Monthly Archives: 7月 2025

2つの大学でゲスト講義


久しぶりに上京して2つの大学でゲスト講義でした。
7月14日は昭和女子大学 初等教育学科(森秀樹先生)へ。小学校教諭や幼稚園教諭を目指す1年生60人×2クラスが対象です。
ITを活用した楽しい「創る」学び、なかでも言葉の「創る」である物語づくりのデザインができる人になってほしい。そのために、まずは自身でその楽しみを知ってもらおうと、絵本づくりワークショップ的な授業となりました。子どものアクションを引き出す絵本をつくってもらったところ、遊びや生活、冒険といった主題が多いなか、盲導犬について伝えるお話もありました。
ゼミ生さんを交えたランチミーティングでは、外国ルーツの子どもたちをテーマにした卒論に関する質問に答えたり、授業後は森さんがなさっている最近の活動をご紹介いただいたり、充実の一日を過ごしました。

森さんのことは、MITメディアラボの客員研究員であった経歴や、株式会社CSKの社会貢献プロジェクトCAMP立ち上げ期からの初期メンバーとしてScratchやCricketなどテクノロジーを活用した子どものための創造的学びのデザインの先駆者として存じ上げていました。今回お招き頂き、対面でゆっくり話せたのは初めてで、私が特別講義を受けている嬉しさでした。

森さんによるプロジェクト Chobitto (ちょびっと):
https://www.chobitto.jp/

ゲスト講義の様子を 学科Blogにアップしてくださいました:
授業紹介_情報機器の操作「ピッケのつくるえほん」

翌日は青山学院大学 教育人間科学部(杉本卓先生)3年生ゼミへ。2014年からほぼ毎年伺っています。
一般企業へ就職なさる学生さんが大半なので、テクノロジーを何に活かすのかと社会課題を柱にした講話をメインで。外国人など誰かを敵とみなし攻撃する社会になってほしくない小さな試行錯誤を伝えました。体験はごく短時間でしたが、見事な集中力で皆さんほぼ完成。今の自分をつくる成分になっているかも知れない子ども時代のエピソードを物語にしてもらったのですが、例えば、鼓笛隊で指揮者を務めていたけれどほんとは楽器をしたかったと物語ってくれた彼女。このクラスの指揮者(リーダー)です。

『本が死ぬところ暴力が生まれる』『コンピュータを疑え』の翻訳者として1990年代2000年代からお名前を知っていた杉本さんには、Facebookアプリのリリースに際してご助言いただき、ということは2009年頃に出会い、以来お世話になっています。杉本さんは、テクノロジー万歳な人には「いやいや、ちょっと待て」と慎重さを促し、反対に尻込みしている人には「使い方次第ですよ」と寄り添う人で(私の勝手イメージ)、その姿勢に共感を覚えています。静かな言葉に励まされることも多くて、今回も「国連ビル前でデモをするというやり方もある一方、朝倉さんみたいに小さく細く続けるという方法も意味がある。今日の授業も、ひとりかふたりでも心にかかって、今はピンとこなかったとしても、社会に出て、あっ このことだったのかと繋がる日がくるかもしれない」と言っていただけて、都合よく意訳しているかもですが、元気が出ました。
お茶にも詳しくて(『ロマンス・オブ・ティー:緑茶と紅茶の1600年』の翻訳者でもある)いつも美味しい紅茶を淹れて迎えてくださるのも楽しみなのでした。

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
----------------

大学でゲスト講義



7月8日は桃山学院大学(大阪府和泉市)へ出かけ、国際教養学部と社会学部生対象の授業「メディアリテラシー論」(土屋祐子先生)でゲスト講義でした。
事前に頂いたお題「デジタル絵本ワークショップにみるメディアリテラシーの可能性~ITツール開発と社会実践」に沿って、ITツール開発と社会実践にウェイトを置いた内容としました。講話のみ90分を居眠りもせず聴いてくれるので、つい、スライドに含めていなかった詳細まで話しました。日本は出生地主義ではなく血統主義のため、日本で生まれても親の国籍になる。憲法や教育基本法で規定されている「すべての国民」が教育を受ける権利を、解釈や判例によって「日本国籍を有する国民」に限定しているために、外国人の子どもに就学義務はないとされてしまっている。いまSNS等で飛び交う、外国人など誰かを敵と名指し排除し攻撃する言葉は、社会を、自身にとっても生きにくい場所にしてしまう、と。
質疑応答でも活発に質問が出たり、講義後に質問しに来てくれる学生さんもあって嬉しく、猛暑(+ゲリラ豪雨)のなか出かけた甲斐がありました。
「メディアリテラシー論」らしくてユニークなのは、今日のゲスト講義について<記事>にまとめるという課題が出ていること。学生さんたち自身が、オーディエンスと媒体を想定して書くのだそうです。例えば、開発者向け情報雑誌の記事であったり、子育て世代のためのコミュニティWebの記事、あるいは、不特定多数が読むニュース記事といった具合に。ふさわしい見出しや文体、デザインを考え組み立てて書く。さらに、互いの記事を読みあう予定とのこと。どんな受けとめをされたかシビアに示されるわけで、おそろしくもありますが、それも含めて楽しみです。

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


7月6日日曜日は、愛知県豊橋市での月1回のワークショップでした。
図書館での午前回。絵本を読むのは、いつも2人のお子さんと参加してくださっているあきこさんにお任せして『ばけばけばけばけ ばけたくん』(岩田明子 文・絵、大日本図書)を皆で楽しみ、おばけ、または自由をテーマに絵本をつくりました。選書は図書館司書さんによります。

前回が初参加だったベネズエラルーツさんも楽しんでくれました。写真左は「おばけがにゅるにゅるっとでてきた」場面です。

どの子もこれまで作った絵本を大切にしています。早くも、2冊目のスタンプカードが満杯になった子がいました。1冊目満杯=参加18回で「ピッケマイスター」の称号とピッケの缶バッジを贈っているのですが、さて、大急ぎで2冊目、3冊目…の缶バッジを考えなくては。

8歳さん作:

もうすぐ10歳になる娘さんの成長を4歳の頃からずっと絵本にしてこられたお母さんの作:

発表会は、前へ出てきて自作の解説をしたり、ユニークな作品に思わず皆から声があがったり。終了後の片づけも手分けして手伝ってくれました。

校区市民館へ移動しての午後回。事前申込のあった初参加さんは現れず、電話をしてみると用事ができたとのこと。次の開催日を伝えました。常連さんたちは事前申込はしないので、待ってみましたが、残念、姿を見せず。ブラジル籍の青年ブルーノさんが、仕事のシフトを調整して来てくれる予定だったので、お詫びとお礼の電話をして、撤収となりました。

午後の外国人集住地区での会場が、団地内の集会所から校区市民館に変更になって以来、団地住まいの子どもたちが来なくなりました。一度だけ団地内の集会所で開催できた時があり、そうすると来てくれます。でも、校区市民館でとなると、お家の人も許さないし本人も行きたくない。彼らの仲間であるブルーノさんからの声がけであれば違うかもと、実は今回お願いしていたのですが、それでもやっぱり「団地の外はダメ」でした。何度か出かけた放課後子ども教室で、もっとつくりたいとなる子どもたちも、学校の教室でならつくりたくても、校区市民館(小学校の隣、敷地内)となると来れないのですよね。彼らのコミュニティである団地の外へ出るハードルの高さ、心理的距離を、つくづく思い知らされています。

次回は8月10日日曜日、午前10時~は豊橋市中央図書館3階会議室、午後14時~は岩田校区市民館です(主催:市民ボランティア「ピッケの会とよはし」代表:伊藤孝良さん、協力:中央図書館)。図書館での開催回は、国籍にかかわらずどなたでもご参加いただけます。

これまでの作品は、こちらのYouTubeページでご覧いただけます。(全部ではなく一部)
https://www.youtube.com/@TamieAsakura/videos

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
instagram:  https://www.instagram.com/tamie.asakura/

市民ボランティア「ピッケの会とよはし」(PeKay Toyohashi)さんのFacebook:
https://www.facebook.com/100091953173119

----------------

おでかけピッケ@京大附属病院



チャイケモの井上さんと一緒に、京大病院のプレイルームを訪ねました。京大病院ボランティアグループの「にこにこトマト」さんにお迎え頂き、小さな子どもたちと親御さんに絵本作りを楽しんで頂けました。コロナ禍では、プレイルームも閉鎖され病室からほとんど出られないストレスフルな日々であったのが、ようやく昨年1月からにこにこトマトさんの活動が再開されて、皆さん毎月の活動を心待ちになさっています。

大笑いで楽しんでいる男の子、その隣で大作を仕上げるお母さん、病室で眠っているという娘さんを気にかけながら、お誕生日を祝う絵本を完成させて急いで駆け戻るお母さん、病室から出られないお子さんのため代わりに操作説明を覚え病室へ戻ってお子さんと一緒につくられたお父さん、2歳間近の息子さんが見守る中(ときどき手も出て、ボタン押す)お子さんのお名前の絵本を完成させたお母さん。
優しいお気持ちあふれた絵本、お話聴かせて頂けて、出かけた甲斐がありました。高谷さんはじめにこにこトマトの皆さんに今回もお世話になりました。また伺わせてくださいね。

「にこにこトマト(愛称:にこトマ)」とは、患児ご家族が個人で始められた活動が基となり30年前に誕生した京大附属病院小児科のボランティアグループです。今では2代目の代表 高谷さんをはじめとするメンバーで運営されており、入院中の子どもたちとご家族に「楽しく豊かな時間」を届けようと活動されています。

公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金
重い病気をもつ子どもたちや家族をサポートする活動を行っている。( NPO法人チャイルド・ケモ・ハウスは、発展的解散の手続きを経て、2022年9月より公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金に統合されました )

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
----------------