいつか再訪したいです。

横須賀学院小学校 英語教育の概要 はこちら>>
横須賀学院小学校 英語科のページ はこちら>>

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利用ソフト: 「ピッケのつくるプレゼンテーション」
※ 学校向けWindowsソフトです。
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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ピッケで英語絵本@同志社中学校


同志社中学校では、1年生の英語の授業に「ピッケのつくるえほん」が導入されています。ゲスト講師としてお招きいただきました。8クラスあるので全3日間となり、今日はその2日目でした。

比叡山を望む豊かな自然環境、ゆったりした敷地の中に、学舎、礼拝堂、アリーナやカフェテリアが在ります。

チャイムも制服もありません。2年前に初めて伺った時、まるで大学のキャンパスのような雰囲気に驚きました。

このときは、土曜日の特別講座として日本語で絵本づくりを楽しみました。(ブログで生徒さんの作品もご覧いただけます)今回は、授業としての英語の絵本づくりです。

全生徒が1人1台iPadを所有していて、自宅や学校で使いこなしています。1年生 約290人の iPadには「ピッケのつくるえほん」がインストールされています。(ある女子生徒さんのiPadには、小学2年生の妹さんが作ったというピッケ絵本が並んでいました)

1クラスは36名の少人数編成で、さらに英語の授業はハーフサイズクラスで行っているそうです。英語の先生も14人もいらして、国際交流プログラムがあるなど、学校をあげて長年英語教育に力を注いでおられます。今回のピッケの授業は、1クラス単位で行われ、毎時2~3人の英語専科の先生が入ってくださいました。


導入に絵本の話を少ししたあと、早速つくってもらいます。
贈る相手もしくはテーマ(例:小学生向けの英語の教科書、ハロウィン絵本、クリスマスメッセージの絵本)を各自で決め、あとは自由としました。自宅でアプリを使いこんできたからと、早速つくり始める男子生徒さんもありました。

反田任先生が用意してくださった絵コンテ用紙を、各自が利用したい方法で使いながら、8見開き以内でまとめます。

アプリ上で絵で情景を描けたら、まずは知っている英語で表現してみます。続いて、わからない単語やつづりを調べ(常時ネット接続なので、検索も自由にできます)、習っていないことは先生に尋ねながら、自分の伝えたいことを絵と言葉(英語)で物語にしてゆきます。

賑やかに和気あいあい話しながらつくるクラスもあれば、静かに集中するクラスもあり、クラスの個性の違いも面白かったです。いずれも熱心に取り組んでいました。中学生であっても小学生であっても、「創りたい」がまず先にあるとき、意欲をもって学びに向かえることをあらためて感じました。
45分の授業ですので、途中までとなり、続きは宿題として各自で仕上げ、後日、担当の先生へ提出されます。

生徒が主体となって取り組むオープンエンドな「創る」には、多くの学びがつまっています。
とはいえ、先生の立場からみると、時間中は生徒さん個々に応じたファシリテートが必要となりますし、自由制作作品の評価はペーパーテスト等の採点に比べてさぞ手間がかかることでしょう。にもかかわらず、1年生全クラスに導入してくださり嬉しいです。

図書室「図書・メディアセンター」には、4万冊を超える蔵書があります。入ってすぐの書棚2つには、創立者・新島襄氏に関する本が並んでいました。

英語の授業の中で、キング牧師やアレン・ネルソン氏などの著書も読むそうです。語学力を伸ばすにとどまらず、平和の大切さを理解し、異文化や社会に対して柔軟で広い視野を備えた国際人の養成を図ろうとする教育指針に、建学の精神が今も脈々と息づいていることを感じました。

残り3クラスの授業へ伺うことも、どんな英語絵本が仕上がるかも、とても楽しみです。

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」:http://www.pekay.jp/pkla/ipad ←同志社中学校で導入
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」:http://www.pekay.jp/pkp/
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