Category: ピッケのつくるえほん

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


 12月11日土曜日、外国人集住地区へ出かけてきました。

 午前は市営西部住宅の集会所で。2歳の時から来ている5歳男児、いつもお姉さん頼りだったのが、自分で話す内容を決めて録音できました。ふいに常連の女児から「Aくん、Bくん、Cちゃんのこと覚えてる?」と問われました。覚えてるよと答えると「みんな引っ越しちゃった」と。転校して、どこへ引っ越したのかもわからないそうです。(国内なのか帰国なのかも不明)

 午後は県営岩田住宅へ。いつもは伊藤孝良元図書館長にお任せの読み聞かせを、この日は私が担当。「あおくんときいろちゃん」を読みました。家庭内ではポルトガル語を使っているという父子の参加があったので、ポルトガル語版での読み聞かせをお願いしたところ、快諾くださった上に、フィリピンルーツの参加者のことも考え、英語版を手に取り直して、ポルトガル語、タガログ語、日本語も交えながら読んでくださいました。ご自身はフィリピンルーツで奥さんがブラジルルーツなので、4か国語を話すマルチリンガルとのこと。おかげで、とても良い読み聞かせタイムとなりました。
 多言語の絵本を用意してくださるのは中央図書館さん。今回はクリスマスやお正月の絵本も選書してくださっていて、合間に子どもたちと読みました。読めない言語の絵本を「コレ読んで」と渡された時には、一緒に絵を眺めながらお話を想像します。子どもたちは隅っこの小さな描写も見逃さず教えてくれますし、これがなかなか楽しいのです。

 通りで出会った女子トリオ。顔に見覚えあるなと思ったら、「昔(コロナの前)来たよ」と。小学生だった子たちが大人びた中学生になっていて、子どもにとっての2年は長いのだとあらためて感じました。

 1月以降は、1月15日、2月12日、3月12日に開催予定です。(主催:市民ボランティア、協力:中央図書館)
 別途、来週末12月18日AM10時~には、オープンしたばかりの「まちなか図書館」でも開催されます。外国ルーツの親子対象。(主催:豊橋市、受託団体:NPO法人フロンティアとよはし)申込: frontier-ty@hi3.enjoy.ne.jp (フロンティアとよはし 河村さん)
 さらに急遽、同日午後、会場を豊橋市中央図書館に移して、子どもの育ちに関心のあるすべての大人を対象にしたワークショップも追加となりました。詳細と申込:https://www.pekay.jp/news/ws
いずれも講師を務めます。

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オンライン授業@京都市立病院院内学級



 京都市立病院の分教室(院内学級)と繋げてオンライン授業をしました。今回も、チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)井上さん(保育士さん)のサポートが心強いです。
 治療の都合や当日の体調で、途中の出入り自由、ビデオのON/OFFも自由にと、無理ないようご参加頂いています。今日の参加者は中学生だったので、文字入力の方法も詳しく説明。相部屋だと録音しにくいといった事情もあるもので。
 制作の途中経過を見せてくれたNくんが、授業の終わりがけ、自らビデオをオンにしたなと思ったら、拍手する手をアップで映して見送ってくれました。

※ 2019年度2020年度の「おでかけピッケ」「おへやでピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
NPO法人 チャイルド・ケモ・ハウス
重い病気をもつ子どもたちや家族をサポートする活動を行っている。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


 11月6日土曜日、10か月ぶりに外国人集住地区へ出かけました。
 午前は市営西部住宅の集会所で。フィリピンルーツの常連姉弟が学校の友だちを誘って来てくれました。再開を心待ちにしていたという5歳の女の子も、お母さんに連れられやってきました。

 まずは、伊藤孝良元図書館長による絵本の読み聞かせ「もりのおふろ」から。「ごしごし しゅっしゅ ごしごし しゅっしゅ」「ざぶーん」。今は保育園の園長先生をなさっている伊藤さんの読みは抜群です。

 多言語の絵本を用意してくださるのは中央図書館さん。季節や日本の行事・遊びを意識した選書をしてくださいます。今回は、いもほりや七五三など。

 この日で参加スタンプが14ケとなった5年生女児は、弟の録音を手伝い、初参加の友に教えつつ、12見開きもの大作を仕上げました。

 午後は県営岩田住宅へ。自治会役員の舛木さんが解錠し設営を始めてくださっていました。仕事を終えたブルーノさんも駆けつけ手伝ってくれます。
 岩田住宅はブラジルルーツの方が多いのですが、はじめてインドネシアのご家族の参加がありました。レイナルくん(6歳)は「むかしむかしあるところに」から始まるお話を日本語でつくりました。

 ブラジルルーツの親子は、外のベンチで録音を楽しまれていました。

 ポルトガル語の調べが音楽のようです。お父さんに教わり「わたしは5さいです」は日本語で。

 岩田でも4家族がご参加くださり、親子で母語+日本語の絵本をつくる良い時間となりました。

 集住地区へ出かけての市民ボランティアによるワークショップを、月1回ペースで再開します(協力:中央図書館)。新型コロナの感染拡大状況によって変更はありえますが、次回は12月11日の予定です(仮)。ずいぶんと間も空いてしまいましたし、コロナ禍で余儀なく帰国なさったご家族もあり、再び手探りでとなりますが、続けていきたいです。
 12月18日には別途、今月末に開館する「まちなか図書館」でも開催されます。(主催:豊橋市、受託団体:NPO法人フロンティアとよはし)

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「ピッケのつくるえほん」研修@芦屋市立大東保育所


 先月の岩園保育所に続いて大東保育所でも研修を担当しました。
 研修会では先生方へ、ICTを「創る」に、なかでも幼少期には言葉の「創る」に使いましょうと伝えています。急速に押し寄せる教育ICT化の波に、戸惑いや不安を感じる方もあることでしょう。お話づくりの楽しさをまずはご自身で体験し安心してほしい。その上で子どもたちへ楽しい活動を届けてもらいたいのです。

 今回は、いつものテーマに加えて、なぜ公教育しかも幼児教育にまでICTを導入するのかについてもお話ししました。デジタルネイティブと呼ばれ機器の操作にも長けている子どもたちですが、消費者としての受け身な接し方にとどまっている事例を少なからず目にします。また、子どもの家庭環境も様々です。小学校から始まるプログラミング教育に備え高い月謝を払って教室へ通わせる家庭もある一方、経済的にも恵まれず教育への関心も低いご家庭もあります。最初の出会いは大事です。自ら取り組む楽しい「創る」でICTと出会ってほしい。どんな家庭に生まれた子どもにも等しく幸せな出会いを届けたい。それをできるのが公教育なのです。

 大東保育所の皆さんはとても朗らかで、興味津々で絵本づくりを楽しんでくださり、講話にも真剣に耳を傾けてくださいました。研修会が終わるやいなや「(つくった絵本作品を)子どもたちに見てもらおう!」と所長先生から声があがり、先生方も「いいね」と即応なさっていました。実に良いチームです。きっと子どもたち主体の楽しい活動に育てて下さることでしょう。

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オンライン授業@京大附属病院院内学級



 京大附属病院の分教室(院内学級)と繋げてオンライン授業をしました。子どもたちはそれぞれベッドサイドからの参加です。手元は見えないものの、表情から夢中になっている様子が伝わってきます。教室の先生方もつくってくださっている様子が画面越しに見えました。
 京大病院でのピッケは、感染拡大直前の昨年2月「おでかけピッケ」(訪問授業)以来となります。分教室の先生から「まだまだ先の見えない状況だけれど、今年度のどこかでなんとか実施できないだろうか」とご連絡頂いたのは7月。そこから、どうすれば、いつなら安心な状況で楽しめるか、何度も打合せをして迎えた当日でした。チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の井上さん(保育士さん)も、子どもたちへの朗らかな声がけで場を和ませてくれました。
 授業後そのまま1週間貸出をして、引き続き自由につくってもらいます。どんな作品ができあがるか楽しみです。
※ 2019年度2020年度の「おでかけピッケ」「おへやでピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
NPO法人 チャイルド・ケモ・ハウス
重い病気をもつ子どもたちや家族をサポートする活動を行っている。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@神戸


 緊急事態宣言明けの土曜日10月2日、地元の区民センターでワークショップをしました。今回はアプリの動作確認目的も兼ねていたので、ご協力くださる友人知人限定の少人数で。

 仲良し姉妹はそれぞれが、ばあばへ贈る絵本。5歳妹作は「みんなであそぶとたのしいね!」。7歳姉作は裏表紙に「りすさんは歩いているとしっぽが汚れてしまいました。見ると、ちょっと黒くなっています。おうちに帰ってお風呂に入りましょうね。」
 他にも、よく暴れる大きな魚を友だちと一緒に釣ったお話、海と町の秘密を描いたお話、フルーツ電車のお話等が生まれました。

 お父さん作は、友だちと「かえっこ」したバナナが巡り巡って戻ってきたお話。しかも食べ頃に熟して。発表会では娘さんがストーリーを解説してくれました。

 神戸文化祭の時に参加してくれた兄弟が「楽しかったから」と来てくれて、3年ぶりに再会できました。お兄ちゃんが贈る先は、弟さんの通う幼稚園の皆。近く行く予定があるそうです。弟さんは、園の友だち(11人!)に加えて、おじいさんやおばあさんや家族のみーんないっぱい。
「きょうふのまあくんランド」そうたくん(10歳)作

「ともだちとつり」えいたくん(6歳)作

 贈る相手は迷わずばあばでした。
「ばあばがすきなところ」かえでちゃん(5歳)作

 6歳男の子は、よく一緒に遊んでいるHくんに贈る絵本。(何曜日に遊んでいるかまで教えてくれました)
「うみとまちのひみつ」けんたくん(6歳)作

「クマちゃんとうさぎちゃんとリすちゃんとあひるちゃんの1日」あおいちゃん(7歳)作

「みんなであそぶとたのしいね!」つむぎちゃん(5歳)作

 子どもたち対象のワークショップを対面で行うのは、実に9か月ぶり。生の声や表情に触れられるのが、久しぶりで新鮮でした。小さい妹さんは終盤でやや飽きてきたものの(無理もないです)、お姉ちゃんの録音絵本の素敵さに刺激されて再開!そんな感情の移り変わる様も愛おしくて。「会える」は、やっぱり良いですね。

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「ピッケのつくるえほん」研修@芦屋市立岩園保育所


保育士の先生方を対象とした研修を担当しました。
急速にGIGAスクール構想が進み、ともない幼児教育、保育の場にもデジタル化の波が押し寄せてきていますね。「やらねばならぬこと」として向き合うのは、それが何であっても気乗りはしにくく、きっと不安に感じていらっしゃる先生もあることでしょう。まずはご自身が楽しいと感じ安心してほしい。私も楽しみながら準備をして当日を迎えました。

途中、体験時間も設けました。市役所での12月の研修時にも感じましたが、日々子どもたちと一緒に過ごしているからか、どなたも発想が柔らかく、お話は生活に根ざしています。泣いたり怒ったりするリアルな子どもの姿を捉えていて、かくれんぼなどの遊びも子ども視点から描かれているので、すっとその中に入っていけます。

「貸して」と言われたら「どうぞ」と応じましょうという教えが幼い頃から疑問で「ちょっと待って」だってあるよと感じていた私としては、このお話も好きです。

加えて皆さん録音にも迷いがなく、声に情感もあって素敵です。(さいご4見開き目で、つい後ろから勝手に参加してしまいました。せっかくの名調子をこわしてますね、ごめんなさい)

かれこれ20年ひたすら同じことを言い続けていますが、今回も「幼少期に言葉の楽しみにたっぷり浸らせてあげましょう。子どもたちをICTと『創る』で出会わせてあげましょう」とお話ししました。

対面での研修や講義は半年以上ぶり。やはり画面を通してよりも得られる有形無形のものが多くて、いいなぁと感じました。何より、所長先生をはじめ、ベテラン先生からも若手の先生からも熱意が伝わってきて、この皆さんであれば、子どもたちに楽しい場を設けてくださるに違いないと、嬉しく頼もしくなりました。

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「おへやでピッケ」継続中


今年度も引き続き、「おでかけピッケ」(病院訪問)の代わりとして「おへやでピッケ」(病院への貸出)を実施中です。チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)西宮オフィスへ伺い、戻ってきたデータを取り出して、動画書き出しと紙の絵本づくりをしてきました。ノドにかかっている文章は少し調整しつつ。
感染拡大の影響で、入院中の子どもたちの制約は昨年よりもさらに増し、医療の現場はますます厳しくなっています。そんな中でも、子どもたちのつくるお話や付添いの親御さん作のお話はとても優しくて。チャイケモ井上さんとふたり丁寧に作業しました。後日、子どもたちのもとへ送ります。

※ 2019年度2020年度の「おでかけピッケ」「おへやでピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
NPO法人 チャイルド・ケモ・ハウス
重い病気をもつ子どもたちや家族をサポートする活動を行っている。

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オンラインでゲスト講義


7月6日。相模女子大学 子ども教育学科(七海陽先生)でオンラインゲスト講義を担当しました。対象は、幼稚園教諭、保育士、保育教諭をめざす2年生70名。相模女子大では「ピッケのつくるえほん」iPad版リリース当初から10年近く授業の中で絵本づくりをなさっていて、私がその導入を受け持つ年もありました。しかし今回はそれぞれ自宅等からの受講なので講話のみです。

「ICTを子どもたちの『創る』に使いましょう」を伝えたくて、活動デザインを軸に話しました。昨今「幼小接続」と言われますが、小学校のいわゆる「お勉強」が下へ降りてくることを危惧しています。むしろ、幼稚園で行われている学びを内包する遊び、遊びと不可分な学びが、小学校のせめて低学年まで延長されるのが望ましいと考えます。幼少期には、とことん遊ぶ、思う存分に遊ぶことが何より大切です。「遊ぶ」には、外で思いっきり身体を動かして遊ぶ、歌を歌う、さまざまありますが、何かを「創る」ことも子どもたちにとって夢中になる遊びです。そして「創る」にはあらゆる学びがつまっています。ICTはこの「創る」にこそ活きるのです。

学生さんたちには、ICTも適所に使いつつ、子どもたちが夢中になる創る「遊び」をデザインできる人になってほしいです。

自宅からなので、いつもの授業では持って行きにくいワークショップ用エプロン、タペストリ、パペット、マグネットのペパドルなども披露しました。Webカメラにミラーレス一眼を代用。

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オンラインでゲスト講義


愛知淑徳大学 人間情報学部(佐藤朝美先生)でゲスト講義を担当しました。お招き頂くのは4回目。とはいえ愛知も兵庫も緊急事態宣言発令中のため、今年度はオンラインでの授業となりました。内容も、これまでは講話+絵本づくりとしてきましたが、学生さんも大半が自宅からの受講で大学のiPadを使うことができないため、代わりに子ども対象ワークショップを自身でデザインしてもらう時間を設けました。

授業は3年生対象だったのですが、授業後、卒業制作として外国ルーツの子どものための絵本づくりに取り組んでいる4年生からも相談を受けました。「食」を切り口とした動く絵本=アニメーションとなるようで、フェルトで作った案内役のキャラクタも愛らしくて良い作品になりそうです。愛知県は日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数が全国1位です。なぜ日本でそのような事態が生まれているのか、これを契機にその社会背景にも関心をもってもらえたら尚いいなと期待しています。コロナ禍で今は難しいかとは思いますが、実際に会ってみるのが一番です。知ることで、つくる作品の質も自ずと変わってくると思うので。

自宅からの配信。背景に昔個展用につくったピッケの絵を掛けてみました。

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