イタリアボローニャへ出かけていました。さすがヨーロッパ最古の大学の街で、いたるところに博物館。学びたい人が教える人を探してきて、その学びの場所を提供する人が現れて、徐々に「大学」が形づくられてきたという成立経緯も「学問」の何たるかを再認識させられました。
以下、羅列メモ。
・「未来を拓くには過去に学ぶべきだ」歴史的建造物を壊すことをせず中身は現在の必要のために使うボローニャ方式。
戦後の最悪状態から社会的協同組合という手法で立ち上がったボローニャ市民は、自分たちの場所に発生した問題は社会的協同組合をつくって自分たちで解決してきた。 (← 井上ひさしさんの本で読んだ)
・解剖学劇場も戦争で失ったのを再興したそう。人間の心が宿る心臓については説明してはならないので神父たちが解剖を見張っていたという覗き穴。探したけど、見つけられず。
・隣接の考古学博物館も充実展示。逃してしまい残念だったのは科学博物館。SMAの博物館ぜんぶめぐりたかったー https://sma.unibo.it/en/the-university-museum-network
・中心部から下町エリアの宿へ戻るとき、急に曲がった細路となり周囲と趣きが異なる一画があった。気になり調べるとユダヤ人を隔離収容したゲットー。日没時には3つのゲートが閉じられ移動も制限されていたそう。シナゴーグも破壊され記念の石膏板だけが残されていました。
・差別した側は特に、負の歴史に眼を背けがち。痕跡が消えてしまう前に、私のような通りすがりでも気づくサインボードをこうして掲示することは、すごく意味がある。
・イタリアもちょうど三連休でした。諸聖人の日の朝、宿近くの教会へ
・一日は、ローマ在住のご夫妻が企画して下さりヴェローナへ。ワイナリーを見学し(飲めない私はオリーブオイルとバルサミコ酢を試飲)、中世ままの街並(でも1階はブランドショップ)を歩きました。
・これは列車関連のみだけだけど、そこここに気になるデザインがあふれてる
・街の至るところに本屋さん。Librerie.coop Ambasciatori は、COOPとEATALYのジョイントベンチャーで、かつて映画館だった建物をリノベしたそう。Libreria Nanniはボローニャ最古の書店。Veronaでは駅のホームにまで2フロアの大きな書店が在りました。
・出立の朝は植物園へ。通学の大学生たちとすれ違いました。photocopyの店も多くコインランドリーもあって学生街。構内へ入り授業をしている教室のそばを抜けて奥へと進むと空気が澄むよう。樹木にはQR Codeの小さなカードがさげてあり学名や詳細を確認できます。植物園は無料開放。学びが街へ社会へ開かれてる。
そして昨晩、帰国したらトランプ氏が勝っていて、米国のみならず日本でも世界でも、排斥や差別が強まる厳しい時代に向かうことになるのかと心にヒヤリとするものを感じています。