11月24日(土) 相模原市立図書館「第10回 図書館ひろば」で、「アプリで作ろう!子どもの遊び場紹介ミニブック」ワークショップ(主催:図書館と市民をつなぐ会・相模原、相模女子大学 宮原研究室)が開催され、講師を務めました。サポートは司書・司書教諭課程の学生さんたち、頼もしいです。
子育て中のご家族が参加してくださいました。
近所の公園、ギオンスタジアム、道保川、ふれあい科学館(水族館)など、それぞれのお気に入りの遊び場所が物語になりました。小さい子ほどお気に入りの場所が生活の場と近く、親にとっては意外な場所だったりします。
「図書館と市民をつなぐ会」の方が事前に集めてくださった資料の数々。他にも、宮原志津子先生が必要になりそうなWebリストを作成、それをブックマークして、各自のiPadから調べられるよう準備されていました。
A3に出力して製本。
発表会では、その遊び場所にまつわる家族のエピソードが紹介されたり(競技場で、いいところを見せようと走ったら転んでしまい「お父さん、速くない」と言われてしまったとか)、なごやかな場になりました。
小1ともはるくんのお気に入りの場所は「(自宅の)和室」。基地がつくってあるのだそう。素敵、行ってみたいです。そのお話も聴いてみたいところだけれど、「誰でもが出かけていい場所でどこかある?」と尋ねると「コーテー」。校庭でした。「学校の校庭も大好き」と言ってくれたので、そちらを絵本にしてもらいました。
「学校の校庭」ともはるくん(小1年)作
とても高いすべり台があるそうで、高さを問うと、背伸びをし手を伸ばして黒板よりずーっと上あたりと教えてくれました。3見開き目の黄色いのはサッカーゴールです。
「水族館の冒険」カイくん(小4年)作
ふれあいコーナーで触った魚はツルツルだったそうです。
「横山公園に行ったよ」たまみちゃん(小4年)とゆきこさん(母)作
親子の共作です。ナレーションも分担。
事前予想としては、大人は課題を満たした絵本に仕上げたとしても、子どもの中にはそうならない場合もあるだろう、それも良し、と思っていました。
ところが、いちばん飛躍なさったのは、意外や、お母さん。相模原市内を紹介することは承知していたし、お話を作り始めたときには本人もそのつもりであったけれど、おふたりのお子さん(兄妹)に誘われた物語で、お兄さんが妹さんのお気に入りの場所へ連れていってあげるとなった時、ウソはつけなくて、ほんとに娘さんが一番好きな「山梨の川」へワープとなりました。
大人も本気で夢中になってつくってくださったのが嬉しかったです。
情報を伝える目的での絵本づくりは、ピッケのワークショップ史上初。
どこまで公式情報が入れば目的を果たせたとするのか。私としては、メインは物語で、裏表紙等に検索Wordとなる正確な固有名詞が入っていれば、それで良しと思います。で、展示用の絵本には、裏表紙にWebのURLをQRコードで追加できれば、より親切。
きれいな写真と素敵コピーの紙物やWebの情報があふれている中で、パーソナルな物語にこそ価値があり心に届きます。検索Wordさえあれば、アクセスしたい生きた情報になる気がします。実際、私も「谷口南台公園」をGoogleMap上で検索し「ここで花火を見たのね」と眺めてしまいました。
反省は、資料を囲んでの全員でのディスカッションタイムを取らずに制作に入ってしまったこと。当初の予定ではするつもりが、操作説明のあと、皆さん、それぞれもう作り始めていて、それを中断してまではいっか、詳細が必要になったら個別に調べれば、と変更してしまったのでした。ディスカッションタイムがあるほうが内容が深まっただろうと思います。
当事者がつくる情報発信の絵本。課題はあるものの、物語づくりの新たな可能性を感じました。ぜひまたトライしてみたいです。
絵本は、12月12日まで相模原市立図書館に展示されています。
----------------
使用アプリ: ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート: Facebookページ「ピッケ」
----------------