Category: ワークショップ・展示

廃材×ピッケ ワークショップ@玉島 IDEA R LAB


廃材×ピッケの絵本づくりワークショップで、IDEA R LAB(岡山県倉敷市玉島)へ出かけてきました。IDEA R LAB は、街から出た廃材をクリエイティブに素敵によみがえらせる「クリエイティブリユース」の拠点かつ実験場、大月ヒロ子さんがご実家をリノベーションして2013年につくられました。ラボ周辺では空間までもがクリエイティブによみがえり、モノ、コト、ヒトが循環する豊かなコミュニティが育まれています。


ワークショップの前に、玉島の食材でつくったランチをご一緒し、リノベされた水辺のキッチンやツールラボ等をご案内頂きました。

おなはし絵カードでの自己紹介に始まり、まずは廃材カードゲームを体験。じっくりよく見る、色々な方向から多視点で見る。すると、違った見え方、思いがけない発見があり、それがクリエイティブの種になるのだとゲームを楽しむ中で気付きます。

その柔らかくなった頭とよく見える眼と感じる手のまま、マテリアルライブラリへ皆で移動しました。ライブラリには、廃材を分解して素材や色で分類整理することで魅力的に生まれ変わった材料がいっぱい。使用後の転写フィルムの廃棄される側、グランドピアノを分解したパーツ、配電盤、糸巻、気になる材料のルーツも教えてもらいました。

ラボへ戻り、それぞれが選んだ材料で制作。つい脳が先行しがちになる日常を離れ、五感を開き、材料に導かれて、手がつくりたいモノをつくる、を試みました。ブレイクをはさんで、後半の絵本づくりへ。手を動かしながら生まれた情景や物語を絵と言葉で表し、録音して製本。

プラ容器がクラゲに見えたことで生まれた海、その未知の世界へダイブするお話、水陸の生き物たちが魅せられ寄ってきて中に入ると…植物の塔のお話。多文化・多民族「間」のコミュニケーションが専門の研究者さんは、特別な望遠鏡で、自然、食、人工物までをも「なんだろう?」と観察し楽器は演奏してみる話。寄る/引く、多視点という見方は、文化研究においても共通なのだそうです。
子どもの頃、ゴミ捨て場は宝の山。大好きなガラクタ(宝物)を持って帰ると叱られたので、代わりに山の中に秘密基地をつくり収集、そしたら友だちが集まって来て仲良しがいっぱいできた。そんな子ども時代の実話をつくりながら、大人になった今も同じことをしていると気づいたのは、伊根町で「山の家」プロジェクトを手がける松田拓さん。まさに。
思いもかけず、眠っていた自身の深層に気付いたり、他の人の語りに、忘れかけていた記憶や見方が呼び覚まされたり。知った間柄であっても、日頃は見えていない面に触れることで親しみが増し、さらに距離が近くなる気がするのでした。

笑い声に包まれお開きとなる頃には、とっぷり日も暮れていました。秋の一日をご一緒してくださった皆さま、ありがとうございました。

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【 IDEA R LAB 】大月ヒロ子さんが、故郷玉島のご実家をリノベーションしてつくられたクリエイティブリユースの拠点かつ実験場。2013年8月オープン。
http://www.idea-r-lab.jp/
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@伊根町


2023年度に続いて、丹後半島の伊根町(京都府与謝郡)で絵本づくりをしました。2022年9月に開設された文化振興・多世代交流施設「伊根の杜」を活⽤した情報教育推進事業のワークショップ講師としてのお招きです。

みんなが揃うのを待つ間、おはなし絵カードであそびます。

絵本のお話を少ししてから、伊根町の好きな場所や遊びをテーマにお話づくりに入りました。

舟屋で有名な伊根町。海が身近な子どもたちのお話には船がよく出てきます。尋ねてみると、全員が船に乗ったことがあるそう。浦島太郎の原型という浦嶋神社の話や、雨の翌日にだけ生まれる布引の滝のことも教えてもらいました。

雨が多い伊根では虹を見ることも多くて、子どもたちのお話でも大きな虹がかかっていました。

山や川も豊かです。ママとねえねと近所の公園や川で遊ぶお休みの日のお話を聴かせてくれたのは4歳さん。川の向こうに稲穂が実る田んぼが見えています。

録音、製本をして、作品上映の発表会。

会場の「伊根の杜」は、地元の郷土史家から寄贈された建物を伊根町が改修したそうです。落ち着いた外観は街並みに調和しています。入ってすぐに、くつろげる小上がりの和室があり、この日は秋の絵本が展示されていました。天井を見上げると、太い梁を残し新しい木材で補強してあります。先人からの有形無形の財を尊重しつつ、時代とともに新しく再生し次の世代へと贈り受け継いでいく。街並みと共通する気風を感じました。そんな豊かな風土に抱かれ育つ伊根町の子どもたちに、芳醇な言葉の中で、ICTを「創る」の味方にして、すくすく伸びていってほしいと願います。

次はどんな子どもたちやお話と出会えるかしらと、1月の再訪が楽しみです。

企画・運営は、一般社団法人ソーシャルクリエイティブラボの松田拓さんと松田かおりさん。当日は更谷重之さんも助っ人に入ってくださいました。

伊根町:
https://www.town.ine.kyoto.jp/
事業委託者:一般社団法人ソーシャルクリエイティブラボ(SCL):
https://www.s-creativelab.org/

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


9月14日日曜日は、愛知県豊橋市でのワークショップでした。雨上がりの陽射しの中、午前中は図書館へ。最初に、図書館司書さんによる選書で『いもほりバス』(藤本 ともひこ 作・絵、鈴木出版)を読みました。芋ほりの経験を尋ねると、全員が「(家庭、園や小学校で)芋ほりしたよ!」。絵本づくりのテーマも、芋ほり、または自由としました。

魚がいっぱいお芋を食べてお芋の妖怪が誕生したり、お芋の神様とハンカチ落としをしたり、うんとこどっこいしょと掘り出した芋にくっついたミミズにくっついたモグラがいたり(逃がしてあげた)等々、それぞれの芋ほりのお話ができました。(写真は5作品からの抜粋)

30年前、保護者さんも小学校の授業で芋ほりをなさったそうです。物語にして克明に語ってくれました。
学校があった辺りに昔は畑は無く、山の方(東栄町)から来た人たちが入植し畑をつくりました。そんな郷土の開拓・開墾の歴史を体験を通して学ぶ授業です。担任の先生が地域の人から貸してもらった荒れ地は、草に覆われ、たくさんの古タイヤが埋まっていました。それを子どもたちが、掘り出しては捨て、掘り出しては捨てして耕しました。だんだん面白くなってきて、授業外の時間にも、せっせと開墾したのだそうです。そうして、ようやくほかほかの土の畑ができました。マルチをして穴を開けサツマイモの苗を植え、皆で大切に世話をして、いよいよ芋ほり。丸々ぴかぴかのサツマイモを収穫したのでした。

他にも、前回のペンギンちゃんに加え、フグちゃんとおたまじゃくしさんも連れてきた5歳さんは、「おたまのくに」のお話を、小4さんは、ナイトプールへ行ったお話をつくりました。

絵本づくりに加えての楽しみは、それぞれの「つくったよ」を、互いに見せあいっこできること。蚕を育てマユから糸をとったり、妖怪カルタをつくったり、色紙でボールをつくったり。大事に持って来て見せてくれます。

午後は、校区市民館へ移動。インドネシアルーツの姉弟さんがご家族で、ブラジル籍の青年ブルーノさんも、仕事を早じまいしてご近所さん一家と来てくれました。

午後回は芋ほりをしたことがない子ばかりだったので、野菜、または自由をテーマにしました。(保護者のおひとりは、午前回の方と学区は違いますが、小学生の頃に同様の授業を受けたそうです)
来日2年目の1年生さんは、お母さんと一緒に翻訳アプリも使いながら、録音も日本語でがんばりました。

次回は2か月先になります。10月は学校や園の行事、市や校区、地域のお祭りもあって、どのご家庭も都合がつきにくいので、今年度からお休みとすることになりました。11月15日土曜日午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」代表:伊藤孝良さん、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
https://www.youtube.com/@TamieAsakura/videos

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


8月10日日曜日は、愛知県豊橋市での月1回のワークショップでした。『かばくん』(岸田衿子 作、中谷 千代子 絵、福音館書店)を読み、どうぶつ、どうぶつえん、または自由をテーマに絵本をつくりました。選書は図書館司書さんによります。

小4さん作。

お気に入りのペンギンと一緒に初参加してくれた5歳さんは、ペンギンちゃんが暮らす国のおはなしをつくりました。

ベネズエラルーツの年中さんは、名古屋で開催中の妖怪展へ出かけたそうで、そこで入手した妖怪バッグに新しい妖怪ノートを入れて持って来てくれました。どのページにも「大好き」があふれています。

ゴジラシリーズをつくり続けている小3さん、ここまでの5,6冊を合体した「ゴジラテキスト」は、まだまだ分厚くなりそうです。子どもたちの「大好き」は創作の原点ですね。
2冊目のスタンプカードが満杯になったので(すなわち36回超の参加)、どちらか好きな方を選んでもらえるように、がーことうっきー2種類の缶バッジをつくりました。選ばれたのはがーこ。

校区市民館へ移動しての午後回、常連のブラジル籍さんは旅行でキャンセル、日本人の母子のみの参加となりました。途中、仕事を終えたブラジル籍の青年ブルーノさんが寄ってくれて、ささっと1作つくりあげました。4時半起きしての仕事、残業のあと、ご飯も食べずに来てくれて、片づけまで手伝ってくれました。ありがとうございます。

次回は9月14日日曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」代表:伊藤孝良さん、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


7月6日日曜日は、愛知県豊橋市での月1回のワークショップでした。
図書館での午前回。絵本を読むのは、いつも2人のお子さんと参加してくださっているあきこさんにお任せして『ばけばけばけばけ ばけたくん』(岩田明子 文・絵、大日本図書)を皆で楽しみ、おばけ、または自由をテーマに絵本をつくりました。選書は図書館司書さんによります。

前回が初参加だったベネズエラルーツさんも楽しんでくれました。写真左は「おばけがにゅるにゅるっとでてきた」場面です。

どの子もこれまで作った絵本を大切にしています。早くも、2冊目のスタンプカードが満杯になった子がいました。1冊目満杯=参加18回で「ピッケマイスター」の称号とピッケの缶バッジを贈っているのですが、さて、大急ぎで2冊目、3冊目…の缶バッジを考えなくては。

8歳さん作:

もうすぐ10歳になる娘さんの成長を4歳の頃からずっと絵本にしてこられたお母さんの作:

発表会は、前へ出てきて自作の解説をしたり、ユニークな作品に思わず皆から声があがったり。終了後の片づけも手分けして手伝ってくれました。

校区市民館へ移動しての午後回。事前申込のあった初参加さんは現れず、電話をしてみると用事ができたとのこと。次の開催日を伝えました。常連さんたちは事前申込はしないので、待ってみましたが、残念、姿を見せず。ブラジル籍の青年ブルーノさんが、仕事のシフトを調整して来てくれる予定だったので、お詫びとお礼の電話をして、撤収となりました。

午後の外国人集住地区での会場が、団地内の集会所から校区市民館に変更になって以来、団地住まいの子どもたちが来なくなりました。一度だけ団地内の集会所で開催できた時があり、そうすると来てくれます。でも、校区市民館でとなると、お家の人も許さないし本人も行きたくない。彼らの仲間であるブルーノさんからの声がけであれば違うかもと、実は今回お願いしていたのですが、それでもやっぱり「団地の外はダメ」でした。何度か出かけた放課後子ども教室で、もっとつくりたいとなる子どもたちも、学校の教室でならつくりたくても、校区市民館(小学校の隣、敷地内)となると来れないのですよね。彼らのコミュニティである団地の外へ出るハードルの高さ、心理的距離を、つくづく思い知らされています。

次回は8月10日日曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」代表:伊藤孝良さん、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

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おでかけピッケ@京大附属病院



チャイケモの井上さんと一緒に、京大病院のプレイルームを訪ねました。京大病院ボランティアグループの「にこにこトマト」さんにお迎え頂き、小さな子どもたちと親御さんに絵本作りを楽しんで頂けました。コロナ禍では、プレイルームも閉鎖され病室からほとんど出られないストレスフルな日々であったのが、ようやく昨年1月からにこにこトマトさんの活動が再開されて、皆さん毎月の活動を心待ちになさっています。

大笑いで楽しんでいる男の子、その隣で大作を仕上げるお母さん、病室で眠っているという娘さんを気にかけながら、お誕生日を祝う絵本を完成させて急いで駆け戻るお母さん、病室から出られないお子さんのため代わりに操作説明を覚え病室へ戻ってお子さんと一緒につくられたお父さん、2歳間近の息子さんが見守る中(ときどき手も出て、ボタン押す)お子さんのお名前の絵本を完成させたお母さん。
優しいお気持ちあふれた絵本、お話聴かせて頂けて、出かけた甲斐がありました。高谷さんはじめにこにこトマトの皆さんに今回もお世話になりました。また伺わせてくださいね。

「にこにこトマト(愛称:にこトマ)」とは、患児ご家族が個人で始められた活動が基となり30年前に誕生した京大附属病院小児科のボランティアグループです。今では2代目の代表 高谷さんをはじめとするメンバーで運営されており、入院中の子どもたちとご家族に「楽しく豊かな時間」を届けようと活動されています。

公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金
重い病気をもつ子どもたちや家族をサポートする活動を行っている。( NPO法人チャイルド・ケモ・ハウスは、発展的解散の手続きを経て、2022年9月より公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金に統合されました )

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


6月21日土曜日は、愛知県豊橋市での月1回のワークショップでした。
寺井さんによる読み聞かせ『はははのはなし』(加古里子 作・絵、福音館書店)からスタート。選書は図書館司書さんによります。同音の連続、または自由をテーマに絵本をつくりました。

ベネズエラルーツの5歳さんがお母さんに伴われて参加してくれました。本が好きで、ようやくタイミングが合い来れたとのこと。静かに黙々とつくっています。


傍らに置かれたノート(※)が気になり、中を見せてもらいました。どのページにも大好きな妖怪がびっしり描きこまれています。お祖父さんが聴き手となられているそうです。豊橋で妖怪と言えば!と思いつき、ばったり堂 内浦有美さんの『豊橋妖怪百物語』を薦めてみました。

同じく初参加の4歳さんは、参加数回目の小1お姉ちゃんに教わるはずが、くるりと後ろ向きになり、ベネズエラルーツの5歳さんとの差し向かいでつくっていました。同じ年中さん同士で波長があうのでしょうか。

中盤、ふと見ると、後方で皆で何かを囲み賑わっています。小4さんが箱いっぱいの折り紙作品を持って来てくれたのでした。立体的に動く複雑な作品も多くて、皆それぞれ手に取り感心しきりです。嬉しいことに、私をイメージして折ったという「ミカンの精」をプレゼントしてくれました。ありがとう。

前日の放課後子ども教室と午前回に助っ人に入ってくださった日和さんは、海外生活の経験もある生物の研究者で、リタイア後は、子どもたちに日本語を教えたり、保育士の資格をとって保育園で働いたりなさっています。子どもたちの様子をよく観察されていて、ワークショップ終了後も、将来は蛇の研究者になりたい小6男児くんとの生物談義に花が咲いていました。
小3くんのお祖父さんが前回に続き広島からご参加くださったのも嬉しいことでした。たまたま来豊中だったそうで、そして今回も、ご自身の孫ではなく別の小1くんと共作なさっていました。

岩田校区市民館へ移動して午後回。
午前は都合がつかず午後回への参加となった日本人6歳さん。読み聞かせをいつも熱心に聴いていて、「子どもの歯は20本」で口の中に指を入れて数えていました。今回はじめて4歳の弟くんも一緒に来てくれました。4歳くんは2時間ほぼ走りっぱなしの元気さく裂。自作の録音時には「ごちゃい(5歳)」を繰り返していました。

近頃「ギャル」にハマっているという常連のブラジル籍さんは、ルーズソックス姿で登場。4歳くんが駆け回る喧噪のなか集中力を発揮して、ギャル雑誌「egg」を完成させました。「雑誌」なので録音は無しだそうです。

国籍限定を外した午前回はほぼ日本人となってはいるものの、幼児からシニアまでの異年齢、静かな子や賑やかな子、様々な特技や特性をもった子たちが集う触発の中で、それぞれが自分のやってみたい表現を試み楽しんでいます。子どもも大人も、互いの異なる興味やこだわりを認め合っているのもいいなぁと思います。集う皆さんによって良き土壌が耕され、そこで子どもたちが、それぞれのお日様の方へと伸びていく。その様子を伊藤さんと私はまぶしく見守っています。

次回は7月6日日曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」代表:伊藤孝良さん、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

※)のんぽいパーク(豊橋総合動植物園。動物園と植物園に自然史博物館も併設された総合公園)で、のんほいパーク認定アーティスト花島愛弥さんの絵のハンコを押せるそうです。生き物の絵を描くのが大好きな愛弥さんは自閉症で聴覚過敏の特性があります。私も愛弥さんがまだ高校生だった頃に個展を覗かせてもらいました。

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放課後子ども教室でピッケ@豊橋市立岩田小学校



ピッケの会とよはし 伊藤孝良さんと一緒に、外国人集住地区にある放課後子ども教室へ出かけました。
以前はブラジル籍の子が多かったのですが、近頃は逆転しフィリピン籍の子たちが大半に。言いたいことに語彙が追い付かなかったり助詞に苦戦しつつも、お話つくるのはみんな大好き。お迎えのお母さんの声に生返事して続けていたり、製本した絵本のページを繰りながら、全編聴かせてくれた子もありました。
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


5月10日土曜日は、愛知県豊橋市での月1回のワークショップでした。
絵本を読むのは、長く参加してくださっているきょうこさんにお任せ。図書館司書さんによる選書で『にじいろのさかな』(マーカス・フィスター 作・絵、谷川 俊太郎 訳、講談社)を読み、分ける・分けてあげる、または自由をテーマに絵本をつくりました。

「どんぐり100こひろったりんご」題名からすでに心ひかれます。6歳さん作。

隣で並んでつくっていたお母さんも、同じ「どんぐり」で作話なさっていました。でも、相談しているわけではなく、制作中はそれぞれ自身の物語世界に没していて、録音時に互いのストーリーを知るのでした。

こちらも保護者さん作。いつもアイディアにあふれています。

祖父さんと孫、親と子、兄弟姉妹、友だち同士で。だったはずが、いつの間にかその組み合わせが変わっていて、あれっ?となることが、しばしばあります。

国籍限定を外した図書館での午前回は、近頃ではほぼ日本人ばかりとなっています。とはいえ、子どもたちにとって楽しみな創作の場、安堵できる居場所と言って頂けて、来月もまた子どもたちに会いに行きたくなります。発表会でも、自身の作品(この日は新旧5作)を詳しく解説したり、ひとの作品に感じることがあれば、すかさずスクリーン前まで出て来て伝えたりと自由で、それが実に良いのです。

岩田校区市民館での外国ルーツの子どもたち対象の午後回、この日は残念ながら常連ブラジル籍さんからキャンセルの連絡が入り、誰も現れず。外も小糠雨でありました。

次回は6月21日土曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

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「ピッケのつくるえほん」発表会@豊橋市中央図書館


3月15日土曜日は、豊橋で毎月実施されたワークショップの2024年度合同発表会でした。各会場で参加した子どもたちが、それぞれの年間ベスト作品を持ち寄りました。
録音をやり直すなど発表作をブラシュアップしたい子たちが、三々五々、別室に集まってきました。手直しだけのはずが、場面を追加したり入れ替えたり、つい熱が入って大がかりに始めている子もいます。さて定刻、皆で集会室へ移り、図書館の遠藤専門員による開会の辞でスタートしました。

この1年の振り返り動画を見たあと、いよいよ作品上映です。1作ずつを皆で観て、質問や感想を言いあいっこしました。羽田保育園の子どもたちも何人か参加してくれて賑やかな会となりました。

たくさんの自作の中から、どうして本作を選んだのかも教えてもらいました。新作から選ぶ子が多いなか旧作を選んだふたりの理由はそれぞれ、「(隠れキャラのように時々登場させていたオリジナルキャタラクターの)ベーとニョロちゃんを取り上げた作品だから」「(独自の競技がいっぱいで)面白いお話だから」でした。

このワークショップの起源は、2018年度に豊橋市が文部科学省「地域の教育資源を活用した教育格差解消プラン」の委託を受け始まった事業「絵本やICTを活用した外国人親子への支援プログラム」に遡ります。豊橋市中央図書館の伊藤孝良館長(当時)を中心に企画・実施されました。あいにく文科省が事業自体を終了したため、2019年度以降は、伊藤元館長を中心とした市民ボランティアの手弁当で続けられています。それを私もお手伝いしています。途中、新型コロナウィルス感染症による中断もありながら、外国人集住地区で継続実施されてきました。

ここまでの約6年半を動画で振り返ってみますね。(各1分半ほどです)

最初期 2018、2019年度の様子です。月1回の午前/午後、外国人集住地区である2つの団地内の集会所で行ってきました。文科省からの予算があった2018年度は母語の通訳者をお願いでき、図書館職員さんが入ってくださる日も多く、加えて、名古屋大学大学院小川明子研究室の協力も得て留学生が参加してくれるなど、手厚い人員で取り組めていた時期です。2019年度の3月に合同発表会を予定していましたが、残念ながら、新型コロナウィルス感染症の流行により中止せざるをえなくなりました。:

その後もコロナ禍の中断が続きました。流行の波をみながら2020年度は3回実施。2021年11月から再開。動画は2022年度の様子です。:

2023年度。これまでご尽力くださった団地自治会の方が高齢になられた等の事情で団地の集会所が利用できなくなり、協力を得て岩田校区市民館と図書館に会場を変更しました。あわせて、図書館での開催回は国籍に関わりなく参加OKとなりました。:

最新の2024年度、この1年間の様子です。:

こうやって通してみると明らかですが、当初の目的であった外国ルーツの子どもたちは徐々に減り、国籍限定を外した図書館での開催回は日本人ばかりとなっています。2018年度の計画時には、外国人親子での参加を想定していました。ところが現実は、両親ともが「ハケン」や「ライン」として働いている家庭が多く、親の同席は望めませんでした。任期付き雇用が多い彼らの生活基盤は脆弱で、コロナ禍の雇止めでやむなく帰国した家族もありました。会場についても、最初の計画では、居住区まで出向くアウトリーチから始めたとしても、いずれは図書館へと繋ぎ図書館で実施するつもりでいました。これも見通しが甘かったです。実際に始めてみると、「図書館」は彼らの生活テリトリーの外であり、親が車で連れて行かねばならないアクセスも、心情としての距離感も、どちらも遠すぎるのだと知りました。対して、団地内の集会所であれば生活圏内、保護者にとっても安心の場で、我が子が出かけてよい場所なのでした。
さらに2023年度以降、会場が岩田校区市民館と図書館に変更になりました。校区市民館は、団地の子どもたちが通う小学校に隣接している上に設備も使いやすく、団地内の集会所から徒歩10分と理想的で、ありがたい、よかったと安堵していました。ところが団地住まいの子どもたちが来ないのです。たとえ物理的距離が近くても遠いのだと、彼らのコミュニティである団地の外へ出るハードルの高さ、心理的距離をつくづく思い知りました。
外国ルーツの子どもたちが、子どもだけでも来れる場所あるいは方法が必要です。他にも、母語ができるサポーターが欲しい、機材の寿命、資金が無い、コアスタッフが伊藤さんと私の2人だけで不安定など課題は山積で、継続できるよう何とかせねばと思っています。
お知恵ありましたらどうぞ貸してください。豊橋近郊の方でお手伝いくださる方、いつでも大歓迎です。子どもたちが物語を生み出す場に立ちあうのは楽しいですよ。

ちょうど「図書館雑誌 2025年3月号」(発行:公益社団法人日本図書館協会)に伊藤孝良さん執筆の原稿が掲載されています。

次回は4月12日土曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館1階です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
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