Category: ワークショップ・展示

「廃材×物語」クリエイティブリユースワークショップ @神戸KIITO


10月23日神戸KIITOで、クリエイティブリユースワークショップしました。
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午前中は、「廃材×物語」。素材を見て触って「みたてる」ことをしながら、廃材に新しい物語を与えることで、新しい命を吹き込んでもらいました。
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多種多様な材料を眺め触り選ぶことは楽しくて、大人でもわくわくします。
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すべて、主に神戸の企業、町工場、お店から(他、大月ヒロ子さんの玉島や、調布からも)、協力を得て提供いただいた廃材です。
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異素材をとりあわせて作ります。
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「びょんびょんろけっと」7歳作
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「ろけっとにのってうちゅうにいこうとしたら ろけっとがこわれたとおもったけど びょんびょんとろけっとがうちゅうのはてまでとんでって かえってきました。」
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バネの具合を何度も確かめます。
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「ばねボール・ろケット」7歳作。宇宙に行って惑星に使うもの。
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「空とぶうちゅうステーション」1年生作。今は月の辺りにいて、どこへでも行けるそうです。
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「おにわ」1年生作。友だちのおにわ。いっしょにあそべる
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こちらは大人。ご夫婦の作。左は馬蹄にたくさんのボタンを貼り付けています。写真立て。右はお子さんのための貯金箱。
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午後は「ちびっこうべ」の町の解体ワークショップ。子どもたちが、夏休み頃から、売る商品、店舗デザイン等を企画しつくりあげてきた町を今日いよいよ解体します。写真は、先週末、見学させてもらった店開き中の様子。
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解体作業の前に、大月ヒロ子さんのクリエイティブリユースについて、子どもたちにレクチャ。
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実際に、分類・整理され魅力的によみがえった「材料」も見てもらいました。
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「どうして『材料』にみえるのだろう?」と問うと、色や素材で分けていること、その材料の特性に合せて、見やすく並べられていることにもちゃんと気付いてくれます。

自分たちの町(ユメミセ)を、壊すのではなく、大切に分解して、材料に戻す。ていねいに解体中。
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開始から1時間経つと、町はもう消えかけていました。
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創ることはほんとに楽しくて、たくさんの学びがつまっています。
子どもたちが、存分に創れる場所や機会をつくり、手を出さず(ただし、ちょっとしたヒントをたまに。)信頼して見守ることは、なにより大事です。

クリエイティブリユースのワークショップ(こどもSOZOプロジェクト)は、12月18日までの金土日曜、まだまだ続きます。詳細と申込方法は「デザイン都市・神戸」のWebからご覧いただけます。(午前回は10-12時、午後回は14-16時です)

追記:
午後の「ちびっこうべ」。「ユメミセ」を解体した子どもたちが、さっそく「分類」していたそう。子どもたちの気質が嬉しくって頼もしいです。それを知らせてくださったKIITO中野さんのお気持ちも。
「ちびっこうべ」のFacebookページのアルバムで写真をご覧いただけます。

未来のくらしモノ語り「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @川崎市市民ミュージアム


10月15日晴天の日曜日、川崎市市民ミュージアム(神奈川県)でワークショップをしました。等々力緑地の広い敷地内。前庭の黒いオブジェは前衛作品とばかり思っていましたが、あとで調べると「トーマス転炉」貴重な産業遺産と知りました。
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今回のワークショップでは、企画展「昔のくらしと道具2016」を糸口に、自分がつくりたい未来のくらしを物語にしました。参加者は近隣の公立校に通う小学生で、大半が3年生でした。
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最初にスライドを使い、道具があり使う人がいて暮らしがあることを思い起こしてもらい、「過去を振り返って未来を考えるよ」と意識づけをしました。
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皆が生きている「今」は、君たちの祖父母、曾祖父母、曾々祖父母…が、こんな未来をつくりたいと願いつくってきた「未来」。次は皆の番、未来のくらしをどう作りたい? そのヒントを探しに行こう!として、展示を見に出かけました。
目的意識があると、ただ単に「昔は大変だったんだね」「今は便利になってよかった」で終わらず、深く考えます。子どもたちはいつも、大人が思っている以上に、よく聴きよく考えています。

3グループに分かれて展示をみて回り、気づいたことをアイディアシートにメモします。
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会場へ戻ってきて、みらいのくらしのアイディアをまとめ、グループ内で発表、友達から質問やアドバイスをもらって、ブラッシュアップしました。
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続いて、自分のアイディアを物語にします。より良く伝えるには、誰を主人公にしてどんなお話にするとよいでしょう? 表現の幅を広げたくて、「家」からの定点観察で文明の発展を描いたバージニア・リー・バートンの絵本「ちいさいおうち」を見せました。
ここからはiPadを使います。絵で4見開きを目安に本文をつくり、表紙と裏表紙もつくります。ほしい素材が用意された中に無くても、車、洗濯機、ドレス、自転車、なんでもデジタル積木を組合わせて作ってしまいます。(このアプリには自由描画機能を持たせていません)

次は録音。思い思いの場所で録ります。声の友情出演をしている子たちもいました。
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デジタル絵本が完成したら、紙の絵本も製本します。A3サイズなので、いつもよりひとまわり大きな仕上がりになりました。皆を待つ間、手書きで文章を入れた子もいます。
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さいごは発表会。展示でみた昔の冷蔵庫、ミシン、洗濯機、羽釜、ゲーム機などから着想を得たそれぞれの未来を見せてくれました。
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いくつかご紹介します。
「ちっちゃいうちゅう」まゆさん(小4)

「海はすずしい」なのさん(小3)

「昨夜のワープ」リオピーさん(小3)

「みんな友だち」佑太くん(小3)

「楽しい 未来の洋服屋さん」南々子さん(小3)

「高熱炊飯器の使い方」朋哉くん(小3)

「なんでもおまかせ洗濯機」ゆなっぴさん(小3)

「未来の社会をつくっていくのは君たちだよ、それはとっても楽しみなことだよ」と伝えたくて、ミュージアムの教育普及担当の菅井薫さんと相談して、この企画にしました。2年前の「未来の図書館」を考えるワークショップも同じ企画意図でした。夏の多世代共創ワークショップでも同様の想いを込めました。今の日本の子どもたちが、学力は高いにもかかわらず、自己肯定感や自己効力感が低いことが気になっています。すべてそろった世界に生まれてきたのだから無理もない面もあるかもしれません。でもせっかくこの世に生を受けたのだから、存分に幸せに、自分を大切に思い(うぬぼれるという意味ではなく)自己効力感をもって生きてほしいのです。未来をつくる楽しみな仕事に参加しようと思ってほしいのです。そして、子どもたちが幸せに生きることは、幸せな未来社会を私たち皆でつくっていくことに他なりません。
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川崎市市民ミュージアムは来年度から指定管理となるため、今回のピッケが、現在の市職員の皆さんにとって実質上「最後のワークショップ」となるそうで、それはもう渾身の準備をしてくださいました。力作のサンプル絵本、名札、グループ分けのフラッグ等々。ピッケをアイロンプリントしたおそろいのエプロンまで。
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嬉しくて、私も精いっぱい務めました。

全作品を動画キャプチャをしました。
※ 上記7作品を含む全16作品が順番に自動再生されます。

うまく連続再生されない場合は、直接YouTubeの再生リストから個々の作品をご覧ください。

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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使用アプリ: ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート: Facebookページ「ピッケ」
(「いいね!」いただけると励みになります)
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おでかけピッケ@大阪府立病院機構大阪母子医療センター

大阪府立母子保健総合医療センター

16日金曜日、チャイルド・ケモ・ハウス於保さんと一緒に、大阪府立病院機構大阪母子医療センターへ出かけてきました。4回目の訪問です。( 初回 前々回 前回)
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(検査や治療があるので)入れ替わり立ち代わりしながら、10人くらいの子どもたちが参加してくれました。
海の好きなお姉さんへ贈る絵本。男児作。
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発表会。
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明日日曜は、外出がむずかしい小学1年生のお子さんがいらっしゃるご自宅へ伺います。

入院中の子どもたちのところへ、チャイケモの方と一緒に絵本づくりに伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がん専門治療施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

おでかけピッケ@京大附属病院


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の於保さんと、京都大学医学部附属病院へ出かけてきました。院内のボランティアグループ「にこにこトマト(愛称:にこトマ)」さんの企画・運営です。
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たくさんの子どもたちと付添の親御さんがご参加くださいました。お母さん、妹や弟、院内のお友達などへ贈る絵本を、それぞれが作ります。検査やシャワーをしながらの時間なので途中出入りがあり、なかなかフルでの参加は難しいのですが、短い時間の中でも子どもたちは楽しむ名人です。遅れての入室で最初の説明をきけなかった8歳の男の子も、お話の世界でたっぷり遊んでいました。
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前回は階段をのぼったりおりたりで大変だった印刷も、今回はメンバーの方が私物で用意してくださり、同じプレイルーム内でできました。人員数が足りず、急遽無理をお願いした沙代さんの応援もありがたかったです。
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お土産に、にこトマさんの皆さんが手仕事でプリントされた20周年記念グッズをいただきました。
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「おでかけピッケ」入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がん専門治療施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

多世代共創ワークショップ @浜松こども館


10月に開催の日本子ども学会のプレイベントとして、8月28日日曜、静岡県浜松市のこども館にて「未来の家族へのメッセージ ~ 伝えるバトン絵本 ~」ワークショップが開催されました。子どもとすることが多いピッケの絵本づくりですが、今回はじめて、祖父母世代+親世代+子ども世代の三世代家族チームで行いました。

開始前、子どもたちの緊張をやわらげたくて、会場外のテーブルに集まってもらい、おはなし絵カードで遊びました。
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さて定刻。全体指揮の沢井佳子先生によるレクチャーから始まります。「子どもが『おばあさんも昔は子どもで、その子どもの子どもが私だ』という命の物語に気づけば、『おばあさんの思い出を想像すること』が面白くなるでしょう」という主旨で、しまじろうも登場する楽しいお話をしてくださいました。要となるキーワード「多世代共創」も沢井先生によるものです。
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ワークショップは、佐藤朝美さんと企画、実施しました。家族のシンボルを選び、それをバトンとして、祖父母→父母→子どもへと三世代間をリレーしながら次世代へ贈る絵本をつくります。

43枚のカードの中から7家族が選んだカードです。(「虹」が2家族)
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3歳のCちゃんは、先日家族で祝ってもらったお誕生会がとても楽しくて、その楽しかった象徴として「ケーキ」を選びました。
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つくりたい情景と意欲は強くあるものの、まだ3歳になったばかりなので操作はむずかしくて、手が当たっては動いたり消えたりでなかなか思うようになりません。それでも自分で作りたくて、すごい勢いでどんどん作っていました。
パーティーの情景ができあがると満足したのかお眠タイム。続きはお母さん。お子さん作のパーティーのシーンをさいごの見開きに移動し、全体を整えてお誕生日を祝うお話として完成なさいました。
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暑がりで冷たいものが大好きなMちゃん(小2・8歳)が選んだのは「雪」。キンキンに冷たいアイスクリームのお話を制作中、2見開き目の担当はお母さんです。
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題名「ひえひえアイス」の名付けも、シンボルと関連させて表紙に水玉柄をもってきたことも、表紙の涼やかな配色も、なかなか心にくいです。Mちゃん担当の3見開き目で、野球の練習をして汗びっしょりになっている様子もよく伝わります。このシーンがあるから、次の見開きに描いたアイスが、ますます冷たく美味しく感じられるのですね。後ろで一緒にアイスを食べるお祖母さんのたたずまいも良い味だしています。
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妹Sちゃん(5歳)の「海が好き」という気持ちを家族皆で尊重して、シンボルは「海」。お兄ちゃんJくん(10歳)が物語を海から空へと展開させます。
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お出かけが好きな家族は「車」をシンボルに選びました。チーム名まで「お出かけ」です。山ではどんぐりを拾い、海へは車ごと飛び込んでスイスイ泳いでいます。ページをめくる向きと車の進行方向も合わせてあって、物語が軽快に気持ちよく進んでいきます。
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こちらは、祖父、父母、孫(小5・10歳)のチーム。お祖父さんと孫のRくんはふだん一緒に過ごす時間があまりないそうで、最初はお互い遠慮しあっているようでした。でも寡黙なお祖父さんが楽しんでいるらしいと分かってからは、Rくんが面白いアイディアを積極的に提案し、録音時にはRくんの演出指導にお祖父さんが応じて、Rくんを中心に家族全員で笑いあいながら作っていました。

そして発表会。開始直後に選んだシンボルカードを発表するときには、緊張や恥ずかしさで発言できなかった子どもたちも、しっかり発表できました。
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さいごは、大会長である静岡大学大学院情報学部の竹林洋一先生から総括のレクチャーがありました。(舞台裏で展開図の印刷作業していて、聴けなかったのが残念です)
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絵本の展開図を各ご家族3冊分ずつお土産にお持ち帰りいただきました。お孫さんが「さっそく製本をし絵本の解説をしている」と、参加者の方から嬉しいメールも届きました。アンケートに「子どもが自分の子を産む時まで大切に保管します」と書いてくださったお母さんもありました。
三世代で絵本を作ってみることで、これまでの長い命の繋がりの先に今があることを想い、続く未来へと想いを馳せてほしい、子どもたちには、自分たちで未来社会をつくっていくことを楽しみに感じてほしいという願いをこめました。そこまでは届かなかったかもしれませんが、お祖父さんやお祖母さんと、家族みんなで、1つの物語を創るのは楽しい、と思ってもらえただけでも充分です。
夏休みさいごの日曜日に三世代のご都合をやりくりしてご参加くださった7家族の皆さん、そして静岡大学や静岡文化芸術大学の皆さん、本当に多くの皆さんのお力添えで、このワークショップを実施することができました。ありがとうございました。とても愉快で幸せな時間でした。
当日の様子が、翌日の中日新聞 朝刊に掲載されました。

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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10月8日9日には、静岡大学浜松キャンパスで、第13回子ども学会議(学術集会)が開催されます。テーマは「長寿社会の子どもと情報学 ― 家族・地域・メディアとつくる子どもの未来 ―」です。長寿社会における諸問題の解決に向けて、「子ども」をキーワードに、情報学の視点からご一緒に考えましょう。ご参加をお待ちしています。 詳しくは こちら>>
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追記:
毎日新聞 10月25日朝刊「デジタルで学ぼう」の紙面で詳しくご紹介されました。
「家族の絵本、ソフト手助け 3世代で協力、子供の創造力育む」
同内容のWeb版 掲載サイトはこちら

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @豊橋こども未来館ここにこ


8月11日祝日、愛知県豊橋市のこども未来館(愛称:ここにこ)でワークショップをしました。今年1月3日に続いて3回目の開催です。

操作説明の中で積木を使ってオバケを作っていると、最前列から「あっ、おばっち!」の声が飛んできました。「『おばっち』聞いたことあるぞ、なんだっけ?」 声の主は前回も参加してくれたはるかちゃん(6歳)。そうでしたっ、はるかちゃんがつくった「おばっちのおうちづくり」の主人公が「おばっち」でした。
今回はその続編として、前作では脇役だった「ぷっち」が主人公となって、幼稚園に入園するお話をつくってくれました。
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前回同様、お兄ちゃんとご両親、ご家族4人そろってご参加くださいました。嬉しいです。
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こちらは、おじいちゃん、おばあちゃんと参加してくれた姉弟。
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皆で発表会。
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5歳の弟くんは発表が恥ずかしくて、自分の順番が回ってくると「おしっこ行ってくるー!」と飛び出して行ってしまい、でもニコニコ顔で廊下からガラス越しに皆の様子を伺っていました。
作品は「かえるくんにいちにちのぼうけん」れんたろうくん(5歳) お姉ちゃんへ贈る絵本。

あと2点ほど紹介しますね。
「もりのパンやさん」たいがくん(6歳) 幼稚園の先生へ贈る絵本です。

「なつやすみ」あすかちゃん(5歳) ママへ贈る絵本。

作った絵本を最初に決めた相手に贈ることを約束、自作を手に記念撮影をしてお開きとなりました。
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来年2月の連休2月11日12日に「デジタルで創ろう!キッズワークショップとシンポジウム in 豊橋」と題して、ここにこにてイベント開催予定です。(市制110周年市民提案イベント。主催:らるご子ども教育研究所、共催:豊橋市、後援:豊橋市教育委員会)詳細が決まりましたらご案内します。年末あたりの「ここにこ通信」もチェックしてくださいね。
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当日の様子が、中日新聞 8月13日朝刊(東三河版)に掲載されました。

翌12日は、らるご子ども教育研究所さんで、養護施設で暮らす子どもたちや発達課題のある子どもたちと絵本づくりをしました。最初は教室の後方にじっとかたまって座っていた子どもたちが、後半では活き活きと夢中でつくっていました。
自分がつくったお話を大切な人が喜んでくれることは存在を認められることです。認められることで自分を大切にし人を信頼できる心が育ちます。また、創り表現する喜びは、生理的快楽とは異なる深い喜びです。それらをいちばん必要とする子どもたちのもとへ何としても届けたいと思いをあらたにしました。

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @KNBいりふねこども館(富山)


8月7日、ピッケ初富山! 北日本放送さん主催で、北陸地方ではじめてピッケの絵本づくりをしてきました。

会場は、富岩運河環水公園すぐ近くに昨年オープンした「KNBいりふねこども館」です。
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エチューたちスタジオジブリデザインのキャラクターが迎えてくれます。
数百冊の絵本を揃えた「えほんの小屋」、放送局らしくテレビスタジオを体験できる「スタジオの小屋」「クロマキーの小屋」「こどもシアター」などカラフルな小屋が並んでいて、大人でもわくわくします。
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絵本づくりは、親子で参加いただきました。兄弟姉妹の人数が多いご家族が多く、また、三世代同居世帯も多いようで、おばあさんもご参加くださったご家族が2組ありました。

午後回では、早く到着した子どもたちとおはなし絵カードであそびました。
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4歳男の子。とても楽しんでつくっていました。タイトルは「かえるのぼうけん」。家族を探しに行くお話です。
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4歳女の子。静かに作っていて、ときどき控えめにニコッとするのです。これは、ケーキ屋さんが思うようにできた時。
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姉妹。7歳のお姉ちゃんは、ずっと4歳の妹の様子を気遣っていました。
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こちらも7歳と4歳の姉妹。お母さんも一緒にそれぞれの作品に録音中。2歳の末の妹さんはお姉ちゃんたちを応援しています。
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発表会。
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どの子も、嬉しいのだけれど、ちょっと照れくさい様子です。
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自分の作品を見るのは恥ずかしくて、そのうちテーブルの下にもぐりこんでしまいました。
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ちょっとシャイな富山の子どもたち、最初に決めた相手に、絵本を贈ることを約束してお開きとなりました。

すいすい進んだ午後回は、いちばん気に入っている場面を開いて皆で記念撮影もしました。
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「KNBいりふねこども館」は、北日本放送(KNB)さんが富山の皆さんへの恩返しを創業の地である湊入船町からはじめたいとの想いで、開館なさったのだそうです。
入場無料、駐車場完備、専任スタッフも常駐しています(警備員さんまで親切)。放送局が単独でCSRとして子どもやファミリー向けの施設を運営する、というのは、他には無いのではないでしょうか。

終了後、お世話になったKNBの皆さんとご一緒に、夕方のニュースを見ることができました。※ 1週間ほどはKNBのWebで視聴いただけます。こちら>>
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富山へ旅行されることがありましたら、富岩運河環水公園とセットでぜひ訪れてみてください。
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写真を、Facebookページ「ピッケ」でご覧いただけます。

ピッケ@経済産業省子どもデー2016


7月27日28日、今年も経済産業省子どもデーで絵本づくりをしてきました。3年連続で呼んでいただけて光栄です。(おととし去年の様子)

この「パスポート」を手に、日頃はセキュリティゲートで守られている官公庁の建物へ堂々と入れます。
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事前申込み>抽選で選ばれた各日10名の小学1~6年生が参加してくれました。
開場と同時に来てくれた小学3年生。おはなし絵カードを見せると、またたく間に繋げてお話を語ってくれました。
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全員がそろったところで、いつものように贈る相手を決めてから、お話づくりに入ります。

小学2年生、「ずっと作っていたーい」「夏休みの宿題これでしたーい」と言いながら。
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録音は思い思いの場所で。子どもって隅っこが好きですね。
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保護者の方にも、録音操作を手伝っていただきました。
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お母さんが声で出演なさっています。(演出監督はお子さん)

録音が終わった子から製本にかかります。12見開きもある大作をつくった1年生は、iPad上の表示で順番を確認しながら、真剣に並べていました。
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できあがった紙の絵本は、最初に決めた相手にプレゼントする約束です。
この4年生Kくんは、自分の作品づくりはもとより、初対面の年下の子たちのこともみてくれて、大活躍でした。
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今回はめずらしく、男児が多かったです。
そんな中、2日目の紅一点による作品は、お母さんにプレゼントする絵本「おつかい」
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 あっ 傘がある。お母さんに傘を買ってってあげよう。

もう2点ほどmovieで紹介します。1年生男児作。元気な声です。

3年生男児作。

見えてないけれど、ロケットにはちゃんと全員が乗っているのですよ。
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今年も、かつて未踏ソフトウェア創造事業でお世話になったIPA(情報処理推進機構)の皆さんにお世話になりました。
ファシリテータは、毎年手伝ってもらっている中井香里さんと、今年はじめてのピスタチオの小村歩さん。絵本作家でもある中井さんは、スッと子どもに寄り添うことができて、子どもの気持ちやお話を聴きとる耳が良いです。子ども向け造形教室を主宰している小村さんは、行き詰っている子どもがいたとき、「指導」ではなく、適任の子どもを引きあわせ、子ども同士の自治で解決していました。おふたりとも安心して任せることができます。

霞が関の官庁街を子どもたちがジャックする、夏休み恒例の愉快な2日間、今年も楽しかった~!

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

おはなし絵カードでお話づくり@せんりひじり幼稚園


7月7日、大阪府豊中市にあるせんりひじり幼稚園へ出かけてきました。
副園長のかえで先生と一緒に取り組んでいる、言葉と物語に関わる「創る」遊びの2回目です。前回が個人ワークだったので、今回は、グループワークをメインでやってみたいと考えていました。

到着すると、かえで先生とさっそく場所の相談です。前回は園庭やテラスを使いました。猛暑の今日は、広いホールの大テーブルか2階の図書室は?ということで、皆で図書室へ移動。参加してくれたのは、5~6歳年長さんの女の子たちです。
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少し難しいかなと思いながらも、絵だけでも見せたくて、初山滋画の「たなばた」を持っていきました。
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パラパラと何場面かを見せているとお話を聴きたい子が前へ集まってきたので、結局、最初からさいごまで読みました。読み終わって感想をきくことはしていないのですが、本を閉じた時、近くで熱心に聴いていた子が「悲しいお話ね」と静かに言いました。

今日使うのはお話絵カードです。
手始めに、1人1枚ずつひいてリレー式にお話をつくることをしてみました。一応は繋がったのですが、ひとりが自分のひいたカードが気に入らず「これやだー、別のに替える~」と言い始めると「私もヤダー」が次々伝播。
さてどうしようかな。場の空気を切り替えるために「そう。じゃあ、好きなのを1枚選んでみて」と言いました。すると熱心に吟味して選びます。なぜ好きなのか、理由を話してもらうことにしました。
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ケーキ。ドーナツ。アイスクリーム。カレー。カレーが好きな理由は「コーンが入っているから」。きっとおうちのカレーに入っているのですね。
食べ物を選ぶ子が多い中、さいごのひとりは「宇宙」。
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「今日は、1年に1回 彦星と織姫が会う日だから」。この子は、皆の騒ぎからは少し離れていて、本棚の絵本を取り出して読んだりもしながら、でも終始、よく聴いてよく考えていました。
かえで先生も参加。選んだのは「雷」、意外な選択にみんなびっくりしています。なんでも、田んぼに雷が落ちるとマイナスイオンが放出して、稲に栄養をもたらすのだそうです。科学的な話をわかりやすく説明してくださいました。私もはじめて知りました。そういえば「雷」の字は「雨」に「田」ですし、「稲妻」=稲が好むものですものね。雷がちょっと好きになりました。

次に、今度は絵を見ずに計3枚をひいてもらい、その3枚でお話をつくってもらいました。(また「替えたい~」が出始めたので、1回1枚だけ替えていいことにしました)
作ったお話を、全員が前で発表。その様子をムービーに撮りました。
img_160707_04_3枚でお話s

そろそろ時間切れとなってきました。実は7人で1作品つくり録音もしてムービー化をやってみたかったのですが、無理はせず、今日はここまで。
と思ったら、ひとりの子が、5枚のカードを並べ、順番を入れ替えながらお話を推敲し始めました。
img_160707_05_もっと作りたいs
語ってくれたのはこんなお話です。「おうちでうっきーがクリスマスイブにプレゼントをあけたら中味はケーキでした」(本人の言葉まま)。雪のカードを「クリスマスイブ」にあてていました。
他の子も「もう少ししたい」というので、短い時間でできる、ひとりが選んだ1枚のカードについてヒントを出して、他の子が何のカードかを当てる、を数問やってみました。
新しいあそび方を子どもたちが見つけてくれるといいなぁ。

さて、ほんとにおしまい。皆で色ごとにカードを集めて片づけ、ホームクラスへ戻って、他の子たちも一緒に作品発表の記録ムービーを観て、お開きとしました。
img_160707_06_ホームクラスで皆に観てもらうs

せんりひじり幼稚園での実践を見ていると、本気の遊びが子どもを育て、その遊びの中に生活に結び付いた深い学びがあるのだと、つくづく感じます。
つい最近もこんな事件があったそうです。日頃から皆で野菜を育てています。そろそろ食べごろのナス。金曜日、「あとちょっとおいて、月曜に収穫しようね、どうやって食べる?」「つけもの!、焼きナス!、味噌汁!」週明け楽しみに通園してくると、なんとナスが落ちて、食い散らかされていたそうです。誰のしわざか、皆で推測。食べたカミ痕から、これは鳥がついばんだんだ、きっとカラスだ! どう対策するかをみんなで話し合いました。キラキラしたCD盤がいいんじゃないか、いろんなアイディアが出て、かかしを作ることになったそうです。設計図を描く子。材料を集めて作る子。かかしに名前も付けていて、その名も「かわしままもる」くん。サッカーのキーパーの名前+「守る(護る)」なのだそうです。ときに話し合いが激しくなりすぎる時もあるそうですが、子どもの自治にお任せ。
いいなと思うのは、クラス全員がかかし作りをしているわけではなくて、この事件が気になって一緒にしたい子だけでしていて、サッカーが好きな子は、かかわりなくサッカーしているということ。
新しいクラスは4月から始まるので、今の時期は未だぶつかりあいがあったり、ハラハラする応酬もあるそうですが、互いの関係性のつくり方や協働することを自分たちで身につけていって、1年が過ぎる頃には、落ち着いてくるのだそうです。子どもたちを「信じて任せる」が揺るぎなく続けられていて、素晴らしいです。

しばらく先になりそうですが、3回目を今から楽しみにしています。

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @枚方T-SITE


6月12日日曜日、5月にTSUTAYA創業の地にオープンした『枚方 T-SITE』(大阪府)でワークショップをしました。(企画・コーディネイト:科学コミュニケーター 本田隆行さん)
IMG_160212_枚方T-SITE_01外観s
代官山のT-SITEよりさらに広い印象で、子どもやファミリー向けスペースも充実しています。開店30分前に入れていただくと「さて、どこがいいですか?」と問われました。一瞬「??」。5階蔦屋書店内「どこでも使っていいですよ」という意味で、わーい!とテンションあがります。
このカフェも、大人向けをできる日がくればぜひ使わせてほしい空間です。
IMG_160212_枚方T-SITE_CAFEスペースs
今回は、靴を脱いで入る絨毯敷きのスペースを使わせてもらいました。
IMG_160212_枚方T-SITE_02会場s
ご参加の親子それぞれでデジタル絵本をつくってもらいました。
IMG_160212_枚方T-SITE_02制作風景s
ぐんぐん作る小3男児がふと手をとめてお母さんの進み具合を気遣ったり、録音操作を母娘で一緒にする等の様子は見られたものの、どの母子ペアも互いの創作には口はさまず、それぞれが夢中で作っていました。
IMG_160212_枚方T-SITE_06録音親子As
いつものように贈る相手を決めてもらったところ、子どもたちは、父の日が近いためかお父さんが多く、お母さん方は全員が、お子さんでした。

お母さん作、子ども作、それぞれ1作品ずつ紹介しますね。

「太陽と一緒」 まいこさん作
息子の太陽くんへ贈る絵本です。
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大切な宝物、太陽くんを愛おしむ気持ちが伝わってきます。

「アヒルの戦い」 蓮くん(6年生)作
お兄ちゃんへ贈る絵本です。(蓮君は3兄弟の末っ子だそうです。蓮君が上のお兄ちゃんへ贈るので、お母さんは2番目のお兄ちゃんへ贈る絵本をつくられていました)
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ストーリーも絵もすぐ浮かんでくるらしく、眼にもとまらぬ速さでつくっていました。斜めの構図や積木やバッドでつくったモンスター(?)に感心しました。一件落着した裏表紙で、雨があがっているのも上手いです。

立地や場の雰囲気も分かったので、次回は特性を生かして臨みたいです。あと大画面での発表はできればしたいので、何か方法ないかなーと考え中です。

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