Monthly Archives: 10月 2025

廃材×ピッケ ワークショップ@玉島 IDEA R LAB


廃材×ピッケの絵本づくりワークショップで、IDEA R LAB(岡山県倉敷市玉島)へ出かけてきました。IDEA R LAB は、街から出た廃材をクリエイティブに素敵によみがえらせる「クリエイティブリユース」の拠点かつ実験場、大月ヒロ子さんがご実家をリノベーションして2013年につくられました。ラボ周辺では空間までもがクリエイティブによみがえり、モノ、コト、ヒトが循環する豊かなコミュニティが育まれています。


ワークショップの前に、玉島の食材でつくったランチをご一緒し、リノベされた水辺のキッチンやツールラボ等をご案内頂きました。

おなはし絵カードでの自己紹介に始まり、まずは廃材カードゲームを体験。じっくりよく見る、色々な方向から多視点で見る。すると、違った見え方、思いがけない発見があり、それがクリエイティブの種になるのだとゲームを楽しむ中で気付きます。

その柔らかくなった頭とよく見える眼と感じる手のまま、マテリアルライブラリへ皆で移動しました。ライブラリには、廃材を分解して素材や色で分類整理することで魅力的に生まれ変わった材料がいっぱい。使用後の転写フィルムの廃棄される側、グランドピアノを分解したパーツ、配電盤、糸巻、気になる材料のルーツも教えてもらいました。

ラボへ戻り、それぞれが選んだ材料で制作。つい脳が先行しがちになる日常を離れ、五感を開き、材料に導かれて、手がつくりたいモノをつくる、を試みました。ブレイクをはさんで、後半の絵本づくりへ。手を動かしながら生まれた情景や物語を絵と言葉で表し、録音して製本。

プラ容器がクラゲに見えたことで生まれた海、その未知の世界へダイブするお話、水陸の生き物たちが魅せられ寄ってきて中に入ると…植物の塔のお話。多文化・多民族「間」のコミュニケーションが専門の研究者さんは、特別な望遠鏡で、自然、食、人工物までをも「なんだろう?」と観察し楽器は演奏してみる話。寄る/引く、多視点という見方は、文化研究においても共通なのだそうです。
子どもの頃、ゴミ捨て場は宝の山。大好きなガラクタ(宝物)を持って帰ると叱られたので、代わりに山の中に秘密基地をつくり収集、そしたら友だちが集まって来て仲良しがいっぱいできた。そんな子ども時代の実話をつくりながら、大人になった今も同じことをしていると気づいたのは、伊根町で「山の家」プロジェクトを手がける松田拓さん。まさに。
思いもかけず、眠っていた自身の深層に気付いたり、他の人の語りに、忘れかけていた記憶や見方が呼び覚まされたり。知った間柄であっても、日頃は見えていない面に触れることで親しみが増し、さらに距離が近くなる気がするのでした。

笑い声に包まれお開きとなる頃には、とっぷり日も暮れていました。秋の一日をご一緒してくださった皆さま、ありがとうございました。

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【 IDEA R LAB 】大月ヒロ子さんが、故郷玉島のご実家をリノベーションしてつくられたクリエイティブリユースの拠点かつ実験場。2013年8月オープン。
http://www.idea-r-lab.jp/
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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@伊根町


2023年度に続いて、丹後半島の伊根町(京都府与謝郡)で絵本づくりをしました。2022年9月に開設された文化振興・多世代交流施設「伊根の杜」を活⽤した情報教育推進事業のワークショップ講師としてのお招きです。

みんなが揃うのを待つ間、おはなし絵カードであそびます。

絵本のお話を少ししてから、伊根町の好きな場所や遊びをテーマにお話づくりに入りました。

舟屋で有名な伊根町。海が身近な子どもたちのお話には船がよく出てきます。尋ねてみると、全員が船に乗ったことがあるそう。浦島太郎の原型という浦嶋神社の話や、雨の翌日にだけ生まれる布引の滝のことも教えてもらいました。

雨が多い伊根では虹を見ることも多くて、子どもたちのお話でも大きな虹がかかっていました。

山や川も豊かです。ママとねえねと近所の公園や川で遊ぶお休みの日のお話を聴かせてくれたのは4歳さん。川の向こうに稲穂が実る田んぼが見えています。

録音、製本をして、作品上映の発表会。

会場の「伊根の杜」は、地元の郷土史家から寄贈された建物を伊根町が改修したそうです。落ち着いた外観は街並みに調和しています。入ってすぐに、くつろげる小上がりの和室があり、この日は秋の絵本が展示されていました。天井を見上げると、太い梁を残し新しい木材で補強してあります。先人からの有形無形の財を尊重しつつ、時代とともに新しく再生し次の世代へと贈り受け継いでいく。街並みと共通する気風を感じました。そんな豊かな風土に抱かれ育つ伊根町の子どもたちに、芳醇な言葉の中で、ICTを「創る」の味方にして、すくすく伸びていってほしいと願います。

次はどんな子どもたちやお話と出会えるかしらと、1月の再訪が楽しみです。

企画・運営は、一般社団法人ソーシャルクリエイティブラボの松田拓さんと松田かおりさん。当日は更谷重之さんも助っ人に入ってくださいました。

伊根町:
https://www.town.ine.kyoto.jp/
事業委託者:一般社団法人ソーシャルクリエイティブラボ(SCL):
https://www.s-creativelab.org/

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