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青森の中学校とオンライン授業


同志社中学校と風間浦中学校の4日間に渡るオンライン交流研究会の最終日、同志社中学校 反田任先生のコーディネートで、風間浦中学2年生の授業を担当させて頂きました。

風間浦村は、津軽海峡に面した本州最北端の村。同志社との縁は1864年にまでさかのぼります。同志社創立者である新島襄は、函館へと向かう航海中、悪天候に見舞われ風間浦の下風呂港に寄港、2日間滞在しました。その史実に因み1992年に新島襄寄港記念碑が建立されたのを機に両校の交流が始まったのだそうです。以来、年に一度、風間浦中学校の2年生全員が、先生や教育委員会の方の引率で京都を訪れ、大学キャンパスを見学し外国からの留学生と交流したり、同志社中学生と授業や課外活動を共にする交流を続けています。毎年ではないですが、同志社中学の生徒(生徒会の生徒さん)が風間浦中を訪れての交流もされています。

昨年度は、ちょうどその同志社来訪中にピッケの絵本づくりをさせて頂きました。(昨秋の同志社中学での授業の様子
今年度は Covid-19感染予防の配慮からリアルでの交流はできなかったものの、代わりにオンラインで企画なさり、嬉しいことにそのプログラムのひとつとしてピッケも加えてくださったのでした。

今年の2年生も画面越しの「ハイ!」の声が大きくて元気いっぱい。「休憩要らないです」と授業2つ分=90分を連続で最後まで。集中力とあふれるアイディアに感心しました。後日、完成作品を拝見するのが楽しみです。

風間浦村は、村をあげて、子どもたちや教育をとても大事になさっていると感じます。それは、取組みの熱心さ、生徒さんへの接し方からも伝わってきます。
村の世帯数は わずか905世帯。私の住んでいる神戸の某町某丁目の世帯数より少ないのです。にもかかわらず、村立の小学校と中学校がひとつずつ在ります。
教育現場のICT環境も最先端です。2017年度から小学校高学年と中学生はiPadひとり1台の環境で、しかも中学生は自宅への持ち帰りOKなので我が物として使いこなしています。
生徒だけでなく先生方も学び続ける意欲にあふれていて、同志社中学の協力でICT研修会も開催されています。

オンライン授業のさいご、反田先生が「なにかひとこと」と振ってくださったので、ついこんな話をしました。
ICTを、ぜひ「創造(Creation)」 に活かしてください。その手元のiPadみたいなものの中に入ってるだけではないのですよ。ICTは、皆さんの「創る」を助け大きな力になります。生活の中のどんなモノとも結び付いて何にでも化けます。ICT、デジタルを何のためにどう使うか、考えるのは楽しいですよ。ぜひアイディアを出し創る人になってくださいね。

反田先生をはじめとする両校の皆さんのおかげで、今年も風間浦中の生徒さんと絵本づくりができて、晴れやかな心持ちとなりました。

写真を追加(ブログを公開したところ「これも使ってください」とお送り下さいました)

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同志社中学校(英語)、風間浦中学校で導入されています:
iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」
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高校でゲスト講義


茨城県立竜ヶ崎第二高等学校で、2年生、3年生それぞれ2時間の授業を担当させていただきました。お招きいただくのは5回目です。いずれも人間文化科の授業で、Winソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」を使って絵本をつくりました。訪問当初はパソコン教室のデスクトップパソコン、2年前からは普通教室でHP製タブレットPC(キーボード着脱タイプ)を使っての制作となりました。タッチパッド、指またはペンでの画面タッチのいずれもできるので、それぞれ好みの方法で操作していました。

2年生は事前にアイディアラフを描いてくれていました。昨年度も体験している3年生は、保育検定の出題も意識してテーマを選びます。お手伝いや初めてのお使い、お母さんとはぐれてしまったオバケちゃん、雪あそび、積木あそび、ケンカと仲直り、ひとりで寂しい→あそぼう!を言える 等、様々なお話が生まれました。

完成した絵本は製本して、保育実習で子どもたちに読んであげたあと園にプレゼントされます。さらに優秀作品については、「茨城アジア教育基金」を支える会の皆さんによって翻訳されラオスの子どもたちへと届けられます。

竜ヶ崎二高の生徒さんたちは、皆さんとても元気がよく創る意欲も旺盛で、毎年の訪問が楽しみです。

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学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:https://www.pekay.jp/pkp/
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高校でゲスト講義


茨城県立竜ヶ崎第二高等学校で、人間文化科の授業として2年生と3年生それぞれ2時間ずつを担当しました。お招きいただくのは4度目です。今年度もWinソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」を使って絵本をつくりました。

完成作品のうち何冊かは「茨城アジア教育基金」を支える会の協力で翻訳をして、ラオスの子どもたちへ届けられます。
授業後、その支える会の皆さんによる活動報告の講演がありました。ラオスでは都市部と地方の格差が大きくて、地方では子どもの本が手に入りにくく、手に入っても、絵が怖かったり紙が粗悪だったり読める言語ではなかったりで、竜ヶ崎第二高生徒さんたち作の絵本を、子どもたちも先生も心待ちになさっているそうです。

現地のNPOの方がピッケ絵本を子どもたちに読んであげている様子:

昨年「茨城アジア教育基金」を支える会の皆さんがラオスへ絵本を届けたとき現地でもとめられたタペストリー。手刺繍が見事です。

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学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:https://www.pekay.jp/pkp/
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ピッケで英語絵本@同志社中学校


10月30日、今年もゲスト講師としてお招きいただき、同志社中学校へ出かけてきました。

同志社中学では全生徒が1人1台iPad を所有していて、1年生の英語の授業に「ピッケのつくるえほん」が導入されています。英語の先生は14人もいらして、学校をあげて長年英語教育に力を注いでおられます。反田任先生をはじめとする先生方による独自のカリキュラムは、教科書の枠にとらわれず(もちろん教科書の内容はおさえた上で、それと組み合わせて)、アウトプットも大事にされた学びのデザインとなっています。

クラスは36人の少人数編成です。通常の英語の授業はハーフサイズクラス(18人)ですが、ピッケの授業は1クラス単位で行われました。この授業では、フリーライティング+絵コンテ+ピッケ絵本がリンクしています。提出物としては、フリーライティングのテキストとピッケ絵本となり、ピッケ絵本は各人で動画に書き出して提出します。

昨年度から複数人でテーブルを囲める新しい教室となり、互いの画面が見えるので、教えあいやアイディアの伝播が起こりやすくなっています。

導入に絵本の話を少しして、昨年度の先輩の作品を紹介しました。
「Let’s go adventure!」Mihiroさん作

反田先生が用意してくださった絵コンテ用紙を各自が利用したい方法で使いながら、4~8見開きでまとめます。
制作に入ると、集中して静かになります。「創りたい」がまず先にあるとき、意欲をもって学びに向かえることをあらためて感じました。
最初は絵で情景を描いていきます。続いて、まずは知っている英語で表現します。わからない単語やつづりを調べたり(常時ネット接続なので、検索も自由にできます)、習っていないことは先生に尋ねながら、自分の伝えたいことを絵と言葉(英語)で物語にしてゆきます。

後半で、表紙のつくり方と録音方法を伝えました。45分の授業ですので、途中までとなり、続きは宿題として各自で仕上げ、後日、担当の先生へ提出します。

生徒が主体となって取り組むオープンエンドな「創る」には、多くの学びがつまっています。とはいえ、先生の立場からみると、時間中は生徒さん個々に応じたファシリテートが必要となりますし、自由制作作品の評価はさぞ手間がかかることでしょう。おそらく、この「評価」が、多くの先生方を躊躇させるのではないでしょうか。反田先生に尋ねてみたところ「ルーブリック評価でするからさして大変ではない」そうです。とはいえ、正誤の明らかな採点に比べれば簡単ではないはずで、さらりと言えるのは度量です。

Musio(AIを搭載したロボット)を活用したりネイティブとの1対1のオンライン会話も取り入れたりの先進的な英語授業は、全国からの視察が相次ぎ、メディアからも注目されています。訪問日にも、昼は日テレWebニュースで、夕方には読売TVのニュースで放映がありました。番組用に短く編集されるとき、視覚的キャッチーさが優先されたり「ICTが課題解決!」的にまとめられがちです。しかし、肝心なのは授業のデザインです。ただ表面的にまねてやみくもに同じICT機器を導入したところで同様の結果は得られません。優れた学びのデザインが先にあり、その適所要所に活用されてこそ生きるのです。見習うべきは、どう学びをデザインするかです。あと、メディアに取り上げられる内容だけを見ていると、オーラル重視に見えてしまうかもしれませんが、文法やライティングも同じくらいなさっています。ピッケ授業の提出物(評価対象)も、動画とフリーライティングのテキストです。

授業4クラスを終えたあと、今年は特別に、青森から同志社中学を訪問中の風間浦中学校2年生16人へも授業をさせていただきました。

お話を頂いたとき、おもわず地図で調べました。風間浦村は下北半島の北西部に在る津軽海峡に面した村で、小学校と中学校が(統廃合を経て)ひとつずつあります。生徒さんは1人1台自分のiPadminiを持っています。より良い活用を学びに、先生と村の教育委員会の方が、なんと生徒さんも連れて来訪されているのでした。せっかくなのでピッケの絵本づくりも体験できるようにと、反田先生と風間浦中の先生方とでスケジュールを調整してくださり実現した授業です。

事前にオンラインでの交流もなさったそうで、全員が、どんなお話にしたいかを絵コンテに描いてきてくれています。

皆どんどんつくっていきます。文章は英語でも日本語でもどちらでもOK。1時間足らずでしたが、録音までできた生徒さんもありました。

続きをしたい人は、宿泊先のホテルで各自完成させて、翌日、反田先生が動画書き出しや展開図の印刷をしてくださいます。
16人とも素直で「ハイ!」の声が大きくて礼儀正しくて、びっくり。どんな作品が完成するか楽しみです。ピッケの授業のあとは、生徒会との交流とのこと。丸一日スケジュールびっしりですが、生徒さんたちは元気いっぱいでした。

反田先生の、たとえ他校であってもやる気と誠意のある先生や生徒さんをとことん応援なさる姿勢には敬服します。同志社中学校で、毎年ピッケを活用いただけて嬉しいです。

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」← 同志社中学校で導入
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ピッケで英語絵本@同志社中学校


11月初旬、同志社中学校に、今年もゲスト講師としてお招きいただきました。8クラスあるので2日間、比叡山を望む素敵な学舎へ通いました。

同志社中では全生徒が1人1台iPad を所有していて、1年生の英語の授業に「ピッケのつくるえほん」が導入されています。英語の先生は14人もいらして、ネイティブスピーカーによる授業、外国人講師と1対1で話すSkypeを使ったオンライン授業、国際交流プログラムなど、学校をあげて長年英語教育に力を注いでおられます。
反田任先生をはじめとする先生方による独自のカリキュラムは、教科書の枠にとらわれず(もちろん教科書の内容はおさえた上で、それと組み合わせて)、1年生ではピッケで英語絵本づくり、2年生では「My Dream」英語プレゼン、3年生ではキング牧師のスピーチの暗唱など、アウトプットも大事にされた学びのデザインとなっています。

クラスは36人の少人数編成です。通常の英語の授業はハーフサイズクラス(18人)ですが、今回のピッケの授業は1クラス単位で行われました。この授業では、フリーライティング+絵コンテ+ピッケ絵本がリンクしています。提出物としては、フリーライティングのテキストとピッケ絵本となり、ピッケ絵本は各人で動画に書き出してロイロに貼り付けて提出します。

今年度は、複数人でテーブルを囲める新しい教室となり、互いの画面が見えるので、教えあいやアイディアの伝播が起こりやすくなっていると感じました。

導入に絵本の話を少しして、イメージをつかんでもらうために昨年度の先輩の作品も紹介しました。

「My good friend」Fukaさん(中学1年生)作  昨年度の生徒さん作品

先生からの約束事としては、1学期に習った三人称単数をどこかで使う、のみ。時制は(既習の)現在形でよく、過去形や未来形を調べて挑戦することも、もちろんOKです。反田先生が用意してくださった絵コンテ用紙を各自が利用したい方法で使いながら、4~8見開きでまとめます。

最初はアプリ上で絵で情景を描いていきます。

続いて、まずは知っている英語で表現します。

わからない単語やつづりを調べたり(常時ネット接続なので、検索も自由にできます)、習っていないことは先生に尋ねながら、自分の伝えたいことを絵と言葉(英語)で物語にしてゆきます。
後半で、表紙のつくり方、録音方法、動画書き出しの方法を伝えました。45分の授業ですので、途中までとなり、続きは宿題として各自で仕上げ、後日、担当の先生へ提出します。

賑やかに互いに話し合いながらつくるクラス、静かに集中するクラス、様々ですが、どのクラスも熱心に取り組んでいます。ちょっとやんちゃな男子生徒の一群まで、お昼休みが始まっても未だつくっていました。「創りたい」がまず先にあるとき、意欲をもって学びに向かえることをあらためて感じました。

あるクラスで授業前、女生徒さんから「これ使ってください」と小さな機器を渡されました。オンにすると、その生徒さんのイヤホンに音声が届きます。耳の聞こえにくい生徒さんへの配慮があたりまえになされていて、よいなぁと思いました。

生徒が主体となって取り組むオープンエンドな「創る」には、多くの学びがつまっています。とはいえ、先生の立場からみると、時間中は生徒さん個々に応じたファシリテートが必要となりますし、自由制作作品の評価はさぞ手間がかかることでしょう。質問してみたところ「ルーブリック評価でするからさして大変ではない」とのこと。とはいえ、正誤の明らかな採点に比べれば簡単ではないはずで、さらりと言えるのは先生方の度量の大きさです。

英語の授業の中で、キング牧師やアレン・ネルソン氏などの著書も読むそうです。語学力を伸ばすにとどまらず、平和の大切さを理解し、異文化や社会に対して柔軟で広い視野を備えた国際人の養成を図ろうとする教育指針に、新島襄氏の建学の精神が今も息づいていることを感じました。

廊下を歩く2年生たちから「あ、ピッケ」の声が聞こえました。覚えていてくれて嬉しい。今年度の生徒さんたちの完成作品も、とても楽しみにしています!

番外)なんと、構内で発掘調査中。さすが京都です。

追記)今年度の完成作品から2つ紹介。ストーリー、絵作り、英文、録音、いずれも素晴らしくて、嬉しい驚きでした!

「Let’s go adventure!」Mihiroさん作

「Strange Halloween」Chisakoさん作

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」← 同志社中学校で導入
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」
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高校でゲスト講義


茨城県立竜ヶ崎第二高等学校で、2年生、3年生それぞれ2時間の授業を担当させていただきました。お招きいただくのは3度目です。いずれも人間文化科の授業で、Winソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」を使って絵本をつくりました。

昨年度体験済みの3年生は、今年はコロッケをテーマに作りたいとのこと。なぜにコロッケ?と問うと、龍ケ崎市はコロッケで町おこしをしていて、生徒さんたちも企画を出し、自分たちでコロッケを作っているんだそう。コロッケのつくり方や冒険物語など、コロッケ愛にあふれた絵本ができました。

2年生は初めてのピッケ。事前にアイディアラフを描いてくれていたので、基本操作を伝えて、さっそく制作開始となりました。


完成した絵本は、地域の子どもたちに読んであげます。(写真↓は製本された昨年度作品)

田んぼのがっこうでの田植えや収穫のイベント用には、超大型に製本するそうです(テーブル上のiPhoneと比較してみてください)。

さらに「茨城アジア教育基金」を支える会の協力で翻訳をして、ラオスの子どもたちへ届けられました。同日午後、支える会の皆さんによる活動報告の講演があり、記録映像を視聴しました。ようやく職員室にだけ電気が通ったという山奥の村の学校まで大荷物を手持ちして出かけ、現地のNPOとも協力して、子どもたちへモン語で絵本を読んであげていました。ラオスでは都市部と地方の格差が大きく、地方では子どもの本が手に入りにくいそうです。あっても、絵が怖かったり紙が粗悪だったり読める言語ではなかったりで、生徒さんたち作の絵本を子どもたちも先生も心待ちにしてくださるそうです。
今年の2年生の絵本作品もラオスへ届けてくださいます。ありがたいです。

茨城県教育委員会フォトニュース「ラオスの子どもたちに手作り絵本を届けたい!」(昨年度) は こちら>>

昨年度まではPC教室でデスクトップPCでの制作でしたが、今回から普通教室でHPのタブレットPC(キーボード着脱タイプ)を使っての制作となりました。マウスと画面タッチどちらもできるので、指やペンでの自由描画がしやすい様子でした。

ピッケを導入いただいて3年、先生方もすっかり操作や手順(復元ソフトが入っているので、学内LAN上のフォルダに保存する等)に慣れてくださり、安定運用です。国語科や英語科の先生たちもお忙しい合間をぬって授業見学に来てくださいました。他の学科へも活用が広がるとうれしいなと思います。

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学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:https://www.pekay.jp/pkp/
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高校でゲスト講義


茨城県立竜ヶ崎第二高等学校を再訪しました。(昨夏訪問時の様子
家庭科「子どもの発達と保育」2年生、3年生それぞれ2時間ずつの授業を担当しました。「ピッケのつくるプレゼンテーション」でつくった絵本をいよいよ完成させます。

素敵な絵本がたくさんできました。
将来は美術関係へすすみたいという生徒さんは、画面構成や配色も流石です。

魔法で森が空に浮いたり宇宙になったり。

どの作品も工夫にあふれています。


物語の絵本だけでなく、左右のページの違いを見つける絵本や、楽しみながら数を学ぶ絵本などもありました。

つくった絵本を、来月の保育実習で、子どもたちに読んであげるのだそうです。さらにその後「茨城アジア教育基金」を支える会の協力で翻訳をして、ラオスの子どもたちへも届けるそうです。

3年生の生徒さんと記念撮影。ほんとにみんな元気いっぱいで、それが作品にも表れていました。茨城やラオスの子どもたちの反応が楽しみですね。

茨城県教育委員会フォトニュース「ラオスの子どもたちに手作り絵本を届けたい!」 は こちら>>

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学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:http://www.pekay.jp/pkp/
iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」:http://www.pekay.jp/pkla/ipad
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ピッケで英語絵本@同志社中学校


同志社中学校では、1年生の英語の授業に「ピッケのつくるえほん」が導入されています。ゲスト講師としてお招きいただきました。8クラスあるので全3日間となり、今日はその2日目でした。

比叡山を望む豊かな自然環境、ゆったりした敷地の中に、学舎、礼拝堂、アリーナやカフェテリアが在ります。

チャイムも制服もありません。2年前に初めて伺った時、まるで大学のキャンパスのような雰囲気に驚きました。

このときは、土曜日の特別講座として日本語で絵本づくりを楽しみました。(ブログで生徒さんの作品もご覧いただけます)今回は、授業としての英語の絵本づくりです。

全生徒が1人1台iPadを所有していて、自宅や学校で使いこなしています。1年生 約290人の iPadには「ピッケのつくるえほん」がインストールされています。(ある女子生徒さんのiPadには、小学2年生の妹さんが作ったというピッケ絵本が並んでいました)

1クラスは36名の少人数編成で、さらに英語の授業はハーフサイズクラスで行っているそうです。英語の先生も14人もいらして、国際交流プログラムがあるなど、学校をあげて長年英語教育に力を注いでおられます。今回のピッケの授業は、1クラス単位で行われ、毎時2~3人の英語専科の先生が入ってくださいました。


導入に絵本の話を少ししたあと、早速つくってもらいます。
贈る相手もしくはテーマ(例:小学生向けの英語の教科書、ハロウィン絵本、クリスマスメッセージの絵本)を各自で決め、あとは自由としました。自宅でアプリを使いこんできたからと、早速つくり始める男子生徒さんもありました。

反田任先生が用意してくださった絵コンテ用紙を、各自が利用したい方法で使いながら、8見開き以内でまとめます。

アプリ上で絵で情景を描けたら、まずは知っている英語で表現してみます。続いて、わからない単語やつづりを調べ(常時ネット接続なので、検索も自由にできます)、習っていないことは先生に尋ねながら、自分の伝えたいことを絵と言葉(英語)で物語にしてゆきます。

賑やかに和気あいあい話しながらつくるクラスもあれば、静かに集中するクラスもあり、クラスの個性の違いも面白かったです。いずれも熱心に取り組んでいました。中学生であっても小学生であっても、「創りたい」がまず先にあるとき、意欲をもって学びに向かえることをあらためて感じました。
45分の授業ですので、途中までとなり、続きは宿題として各自で仕上げ、後日、担当の先生へ提出されます。

生徒が主体となって取り組むオープンエンドな「創る」には、多くの学びがつまっています。
とはいえ、先生の立場からみると、時間中は生徒さん個々に応じたファシリテートが必要となりますし、自由制作作品の評価はペーパーテスト等の採点に比べてさぞ手間がかかることでしょう。にもかかわらず、1年生全クラスに導入してくださり嬉しいです。

図書室「図書・メディアセンター」には、4万冊を超える蔵書があります。入ってすぐの書棚2つには、創立者・新島襄氏に関する本が並んでいました。

英語の授業の中で、キング牧師やアレン・ネルソン氏などの著書も読むそうです。語学力を伸ばすにとどまらず、平和の大切さを理解し、異文化や社会に対して柔軟で広い視野を備えた国際人の養成を図ろうとする教育指針に、建学の精神が今も脈々と息づいていることを感じました。

残り3クラスの授業へ伺うことも、どんな英語絵本が仕上がるかも、とても楽しみです。

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iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」:http://www.pekay.jp/pkla/ipad ←同志社中学校で導入
学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」:http://www.pekay.jp/pkp/
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高校でゲスト講義


茨城県立竜ヶ崎第二高等学校で、2年生、3年生それぞれ2時間の授業を担当させていただきました。

人間文化科の履修科目「子どもの発達と保育」の一環で、Winソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」を使って幼児のための絵本をつくりました。

放課後、校長先生をはじめ様々な教科の先生がご参加くださって講習会もしました。

展開図が出力される「ピッケのつくるえほん」とは異なり、スライド単位で出力される「ピッケのつくるプレゼンテーション」では、製本は難しいかと思っていたのですが、工夫してこんなにしっかり仕上げられていました。(写真は先輩たちの作品。A4に出力して2つ折り。表紙は厚紙に貼り見返し紙も付けた本格製本)

2学期にさらにつくりこんで仕上げ、完成した絵本は、国内や海外の保育施設へ贈るのだそうです。
ピッケを介して素敵な計画に参加させていただけて、嬉しく、とても楽しみです!

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学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:http://www.pekay.jp/pkp/
iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」:http://www.pekay.jp/pkla/ipad
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「ピッケのつくるえほん」特別講座@同志社中学校


秋日和。チャイムも制服もない学びの場、同志社中学校へ「小学生のため教科書をつくろう!」というテーマで絵本づくりに伺いました。
img_151031_同志社中学ピッケ1
会場として準備くださったのは、ハロウィンの飾りつけされた「図書・メディアセンター」です。(4万冊の蔵書、ネット環境、50台のPC、全生徒1人1台+共用40台のiPad、うらやましいー)
img_151031_同志社中学ピッケ2
img_151031_同志社中学ピッケ3
集中の3時間を終え、数字を覚える絵本、低学年向け物語絵本、英語絵本など秀作ぞろいとなりました。
img_151031_同志社中学ピッケ10絵本4冊
いくつか紹介しますね。
数字を、算用数字と漢字とで楽しく覚えるための絵本。1から始めて、2、3、4…と作り進めてゆきます。どう終わらせるかが難しいだろうなと見守っていたところ、7までとし、1から7までそれぞれにショートケーキ1ケ、バナナ2本…と食べ物を充て、最後の見開きで「ごちそうさま~」「いっぱい『すうじ』おぼえたね!」と見事なオチを付けていました。なるほど「覚える」ことは、身体に取りこむ=食べる ことに近くて、小学1年生が読むのにふさわしいです。
img_151031_同志社中学ピッケ4数字絵本

低学年向けの物語絵本「たのしくあそぼう」。ケンカ→理由分析→謝罪→仲直りを、わかりやすい会話形式、つくりこんだ場面で表現しています。読み手の年齢を考慮して、すべてひらがなにしてあります。ウサギの気持ち、怒、悲、反省、嬉が、表情とポーズでコントラスト強く描き分けられていて、年少者にも心情の読取りがしやすいです。
img_151031_同志社中学ピッケ5あそぼう絵本

先生作の英語絵本。絵本の印刷など一手に引き受けてくださった合間の時間に、ササッと1冊仕上げてくださいました。
img_151031_同志社中学ピッケ6英語絵本

「ぼくの1日」は、読み手の主観ショットで綴られる物語。したがって、「ぼく」の姿はさいごまで絵としては出てきません。
ぼくは、お父さんお母さんに見送られて出かけます。
絵作りもユニークで、とくに驚かされたのはココ。まず「町が見えてきた」で引きの絵。
img_151031_同志社中学ピッケ7デッカイ先生1
そしてページをめくると、グンとその中に入ります。臨場感。唯一この見開きだけを、テキスト無し、音声も無しとしていることも心憎いです。そうされると、絵から読み取ろうと隅々までじっくり見ますものね。
img_151031_同志社中学ピッケ7デッカイ先生2
引きの絵では見えていなかったディテール、すなわち、リス、ベンチに座るカエル、樹の陰にオタマジャクシ、気球にはカメが乗っていたことまでが、町に入って来た=距離が近づいてきて初めて見えてきます。上手いです。このように、横方向へではなく奥へと進んで行く情景を、ピッケの立体感もたない絵素材で表現することは実にチャレンジで、これまで誰もしたことがありません。見事に成し遂げていますね。

そして、デッカイ先生!登場。
img_151031_同志社中学ピッケ7デッカイ先生3
日頃からよく本を読む生徒さんだそうで、絵本のつくり方の基本が無意識にきちんと押さえられています。例えば、登場人物の進行方向をページめくりの方向と合わせる、行って帰ってくる方式にするなど。子どもの本は、出かけて行って、行きっぱなしでなくちゃんと帰ってくることで、途中どれだけの破天荒な大冒険もできます。デッカイ先生の登場という思いもかけない展開も、そのフォーマットの中で、とても良いバランスになっています。また、帰路が往路と同じ道をたどると退屈になりますが、デッカイ先生の肩に乗って、ひとっ飛びで帰しています。しかも夕焼けの中、さりげなく、気球&カメもチラリと再登場させ、そのカメは笑顔です。そして最終幕、「ただいま、おとうさん、おかあさん」を「おかえりなさい」「おかえり」の声が迎えてくれて、おだやかに物語が閉じます。
このもたらす満足感を、おそらく自身の豊かな読書経験から知っているのでしょう。

今回は、休日の自主参加ゆえ特に本好きの子が参加してくれたからなのかもしれませんが、それぞれが舌を巻くよな見事な出来映えでした。
中学生の絵本作品、もっと見てみたくなりました。

【追記】
生徒さん作品をmovieにしてアップしました。生徒さんに頼まれ、反田任先生も声優として出演されています。※ 3作品が順番に自動再生されます。

うまく連続再生されない場合は、直接YouTubeの再生リストから個々の作品をご覧ください。