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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


 3月12日土曜日、外国人集住地区へ出かけてきました。この日の絵本は「ぐりとぐら」。市営西部住宅集会所での午前回は、読み聞かせボランティアの経験もある保護者さんに読みをお任せしました。日本人には馴染みのある絵本ですが、外国ルーツの子どもたちにとっては初めてで、熱心に聴き入っていました。

 テーマを「春のおでかけ」「新生活」としたところ、皆で公園に行ったり、小人が食べすぎて大きくなったり、お花見へ出かけるお話等が生まれました。高学年女子たちはクラス替えのお話。いま最大の関心事であるようです。


 15分ばかり過ぎた頃、賑やかな声とともに4年生男児トリオが登場。なかに見覚えのある顔も。2018年に1回とコロナ前にも1度参加してくれた子が、友だちを伴って久しぶりに来てくれたのでした。フィリピン、ブラジル、中国とルーツは三人三様だけれど、小突きあいしながら仲良くて、来日2年で日本語のおぼつかない子の世話も焼きながら、3人ともが録音をして製本までできました。完成したのはバットを振り回す泥棒やケンカのお話。発表会は照れながらも嬉しそうで、自分たちの作品はもちろん皆の作品に拍手してくれました。

 午後は県営岩田住宅へ。6年生女児ふたりが30分以上も前から会場前で待っています。コロナの中断後から新参の家族連れがこの日も2組来てくれて、元中央図書館長の伊藤孝良さんによる読み聞かせからスタート。

 ブラジル籍の6歳さんは今回で3回目の参加。家庭では母語で保育園にも通っていないので日本語に触れる機会はほぼ無い中、4月からは校区の公立小学校へ通います。楽しみながら日本語にトライしていて、簡単な日本語で録音もしました。このまま母語も大切にしつつ日本語も身に付けてほしい、将来の選択肢が増え豊かに幸せに生きてほしいと願います。

 フィリピンルーツの6年生がつくったのは、卒業式のお話。中学校へのわくわく感もあふれています。(movieは音声無し)

 愛知県は蔓延防止期間中でもあり、開催するかを伊藤さんと直前まで迷いました。長く続く閉塞感に子どもたちのストレスも溜まっていて楽しみがほしいとの声もあり、参加を積極的には呼びかけないけれど開催するとしたのでした。
 新型コロナ等の影響は、外国籍の子どもたちの家庭により早く、より深刻に及びます。それ以前から転居は多かったのですが、さらにこのコロナ禍においては雇い止め等により帰国を余儀なくされるご家族もありました。ともない、ワークショップに参加してくれる顔ぶれもずいぶん替わったものの、楽しみに待っていてくれる子どもたちがまたぼつぼつ出てきました。活動を始めた当初、西部住宅の自治会長さんから言われたことがあります。「大学や団体いろんな人が来る。せっかく協力しても、2年くらいで自分たちの報告書が書けたらもう来ない。(参加者が)誰も来なくても何年も続けてやっと信用される」と。
 来年度も月1回のペースで続けます(主催:市民ボランティア、協力:中央図書館)。次回は4月9日土曜の予定です。子どもたちや子どもたちの作品と出会うこと、彼らの成長を見られることが楽しみです。


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