「ピッケのつくるえほん」を試してくださっている千葉県の柏市立旭小学校の算数の授業を見学させていただきました。
パソコン教室に40台のPC。
小学校2年生の掛け算の教科書に「文章題を作る」という課題があります。 掛け算を数式を入り口に学ぶと、現実の事象との結びつきが弱く、ただなんとなく「A×B」と式をたてるだけのあいまいな理解に終わりがちです。
そこで文章題で学びます。まず、自分で考えたかけ算の問題をノートに書きます。
続いて、つくった文章題を「つくるえほん」で絵本にします。
箱に6ケづつ入ったドーナツ、池にあひるなど。
あいまいな理解のままでは、絵で表現することができません。そのため、つまづいている箇所が、子ども本人にも先生にも浮彫りになります。図や絵を思い浮かべながら視覚的に考えられるようになります。
楽しい「かけざんのえほん」が、いっぱいできました。
Category: 公教育
立命館小学校の1年生ロボティクス科で、9月末から8週間行われたピッケの授業。昨日で終了しました。
カリキュラム作成はロボティクス科の福島泰子先生。実施も福島先生で、CAMP(CSK)の新谷美和先生がアシストされています。
前半) ものがうごくしくみ ~映像編~
「ピッケのペパドルアニメーション制作」
画面上のぬりえでパソコン操作に慣れ、ペパドルを工作。コマ撮りアニメを作成。いくつかの作品を、こちらからご覧いただけます。
中盤)私が2コマ担当。『リズムのもり』を見ながらピッケのお話をして、その後、絵本づくりのミニワークショップ。
子どもたちの絵本作品は こちら>>
後半) ものがうごくしくみ ~コンピュータ&モーター編~
「クリケットを使ってピッケの『リズムのもり』の世界を表現しよう」
クリケットとは、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボで開発された小さなコンピュータです。「LOGO Blocks」というソフトウェアで動きのプログラムを書き、赤外線通信でクリケット本体に伝えてモーターとセンサーを制御します。そのクリケットで、MITとCAMP(CSK)が動くおもちゃづくりのワークショップを共同開発。
今回は、『リズムのもり』をテーマに、ピッケや他のキャラクタだけでなく、『リズムのもり』に登場させたいさまざまな動植物を作りました。
T組さんの発表会を見学させていただきました。
前へ出て、いきものの名前、なぜそれを作ったか、工作で工夫したところ、プログラム(動き)で工夫したところを発表。実際に皆の前で動かしてみせます。本番でも、ちゃんと動くかな?
いきものの名前:「まわるピツケ」
「工作で工夫したところは、可愛くするためにしっぽを右斜めにつけたところです。」
「プログラムで工夫したところは、右に10秒左に10秒にしたところ。なぜかというと、上から見たとき手がきれいだからです。」
みんなの「上から見せて~」の声。「ぅお~!ほんとだぁー!」
こちらは「うっきーしっぽハンマーパンチ」
うっきー(ちゃんとメガネをかけてます)の長いしっぽが、豪快に回ります。ぐるんぐるん。
さいごは、ピッケの全13コマの授業の記録ムービーを見ながら、ふりかえりタイム。何度も歓声があがり、終わると、大きな声で「もう1回!」コール。2回目を上映。終わるとさらに「もう1回!」 さすがに、もうおしまい。
子どもたち、実に伸び伸び、創造の世界で遊んでいます。
立命館小の教室は壁の無いオープンスペースなので、大きな声になりすぎて、時に制されることもありますが、皆が自由に発言し、とても活発な授業が行われています。
制約があるとすれば、限られた時間だけでしょうか。あとは、思い切り手足のばして自由に作っています。
作りこまれたカリキュラム、細かな事前準備、当日の見事なマルチタスクぶり(ふりかえりビデオの最後には、さっき済んだばかりの発表会のシーンまで含まれているのです!)、つくづく感心しました。
リズムのもりの仲間です。(これはごく一部)
追記: 子どもたちのクリケット作品は こちら>>
見学の日以来、PCで「リズムのもり」へ出かけると、子どもたちの作った新しいもりの仲間がひょいと顔をのぞかせそうな気がします。
ピッケの授業をした立命館小学校「博士の部屋」には
「パソコンの父」と呼ばれるアランケイ博士のサインが飾られています。
博士は、大型コンピュータしかなかった時代に「パーソナル・コンピュータ」の概念を提唱し、後のMacintoshやWindowsに多大な影響を与えました。また、子どもたちのコンピュータ教育のために、スクイーク(Squeak Etoys プログラミング言語)を開発し、最近では、途上国の子どもたちを支援する100ドルパソコンのプロジェクトにも取り組まれています。
そのアランケイ博士のスクイークをベースにMITメディアラボが開発した、スクラッチ(Scratch)という教育用プログラミング環境があります。
視覚的にプログラミングでき、アニメーションやゲームを作ることができます。
ピッケを素材にゲームを作ってくれたm_yusukeくんは、なんと小学6年生!
ピッケの絵素材(スプライトと呼びます)は非公開ですが、スクイークのワークショップなどでご利用いただけます。お問い合わせください。
この2学期、立命館小学校のロボティクス科1年生の授業でピッケを活用いただいています。40分×13コマを「ピッケのおうち」を素材にカリキュラムを組み、実施なさっています。その中盤にあたる昨日、私も2コマを担当。京都まで出かけてきました。
校内にアクトシアターという立派なホールがあって、当初は、そのホールでの講演を希望されていました。でも、話を聴くだけの80分は長すぎるだろうと、お話+ミニワークショップとさせてもらいました。
2クラスずつ、2コマを2回。
場所は「博士の部屋」です。人数が多いので、椅子は撤去。
入りきれない10人ほどは、廊下で。
3人で共同制作。もう大騒ぎです。
仲良く交代しながら作っているチームもありますが、もめにもめて作っているチームもあり。
さいごの発表会は、廊下の階段に腰かけてもらい、階段正面の壁面にプロジェクタ投影して行いました。
代表して1チームが発表。
印刷は時間内には無理で、授業後、先生たちがしてくださいました。
子どもたちが製本して、明日の授業参観で展示、その後、図書室で展示されます。
60人の子どもたちに対面してというのは初めて。たくさんのエネルギーを受けると同時に、こちらもそれに負けぬエネルギーが要ります。
いつもは、親子での利用が多く、一緒におはなしを作る行為が、親子のコミュニケーションになっていました。
今回は、同い歳3人での共同制作。話しあったり 時に全力でぶつかり大モメにもめながら作る様子を見ながら、これも大事なコミュニケーションだなぁ と感じました。この後、作った絵本を通じて、どんなやりとりが生まれるかも楽しみです。
子どもたちの絵本作品は こちら>>