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リニューアルオープンした京セラ美術館へ


京セラ美術館(元京都市美術館)のチケットを、本格的な暑さの前にと予約して、思い切って出かけてきました。特に建物(空間)と杉本博展がとても好みでした。旧い遺産が活かされ効いていて、気持ち良い空間になっていて。庭の存在もリニューアル前は知りませんでした。予約制のおかげで展示もカフェも贅沢に空いてるし、展示を欲張って3つとも予約したので、ほぼ1日ゆっくり過ごしました。建築模型の写真は、上が元の建物、下は今回のリニューアル。地面を緩やかなスロープ状に掘り下げ、正面玄関を地下1階に設けてあります。かつては気軽であった「美術館へ出かける」が特別なこととなりましたね。

ピッケたちのパペット


かつてワークショップをお手伝い下さった方からピッケパペットを譲り受けたのは6年前。以来、未就学児対象の病院訪問へも時々連れていっていました。
先日、なんとみみちゃんとまあくんも我家へ。2人はずっと押入れの奥で眠っていたそうで、だったら私の手元にあるほうがよいだろうと考え、届けてくださったのでした。
パペットシアター用に作られたので、片手の操作で口をぱくぱくできるようになっています。おそらく「ピッケのおうち」の3DCGピッケたちをモデルに作ってくださったのでしょう。後ろ姿のボタンや尻尾までちゃんとあります。服の脱ぎ着までできるようになっていたり、細部を眺めてはつくづく感心してしまいます。

陽に干しぬくぬくにあたたまった3人を並べてみました。

このご時勢、感染の心配からしばらく出番はなさそうだけれど、子どもたちに遊んでもらえる日がきますように。

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」@兵庫県美


リニューアルオープンした京セラ美術館へ行きたいとは思うものの、予約サイトを覗いては閉じています。すっかり出不精になっていて京都を遠く感じてしまうのです。代わりというには随分ちがいますが、去年のMOTを見逃した「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」@兵庫県美を予約して出かけてきました。「洋服の森」はもとより、ものづくりの考え方を覗ける「種」の部屋も密度濃くて期待以上。
雨続きですが、久しぶりに気持ち晴れました。

オンラインでピッケ


2月をさいごに、入院中の子どもたちを訪問できずにいます。感染の心配から、院内学級も閉鎖、外からの来訪者はもちろんのこと家族の付き添いさえ人数や時間を制限され、子どもたちは辛くさびしい思いをしストレスもたまっています。こんな時こそお話づくりの出番なのに・・・と、もどかしくて仕方ありませんでした。代替策を考えようとZoomの環境整備等も進めつつ、病院の状況や医療者に負担かけない導入方法など知りたく、媒介してくれる「人」も渇望していました。

そんな中、認定NPO法人シャイン・オン・キッズさんからタイムリーなご連絡があったのは、4月下旬のこと。シャイン・オン・キッズは、小児がんや重い病気を患っている子どもたちと家族の支援を続けるNPOです。主な活動は、1)病院で「常勤」する「ファシリティドッグ」とそのハンドラーの育成と派遣、2)治療をひとつ乗り越えるたび医療従事者から子どもにビーズが手渡される「ビーズ・オブ・カレッジ」、3)AYA世代対象「キャンプカレッジ」の3本柱。既に首都圏をはじめとする20余の病院と繋がりがあり、導入病院へのヒアリング調査を踏まえ、オンラインで実施するワークショップを急ぎ計画中とのこと。そのひとつとしてピッケも実施したいという嬉しいお問い合わせでした。

翌5月にはオンライン研修もしました。オンラインワークショップでファシリテータを務める予定の大学生さんたちが対象です。

そして昨日。病院内のプレイルームと繋いでオンラインワークショップをすることとなり、初回はまず私が担当しました。ただし今回は子どもたち側にはiPadはなく、私の手元の1台でひとつのお話として仕上げます。身体を動かすアクティビティを冒頭に入れてほしいとのリクエストもありました。時間は30分。さてどうしようかと考えます。

ピッケの顔表情やポーズをまねる導入のあと「皆でお話をつくるよ」と宣言。おはなし絵カードも使いながら「どこへ行きたい? 」と問うと

いちばん人気は海でした。暑いからって(笑)。わかります。

「何で行く?(乗物)」「何しよう?」「誰に会う?」画面越しに聞き取りながら、即興で作画していきます。ウミガメに出会うお話になりました。
題名も皆で考えました。口々に色んなアイディアが出て、統合して「ピッケのうみのぼうけん」に。でも「作者名は?」にはみんな詰まってしまいました。私もスッと思い浮かばず。するとシャイン・オン・キッズのきょうこさんから「***のなかまたち」と助け船。その時はファシリティドッグの愛称かしらと思っていたら、子どもたちが過ごす病棟の略号で子どもたちも馴染んでいる名前だそう。

次は録音。子どもたちの音声をネット経由で録ったとしても音量低く音質も悪くなってしまうし、残り時間もわずかだったので、私がして、完成作品を皆で観ました。
今日の作品は後日、音声入り動画と子どもたち人数分の紙のミニ絵本となり、シャイン・オン・キッズさんから病院へ送られます。

子どもたち楽しかったようで「つくりたい!」と言ってくれて、ほっ・・・次回は、自身もサバイバーの大学生ゆりあさんがファシリテータとなって、子どもたちそれぞれがつくる予定です。

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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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Stay Home のゴールデンウイーク2


コロナ禍となってから、流行りのZoomを試したり、環境を整備せねばとあれこれやってみています。先月はごく内輪でオンラインワークショップもしてみました。
すでにWebカメラが品薄なので、カメラはアプリ(iVCam $9.99) で凌ぐことに。人生初メルカリに登録して iPod touch 6th 中古を購入。仮想サウンドカードとドライバも2つ入れて、Zoom時にカメラ2つを切替できるようにしました。でもそもそも、ビデオ会議中に静止画になったり音声が途切れたりするのです。原因は、光回線の実質速度が下り1ケタMbpsのためでした(上りは400Mbps超)。「IPoEオプション 付けるとよい」とアドバイスを頂き対策完了。

Stay Home で台所に居る時間が増えました。
簡単ミルクゼリー。途中思いつきで黒胡椒を少し挽きかけてみたらマル。ピーナッツをブレンダーにかけてピーナッツバターに。先週はなめらかに仕上がって完食しましたが、今朝のは雑に薄皮ごとにしたからか重くなり過ぎ、ペースト状になる前にバーミックス本体が熱くなってしまって、ここまで。見た目は今ひとつですが、味は薄皮込みの方が濃くて好みでした。

よく散歩をしています。山へ向かうと人少なく、川沿いは結構な人出です。皆さんはどう過ごされていますか。

てらしまちはるさんの修士論文


絵本研究家のてらしまちはる(寺島知春)さんから分厚い修士論文が届きました。
社会の課題をテーマに大人対象でピッケのワークショップを3回も実施し考察なさっています。論文なのだけれど、参加者の心の動きまで伝わってきます。

「オマケです」と一緒に届いたもう1冊は『戦後日本の絵本史研究序説-編集者松居直と149冊の「こどものとも」シリーズから-』。松居直先生といえば、お母様がふと庭を見やりながら「絹こしの雨やなぁ」と呟かれたという先生の幼い日のエピソードを、その優しい語り口と共に思い出します。

Stay Home のゴールデンウイーク1


スーパーで粉類の棚が空になっていますね。我家は幸い、強力粉、薄力粉、全粒粉、ライ麦粉…と粉のストックは充実しています。「何にでも化ける小麦粉は偉大だ」と心の安らぎを覚えていていたら、バターが品切れ。仕方なくバター率50%の品で代用したところ、タルトの中間層=アーモンドクリーム部分が固まらず。あと、HB利用のピザが簡単で感動したけれど、ナンがそれを上回って簡単美味しいです。成形を細長い二等辺三角形にしたほうがそれっぽかったですね。

放置していた庭にタンポポ、雑草扱いでゴミ袋行きにするには余りに可愛くて部屋へ。スミレも。

ピッケのペーパークラフト


「ピッケのおうち」には、おうちのプリンターで作れる紙工作のコーナーがあります。
関節で動く紙人形「ペパドル」を紹介しますね。Flash Player が動作する パソコン(Windows, Mac)からアクセスしてみてください。(スマホやiPadでは動きません)

画面上でぬりえをして

印刷ボタンを押して、名前を入力、印刷するとパーツシートになって出てきます。少し厚手の紙に印刷するのがお薦めです。

全部で3種類。

パーツを切り分けて、関節部分を足割リベットやスナップボタンで留めます。

ごっこ遊びをしたり(写真は、13年前慶応大で開催されたワークショプコレクションで)

コマ撮りアニメをつくったり。(11年前 2009年、立命館小学校1年生。スナップボタンで留めていますね)

こちらのページから、当時の授業の様子や子どもたちの作品をご覧いただけます。>>立命館小学校でピッケの特別授業
パソコン時代のコマ撮りは、クレイタウンというソフトをよく使っていました。今は、iPad があれば、KOMAKOMA が使いやすくてお薦めです。

ハサミ柄の「つくってあそぼう」には少し時間のかかる紙工作が、プレゼント箱の「プレゼント」には気軽な短時間でできるものが入っています。

「つくってあそぼう」のペパクラ

「プレゼント」のがんばるシール&シート

いずれも、ご利用はパソコン(Windows, Mac)で、「Flashを許可」が必要です。Chromeブラウザ、MicrosoftEdgeプラウザそれぞれ下記から許可できます。

当時、パソコンの電源を切っても子どもたちがピッケたちと遊べるようにと作ったものです。つくり方やあそび方もpdf等で置いてあります。ずいぶん昔につくったものですが、もしよろしければ試してみてくださいね。

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「ピッケのおうち」:https://www.pekay.jp/house/
※ 19年前につくった最初のピッケ、親子であそぶWebサイトです。Flash Playerのはいったマウス操作のパソコンで2020年末まで動作します。紙工作もあります。
「ピッケのつくるえほん」:https://www.pekay.jp/pkla/ipad
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長尺の視点をもって今を生きる


ピッケに直接は関係ないかもですが、覚えておきたいので書き留めておきます。

NHK ETV特集「緊急対談 パンデミックが変える世界」主に磯田道史さん発言のメモ。 (収録は3/27,OAは昨日4/4)
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疫病の政治利用がかつてもあった。スペイン風邪の流行時、実態を伝えない情報統制下の参戦国に対して、中立国スペインでは情報を出したため、「スペインで妙な風邪が流行っている、スペイン風邪だ」となった。ペスト流行時には、それを口実に列強が中国に軍隊を送ろうとした。

スペイン風邪(1918-1920年)のまとまった記録が無い。文学作品にもほとんど書かれていない。
与謝野晶子
「盗人を見てから縄をなうというような日本人の便宜主義がこういう場合にも目につきます」
「政府はなぜいち早くこの危険を防止するために…多くの人間の密集する場所の一時的休業を命じなかったのでしょうか」『感冒の床から』

スペイン風邪の時、台湾で力士が感染。演劇人の島村抱月も亡くなる。しかし興行ものは止められることがほとんどない。力士が次々スペイン風邪にかかっても相撲興行は続けられた。今回は無観客観戦。歴史の教訓が生きている。密集の排除と移動の遮断は行わなければならない。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏 「この危機の時代に、私たちは重要な2つの選択を迫られている」
1) 全体主義的な監視か市民に力を与えるエンパワメントか。
(中国のように)国家がテクノロジーを駆使し人々の行動を監視し制限すべきか。あるいは(台湾のように)情報の徹底公開で人々の不安を取り除き、市民の自己決定力を高めるのか。
2) 国家主義による孤立かグローバルな連帯か。
パンデミックに対して自国の利害を優先するのか、それとも国際的に連帯して対処するのか。
(Financial Timesより) ( ** のように)部分は朝倉の補記

価値観も変わるかも。今は自由や人権を尊重する価値観。しかし感染者を封じ込めるという点だけにおいてはその価値観では必ずしも抑えきれない現実を見てしまったら…。権威主義国家(法に拠らず人の支配による上からの強い統制と服従により統治する国家)が勝利をおさめたと言い始めた場合、価値観自体が変わる恐れもある。

人類共通の課題が現れた今、新しい形の国の守り方を考えないといけない。かつて19世紀は自国主義。国民国家が近代兵器を使って戦いあった。自衛隊がクルーズ船に入っても感染しなかったのは生物化学兵器に対する備えがあったから。国を守るのは、戦闘機など兵器ばかりとは限らない。例えば最新式のマスク、人工心肺装置など国民を防護できる装備を国家が備える、国民が「税金を払って良かった」と思える国づくりが、21世紀なかば以降の国家のあり方かもしれない。

ウィルス変異はこれまで国家レベルの研究対象だった。しかしゲノム編集さえ可能になったAI時代の今、もっと小さな集団がひょっとするとテロさえ起こしうる。そんな世界を生きなければならない私たちの将来にとって大事なものは何なのか。歴史の教訓からも学びつつ、真剣に、文化、安全保障、価値観といった深いレベルで考えるべき。
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以上、自分の解釈に引き寄せてのメモゆえ不正確です。

「長尺の視点をもつ」はこれまでもピッケで心がけていることではありますが、過去にも未来にも長尺の視点もって今を生きると心したい、価値観を何において生きるかは大事と改めて思っています。

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@せんりひじり幼稚園


3月25日気持ちよい春の日、せんりひじり幼稚園(大阪府豊中市)へ絵本づくりに出かけてきました。

iPadは病院訪問時と同じようにアルコール消毒して持参、手も園の入口で念入り消毒。部屋に入ると、副園長の安達かえで先生が、自ら換気と丁寧な掃除をしてくださっていました。全員がそろうのを待つ間、おはなし絵カードで遊びます。カードを引いて即興でお話づくり。最初は3枚で、次に4枚で。お兄ちゃんが6枚に挑戦すると、弟くんもがんばります。

最初に絵本を贈る相手を決めてもらったところ、卒園でサヨナラになる友だちや春休みに会ういとこへ贈る絵本、仕事で海外に居て帰国できないお父さんに「大好き」を伝える絵本などができました。

子どもたちのお話には「ありがとう」や「大好き」があふれています。

お母さんたちもお互いに仲良しで、終始和気あいあい。活発なPTAの皆さんのための専用の部屋までありました。

ワークショップを終えて、かえで先生とのランチも楽しみです。子どもたちが青空に色とりどりの風船を放つ卒園式の写真があまりに素敵で、どうやって実現なさったのかも含め休園中の様子をあれこれお聴きしました。
保育園は細心の注意を払い対策しながら開く一方で、幼稚園は休園しなくてはなりません。様々な制約ある中で、とにかく子どもたちが日常に近い生活を送れるように、少しでも楽しくと工夫なさっています。まず、1クラスずつ登園し園庭で1時間だけ少人数での保育を行う「青空教室」を行ったそうです。さらに、先生方による歌や手遊び、紙芝居やおもちゃ作り、縄跳びや昆虫太極拳などの動画をkidslyで毎日(!)配信。情報を収集し、状況下でのベストを判断、創意工夫、実行…の日々繰り返し。園庭での卒園式は、想い出映像や挨拶は別途動画配信するなどして内容を縮小し時間を大きく短縮。感染状況の変化に伴い変更を重ね、直前まで話し合い、連絡と準備に奔走、前日に職員皆でブルーシートを敷き当日を迎えたそうです。(卒園式の前日に配信された「副園長の子育て応援通信」3月号「未来を生き抜く力」

来るたびに感じるのは、園の雰囲気がとても「健やか」なこと。かえで先生が、子どもに対しても職員さんに対しても「いいね!やってみて!」で接し、子どもたちも職員さんたちも応援してもらえるとわかっていて、それに応える。信頼と安心があるのだろうと推察します。これだけの大所帯(幼稚園だけでも450人近い園児数)を預かる重圧やいかばかりかと思うのに、いつも笑顔で人間力にも敬服します。本気の遊びの中に学びがある。子どもの主体性を大切にするせんりひじり幼稚園、訪問が毎回たのしみです。

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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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