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多世代共創ワークショップ @浜松こども館


10月に開催の日本子ども学会のプレイベントとして、8月28日日曜、静岡県浜松市のこども館にて「未来の家族へのメッセージ ~ 伝えるバトン絵本 ~」ワークショップが開催されました。子どもとすることが多いピッケの絵本づくりですが、今回はじめて、祖父母世代+親世代+子ども世代の三世代家族チームで行いました。

開始前、子どもたちの緊張をやわらげたくて、会場外のテーブルに集まってもらい、おはなし絵カードで遊びました。
IMG_160828_浜松多世代_絵カードで遊ぶs
さて定刻。全体指揮の沢井佳子先生によるレクチャーから始まります。「子どもが『おばあさんも昔は子どもで、その子どもの子どもが私だ』という命の物語に気づけば、『おばあさんの思い出を想像すること』が面白くなるでしょう」という主旨で、しまじろうも登場する楽しいお話をしてくださいました。要となるキーワード「多世代共創」も沢井先生によるものです。
IMG_160828_浜松多世代_沢井先生レクチャs

ワークショップは、佐藤朝美さんと企画、実施しました。家族のシンボルを選び、それをバトンとして、祖父母→父母→子どもへと三世代間をリレーしながら次世代へ贈る絵本をつくります。

43枚のカードの中から7家族が選んだカードです。(「虹」が2家族)
IMG_160828_浜松多世代_シンボルのカードs
3歳のCちゃんは、先日家族で祝ってもらったお誕生会がとても楽しくて、その楽しかった象徴として「ケーキ」を選びました。
IMG_160828_浜松多世代_カード選び3歳ケーキ_s
つくりたい情景と意欲は強くあるものの、まだ3歳になったばかりなので操作はむずかしくて、手が当たっては動いたり消えたりでなかなか思うようになりません。それでも自分で作りたくて、すごい勢いでどんどん作っていました。
パーティーの情景ができあがると満足したのかお眠タイム。続きはお母さん。お子さん作のパーティーのシーンをさいごの見開きに移動し、全体を整えてお誕生日を祝うお話として完成なさいました。
作品SCS_うさぎさんおたんじょうびおめでとう
暑がりで冷たいものが大好きなMちゃん(小2・8歳)が選んだのは「雪」。キンキンに冷たいアイスクリームのお話を制作中、2見開き目の担当はお母さんです。
IMG_160828_浜松多世代_つくる小2女児
題名「ひえひえアイス」の名付けも、シンボルと関連させて表紙に水玉柄をもってきたことも、表紙の涼やかな配色も、なかなか心にくいです。Mちゃん担当の3見開き目で、野球の練習をして汗びっしょりになっている様子もよく伝わります。このシーンがあるから、次の見開きに描いたアイスが、ますます冷たく美味しく感じられるのですね。後ろで一緒にアイスを食べるお祖母さんのたたずまいも良い味だしています。
作品SCS_ひえひえアイスs
妹Sちゃん(5歳)の「海が好き」という気持ちを家族皆で尊重して、シンボルは「海」。お兄ちゃんJくん(10歳)が物語を海から空へと展開させます。
作品SCS_さかなくんそらをとぶs
お出かけが好きな家族は「車」をシンボルに選びました。チーム名まで「お出かけ」です。山ではどんぐりを拾い、海へは車ごと飛び込んでスイスイ泳いでいます。ページをめくる向きと車の進行方向も合わせてあって、物語が軽快に気持ちよく進んでいきます。
作品SCS_みんなでおでかけs
こちらは、祖父、父母、孫(小5・10歳)のチーム。お祖父さんと孫のRくんはふだん一緒に過ごす時間があまりないそうで、最初はお互い遠慮しあっているようでした。でも寡黙なお祖父さんが楽しんでいるらしいと分かってからは、Rくんが面白いアイディアを積極的に提案し、録音時にはRくんの演出指導にお祖父さんが応じて、Rくんを中心に家族全員で笑いあいながら作っていました。

そして発表会。開始直後に選んだシンボルカードを発表するときには、緊張や恥ずかしさで発言できなかった子どもたちも、こんどは発表できました。
IMG_160828_浜松多世代_発表会s
さいごは、大会長である静岡大学大学院情報学部の竹林洋一先生から総括のレクチャーがありました。(裏で展開図の印刷作業していて、聴けなかったのが残念です)
IMG_160828_浜松多世代_竹林先生レクチャs
絵本の展開図を各ご家族3冊分ずつお土産にお持ち帰りいただきました。お孫さんが「さっそく製本をし絵本の解説をしている」と、参加者の方から嬉しいメールも届きました。アンケートに「子どもが自分の子を産む時まで大切に保管します」と書いてくださったお母さんもありました。
三世代で絵本を作ってみることで、これまでの長い命の繋がりの先に今があることを想い、続く未来へと想いを馳せてほしい、子どもたちには、未来社会をつくっていくことを楽しみに感じてほしいという願いをこめました。そこまでは届かなかったかもしれませんが、お祖父さんやお祖母さんと、家族みんなで、1つの物語を創るのは楽しい、と思ってもらえただけでも充分です。
夏休みさいごの日曜日に三世代のご都合をやりくりしてご参加くださった7家族の皆さん、そして静岡大学や静岡文化芸術大学の皆さん、本当に多くの皆さんのお力添えで、このワークショップを実施することができました。ありがとうございました。とても愉快で幸せな時間でした。
当日の様子が、翌日の中日新聞 朝刊に掲載されました。

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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10月8日9日には、静岡大学浜松キャンパスで、第13回子ども学会議(学術集会)が開催されます。テーマは「長寿社会の子どもと情報学 ― 家族・地域・メディアとつくる子どもの未来 ―」です。長寿社会における諸問題の解決に向けて、「子ども」をキーワードに、情報学の視点からご一緒に考えましょう。ご参加をお待ちしています。 詳しくは こちら>>
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追記:
毎日新聞 10月25日朝刊「デジタルで学ぼう」の紙面で詳しくご紹介されました。
「家族の絵本、ソフト手助け 3世代で協力、子供の創造力育む」
同内容のWeb版 掲載サイトはこちら