Category: 講演・講義・学会・論文

座談会とインタビュー動画「未踏事業SPECIAL」


「未踏事業SPECIAL」座談会とインタビュー動画が、日経ビジネスオンラインのサイトで公開されました。

未踏事業SPECIALインタビュー

未踏のページに引っ越したようです。
インタビューWebサイト
インタビュー動画
(Flashを使うのをやめて mp4にしたようなのですが、かなり重いです…)

「教育の情報化」推進フォーラムで登壇しました


平成23年度「教育の情報化」推進フォーラムで登壇しました。
会場は、国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流棟。
「ICT夢コンテスト」地域部門でCEC奨励賞を受賞した「夏休みメディアリテラシー体験講座 絵本をつくろう」尾道でのワークショップの事例をご紹介しました。
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「子どもとデジタル絵本」BEATセミナー@東大情報学環 で登壇しました


帰国後の週末6/2(土曜)は、BEATセミナー@東京大学大学院情報学環 へ。
全体テーマは「子どもとデジタル絵本」、いただいたお題は「子どもにとっての絵本の役割とデジタル絵本の可能性」です。

まず、東大情報学環 特任助教の佐藤朝美さんから、絵本の読み聞かせに関する要因、Narrative(物語行為)について、その歴史と認知機能発達の見地からレクチャ。バトンを受けて次は私。ピッケの話と、2つのソフトの開発を通して思うことを話しました。

<デジタルへの懸念・課題>
・ハードもインターフェースも、子どもに与える物としてまだまだ不十分。
 くるっと丸めてポケットやカバンに入れて公園へ持っていけるような物になってほしい。
・造形物としての絵本をどう考えるか。
  アナログ絵本では、ハード対ソフトが1対1。
  子どものコンテンツは、絵本に限らず、ハードとソフトが分かち難く結びついている。
  造形物に対する愛着や、所有したい気持ちもある。
  ページめくりなど身体性をともなう仕様には、ある種の強さがある。
・絵本に、絵本を手渡す大人が必要であるように、デジタル絵本にも、手渡す大人が必要。
・デジタルの、繋がろう、外へ広がろうとする特性をどう活かすか。

<私の考えるデジタル絵本の可能性>
・従来の子どもの絵本は、電子書籍の時代になっても残る。
・既存作品のデジタル絵本への移植は、図鑑的な絵本、おもちゃ・ゲーム的な絵本には向く。(物語絵本、特に完成度の高い物語絵本ほど、難易度が高い)
・デジタル絵本としての独自の仕様を考えることで、新しい表現が生まれる。
・デジタルの、繋がろう、外へ広がろうとする特性を活かし、絵本という領域にとどまらず、横方向に広がる周辺領域も合わせてデザインすることで、次の展望がひらける。

日本出版販売(デジタル絵本tocco)の正道寺裕子さんによる、物理シミュレーションを用いたデジタル絵本「まり」の開発話も興味深かったです。ビジネスとして成立することも満たしながら、アナログ絵本との違いをどう出していくかを悩みながら開発したと。
こども心理学がご専門の石川由美子さんは、「絵本を読みあうことは、人は信じるに足りうる存在であるという確信を育むことである」と話されました。とても共感します。iPadなどデジタル機器はそもそも1人でする物体のカタチであること、紙の絵本とは質的に違うこと、100年後に見つけたとき「これが私の絵本だよ」と言えるものになるか、など懸念を込め語られた数々は、一般の大人向け電子書籍とは異なり、子どものデジタル絵本については、よくよく考えていかねばならぬことと常々感じています。

「子どもとデジタル絵本」のテーマに、絵本の出版関係者、教育関係企業の方、学術研究者、保育関係者、学校の先生、自治体の方、開発者、地域で絵本の読み聞かせ活動をなさっている方、大学生など、さまざまな領域の方がご参加くださいました。
セミナー時にもお話しましたが、いつの時代においても、子どもには良質のものを届けたい。これは私たち大人の責務です。「主役は子どもである」を忘れず、デジタル絵本を開発し、子どもに手渡し、良質の絵本体験の場をぜひご一緒につくっていきましょう。

BEATセミナー@東京大学大学院情報学環 レポートページは こちら>>

朝倉発表分のスライドを以下↓に公開しています。

論文掲載のおしらせ


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少し前になりますが、情報処理学会の論文誌「デジタルプラクティス」、Vol.2 No.2(2011年4月15日刊行)「世界に飛び出す日本のソフトウェア」特集に、投稿論文が掲載されました。昨年8月~正月頃に書いたものです。
大学も論文でなく卒業制作で卒業してるので、人生初の「論文」。
最初まるでエッセイだったのが、なんとかそれらしくなったのは、査読の方(KDDI長谷川亨さん)が丁寧に見てくださったおかげです。
内容についてはもちろん、構成順や、申し訳ないことに「体言止を避ける」等論文書きのイロハまで。ほんとにお世話になりました。

竹内郁雄さんの宣言文が素晴らしくて、書けなくて途中で投げ出しそうになるたび読みなおしていました。
「ソフトウェアには,開発した個人やグループの「人となり」が色濃く反映されます.それは実践のノウハウかもしれないし,ひょっとして哲学,あるいは生き様といったものかもしれません.」
「いままでになかった新しい論文発表の道を切り開きましょう.自分の仕事を論文にするという楽しみをぜひ味わいましょう.」

他の論文も面白いです。なかでも、Lunascape 近藤秀和さんの招待論文と特別インタビューが、とても読み応えありました。
いずれもオンラインで読めます。

ワークショップ知財研究会シンポジウム


ワークショップ知財研究会シンポジウム『ワークショップの事業化を考える』で講師のひとりとして話しました。会場は、夏にデジタルはらっぱをしたのと同じ、3331 Arts Chiyoda です。
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ワークショップの事業化ができているわけではないのに講師なんていいのだろうか…とは思ったのですが、ワークショップも含めて、ピッケの事業化についてあれこれやってる様子をお話させていただくことで、皆さんの他山の石になれるやもしれず、ジタバタやってるそのままを、お話させていただきました。
申し訳なかったのは、風邪がノドにきてしまい声が出なかったこと。聞きづらくてすみませんでした。
トップバッターは、ケミカルエンターテイナーのなおやマン&しま:アイさん。
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シンポジウムとは思えないショーアップされた講演(?というか「エンターテインメントショー」)で、観客を魅了。おふたりのエンターテイナーぶりに、プロフェッショナルとはかくあるべしを見た想いでした。ワークショップでちゃんと生計をたてている数少ない実践者です。
次は私。この盛り上がった後、出て行きにくいっ。。。普通にパワーポイントです。子どもたちの作品や記録ムービーに助けられて。
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最初の15分は、自己紹介と「ピッケのおうち」「ピッケのつくるえほん」の紹介。後半30分で、ワークショップでの活用と事業化について話しました。
事業化することも、ソフトの開発と似ていて、進みたい方向があり、自分のあらゆるリソースを総動員し、たくさんの人に助けてもらい進めています。事業を軌道に乗せ、ソフトの開発を続け、これからも、おはなしづくりの活動をひろめていきたいと思っています。
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3番目ラストバッターは、ビジュアルプログラミング言語「ビスケット」の原田康徳さん。
コンピューターは粘土である。
ものをつくり表現することは、大きく2つに分類できる。クレヨンで絵を描いたり粘土で何かを作るのは「直接表現」。オーケストラのために楽譜を書いたり建築物のために設計図を書くのは「間接表現」。「間接表現」には設計が必要。
設計してものをつくる楽しさと面白さを伝えたくて、ビスケットを開発し研究室の外へ出て子どもたちとビスケットをされています。

あとのパネルディスカッションで、なるほどと思ったのは、ワークショップの料金についての質問されたときのなおやマンさんの回答。
ワークショップと言わずショー(ヘンテコパーティ)と呼ぶようにしているのだそうです。したがって「出演料」。すると随分ちがうのだそう。
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大月ヒロ子さんを座長にパネルディスカッション、続いて茶話会と、盛りだくさんな1日を満喫しました。
ワークショップ知財研のページには当日の映像もあります こちら>>
活動レポートのページに当日のスライドをアップしました こちら>>
デジタルワークショップ開発者組合のページにも レポート>>
 

1月のワークショップ@広島とシンポジウム@東京


来年最初のワークショップは、広島です!
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「親子でコミュニケーション!!パソコンでつくるオリジナル絵本」
日時:2011年1月22日(土) 10:30~12:30
会場:幟会館 2F研修室(広島市中区八丁堀3-1)
定員:親子20組(3歳以上の幼児親子)
講師:高宮由美子、朝倉民枝
助手:三宅真理
参加費:1000円(1組)
主催・問合せ・申込:子どもコミュニティネットひろしま
後援:広島市教育委員会
詳しくは こちら>>
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1月末には、シンポジウムで講師とパネリストを務めます。
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テーマ:「ワークショップの事業化を考える」
日時:2011年1月30日(日) 13:00~
場所:3331 Arts Chiyoda
東京都千代田区外神田6丁目11-14
座長:大月ヒロ子
講師:なおやマン/島崎直也、原田康徳、朝倉民枝
主催:ワークショップ知財研究会
協力:株式会社CSK、有限会社イデア、株式会社文化総合研究所
参加費:シンポジウム 無料 / 茶話会 500円
定員:100名 (先着順)
詳しくは こちら>>
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このワークショップ知財研のシンポジウムには、前から参加したかったのです。上京のタイミングとなかなか合わずで、いつも見送り。
シンポジウムの内容と茶話会の趣向がすばらしい、参加者の感度が高くて、シンポジウム後の参加者同士の話も価値ありと、前々から評判を耳にしていました。まさか話す方になるとは思ってもいませんでしたが、おかげでフルに参加できます。
なおやマンさんは、自分たちで企画したショーアップしたワークショップを実践するプロのワークショッパー。ワークショップでちゃんと生計をたてている数少ない人です。「ピッケのつくるえほん」パーソナル版お買い上げ第1号のお客様でもあります。あっ、今日12/26は息子さんの2歳のバースディ。オメデトウ!
原田さんは、ビスケットの開発者。工学博士で、ワークショップデザイナーの資格までもっていらっしゃいます。ビスケットでは、絵でプログラミングができます。私は、プログラミングは、世界の捉え方に繋がると思っています。子どもの頃から何かが「理解できる」っていうのは、頭の中で図形で描けることなのです。(それを「ベン図」と呼ぶのだと大人になってから知ったのですが)ベン図だったり、ツリー構造だったり、どの種類の図で描くのが最適かがわかり、その図でどう描けるかが見えることが、すなわち理解でした。ビスケットで何かをつくることは、たぶん、その感覚と近いです。この日は、ビスケット×新しい教育の話も聴けるのでは、と期待しています。
座長の大月ヒロ子さんは、ワークショップ、アート、子ども界隈の人で知らぬ人はないという、この世界の第一人者。
キャリアスタート当初、板橋区立美術館の学芸員でいらした頃、美術館に泊っちゃおう!というワークショップをなさったのですよ。なんて柔らかく、わくわくする企画でしょう。そして今日まで、国内外でたくさんの子ども関連のイベントや施設を手がけていらっしゃいます。半年ほど前に、東大情報学環コモンズのあの素敵な内装のコーディネイトも、大月さんによるものと知りました。おしゃれなだけでないコーディネイト、どなたによるものなのだろうと思っていたので、納得でした。
そんなこんなで、自分も話すのだというプレッシャーを忘れるほど、当日が楽しみです。ワークショップ、子ども、教育周辺に関心のある方、どうぞご参加ください。お申し込みは、こちらから>>

『第10回 BAクリエイターズサロン』で講師を務めました


キッズプラザ大阪でのワークショップの前日、西新宿の東放学園キャリアサポートセンターで「子どものためのデジタルコンテンツを考える」と題して講演しました。
コーディネイターは、女子美術大学大学院の為ヶ谷秀一先生です。
私が話せることと言えば、ピッケの話だけ。ピッケの開発における試行錯誤と、その中で私なりに気づいたこと。100%ピッケづくしです。
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サッカー観戦で寝不足かもしれない金曜夜に、80名の方がご参加くださいました。ありがとうございます。
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質疑応答。感想や質問をたくさん頂戴しました。
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お試しコーナーも用意してくださいました。

アプリの実演をしながら具体的な手法をお伝えし、活用例のmovieをご覧いただき、次のようなお話をしました。

「ピッケのおうち」をつくった理由
 ・幼い頃に味わう「嬉しい・楽しい」は、人生を歩む力になる。
 ・子どもたちと新しいメディアの最初の出あいを幸せにしたい。
「ピッケのおうち」で気づいたこと
 ・幼児向けデジタルコンテンツは三者で成り立つよう作るのがいい。
 ・上手い不完全をめざそう。
「ピッケのつくるえほん」活動の要所
 ・物語をつくる
 ・物語を外化する
 ・物語を語る
 ・物語を分かち合う
 ・つくる側になる
子どものためのデジタルコンテンツデザイン
 ・アクティビティ全体をデザインする。
 ・マニュアル不要にわかりやすく。
 ・余分な枝葉は落とす。
 ・丹精こめてつくる。
 ・ソフトのデザインは作り手の思想。
子どもを幸せにすること。未来を考えること。
 ・心の中の安全基地=コミュニケーションの基盤を育てる。
 ・上質の喜びの体験を。

質疑応答で返答に窮したのは「事例調査や検証をどうしているのか」と「どうビジネス化しマネタイズしているのか」。
まず前者。考えていてもわからないので、作りながら考えようと始めたのがそもそもで、やっていることの言語化さえ、後でしている始末。
迷ったときにどっちへ進むかは、ひなたの匂いのする方です。何か(学術研究であったり、あるいは市場だったり)を分析し、その結果に基づいて作ったというものではないのです。手を動かしながら考えています。
後者。活動を継続するためにビジネス化必須は自覚していて、今も挑戦中。もっと知恵出してがんばらねばと思っています。
この分野に若い人にどんどん入ってきてもらうためにも「面白いですよ」だけではダメなので。

やってきた活動を言語化し整理できたこと、このテーマに関心をもつ方々に聴いていただけたことは、とてもありがたいことでした。
ピッケを続けていて嬉しく思うのは、遊んでくれる子どもたちが増えることはもちろん、同じ方向見て進む仲間と出会え、応援してくれる人も増えて、だんだんに心強くなってくること。
これからも、「子ども×デジタル」の未来を考え、戸外で身体を存分に動かして遊ぶように、心を解き放ち自由に遊べる原っぱを作りたいなと思っています。
「つくる」ことは、何より楽しい
を、日々実感しています。

初!講演会で話します


はじめて講演会なるものの講師をします。
そもそも話すこと得意でなく、務まるでしょうか…。
過去の講師陣をみると、第1回のリプチンスキー氏を皮切りに錚々たるお名前がズラリ。ますます緊張…。
下手に見栄はらず、ピッケの開発のこれまでと、子どものためのデジタルコンテンツについて私なりに思うことを話してみます。
話すためには言語化せねばならず、やってきたことを内省してまとめる良い機会にもなりそうです。
金曜の夜ですけれど、ぜひいらしてくださいね。
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■ 第10回 BAクリエイターズサロン
テーマ:「子どものためのデジタルコンテンツを考える」
講師:朝倉民枝
日時:2010年6月25日(金) 18:30~20:30
場所:東放学園キャリアサポートセンター 4階
   東京都新宿区西新宿4-5-2
主催:NPO法人ブロ-ドバンド・アソシエ-ション
参加費:一般 1000円 / 学生 無料
定員:80名
申込締切:6月22日
詳しくは こちら(pdf)>>
申し込みは こちら>>
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