3月24日、大阪府豊中市にあるせんりひじり幼稚園へ出かけてきました。
副園長のかえで先生と一緒に、言葉と物語に関わる「創る」遊びをしています。(1回目は帽子づくり、2回目はおはなし絵カードを使ったお話づくり)
卒園する年長さん8人とのさいごとなる今回は、ピッケの絵本づくりをしました。
場所は図書室です。(園の中、どこでも自由に使ってよいのです!)
1時間半くらいのつもりでスタート。
最初に絵本の話を少しして、皆の親しんでいる絵本にはそれぞれ「作った人」がいることを知ってもらいました。
使い方を説明しながら、顔の表情やポーズを変えてみせると、「おもしろい」「やりたーい」と既につくる気まんまんです。贈る相手もすぐに決まり、さっそく作り始めました。
せんりひじりの子たちはとても元気で、しかも自分たちのホームグラウンドで迎えるわけですから、最初からかなりのハイテンション、とても賑やかです。それが、つくり始めると、さっきまで走り回っていた子もみるみる夢中になって取り組んでいます。
4見開きということで始めたのですが、「もっと作りたい!」という子が続出して、8人の内6人もが9見開き以上の大作をつくりました。
お話が長くなると録音もその分時間がかかってしまうので、通常のワークショップでしたら、予定時間内でおさめるために見開きの上限数を決めます。ここでは、臨機応変、発表会もできればするししなくてもいい、すべて、子どもたちの様子次第ゆるやかでよいので、思いのままにつくってもらいました。
おやつの時間になっても「おやつ(あとで)いい」と、つくり続けています。
続いて録音をします。6歳児には自分でボタンを押しながらの操作は難しいので、お話をつくっている子の見守りはかえで先生にお任せして、できた子から順番に録音を手伝うことにしました。
Aちゃんの録音のとき、早く録音を終えたBちゃんが手伝ってあげました。ふたりで相談して、A:「ふたりは早起きで起きました」B:「おはよう!」という要領です。
これが気に入ったようで、Bちゃんが、自分の録音もやり直したいと言い始めました。気持ちわかります。でも「録音を未だ1回もしていない子がいるから待ってね」と言うと、理解してくれて、全員が終わるまで辛抱強く(でもずいぶんと待ち遠しそうな様子で)待ってくれました。そして、あらたに録音する子には、手伝ってほしいかを尋ねて、「いい」(断りの意)と言われれば、また図書室の中でグルグルしながら待ちます。
皆の録音が終わったので、ようやくBちゃんの番になりました。さっき手伝ってあげたAちゃんに加えて、Cちゃんも手伝うと申し出てくれて、3人で録音することになりました。Bちゃんが、セリフを考えて割り振りを決めて合図を出します。B:「はじめてともだちになりました」A:「はじめまして」C:「はじめまして」
3人とも調子があがってきて、楽しくてしかたなくて、ぴょんぴょん飛び跳ねています。セリフを言うときだけは(音が入るので)跳ぶのを我慢。
「に・じ・き・れ・い・だ・ね」と1音ずつをAちゃん、Bちゃん、Cちゃんで順番に言うアイディアも思いついて、早速やってみます。
嬉しさ余ったAちゃんが、ひと場面録音できるたびに、図書室の中をぐるっと走りに行ってしまいます。それを2人が笑って待っています。面白くて楽しくて、終始3人でころころ笑いころげながら録音していました。
裏表紙は、「おしまい」は言いたくないそうで、元気な声をそろえて「行ってきます!」でした。
さて、おやつの時間をとうに過ぎて、お迎えのご父兄がいらしたところで、ようやくお開き。2時間40分もつくっていました。
子どもたちとさよならしてから、別室にあるプリンタで、かえで先生と印刷。できれば、後日になっても子どもたちに自身で製本までしてほしいところですが、登園日がもう翌日1日しかなく、その時間もとれないだろうということで、代わってふたりでせっせと製本しました。
せんりひじり幼稚園では、ちょっとくらいお行儀が悪くたってOK、思いっきり子どもたちを遊ばせています。本気の遊びの中に深い学びがあるというのは、私も常々感じていることで、とても共感します。子どもたちも真剣に遊んでいて、かえで先生をはじめ先生方も、子どもがしたいことを存分にできる環境をできる限り整え、信じて任せるという姿勢に徹しておられます。
年数回、こうしてせんりひじり幼稚園の子どもたちと遊べることは幸せで、次は何して遊ぼうと思いを巡らせるのがとても楽しみです。
せんりひじり幼稚園の教育理念がよくわかる本:
「子どもに至る: 保育者主導保育からのビフォー&アフターと同僚性」
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使用アプリ: ピッケのつくるえほん for iPad
ピッケに関するお知らせやレポート: Facebookページ「ピッケ」
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