Monthly Archives: 7月 2016

ピッケ@経済産業省子どもデー2016


7月27日28日、今年も経済産業省子どもデーで絵本づくりをしてきました。3年連続で呼んでいただけて光栄です。(おととし去年の様子)

この「パスポート」を手に、日頃はセキュリティゲートで守られている官公庁の建物へ堂々と入れます。
IMG_160727_パスポート1
事前申込み>抽選で選ばれた各日10名の小学1~6年生が参加してくれました。
開場と同時に来てくれた小学3年生。おはなし絵カードを見せると、またたく間に繋げてお話を語ってくれました。
IMG_160727_経産省_おはなし絵カード
全員がそろったところで、いつものように贈る相手を決めてから、お話づくりに入ります。

小学2年生、「ずっと作っていたーい」「夏休みの宿題これでしたーい」と言いながら。
IMG_160727_経産省_おはなしづくり中2年生1
録音は思い思いの場所で。子どもって隅っこが好きですね。
IMG_160727_経産省_録音_男児1
保護者の方にも、録音操作を手伝っていただきました。
IMG_160727_経産省_録音中_母息子1
お母さんが声で出演なさっています。(演出監督はお子さん)

録音が終わった子から製本にかかります。12見開きもある大作をつくった1年生は、iPad上の表示で順番を確認しながら、真剣に並べていました。
IMG_160727_経産省_製本の順番チェック1
できあがった紙の絵本は、最初に決めた相手にプレゼントする約束です。
この4年生Kくんは、自分の作品づくりはもとより、初対面の年下の子たちのこともみてくれて、大活躍でした。
IMG_160727_経産省_できあがり
今回はめずらしく、男児が多かったです。
そんな中、2日目の紅一点による作品は、お母さんにプレゼントする絵本「おつかい」
IMG_scs_おつかい1
IMG_scs_おつかい2
 あっ 傘がある。お母さんに傘を買ってってあげよう。

もう2点ほどmovieで紹介します。1年生男児作。元気な声です。

3年生男児作。

見えてないけれど、ロケットにはちゃんと全員が乗っているのですよ。
IMG_160727_経産省_scsロケット

今年も、かつて未踏ソフトウェア創造事業でお世話になったIPA(情報処理推進機構)の皆さんにお世話になりました。
ファシリテータは、毎年手伝ってもらっている中井香里さんと、今年はじめてのピスタチオの小村歩さん。絵本作家でもある中井さんは、スッと子どもに寄り添うことができて、子どもの気持ちやお話を聴きとる耳が良いです。子ども向け造形教室を主宰している小村さんは、行き詰っている子どもがいたとき、「指導」ではなく、適任の子どもを引きあわせ、子ども同士の自治で解決していました。おふたりとも安心して任せることができます。

霞が関の官庁街を子どもたちがジャックする、夏休み恒例の愉快な2日間、今年も楽しかった~!

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

2016夏休みのピッケ


img_16夏のピッケWS_s
もうすぐ夏休み。
ピッケと一緒に出かけます。(写真は昨年の経産省「子どもデー」)

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子どもたちとの絵本づくり:
※ iPadアプリ「ピッケのつくるえほん」を利用します。

○ 7月27日28日@東京
経産省「子どもデー」にお招きいただきました。今年で3年目です。
事前申込み要。抽選になります。
詳細(タブ4つの中から「作る」を選択)

○ 8月7日(日)@富山
会場は、1年前 富山駅近く運河のほとりにオープンした「KNBいりふねこども館」。
北日本放送さんからのお招きです。
詳細

○ 8月11日(木曜・祝日)@愛知
豊橋市こども未来館 ここにこで、3回目を開催します。
詳細

○ 8月12日(金曜)@愛知
豊橋市 らるご総合スクール で、発達課題のある子どもたちのためのワークショップが開催されます。
詳細

○ 8月28日(日)@静岡
10月に浜松で開催される第13回子ども学会議のプレイベントとして、祖父母→父母→子ども三世代で一緒に絵本をつくります。
詳細

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教育関係者対象の研修会:
※ 文教向けWinソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」を利用します。
徳島のみiPadで「ピッケのつくるえほん」利用。

img_PKPピッケのつくるプレゼン_ss

○ 7月25日(月)@東京
世田谷区立八幡小学校で「ピッケのつくるプレゼンテーションで教材作成をする会」をします。

○ 7月31日(日)@香川
「平成28年度 D-project香川 メディア教育研究会 夏季セミナー」で
ワークショップ「ピッケでつくるオリジナル教材」をします。

○ 8月4日(日)@島根
島根県メディア教育研究会よりお招きいただき「ピッケのつくるプレゼンテーション」の体験型研修します。
詳細

○ 8月23日(火)@徳島
三好郡市情報教育部会夏季研修会
「次期学習指導要領を見据え, 今こそやるべきIC T 活用 ~ 見るべき未来を間違えないために~ 」で、「ピッケのつくるえほんで表現力を」ワークショップをします。

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他にも参加者公募のないワークショップがいくつか。
各地で子どもたちや先生方、なつかしい人たちにお会いできることが楽しみです!

おはなし絵カードでお話づくり@せんりひじり幼稚園


7月7日、大阪府豊中市にあるせんりひじり幼稚園へ出かけてきました。
副園長のかえで先生と一緒に取り組んでいる、言葉と物語に関わる「創る」遊びの2回目です。前回が個人ワークだったので、今回は、グループワークをメインでやってみたいと考えていました。

到着すると、かえで先生とさっそく場所の相談です。前回は園庭やテラスを使いました。猛暑の今日は、広いホールの大テーブルか2階の図書室は?ということで、皆で図書室へ移動。参加してくれたのは、5~6歳年長さんの女の子たちです。
img_160707_01_図書室s

少し難しいかなと思いながらも、絵だけでも見せたくて、初山滋画の「たなばた」を持っていきました。
img_160707_02_たなばた絵本s
パラパラと何場面かを見せているとお話を聴きたい子が前へ集まってきたので、結局、最初からさいごまで読みました。読み終わって感想をきくことはしていないのですが、本を閉じた時、近くで熱心に聴いていた子が「悲しいお話ね」と静かに言いました。

今日使うのはお話絵カードです。
手始めに、1人1枚ずつひいてリレー式にお話をつくることをしてみました。一応は繋がったのですが、ひとりが自分のひいたカードが気に入らず「これやだー、別のに替える~」と言い始めると「私もヤダー」が次々伝播。
さてどうしようかな。場の空気を切り替えるために「そう。じゃあ、好きなのを1枚選んでみて」と言いました。すると熱心に吟味して選びます。なぜ好きなのか、理由を話してもらうことにしました。
img_160707_03_好きな物s
ケーキ。ドーナツ。アイスクリーム。カレー。カレーが好きな理由は「コーンが入っているから」。きっとおうちのカレーに入っているのですね。
食べ物を選ぶ子が多い中、さいごのひとりは「宇宙」。
img_160707_03_好きな物_宇宙s
「今日は、1年に1回 彦星と織姫が会う日だから」。この子は、皆の騒ぎからは少し離れていて、本棚の絵本を取り出して読んだりもしながら、でも終始、よく聴いてよく考えていました。
かえで先生も参加。選んだのは「雷」、意外な選択にみんなびっくりしています。なんでも、田んぼに雷が落ちるとマイナスイオンが放出して、稲に栄養をもたらすのだそうです。科学的な話をわかりやすく説明してくださいました。私もはじめて知りました。そういえば「雷」の字は「雨」に「田」ですし、「稲妻」=稲が好むものですものね。雷がちょっと好きになりました。

次に、今度は絵を見ずに計3枚をひいてもらい、その3枚でお話をつくってもらいました。(また「替えたい~」が出始めたので、1回1枚だけ替えていいことにしました)
作ったお話を、全員が前で発表。その様子をムービーに撮りました。
img_160707_04_3枚でお話s

そろそろ時間切れとなってきました。実は7人で1作品つくり録音もしてムービー化をやってみたかったのですが、無理はせず、今日はここまで。
と思ったら、ひとりの子が、5枚のカードを並べ、順番を入れ替えながらお話を推敲し始めました。
img_160707_05_もっと作りたいs
語ってくれたのはこんなお話です。「おうちでうっきーがクリスマスイブにプレゼントをあけたら中味はケーキでした」(本人の言葉まま)。雪のカードを「クリスマスイブ」にあてていました。
他の子も「もう少ししたい」というので、短い時間でできる、ひとりが選んだ1枚のカードについてヒントを出して、他の子が何のカードかを当てる、を数問やってみました。
新しいあそび方を子どもたちが見つけてくれるといいなぁ。

さて、ほんとにおしまい。皆で色ごとにカードを集めて片づけ、ホームクラスへ戻って、他の子たちも一緒に作品発表の記録ムービーを観て、お開きとしました。
img_160707_06_ホームクラスで皆に観てもらうs

せんりひじり幼稚園での実践を見ていると、本気の遊びが子どもを育て、その遊びの中に生活に結び付いた深い学びがあるのだと、つくづく感じます。
つい最近もこんな事件があったそうです。日頃から皆で野菜を育てています。そろそろ食べごろのナス。金曜日、「あとちょっとおいて、月曜に収穫しようね、どうやって食べる?」「つけもの!、焼きナス!、味噌汁!」週明け楽しみに通園してくると、なんとナスが落ちて、食い散らかされていたそうです。誰のしわざか、皆で推測。食べたカミ痕から、これは鳥がついばんだんだ、きっとカラスだ! どう対策するかをみんなで話し合いました。キラキラしたCD盤がいいんじゃないか、いろんなアイディアが出て、かかしを作ることになったそうです。設計図を描く子。材料を集めて作る子。かかしに名前も付けていて、その名も「かわしままもる」くん。サッカーのキーパーの名前+「守る(護る)」なのだそうです。ときに話し合いが激しくなりすぎる時もあるそうですが、子どもの自治にお任せ。
いいなと思うのは、クラス全員がかかし作りをしているわけではなくて、この事件が気になって一緒にしたい子だけでしていて、サッカーが好きな子は、かかわりなくサッカーしているということ。
新しいクラスは4月から始まるので、今の時期は未だぶつかりあいがあったり、ハラハラする応酬もあるそうですが、互いの関係性のつくり方や協働することを自分たちで身につけていって、1年が過ぎる頃には、落ち着いてくるのだそうです。子どもたちを「信じて任せる」が揺るぎなく続けられていて、素晴らしいです。

しばらく先になりそうですが、3回目を今から楽しみにしています。