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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@伊根町


12月10日(日曜) 丹後半島の伊根町(京都府与謝郡)へ出かけました。今年9月に開設された文化振興・多世代交流施設を活用した伊根町情報教育推進事業の一環でのワークショップ講師としてのお招きです。

伊根町といえば、なんといっても舟屋が有名ですね。知ってはいましたが、訪れるのは初めて。まるで車のガレージのように、1階部分に小舟が出入りしています。舟のすべる水面はとても静かで、湖と見紛うほど。空や山を映し移ろうその色にも見惚れました。

三々五々到着し始めた子どもたちに、お気に入りの場所や遊びを教えてもらいました。海はどの子にとっても身近なようで、泳ぐ、潜る(小1くんは、息をとめて44まで数えられるそう)、岩場から飛び込む、遊覧船に乗る等、海での楽しみが次々出てきます。魚釣りをするという子も数人いました。自分でさばくの?と尋ねると、それは未だおうちの人にお任せのようです。

さて、絵本づくりのテーマも、伊根の好きな場所や楽しい遊びです。もしテーマから逸れてしまっても、それはそれで良しのつもりで。
浮輪無しで泳げると話していた小1くんは、海に潜り、海の中の公園で友だちに会い、海底の家で遊ぶ話。小2さんも伊根の海で遊ぶ話でした。5歳年長さんは、森で迷子になり、次に海で遊び、さらに伊根小学校の校庭で遊んでから、最後は冨倉商店さんでアイスを買って舟屋の里公園で食べる日曜日の話。

種を植えるお話をつくった小1くんのおうちは、自然農法の農家さんだそう。

5歳年中さんは、「だーいすき」がいっぱいなお話。黙々と夢中でつくっていました。

雨の海の話や、変わりやすい伊根の天気の話もありました。短い雨がよく降る伊根は、虹が出ることも多いようです。
お話のできた子から順次録音をして製本をしました。

作品上映の発表会をしてお開き。完成した絵本を手に。

企画と運営は、一般社団法人ソーシャルクリエイティブラボの松田かおりさんと松田拓さん。「プログラミングの初歩に触れる」という事業目的に合致すると考え、ピッケで企画してくれました。
ICTは創造 creation でこそ活きます。管理や効率目的にとどめるのはもったいないです。
伊根町の子どもたちへ。タブレットやスマホを「創る」に使いましょう。なにより「創る」は楽しいです。そして、楽しくて自ら取り組む「創る」には、意識せずともあらゆる学びがつまっています。

この絵本づくりワークショップは2月に再度開催されます。次はどんな子どもたちやお話と出会えるか、今からすでに楽しみです。

文化振興・多世代交流施設「伊根の杜」は、郷土史家であった吉本幹夫さん(2012年死去)所有の建物をご長男が町へ寄贈なさり、伊根町が改築して生まれたそうです。落ち着いた外観は伊根の町並みに調和しています。入ってすぐ右手に小上がりの和室があり、くつろいで絵本を楽しめるスペースになっています。書庫として利用されている蔵は、土壁が図書の保管に最適なのだそう。2階には見事な襖扉の多目的室が3部屋連なっています。今回のワークショップでは、襖を開けて作業別3つのスペース(話を聞く・発表/iPadで制作/製本)として利用しました。天井を見上げると、太い梁を残し新しい木材で補強してあります。先人からの有形無形の財を尊重しつつ、時代とともに新しく再生し次の世代へと贈り受け継いでいく。伝統とは、旧いモノを単にそのまま残して守るのではなく、新しくなりながらその核を時代を越え伝えていくものなのだと、「伊根の杜」や伊根の町並みから感じました。

伊根町:
https://www.town.ine.kyoto.jp/
伊根町情報教育推進事業の事業委託者 一般社団法人ソーシャルクリエイティブラボ(SCL):
https://www.s-creativelab.org/

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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
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