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田辺の子どもたちの絵本作品と嬉しい後日談「はらぺこぶた。」


8月23日日曜日のワークショップで子どもたちがつくってくれた作品から、いくつか紹介しますね。

「みんなとどんぐり」ほのかちゃん(8歳)作

「どんぐりクッキー」そうたくん(6歳)作
「カメが海のところで産みました、卵を」で始まるお話です。楽しくなりますよ。

ほのかちゃんとそうたくんは姉弟です。そうたくんは当初、カメをもっと前面に出したお話をつくっていました。元々のお話の2見開き目では、パカッと2つに割れた卵(積木で作成)からコガメが産まれる場面が描かれていました。ところが保存ができていなくて、1見開き目だけを残してすっかり消えてしまったのです。すぐ気を取り直して再作成、このとき隣でお姉ちゃんが作っていたどんぐりモチーフが気に入ったようで、その要素も取り込みながら、でも全部をそのままマネるというのではない独自路線でぐんぐん作ったのが上の作品です。

また、言葉の調べのここちよい作品をつくる子が数人あって印象的でした。なにか田辺あるいは南紀の土地柄なのでしょうか。この5歳のともみちゃんの絵本なんて、まるで歌うようですよ。

「おともだち」ともみちゃん(5歳)作

今回は参加形式を「親子で」としたので、指導型のご父兄が出てしまうことだけ心配していたのですが、田辺の皆さん抜群でした。どのご父兄も、録音など操作補助はよくしてくださる一方、おはなしづくりは子どもさんを主体として、ユニークなストーリー展開に驚いたり笑ったりしながら一緒に楽しんでくださいました。
お話の世界を子どもたちが楽しんで、そこに親も一緒に連れていってもらう、アウトプット=成果物の絵本(音付デジタル/紙)を持ち帰ることで、ふりかえりや共有ができる。そんな理想に近いかたちを、主催者やご父兄に恵まれて実現できました。

また、ご自宅にiPadをはじめICT環境は揃っているけれど、4歳と9歳のお子さんには触れさせてこなかったというお母さんが、この絵本づくりならばと、思い切っておふたりを参加させてくださったことも嬉しかったです。お姉さん9歳は午前の回だけでは足りず、午後回にも参加してくれました。

と、ここまでの記事のつもりだったのですが、昨晩おもいもかけず、ほのかちゃん(8歳)のお母さんから、嬉しいメッセージと写真が届きました。許諾いただけましたのでご紹介しますね。

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はじめは、うちのこどもたちにできるかなぁ…と思いましたが、なんとか出来上がり…。みんなに見せびらかしています。
実は今日、私が仕事終わりに迎えに行くと、絵本を作ってくれていました。
教えて頂いた、誰に?どんな気持ちを伝えたい?という事がしっかりアタマに残っていた様子で、渡してくれるときも気持ちを伝えてくれたのが、あまりにも嬉しくて、民枝さんにメッセージをおくってしまいました次第です。素敵な時間をありがとうございました。
※ちなみに絵本の内容は、ブタさんが食べた物の色に変身するというものでした。
 表紙と裏表紙を習った通りに作っていたのがたまらなくて…笑っちゃいました。

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ワークショップで伝えたことをひとことも漏らさずに聴きとって、そしてすぐ、さらに発展させて、こんな素敵な絵本を作り、気持ちと一緒にお母さんに贈るだなんて。ほのかちゃん、素敵すぎます。胸いっぱいです。

絵本づくりのテーマはそのときどき変えるのですが、毎回共通しているのは、最初に絵本を贈る相手を決めること。相手へどんな気持ちを届けたいかを考えつつお話をつくってもらっています。
あとは、すべて終わってからのふりかえりで、私が子どもたちにその時々の伝えたいことを話します。ほのかちゃんが参加してくれた午前の回では、「今日はアプリ(できあいの素材)を使ったけれど、コピー用紙でもなんでもいいので白い紙を綴じたら絵本。おうちでも自分で絵から描いてお話つくれるからね」と話しました。
メッセージの骨子を200%受取ってくれて、途中でちょこちょこ話した「物語の余韻である裏表紙も大切」等も伝わっているし、表紙の作者名の表記「下のなまえのみ(年齢)」まで(笑)。なんて素直なのでしょう。

パンチで穴を開けて(たぶん上と下の2か所開けて綴じたかったのでしょうね)リボンで結んだ豆絵本。愛おしくなります。スイカを食べたときは色だけでなく縞模様になっていますね。さいご裏表紙では、これは何を食べたのでしょうか、ピンク色に戻っているから、ループになったエンドレスな物語ともいえますね。

実は、この「食べた物の色に身体の色が変化する」アイディアは、ほのかちゃんがワークショップの時間中に思いついたものです。ピッケの身体の色を変えられるかと問われたので、できないと答えました。その見送ったアイディアを温めて、イチから自分で描く手作り絵本で実現したのですね。

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はらぺこぶた。の絵本は私の宝物になりました。
誰かに気持ちを届ける絵本つくり。こんな素敵なスパイスを子供達にパラパラっと頂けて、明らかに見える変化に驚きました。ありがとうございます。

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さてここで、読者の皆さんに念のためのご注意です。題名は「はらぺここぶた」ではなくて「はらぺこぶた。」です。お母さんもこの絵本をプレゼントされたとき「はらぺここぶた。ではない」と何回も注意をうけたそうです。私も最初まちがえました(笑)。いいですよね「はらぺこぶた。」、声に出して言ってみてください「は ら ぺ こ ぶ た 。」 ね?

たった2時間のワークショップで足早に伝えたことを、こんなにしっかり受けとめて素敵に膨らませてくれたことが、とてもとても嬉しいです。そして、お仕事から戻られて夕飯やお風呂やらであわただしいにちがいない中、写真に撮って伝えてくださるお母さんのお気持ちも嬉しいです。ありがとうございます。

あー、続けてきてよかったなぁ。心から幸せです。

追記:
ほのかちゃんお母さんへブログ公開のご報告と授かった幸福感のお礼をお伝えしたところ、返信のメッセージがまた嬉しくて。

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絵本効果は実は私にもずっと続いておりまして…姉弟がイザコザしてイラッとしちゃうのですが、この絵本が目に入るとスーッと引いてしまうのです笑
娘からコトバと共に貰った幸せなホッコリした気持ちと一生懸命書いて綴じた時間を想像すると愛おしさが勝るのです。
たみえさん。
この絵本をこどもから頂くということは、母親のイライラまで吹き飛ばし笑、穏やかな気持ちが勝るものですよー。これは母親の日常まで変えちゃう気がします。

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子どもからのギフトは周囲を幸せにしますね。