Main Content

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


6月8日土曜日、豊橋市中央図書館の自主事業として、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。どちらも今年度になってからは初めて、通算で4回目です。前回3回目にしてようやく賑わってきたのに、大人の勝手な事情で3か月も空いてしまい、はたして来てくれるだろうか…と心配でした。残念ながら不安は的中。午前の市営西部住宅では、子どもたち現れず。

自治会長さんから「ここでは、とにかく続けること。誰も来なくても、週1回月に1回、必ず同じ場所でやっていることが大事。それを続けて信用される」と教えられました。

午後は県営岩田住宅の集会所へ。開始時間が近づくと、子どもたちがぽつぽつやって来てくれて、ほっ。とはいえ人数は前回の1/3まで減って5人。参加3回目の女児は「長いあいだ、まだかなぁと思った」と話してくれました。申し訳ない気持ちと、待っていてくれてありがとうの気持ちと。

今年度は、毎回テーマを決めてお話をつくってもらう予定です。今回は、日本人の子どもたち対象の5月と同じ「○○のぼうけん」としました。まずは「かいじゅうたちのいるところ」の読みきかせから。伊藤元館長の読みが、とても良いのです。

アプリの使い方は結構みんな覚えていて、初参加の子にも開始を待つ間に教えてくれたので、私からの操作説明は簡単に済みました。

以前「3月に生まれる赤ちゃん」をつくった5年生女児。無事に妹さんが生まれたそうです。今回は文字がメインの絵本でした。

他にも文字入力までする子もいて、録音、製本、発表会。

たとえ日本で生まれても、家庭で母語のみで育ち、小学校へ上がって日本語を使い始めた場合、読み書き全般と少し込み入った聞く話すが不得手となりがちです。自分の名前は書けても「いわたしょうがっこう」と手書きするのは難しかったり、生活の基本用語以外の語彙が少なくて思ったことを表現できなかったり。
初参加の4年生は、理解がとても早くてスイスイ完成。物語のキーワード「まほうのたんばりん」のテキスト入力もしました。ただ、日本語の長い文章を話すとなると思うようにはいかず、妹さんと一緒に録音しました。タンバリンをたたくと未来へワープ、もう一度たたくと無事もどってこれました。

1年生の妹さんは、海へ冒険に行くお話。長い文章は、お兄ちゃんと分担して録音しました。「ごろごろ~ ごろごろ~!」雷の音はお兄ちゃん。

2年生女児も家庭では母語のみ。「お話のアイディアはどこからきたの?」と尋ねると、お姉ちゃんの通訳を介して「七人のこびと」(『白雪ひめと七人のこびと』)と教えてくれました。

はじめて集住地区で実施したときの「だれも来ない」を、再び味わいました。
3歩進んで2歩下がる。信用をつくるところから再度やり直しです。
図書館職員の方が多忙で難しい時は、ボランティアのみでの実施も可としていただけたので、今回は図書館職員さんが準備してくださった一式を持って、伊藤元館長と私、名大の李さんの3人で出かけました。今後は、子どもたちにちゃんと次の実施日を約束できるようします。
次回は7月20日土曜日、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です。

今後の開催など決まれば、豊橋市図書館のFBページ に情報が出ます。 豊橋市図書館のFacebookページ>>

----------------
使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
----------------