Category: 外国にルーツのある子ども

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


1月9日土曜日は、先月に続き外国人集住地区へ出かけてのワークショップでした。(主催:市民ボランティア、協力:中央図書館)

開催するかどうか迷った末、もし来る子があればと、準備をしていつもの会場前で待機。
そろそろ開始時刻となる頃、走ってくる小さな男の子が見えます。その後ろに小学生の姿も。前回参加の姉弟でした。常連の姉弟もお母さんに手を引かれて来てくれて、計4名となりました。この日の会場は、いつもの集会所から急遽の変更で団地に隣接する青少年センターとなったため、まずは全員で移動。

広い部屋、珍しいオモチャもいっぱいで、走り回りたいし、ひと通りやってみたい。遊びから抜けるのはむずかしいかなと思いましたが、「始めるよ」と伊藤孝良元図書館長が大型絵本を読み始めると、4歳児も6歳児もちょこんと座り釘付けになりました。絵本は中央図書館の司書さんによる選書で「まめまきバス」。

豆まきしたことある?と尋ねると、日本の保育園へ通った子は園行事として経験があるけれど、そうでない子は、意味や何をするのかは知りません。コロナ禍でなければ、節分の豆まきも一緒にしたかったなぁ。

母国フィリピンの行事を教えてと声がけしたところ、伝統行事的なものはわからないからと、親戚一同が会しての年越しパーティーの様子を絵本にしてくれました。冬も温暖なので庭に大テーブルを出して会場をしつらえ、食べ放題の料理にゲーム、花火も上げて、皆でカウントダウンをして新年0時を迎えるのだそうです。

午後は県営岩田住宅の集会所へ。10か月ぶりであった前回は19名もの参加にてんてこ舞いとなりましたが、この日は誰も現れず。団地内にも子どもの姿なく静寂でした。

子どもたちが来なかった分、毎回手伝ってくださる自治会役員の舛木さんやブルーノさんとお話する時間ができました。
この岩田団地は、約560戸のうち半数以上を外国籍の入居者が占め、外国人住民の数が日本人住民の約3倍にものぼります。また、日本人住民は高齢の夫婦または単身者がほとんどということもあり、自治会役員や組長も2/3以上が外国人住民で、外国人住民が団地の自治の多くを担っています。ブルーノさんはもっとも若い役員で、環境美化を担当。ポルトガル語と日本語の両方ができるので、住民の皆さんの日々の暮らしを通訳でも手助けしています。おふたりともブラジル籍ですが、舛木さんは2世で永住権、4歳で来日したブルーノさんは最長5年ごとに更新の要る定住権です。審査の結果3年になる時期もあったそう。仕事もしながら地域でも活躍していて、税金も日本人と同じように払っています。でも日本人ではないので選挙権はないのですよね。(おふたりが、そこに言及なさったわけではない)義務は日本人と同じで、権利には大きな差がある。現実には、これだけ多くの外国人が社会を支える一員として暮らしているのに、日本には「移民」は居ないことになっています。国の制度が実態に追い付いていないのです。今の苦しい時世下、失職し帰国を余儀なくされるご家族もあり、なんともやるせない気持ちになりました。

ふと気付くと、話をする間も、ブルーノさんはイヤホンで何かを聴きながら黙々とつくっています。前回参加の子から「続きを楽しみにしていたのに行けない。(録音済みの)セリフを吹き出しで入れて仕上げておいて」と頼まれたのだそう。あとで届けてあげたいからと、印刷して製本もなさいました。ほんとに心優しい青年です。

新型コロナの感染拡大状況を見ながらですが、今のところ次回は2月13日土曜日、午前は市営西部住宅、午後は県営岩田住宅、それぞれの集会所で開催の予定です。
→ 2月13日は中止となりました。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


12月12日土曜日、外国人集住地区へ出かけてのワークショップでした。
午前回はNPO法人フロンティアとよはしさん主催で、市営西部住宅の集会所にて。先月参加してくれた姉弟と常連姉弟、計4人が参加してくれました。換気、検温、手指消毒を徹底して。私も事前の2週間、人混みを避け毎日検温して備えました。
午後回は市民ボランティア主催で、県営岩田住宅の集会所にて。岩田住宅での開催は10か月ぶりです。自治会役員でもあるブラジルルーツの青年ブルーノさんが、解錠して待っていてくれました。
このコロナ禍で保護者の雇用状況など気になっていました。初回からずっと参加してくれていたブラジルルーツの兄妹は6月末に帰国したとのこと。お母さんの仕事がなくなり学校も休校となる中で、お父さんを残しての帰国を決めたのだそうです。ブルーノさんによると他にも帰国した家族が何組かあるそう。設営しつつブルーノさんご自身の状況などもお聞きしている内に定刻。伊藤孝良元図書館長の絵本による読み聞かせから始めました。
前日の金曜日は、岩田小学校の放課後子ども教室へも出かけたので、その続きをしたい子たちも来てくれたりで、途中どんどん増えて総勢19名。司書の田中さん(休務日)も応援に来てくださり大助かりでした。それでも手が足らずてんてこ舞いになりました。

5年生作クリスマス絵本

2年生作クリスマス絵本

新型コロナの感染状況により変更はありえますが、伊藤さんを核とした市民ボランティアによる活動として月1回のペースで開催予定です。次回は1月9日土曜日、午前は市営西部住宅、午後は県営岩田住宅、それぞれの集会所で開催します。

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9か月ぶり「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


11月14日土曜日、快晴。9か月ぶりに外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。この日はNPO法人フロンティアとよはしさんの主催です。

前回からずいぶん長くあいてしまい、新型コロナも第3波到来と言われる中で、はたして参加者あるだろうかと心配でした。案の定、開始時刻になっても誰も来ません…。公園で遊んでいる子などに声をかけたところ4人が参加してくれました。(団地内で見かける子どものほとんどは外国ルーツです)
会場は窓を開けて、私たちスタッフも子どもたちも検温と手指消毒。
4人とも初参加で、学校のお友達にあげる絵本をつくったり、中央図書館の司書さんに絵本を読んでもらったり、それぞれ楽しんでいました。

今のところ、市民ボランティアによる活動を月1回のペースで再開する予定です。
新型コロナの感染状況により変更はありえますが、次回は12月12日土曜日、午前は市営西部住宅、午後は県営岩田住宅、それぞれの集会所で開催します。

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科学館の絵本づくり@多摩六都科学館(西東京)



10月18日(日曜)は、多摩六都科学館で外国にルーツをもつ小学生対象「科学館の絵本をつくろう!」ワークショップでした。展示に着想を得たフィクションや「しくみの部屋」のからくりの面白さを精密に描くノンフィクションなど思い思いの絵本が完成しました。

写真付詳細は、多摩六都科学館のFBページでご覧いただけます。

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


2月22日土曜日、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって8回目、通算で11回目です。

いつもはテーマを決めてつくりますが、今回は3月の発表会へ向けての作品制作とし、過去作品の中で一番気に入っている絵本のブラッシュアップでもいいし、新作をつくってもOKとしました。

午前回の市営西部住宅での参加は4名。その内、親子での参加が2組でした。前回が初参加だった4歳女児は、この1か月のあいだ毎日、つくった絵本を大事に握りしめ、何回もおうちの人にお話を聞かせてくれたそうです。親子で今日を心待ちにされていました。

常連の小3女児は、「約束」テーマ時の作品をブラッシュアップ。仲良しのふたりが、約束した日にタイムマシンを掘り起こすお話です。今日もお手製スタンプカードを持参し、弟の手を引いていちばんに来てくれたのでした。

午後回は県営岩田住宅へ。雨が降り始める中7人の子どもたちが三々五々やってきました。大きな反省は、フィリピンルーツの子に寂しい思いをさせてしまったこと。この岩田団地自体ブラジル人コミュニティが大きいのですが、今日の参加者は6人がブラジルルーツ、しかも日本語がわからない子が多いため子どもたちどうしは母語。そのポルトガル語の飛び交うグループの中に、たったひとり座ることになってしまったのです。素敵な作品ができて最後は笑顔となったものの、配慮が足りませんでした。

一方、ブラジルルーツの子どもたちは、簡単な日本語を解する子が同じテーブルの子たちに母語で教えてあげるので、初参加でも日本語がまったくわからなくても和気あいあい楽しんでいます。

いつもはテーマに沿った絵本で行う読み聞かせ。特定のテーマを設けなかった今回は、司書さん(午前は田中さん、午後は松木さん)が『ぐりとぐら』の大型絵本を読んでくれました。日本人の子どもたちにはなじみ深くても、外国ルーツの子どもたちにとっては初めて聴くお話。思わず自分でもつくりたくなった6歳女児は、発表会用とは別に「大きなたまご」のお話を完成させました。

さいごに駆け足で上映。

3月21日(土曜)14時~豊橋市中央図書館で、西部住宅と岩田住宅の子どもたち合同で発表会をします。どうぞ子どもたちのお話を聞きにいらしてください。どなたも歓迎!※残念ながら中止になりました

豊橋での外国ルーツの子どもたち対象ワークショップ、こんな感じで行われています。(movie 約 1分40秒)

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @あーすぷらざ(横浜)


2月11日祝日は、横浜本郷台のあーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)で、外国ルーツの親子対象ワークショップ(相模女子大学 司書課程 宮原研究室 主催)でした。1月に続いて2回目です。

告知は間に合わなかったそうで、外国ルーツの方は、韓国ルーツのご家族1組と当日館内でお声がけした米国ルーツの姉妹のみ、他は当日参加の日本人の子どもたちとなりました。

まずは、おはなし絵カードで好きなコトやモノを伝えて自己紹介。

贈る相手を決めて、おはなしづくり。韓国ルーツの姉弟。5歳の弟くんは園長先生へ、小1のお姉さんは家族の皆へ贈る絵本です。

ひとくちに「外国ルーツ」といっても、地方ごとにも家族ごとにもまったく違うのだという当たり前のことを、会って話したりお話をつくってもらうと実感します。来日理由も今ここで暮らしている事情も実にさまざま。小さなことでは、例えば、日本人の私が用意したアイテムにシャワーカーテンは無いのだけど、米国ルーツの姉妹には必須アイテム。積木を並べて作っています。

録音は実に賑やかで、皆それぞれに楽しんでいました。シャワーの水の音、歯を磨く音、寝息までを表現したり、セリフ部分の声色を変えてみたり。
製本をして、発表会。

4歳の男の子がつくったのは、おじいちゃんへプレゼントする絵本「しんちゃんおめでとう!」。しんちゃんはおじいちゃんのお名前だそうです。絵本のページを開きつつ、大きな声でお母さんに読んであげていました。

急遽、春休み期間中の平日1日が追加となり、残日程は、3月27日(金)と3月29日(日)。近日中にあーすぷらざのWebに掲載されます。申込のオンライン受付も始まりました。各日とも13時~16時。外国にルーツのある親子が対象です(子どもは4歳~小学生)。ご参加お待ちしています! 申込はコチラ>>
※ 中止になりました

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


1月18日土曜日、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって7回目、通算で10回目です。

市営西部住宅へ出かけた午前回は、NPO法人フロンティアとよはしさんの主催。15人もの子どもたちが参加してくれました。大半が親子連れで、両親参加も数組。ルーツの国も、いつものブラジルやフィリピンに加えペルー、カナダなど様々で、初めての参加者も多い賑やかなワークショップとなりました。

常連のフィリピンルーツの3年生女児が、初めての人たちが困っていないか気を配ってくれました。同時に3歳の弟くんの面倒もよく見ていて、お気に入りをいっぱい並べた弟くんの作品に「分身」と絶妙な題名を付け、録音時も、各シーンで弟くんが「いっぱい!」を言えるよう上手くリードして、素敵な作品になりました。

お父さんやお母さんとの掛け合いで録音した小さい子たちの作品も楽しくて、発表会は拍手に包まれました。司書の田中さんから図書館についての紹介もありました。

午後の県営岩田住宅は3名のみ。伊藤元館長の読み聞かせからスタート。

ありがたいことに、8月末のデジタル・ストーリーテリング(名古屋大学小川研主催)にロールモデルとして参加してくれたブラジルルーツの川崎さんが、市役所の同僚藤本さんと一緒に来てくださいました。おふたりとも子どもたちに寄り添い持ち味引き出すファシリテーションで頼もしいです。日本語をあまり解さないブラジルルーツの女児は、母語で自由に話すことができて笑顔。紙に書いてもらった易しく短い日本語を練習して、録音もできました。

お兄ちゃんにもブラジルルーツの青年ブルーノさんが付いてくれて、ポルトガル語と日本語のバイリンガル絵本になりました。いつもながらストーリーも面白くて。今回は、街行く人の危機を救い強盗をやっつけるヒーローの物語。

参加者が少なかったのは残念でしたが、そのおかげでひとりずつに母語できるファシリテータが付くことができて良かったです。終わってから肩車をしてもらって嬉しそう!

この豊橋での外国ルーツの子どもたち対象ワークショップの様子をmovieにしました。(約 1分40秒)

3月21日(土曜)14時~豊橋市中央図書館で、西部住宅と岩田住宅の子どもたち合同で発表会をします。どうぞ子どもたちのお話を聞きにいらしてください。どなたも歓迎!※残念ながら3月の発表会は中止になりました。
次回2月22日は、3月の発表会で上映する絵本をつくります。これまでつくった中で一番気に入っている絵本をブラッシュアップしてもいいし、新作をつくってもOKです。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @あーすぷらざ(横浜)


2020年 2つ目のワークショップ(相模女子大学 司書課程 宮原研究室 主催)は、横浜本郷台のあーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)で。

このワークショップも、外国にルーツをもつ親子が対象です。ただ初回の今回は告知が間に合わず、館内にチラシを置いただけだったので、事前申込のあった外国ルーツの親子は1組のみ。当日館内で声がけをして、日本人の親子にも参加してもらいました。

フィリピンルーツの女の子も3歳、日本人もひとりを除き2、3、5歳の未就学児ばかり。それゆえか、外言化しながらつくる賑やかな時間となりました。そんな中、たったひとり小学生の7歳女児は、黙々と12見開きもの大作を自身で文字入れまでしてつくっていました。録音が間に合わないのではという周りの心配もよそに、あっという間に完成。「ひっこしのおてつだい。」実話が基になっているそうです。

贈る相手を決めてつくったので、それぞれ2冊ずつ製本して持ち帰ってもらいました。

参加の子どもは6人だったものの、スタッフは宮原志津子先生と私のふたりなのでてんてこ舞い、写真を撮る余裕がありませんでした。次回は、宮原研の学生さんにも手伝ってもらいます。

このあーすぷらざでのワークショップは、今年度は3回開催予定で、残日程は 2月11日と3月29日。いずれも13時〜16時。次からは、詳細が決まればあーすぷらざのWebに掲載され、申込もオンライン受付となります。外国ルーツの子どもたち優先ですが、残席あれば日本人も参加できます(定員超えると抽選)。ぜひチェックしてくださいね。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @多摩六都科学館(西東京)


年明け最初のワークショップは、1月12日日曜、西東京の多摩六都科学館で。

対象は、外国にルーツのある小学生とご家族。多摩六都科学館の掲げるソーシャルインクルージョン-誰もが親しみ楽しめる科学館を目指す取り組み-及び文化庁助成多文化共生推進プロジェクトの一環としての、やさしい日本語を用いたプログラムです。そのひとつとして、科学館体験を言語化しオリジナル絵本をつくる「やさしい日本語ワークショップ 科学館の絵本をつくろう!」が実施されました。

5人の子どもたちが参加、内3人は1年生。まずは、おはなし絵カードを使った自己紹介から。好きなモノ(コト)と呼んでほしいお名前を教えてもらいました。

次に、9枚のテーマカードから好きな科学テーマを選びます。

アイディアシートを手に、各自が選んだテーマの展示室を探検。


続いて絵本づくり。
ロボットや静電気実験など自身が体験した展示を素敵なグラフィックで紹介する絵本がある一方、月のウサギを探しに行ったり、子犬が科学館のロケットで月へ帰ったり、マガモの咥えた魚を食べたくなったカエルが科学館の中まで追いかけたり、展示に触発された独創的物語も生まれ、5人それぞれの科学絵本となりました。

日本語にまだ不慣れな子も、ファシリテータにやさしい日本語表現を教えてもらい発音を練習をして、全員が日本語で録音できました。さいごに、音入りデジタル絵本の発表会をしておしまい。

お気に入りの場面を開いて。

今週末18日には、外国にルーツのある小学生とご家族を対象に、やさしい日本語でプラネタリウムを楽しむイベントが開催されます。いつも長い行列になる人気の多摩六プラネタリウム、ぜひ外国ルーツのお友だちにも教えてあげてください。日本人小学生も、外国ルーツのお友だちを誘って一緒に申し込めば参加できますよ。 >>イベントの詳細と申込はコチラ

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


12月7日土曜日、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって6回目、通算で9回目です。そもそもは、昨年2018年度、豊橋市が文部科学省からの委託を受けて始まったプロジェクトで、豊橋市中央図書館の伊藤孝良館長(当時)を中心に実施されました(正式決定が夏前だったので始められたのは10月、実質は半年)。文科省がこの「地域の教育資源を活用した教育格差解消プラン」自体を終了したため、今年度からは、豊橋市中央図書館の自主企画として、伊藤元館長を核とする市民ボランティアによって続けられています。

前回から2か月空いてしまい、ちょっと心配。
午前の市営西部住宅は、残念ながら常連の姉弟だけに。お母さんがふたりの手を引いて連れて来てくださいました。

今回のテーマは、子どもたちの希望により「クリスマス」。
冬の長期休暇、帰国時のお土産にもなります。ふたりもフィリピンの従兄弟たちにプレゼントするそう。

お迎えにいらしたお母さんにつくった絵本を見せているとき、ほんとに嬉しそうです。

午後の県営岩田住宅は、8人の参加。初参加のフィリピンルーツ(タガログ語)の子たちが連れ立って来てくれました。お母さんもおひとり。
これまで岩田はブラジルルーツの子が大半だったのですが、はじめて反転しました。

司書の田中さんが、「クリスマスのかくれんぼ」(いしかわこうじ 作)大型本と「まどから おくりもの 」(五味太郎 作)の読み聞かせをしてくれました。

クリスマスツリー、リース、プレゼント箱、雪だるま、子どもたちは積木の組みあわせで、あらゆるモノをまたたく間につくっていきます。さらに、白雲をサンタの髭に見立てたり、ぶどうを逆さにしてイルミネーションのツリーにしたり、雨粒を横方向に使って星空を表現したり。柔らかな発想に驚きます。

来日まもないブラジルルーツの4年生は初参加です。ポルトガル語での録音。活き活きした語りはまるで唄っているようで、声の調子からも絵からも物語が伝わってきます。

ブラジルルーツの兄妹。お兄ちゃんはいつもアイディア素晴らしくて、妹さんはいつも細かに作り込みます。

自治会の舛木さんとブルーノさん、名古屋大学 小川明子さんのサポートで、ふたりとも日本語での録音もがんばりました。
10歳の兄。日本語での表現がわからない時は、ブルーノさんに短い日本語に訳してもらい、何回か復唱練習してから録音しました。「ほうほうほう 私サンタクロース プレゼントを届けに行くよ」から始まり、「ゆっくり おやすみなさい」で終わります。

6歳の妹さん。舛木さんによる通訳で、言いたい表現を短くてやさしい日本語に。小川さんとの掛け合いにしたり、発音の難しいところは一緒に声を合わせる等して録音。さいごは「プレゼントどうぞ」

フィリピンルーツの4年生も初参加。日本語で文字入力と録音までできました。「泣かないで」のシーンでちょっと照れていて、それも含め素敵です。

家庭では日本語を使っていない子たちが多く、何人かは母語での文字入力となり、録音はせずに終わりました。
特に日本語が未だ不安な子については、できれば個別に付いて丁寧にみてあげたいのに。手が足りないことがもどかしいです。もし手伝ってくださる方あれば、お力貸していただけるととてもありがたいです。ポルトガル語、タガログ語、ビサヤ語ができる人も切望しています。子どもたちの物語が生まれる場に立ち会うのは楽しいですよ。

次回は、1月18日土曜日、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です。その次は2月22日、そして3月21日には中央図書館で発表会をしようと計画中です。発表会はどなたでもお越しいただけます。3月21日の午後、どうぞご予定空けておいてくださいね。

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