Category: 旅行

ソウル旅行メモ


韓国ソウルへ出かけてきました。内1日は、研究者の皆さんと合流して、幼稚園、保育園、教育ソフト開発企業の視察をご一緒させていただきました。
ICTも活用しながらの Creatingを重んじるグリム幼稚園は、レッジョ研究で教育学の博士号をもち大学教授でもある園長先生(女性)の教育理念が反映されていました。
KidsNote(きっずノート)は、園と保護者間の連絡帳アプリ開発の会社です。全世界で無料で利用されていて、日本では三井情報株式会社による運営で有料です。
EK Kidsは、保育者・保護者向け保育教材ポータルの会社。ここもトップは女性でした。韓国の教育企業は、ヌリ課程(国が定める教育カリキュラム)に厳密に基づき教材やカリキュラムを作成します。幼稚園教育要領で指針を示す日本と違う点は、どれだけの成果をあげたか仔細な項目別の評価システムをともなうこと。結果、画一的になりすぎたことが今の課題だそうです。
プロ野球球団も有するオンラインゲーム運営企業NCSOFTの企業内保育園では、素晴らしい環境にため息が出ました。訪れたのは夕飯時だったのですが、子どもたちが穏やかに過ごしているのが印象的でした。この写真(右下2枚)は内装のみですが、ここに色・素材など吟味されたオモチャや備品が配されていました。韓国では2013年から親の所得に関係なく0~5歳児の保育料が一律無償です。加えて、NCSOFT Nursery School では、オリジナル制鞄があったり食事も教材等も高品質ですが、国や自治体から出ない時間外保育などの費用も含めすべて会社が負担し、利用者の負担はゼロ。入所は人気で倍率6倍だそうです。

他の日は、気ままに街歩きしました。街中のハングルが記号のようで、行き先探す時は、見比べて「照合」する感じ。
まずはザハ建築を見たくて東大門へ。DDPは写真で知ってはいたものの、スケール感に圧倒されました。

何なのかも確かめず入った展示は、ALESSIなどメジャーどころに混じって韓国若手クリエイタの作品もあり、子どもから大人まで楽しんでいました。

おもしろかったのは図書館。ソウル図書館は外観に魅かれて入ってみました。
開架本の背表紙はハングルばかりで、漢字の本が見当たりません。漢字を捨てるというのは、自国の、民族の、その時代の文化を引き継げないということ。図書館という場においてさえ(少なくとも見えてる場所からは)見事に一掃されてしまっています。漢字廃止政策の徹底ぶりを目の当たりにしました。日本人の私としては胸の痛みを感じつつ…。ソウル特別市の60年の歴史展示や建物修復の記録も興味深かったです。SkyYardからの眺めも素晴らしく、お隣の斬新な建物なに?と思ったら新市庁舎でした。

初日に時間切れであきらめたDDPのライブラリへも寄ってみました。建築、写真などデザイン全般の扱い。90年代の神戸市ファッションミュージアムのライブラリと守備範囲は似ていました。AXISなど日本のデザイン雑誌もひと通りありました。

夕刻過ぎて入った正読図書館はソウル市立の公共図書館、複数棟から成り広いです。中高生らしき姿もあり遅い時間にもかかわらず多くの利用者がいました。一般閲覧室は23時まで開館だそう。

正読図書館では、階段の踊り場に漢詩の大きな額がかかっていました。漢字の本たちもいつか表に戻ってこれるよう、誰かの手でアーカイブされどこかで眠っていますように。

他には、メディアシティ・ビエンナーレ開催中のソウル市立美術館と国立現代美術館。どちらも入館無料でした。たまたまだったのかいつもなのかは不明。

ローカルな市場を探索。どっちへ曲がってもどこまでも生地問屋で魅惑でした。

街にも人にもあふれるエネルギーとスピードを感じるお隣の国。また行きたい!

倉敷の児童クラブでピッケ


8/25(土)と27(月)、被災した真備の子どもたちの預かりをされている倉敷市の児童クラブで絵本づくりをしてきました。必要備品一式の手配は自前で完結しつつ、でも持ち帰れる紙の絵本は作らせてあげたい。となると、ネックはプリンター。イチかバチか時代物のHP製モバイルプリンタのホコリを払いクリーニングしてインクを新しくしたらなんと復活。ただ有線なのでPCも必要で、iPadや絵本等を詰め込んだキャリーが重すぎて、何をするにもまずもっと体力が要ると痛感しました。

3日間のつもりでしたが、日曜日は受け入れの児童クラブも通常の学童もお休みということで、私も休日。
倉敷美観地区に在る岡亜希子さん店主の古道具屋さんWOMB BROCANTE KURASHIKI(ウーム ブロカント)を見学させてもらいました。ブックカフェが気になって旧大原家住宅へ。滞在させていただいた 大月ヒロ子さんたち IDEA R LAB では、クリーニングデイが開催中。夜は、映像が浮かぶような2台のピアノライブへご一緒させて頂きました。

子どもたちの置かれている先の見えない状況に対してあまりに微力過ぎて、正直気持ちは晴れず…。玉島の皆さんと過ごせてバランスとれました。

黒姫童話館


霧の中に浮かびあがる姿が幻想的でした。

エンデの世界の充実ぶりに驚き、松谷みよ子さんの民話への取組みがここまでのライフワークであったと知り敬服しました。いわさきちひろさんの山荘は、こじんまりとした愛らしい造りで、作風に通じる好みが感じられました。

生誕100年を記念して、東京、安曇野のちひろ美術館で様々なイベントがあり、ここ黒姫童話館でも、8月19日に松本猛さんによる講演会があるそうですよ。>>19日の申込方法等

岐阜 長良川とメディアコスモス


みんなの森 ぎふメディアコスモスを見学させていただきました。写真では見知っていたものの、実際にその空間に身を置いてみると、まさに本の森で森林浴する心地良さでした。利用目的によって、ブースとして独立、あるいは緩やかに区分されて、静かに本を読みたい人、仲間とディスカッションしたい人、どちらもが快適に過ごせます。就労や起業の支援も行われていたり、外国にルーツある人への情報提供も多言語でなされていて、建物に魅かれての訪問だったのですが、充実した内容にも感心しました。

前夜は長良川温泉に宿泊しました。
上流にダムなどがないため、大雨が降るとまたたく間に水位が上がるそうで、川沿いの宿は1階部分はガレージのみにしてあり、民家も高い石垣の上にあります。そして、各戸の前や路地に鉄扉がありました。水位が上がってくると、地域の消防団の人が出て閉めるとのこと。鵜飼などの観光をはじめとした長良川とともにある生活の中で、定期的にメンテナンスをして備えているそうです。

#追記 7月8日
ゆうべ、14年ぶりに閉じて町を守ったそうです。ニュースで「陸閘(りっこう)」と呼ぶと知りました。

西日本の各地で被災された皆様に、お見舞い申し上げます。まだまだそのさなかですね。
神戸は長く続いた雨が、ようやくあがりました。山側では土砂崩れが起きていますが、自宅や近辺は無事でした。打ちつける雨音の中で、年長の方からときどき聞いた阪神大水害のことを思い出していました。近所には、その巨大な流石に彫られた碑があります。
日本列島のどこで暮らしていても自然災害は身近にあり、どれだけ備えても上回る力に飲み込まれてしまう光景に言葉を失います。それでも尚、教訓を語り継ぐこと、日々備えることの大切さを思います。長良川で心に留めた陸閘とともに。
大変な思いをされている方々が、どうか一日も早く安全で安心な日常に戻れますように。

樂美術館と京都散歩


ランチミーティングで京都へ出かけたついでに、樂美術館「能面と樂茶碗」へ。

鑑賞を助ける 日/英/中語対応アプリのタブレットを貸出していました。アプリ内の動線はやや残念ではあったものの、やろうとした姿勢にも丁寧な展示にも、とても好感しました。

そのすぐ近く、旧い建物2、3階はコワーキングスペース+本屋さんの複合施設「Impact Hub Kyoto」。


ぶらぶらと御所を抜け、古布屋さんや新ショップ覗き、錦市場で生湯葉とだし巻き、あと眼に入った2束110円のほうれん草をつい買ってしまい、ゴール。

京都は無計画に歩いても、新旧混じった発見あって面白いです。

東洋文庫と六義園


東洋文庫ミュージアム「モリソン文庫の至宝」期待以上でした。これだけの量と質がコレクションされ、散逸せず今ここにあるのは奇跡。戦時は宮城へ疎開させたそうです。解説カードも、熱こもった文章で、キュレーションした人にも好感しました。
ミュージアムからレストランへのアプローチに、アジアの国々の言葉が書かれていたり、展示以外も感心どころ多々あり。

続いて、六義園でコードを巡るRPG+AR。
和歌の素養足りなくて仕掛けられたトリガほとんど効かず、柳澤吉保さんに申し訳ない気持ちになりつつも、面白かった~。

ヘルシンキ旅行メモ7 雑感


到着した翌日6月2日が最終授業日、3日は終業式や卒業式、4日から2か月の夏休み~!というタイミングだったので、学校の視察はかないませんでした。図書館と幼稚園を見学させてもらった以外は、特に探したわけではなかったのに、街の中で子どもたちのための学びの場に出会えました。国をあげて、社会全体で、良き市民を育てようとしていると感じました。

後半で泊まったアパートは、旅行者も滞在していますが、居住者もいます。
明日は帰国という夕刻、中庭で5、6歳の子どもたちがおもちゃの車に乗って遊んでいました。部屋へ戻りふと窓から見下ろすと、彼らが遊んだ痕跡が。チョークでカラフルに描かれた” Summer “には、家族みんなの喜びが満ちているようです。道路やお店。そしてパーキングには車椅子マーク。

ヘルシンキ旅行メモ
ヘルシンキ旅行メモ1幼稚園
ヘルシンキ旅行メモ2 図書館・書店
ヘルシンキ旅行メモ3 リサイクル・アップサイクル
ヘルシンキ旅行メモ4 社会の中の学びの場
ヘルシンキ旅行メモ5 街の中のデザイン
ヘルシンキ旅行メモ6 番外(宿、食事)
ヘルシンキ旅行メモ7 雑感

ヘルシンキ旅行メモ6 番外(宿、食事)


宿は、キッチン付きのアパートメントタイプにしました。

朝は自炊。

夜も、半分以上はご一緒した仲間と作りました。
市場やスーパーマーケットで見つけた、食べてみたい食材を試せるし、何より美味しい&愉快。皆さん料理上手ぞろいで手早くて、おかげで充実の食生活でした。


あかりこちゃんのお誕生日を、皆でサプライズで祝えたことも楽しかった~。

後半はひとり別のアパート。100年前の建物だそうで天井高く広くて、食洗機、オーブン、電子レンジ、コーヒーメーカ、ランドリー、アイロンなど至れり尽くせり揃っていて快適でした。

夜10時半くらいまで昼間のように明るくて、11時過ぎても薄暗い程度。
時差の影響か外が明るいからか朝早くに目が覚めて、7時からサウナ、ゆっくり朝ごはん。15000歩~25000歩/日 歩くという健康的な毎日を過ごしました。

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ヘルシンキ旅行メモ5 街の中のデザイン
ヘルシンキ旅行メモ6 番外(宿、食事)
ヘルシンキ旅行メモ7 雑感

ヘルシンキ旅行メモ5 街の中のデザイン


アラビアの工場は、朝の集合とランチに利用しただけで買物はせず、隣接した海辺の住宅地域を散策しました。

街の開発時に「予算の2%をアートに使う」と定められたそうで、建物も素敵ですし、随所にアートが潜んでいます。そぞろ歩きを楽しみました。


以下はヘルシンキ市内で撮ったスナップ。
郵便局。ポストも封筒もオレンジ色。

ヘルシンキ現代美術館キアスマ(Nykytaiteen museo Kiasma)

地下鉄。左はリサイクルのゴミ箱。右の天井部は行き先表示なのですが、判読むずかしいです。車内の座席も赤色でした。

左からバス停標識。トラムの座席は路線図のデザイン。道路横断の押しボタン。

中央駅のサイネージ。右は買い方わからず焦った券売機。2文字で緑色だからか何となくJRと似ていますね。

左は道路を掃除する車。右はレンタル自転車。

スーパーにある生鮮食料品などの量り売り用の機器。番号を押す→重さを量る→出てきた値段シールを貼る。どのスーパーでも共通なのでわかりやすく、好きな量を買うことができて、良いシステムだと思いました。

街並みも、旧いモノも新しいモノも、美しいデザインが多く、もっと撮っておけばよかったと今になって思います。すぐに眼が慣れてしまうのです。
帰国した空港や最寄り駅の駅ビルで、雑然とした落ち着かない心もちになりました。視覚もですが、音も多いのだと気付きました。BGM、館内放送、さまざまなノイズ。でも、その違和感もせいぜい1日。すぐまた元の生活環境に慣れました。
視るもの、聴くもの、使い勝手や動線、どんなデザインの中で暮らすかは、無意識のレベルなだけにじわりと効いて、様々な面に影響していることでしょう。

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ヘルシンキ旅行メモ4 社会の中の学びの場


図書館以外にも、そのつもりなく訪れた先で、子どものために用意された学びの場に出会いました。

ヘルシンキ市立博物館(Helsinki City Museum)。入館無料。

展示のメインはヘルシンキ市の歴史です。膨大なフィルムのストックを閲覧できる部屋もありました。

昨年リニューアルされた子どものための展示が抜群によかったです。

自由に休憩や工作ができる部屋。壁面には子どもの作品が飾られています。部屋の一角にお面をつくる材料が用意されていて、母娘が楽しんでいました。説明書きは、フィンランド語とスウェーデン語の2通りがあります。

昔の暮らしを楽しい展示で見せています。左は靴屋、右は食料品店で、お店屋さんごっこもできるようになっていました。

昔の教室を再現した部屋。パネル展示を見ると学校で編み物を習ったようです。

昔の暮らしを再現したなんとも愛らしい空間もありました。どれも入ってよい触ってよい展示です。

好みのコスチュームを着て舞台上で演じられる部屋もありました。パペットを使った劇もできます。

1階のロビーには、アアルトデザインのどんぐり型ライトがさがっています。

子どもたちのコート掛け。

トイレに男女の別はなくて、ドアを入ると、手洗いもそれぞれに備えた個室が並んでいる造りでした。
実は素敵すぎて2回訪ねました。最初は平日夕方遅くで空いていましたが、2度目の土曜は家族連れで賑わっていました。
入り口には、ベビーカー置き場のサインボードがありました。

国立美術館(Ateneumu)ではアアルト展が開催されていました。
会場内のハンズオンコーナーは、黒を基調にした展示で、建築、木材等マテリアル、構成デザインなどについて、大人も子どもも遊びながら学べます。

この女の子は、家をつくりそれを汽車に変えて、とかなり長い時間楽しんでいました。

二点透視図法と一点透視図法を試せる展示。(写真は二点透視図法)

積み木。写真下段は、木の種類による手触りの違いを確かめられる展示。

休館で入れなかったのですが、立派な児童館もありました。図書館でも様々な活動が行われている様子だったので、どう役割分担しているのでしょう。
他にも、まる一日のんびり過ごしたセウラサーリ野外博物館(Seurasaaren ulkomuseo)にも、昔の子ども部屋を体験できる場や、子どもを対象にしたワークショッププログラムが用意されていました。

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