京都府立医科大学附属病院の分教室(院内学級)へ、チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の井上さん(保育士さん)、川井さん(自立支援員さん)と出かけてきました。はじめて訪問させていただく病院です。小学部と中学部の合同授業として、2コマ90分で絵本づくりをしました。
分教室内には、モニタ、PC+プリンタ等が揃っています。京大附属病院と同じテレビ会議システムもあるので、教室へ来ることが難しい3人の児童生徒さんは、それぞれのベッドサイドから参加できました。各人での制作中は教室全景を映し、操作説明をするときには手元を大きく映しながら伝えます。
看護師さんの出入りもありながら、子どもたちそれぞれの病状やその日の体調に合わせて進めます。お薬がきいて眠ってしまった男の子は、皆と一緒に居たくて病室には戻らず最後まで参加しました。先生から「好きな色は赤」と教えていただき、お名前入りの赤色表紙+中は白紙ままの絵本として製本しました。
4年生男児作「魚と船の物語」。メモを取りながら長文の録音もやり遂げました。壊れた船は積木で表現しています。
「雷がごうごう鳴っている時に、大きな魚は船を襲うそうです」「大きな魚は 船を襲うことに成功しました」「大きな魚は、次の壊す船を探す旅に出ようとした瞬間、壊れた船から 3匹の小魚が飛び出してきました。そして小魚たちは、大きな魚にこう言いました。『弟子にしてください!』」「こうして 大きな魚と小魚たちは 仲間になったのでした」
別の4年生男児作「くりんとまんねんのたいけつ」
「あるひ くりんくんとまんねんくんが けんかをしました。そして野球で対決をすることになりました」「そして対決が終わり、勝ったのはくりんくんでした」「勝ったくりんくんは、まんねんくんにやさしくしてあげました」「そしてふたりはベンチに行き、くりんくんがまんねんくんに『いっしょにいちごを食べよう』と言って、ふたりは仲良くなりました」「おしまい」
とても優しいお話で、ふたりの後ろに見える大きな夕日もこのシーンにぴったりです。
6年生女児さんたちも、絵もストーリーも凝った長編のお話をつくりました。タイトルもローマ字の「Kakurenbo」です。録音の段になって、「みつかっちゃったぁ~」のセリフが照れくさくて少し躊躇。見つけられる側のうさぎちゃんやりすくんのセリフをチャイケモの川井さんが引き受けて、楽しい作品に仕上がりました。裏表紙も素敵です。(一部を抜粋)
教室でつくった4人は、録音の声が互いにかぶらないよう、ひとり1見開きずつ順番にすることに。これが実に楽しかったです。
受け入れてくださった分教室の先生方に、とても感謝しています。普段の時間割の中に2コマ、しかも小学部と中学部の合同授業として入れることは、やりくりにご苦労かけているに違いなく、準備も当日も後日も、かなりのご負担かけてしまっていることと思います。にもかかわらず、ぎりぎりまで、紙をもっと良いのに変えようとか、プリンタのヘッダーをクリーニングするともっときれいに印刷できるかもしれないから後日やり直してみようとか。少しでも子どもたちに良い体験をとおひとりおひとりの先生が取り組んでくださり、ありがたく、とても嬉しいです。見習おう、といつも思います。
子どもたちに対しても「お話を聞かせてくれてありがとう」の気持ちです。
子どもたちにとって、お話を作ること自体が楽しいのはもちろん、絵や言葉でお話をつくることで、長い入院生活でがんばっている様々な気持ちを解放することができます。ご家族や医療者にとっても、作品から子どもさんの心の内を垣間見ることができます。
「おでかけピッケ」入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。
※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ):
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。
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使用アプリ: ピッケのつくるえほん for iPad
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