Main Content

ヘルシンキ旅行メモ2 図書館・書店


(旅行メモを更新する暇ないまま帰国しました。メモの続きを。)

Espoo郊外の小さな図書館を見学させてもらいました。フィンランドの図書館は、本を読むだけでなく、電子化もすすんだ情報の拠点であり、地域コミュニティの拠点、開かれた学びの場でもあります。

Espooに限らず、各地域にたくさんの図書館があります。一方、小学校すべてに図書館があるわけではないそうです。図書館は、基本的に自宅の近所にあり、子どももひとりで歩いて出かけます。(ただし、都市部で駅の大型モール内にある場合などを除く)

見学させてもらった日は、夏休みが始まったところで、近隣の子どもたちがやって来て工作のワークショップに参加していました。

子どもだけでなく、バギーに赤ちゃん乗せたお母さんも、シニアも、のんびり過ごしています。ここは絵本のコーナー。

学校の授業でも利用されていて、近所の小学校から、ひとクラスでやってくることもよくあるそうです。担任の先生が、図書館に限らず、美術館、博物館などへ児童を連れて出かけるとのこと。日本では、担任の先生の裁量での学外授業は、なかなか簡単ではないですよね。
他に日本との違いを感じたのは、絵本。日本では、未就学児は、絵がメインの絵本を大人に読んでもらうことが主流です。対してフィンランドでは、絵本を読んでもらうこともありますが、小学校へ上がる頃には、この程度の文字量+挿絵の本を自分からすすんで読むのだそうです。

行き当たりばったりに歩いたヘルシンキ市街地で、ひときわ趣があり気になった建物がありました。ひとりで動いていた別の日にもたまたま通りがかり、GoogleMapで図書館であることは確認できたので、思い切って重い扉を開けて入ってみました。

Rikhardinkatu図書館、外観も内観も歴史を感じます。
高い天井、重厚な空間に圧倒されます。どのフロアにも、木の机+椅子の部屋と、間接照明のゆったりしたソファスペースがあって、自宅のリビングに居るようにくつろいで本を読む姿がありました。階段の踊り場に大きな老犬も眠っています。


夜19時から、中央の吹き抜けの空間で現代舞踏のパフォーマンスが始まり、誰でも自由に観ることができました。

建物は旧いですが、WiFi完備、電子書籍、機器の貸し出しがあり、諸々の手続きはICカードでしている様子でした。写真右:フィンランド語で書かれた内容は不明ですが、掲示板にポストイットがいっぱい貼ってあります。

アアルト大学 (Otaniementie)の図書館は、テーブル、椅子も全てアアルトデザイン。

国立図書館は、毎度タイミングはずしてしまい開館時間内に行けずじまい。次回に。

有名な老舗書店。何度か足を運びました。天窓は、開いた本をイメージしているとのこと。2階アアルトデザインのカフェは眺めただけ。

宿の近く、住宅地にある素敵な書店。地階に降りると居心地よいソファスペース、奥の真っ白なギャラリースペースでは、コンサートもするそう。さらにその奥にも隠れ家的小部屋あり。



長居したくなる魅惑の書店でした。

図書館も書店も(書店はたまたまその店がそうだったにすぎないかもですが)本の提供だけではなく、文化育成(過去のアーカイブ+未来)、地域コミュニティ拠点としての活動、教育を本気でやっています。Rikhardinkatu図書館は、もう溜息ものでした。フィンランドの読書量は世界一とよく聞きますが、その懐の深さを垣間見たようでした。

ヘルシンキ旅行メモ
ヘルシンキ旅行メモ1幼稚園
ヘルシンキ旅行メモ2 図書館・書店
ヘルシンキ旅行メモ3 リサイクル・アップサイクル
ヘルシンキ旅行メモ4 社会の中の学びの場
ヘルシンキ旅行メモ5 街の中のデザイン
ヘルシンキ旅行メモ6 番外(宿、食事)
ヘルシンキ旅行メモ7 雑感