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廃材×ピッケ ワークショップ@玉島 IDEA R LAB


2月18日19日は、IDEA R LAB(岡山県倉敷市玉島)での、クリエイティブリユース×ピッケの絵本づくりワークショップでした。実に3年ぶりの開催です。クリエイティブリユースとは、地域から生まれた多種多様な端材や廃材にクリエイティビティを加え、新たな価値とともに素敵によみがえらせること。廃材とともに、人やコトが社会の中で繋がり循環してゆきます。IDEA R LABは、大月ヒロ子さんがつくられたクリエイティブリユースの拠点かつ実験場です。

日曜日の子ども対象回「ハイザイ×モノがたり」では、たっぷり3時間半、廃材×お話づくりを楽しみました。
早く到着した子どもたちとおはなし絵カードで遊び、全員がそろうと、ラボから歩いて1分のマテリアルライブラリーへ移動。ここには、分類・整理されることで魅力的な「材料」に生まれ変わった「廃材」がストックされています。家屋自体も、熱帯魚センターだった建物を大月さんはじめ皆さんでリノベーションしたものです。

「廃材」は、子どもたちにとって、まさに宝の山。手にとり眺め、面白いカタチや色、重さ、手触りを味わいます。「これは何?」大月さんから教えてもらう由来に驚いたり。たっぷり遊んだあと、お気に入りをひとつお土産にもらって、ラボへ戻りました。大きなシャケの皮を選んだ子もありました。

続いて、廃材での見立て遊び。「何に見える?」と声をかけるまでもなく もうすでに、丸く開いたファスナーを自分の口にあてたり、糸巻の芯をラッパにして「ブッブー」と声を出したりしています。

さらに、曲げて形状を変化させる、見る角度を変える、同じものをいくつも並べてみるなど、新しい見え方を発見しました。

そのまま、お話づくりへ。ひとつめの役割を終えた廃材が、次は「何になりたいかな」を、それぞれお話にしてもらいます。まずは絵で。観察してデジタル積木で丁寧に再現している子もいれば、廃材をきっかけにホップ、ステップと飛躍している子もあります。

お茶とお菓子で休憩をしたあと、録音もしました。録音ができたら、ミニ絵本を製本。さいごの発表会では、お互いの作品を鑑賞します。小さな医療器具を揺らすキラキラした音、ファスナーの開閉音など、材料の音まで活かした作品もありました。

「廃材×ピッケ」のワークショップを、こんなふうに捉えています。
材料を手に見立てあそびをする子どもたちの心の内には、沸々と情景や物語が生まれています。続く絵本づくりで、それらを視覚化しその世界の中に入り込んで遊びます。録音で、言語化します。さらに、印刷して紙の絵本として外化することで、外から眺めて繰り返し味わうことができます。

子どもたちが、材料に触発され、ふくらむ物語世界の中であそぶ時間に立ち会えることは至福です。加えて、ワークショップ中の大月さんのちょっとした言葉がけや瞬時の判断は、すごいなと思うことばかりで、私にとって得難い学びの場でもあります。

前日の土曜日は、大人対象で「ちいさな贈り物とちいさな絵本」。廃材で贈り物をつくり、それに沿える絵本をつくりました。お昼も夕食もみんなでつくって食べ、おしゃべりして、愉快な一日でした。

2日間のワークショップを終えた翌日は、大月さんと、マテリアルライブラリーで廃材をひたすら分類・整理。これが面白くて、始めるとハマります。合間に、現在進行中の「水辺のキッチン」(かまどを備えたソーシャルキッチン)も案内いただきました。天井灯は太陽光照明。直流タイマーで消点灯するそうです。

他にも周辺には、アゲモラ部屋(あげたりもらったり直したりする)、オレンジハイム203(昭和の古いアパートをリノベ、アーティストのレジデンス利用など)、LAB FARM、布もの通訳 ちくちく、Our Coffee等、面白いプロジェクトがあります。大月さんとその活動に魅かれ移住してくる人も多いのです。

3年ぶりに、ゆったりした豊かな時間に浸りました。子どもにとっての3年は大きく、成長ぶりに目を見張ります。5歳のときから参加してくれている10歳男児は、嬉しいことに「来年も来ます!」と言ってくれました。新型コロナ感染症がこのままおさまり、また毎年行けますように。

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【 IDEA R LAB 】大月ヒロ子さんが、故郷玉島のご実家をリノベーションしてつくられたクリエイティブリユースの拠点かつ実験場。2013年8月オープン。
http://www.idea-r-lab.jp/
https://www.facebook.com/IDEARLAB
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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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