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兵庫県立美術館へムンク展を観に行ってきました。
ムンクといえば → 叫び のイメージですが、
装飾画家としてのムンクを捉えなおすという企画でした。
よって、作品は単独でなく連作で展示されています。
ムンクは、物語や世界のもっとも効果的な見せ方、並べ方を、
何度も試行錯誤したそうです。
装飾壁画という性格上、現地に行かないと現物は見れず
会場に並ぶのは主に素描となるシリーズがあるのは、
いたしかたなしとはいえ、ちょっと残念。
(思考の軌跡を読めると思えば面白くもあるけれど)
オスロ大学の講堂や、フレイア・チョレート工場の社員食堂など
実際に行ってみたくなりました。
会場出口付近にパソコンが設置してあって、
好きな画像を選び、添付メールで送ることができます。
事務所の屋号"Good Grief!"(グッド・グリーフ!)は、よく、グッド・リーフ → はっぱ? とか、グッド・グリーク → ギリシャ?と間違えられます。
実は、漫画"PEANUTS"の作者チャールズ・M・シュルツ氏の口癖です。「まいっちゃうよ」「やれやれ」といったニュアンス。その制作姿勢や世界観にあやかりたくて、あつかましくも屋号にしてしまったのでした。漫画の中で、登場人物のチャーリーブラウンがたびたび口にしますが、一般にはあまり使われない言葉だそうです。でも、とってもシュルツさんらしいコトバ。作品の根底にも、"Good Grief!" な空気が流れていると感じます。
子どもの頃から"PEANUTS Comic Strips"が大好きでした。
野球は負け続け、蹴ろうとするボールをルーシーに毎度引込められ、赤毛の女の子にはフラれて、いつもため息のチャーリーブラウン。成績はDマイナスだけどスポーツ万能、スヌーピーのことを犬じゃなく鼻の大きい子だと思ってるペパーミントパティ。ガミガミ屋で毒舌さえわたり、でも、シュローダーの前では時に女の子っぽい面も見せるルーシー。おませな妹サリー。ぬけさく鳥のウッドストック。どの登場人物も、輪郭がくっきりしていて実在しているよう。橋の上で、チャーリーブラウンとライナスが、ため息まじりに哲学的な会話をするシーンなんかも好きでした。漫画の中のアメリカ文化も新鮮で、スクールバスや夏のキャンプ、マシュマロを焼いて食べたり、春のイースターで卵を探したり。ハロウィーンも、ライナスがかぼちゃ畑で大王を待ち続ける漫画から知りました。
CGを始める前、神戸の子ども服の会社に勤めていたのですが、ラッキーなことに、スヌーピーの洋服と関連雑貨のデザインの担当になりました。大好きな"PEANUTS"の原画を、日本中の誰より先に見られるとっても幸せな職場です。そして、入社から数年たったある年の夏、なんと出張でシュルツさんの事務所を訪ねることになったのです。
その場で描いていただいたサイン、家宝です。
サンフランシスコから車で2時間たらずの小さな町、サンタローザ。シュルツさんが建て町の子どもたちに開放されているスケートリンクやテニスコート、野球やフットボールのグラウンドなどがありました。「シャイな方だから、出張者に会うことはまずない」と聞いていたのですが、アトリエの中にまで招き入れていただきました。シュルツさんは、アシスタントを使わず、罫線引きも墨入れも全部ご自分でなさいます。華やかなことを好まず、TV出演やインタビューなどは苦手で、サンタローザでの日々の生活を愛していらしたそうです。スタッフも気心の知れた最小限の人数、事務所もアトリエも、こじんまりとした居心地の良い場所でした。
シュルツさんは、2000年の今日亡くなられました。ご自宅で眠ったまま。
訃報にふれ、ひとりでした追悼式。2000年2月
飾ったのは、平日版の最終回と新聞の切り抜き。
その翌日、日曜版の最終回が新聞に掲載されました。おだやかで愛と感謝に満ちたシュルツさんの言葉がありました。
プリントを事務所の壁に飾っています。
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Dear Friends,
I have been fortunate to draw Charlie Brown and his friends for almost 50 years.
It has been the fulfillment of my childhood ambition.
Unfortunately, I am no longer able to maintain the schedule demanded by a daily comic strip. My family does not wish Peanuts to be continued by anyone else,
therefore I am announcing my retirement.
I have been grateful over the years for the loyalty of our editors and the wonderful support and love expressed to me by fans of the comic strip.
Charlie Brown, Snoopy, Linus, Lucy… how can I ever forget them…
—————2000.2.13 日曜版より——
友人のみやばら美かさんが、
昨年夏の帰省時に、4歳の姪っ子さんとのピッケ体験談を、
mixiの日記に書いてくれました。 (以下、許可を得て転載。)
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ピッケのおうちが住み着く
「こんどはわたしが、かくれるね。」
姪と遊んでいるようにみせかけて、反応を観察していて私は固まった。
ピッケは隠れることができても、隠れている姪を探すことはできないのだよ。とは言えないし…。
いままで大人でも十分楽しめるのでひとりでピッケを楽しんでいた。
子どもがどんな反応をするか見てみたかっただけなのに、
これは…私が試されている!
「ピッケがかくれたいって言ってるよ。」と一度目はごまかせた。
「どんなダンスがいいか言ってください。」
「どうしてさみしいの?」
「どんな歌がいいか聞いて。」
どうやら私をピッケとの通訳者だと思っているらしい。
そんなことわたしゃ知らないよ。と流石に4歳に言えない。
これは、子どもは楽しく遊び、大人は創造的な言葉を鍛えるものだと思う。
違うことを考えていて吹き出しを読まなかったら
「ちゃんと読んでよ」と怒られるし子育てとは大変なものだ。
「ピッケ今なにしてるかな~?」
と姪が頃合いを見計らって何度も言ってくる。
終わりにするときにピッケが眠たいと言ってねてしまうから
彼女のなかでピッケは生きている。
昔でいうならば座敷わらしみたいな存在だと思う。
普段目には見えないが、どこかでこちらを見ている。
昔と違うところは、こちらからアクセス可能なところだろうか。
彼女の父親である兄にピッケのアドレスを教えたとき
兄は「文章も読んでくれればいいのに」と言った。
すかさず母が
「これは親が読んで意味があるもんだ。子育てを怠けるな」
と一喝していた。
母にはtamieさんの作った意図は何も説明していない。
私はこの人に育てられたよ…と観念した。
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みやばら母サマ、恐れ入りました。
そして、お正月の日記にも。
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半年ぶりに会った姪が私の顔を見るなり、笑顔で
ぶたちゃんに会いたいのと言う。
ぶたちゃん??…
あぁ!ピッケか!四歳の子供が半年間覚えているとは
ピッケ恐るべし。
姪は母親に歯磨きをしてもらっているときに嫌がって
「読み込み中」とわめいていた。
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日記の内容も、これを書いてくれたことも嬉しくて、
よし、今日も作るぞー! という気持ちになります。
みやばらさん、アリガトウ!
うっぐ という、進めない、押さえつけられた感じを
とっさに「よみこみちゅう!」と表現したのですね。
…想像図です。
ピッケは、いつも正面向き。
右へ歩いているときも、左へスキップしてるときも、顔は、
モニターの前にすわっている子どもたちの方を向いています。
(ピッケは、短いアニメーションをたくさんつなげて表現しています。
つなぎ目が見えると不自然に感じてしまいますが、
占める面積の大きい「顔」部分が動かないことで、
そのつなぎ目を目立たなくできるという利点もあります。)
どっちへ向かっていても、カメラ目線のピッケ。
ピッケは、子どもの顔をまっすぐ見て、名前で呼びかけます。
また 子どもたちがアバターとなって、ピッケの世界へ入ることは
ありません。
子どもたちは、あくまでモニターの外。
世界中で、いちばん安心、安全なパパ&ママの膝の上にすわって
ピッケの世界を楽しんでほしいなぁ と思っています。
タイマーが鳴って約束の時間がきたら、
いきなりブラウザの閉じるボタンを押すのではなく、
画面右下の「でぐちボタン」を押して、終わってください。
おうちステージにいるときなら、ピッケが、
リズムのもりステージで森の仲間も一緒なら、居あわせたみんなが、
「またあそぼうねぇー」と、手を振ってくれますよ。
エッツの絵本「もりのなか」のさいごのシーン。
森の中で空想の動物たちとあそぶ男の子を、
お父さんが迎えに来ます。 お父さんの
「きっと、またこんどまで まっててくれるよ」
の言葉に、男の子は
「さようならぁ。みんな まっててね。
また こんど、さんぽに きたとき、さがすからね!」
と 肩ぐるまに揺られて帰っていきます。
お父さんのこの一言で、男の子の心の中の動物たちは生き続けます。
(実際、この絵本には続編の「また もりへ」があり、
男の子は、ふたたび同じ森で動物たちと遊びます。)
こんなふうにできたらなぁ と思うのです。
どうぞ この男の子のお父さんの気持ちで、
「でぐちボタン」を押して、ピッケにちゃんとバイバイして、
納得、満足して、終わらせてあげてくださいね。
電源を切っても、ピッケはネット上のおうちで暮らしていて、
ふとしたときに「ピッケ、どうしてるかな、ピッケも今頃ごはんかな?」
と思えて、会いたくなったら会いにいける。
そんな世界をめざしています。
(まだまだですが、理想は高く!)
「ピッケのおうち」は、はじめてコンピュータに出会う
小さな子どもたちのために作った、親子で楽しむソフトです。
ですので、これまで、利用時間の管理は、
一緒に遊ぶパパ&ママにお任せしてきました。
でも現実には、キッズ@niftyへ引越したこともあり、
小学生の割合が増えていて、
子どもひとりで遊んでいることもあるようです。
そこで、かなり迷ったのですが、タイマー機能を設けました。
ベルの絵柄↑が、タイマーボタン。
親子で利用の場合も、うまく使ってみてください。
あらかじめ、何分あそぶか親子で話し合って決めて、
タイマー設定もお子さん自身にやってもらえば、
自分で決めた約束を、守ろうという気持ちになることでしょう。
10、20、30分の中から、設定できます。
クリックすると、残り時間がわかります。
1回の利用は15~20分、
長くても30分までが望ましいと思っています。
コンピュータだけでなく、いろんな遊びを経験してほしいので。
もし「ものたりな~い!」っていう場合には、
つくってあそぼうにある、ペパクラやペパドル、
プレゼントにある、がんばるシート&シールやまめぼんなど、
工作類も試してみてください。
ピッケの世界は、PCの電源を落としてからも、楽しめますよ。
以下は、過去のブログから、ピッケの工作あそび例。
・ペパクラピッケとかくれんぼ
・ペパクラ、ペパドルを戸外でパチリ
・ピッケのペパドルでお話づくり
・がんばるを応援するシート&シール
・ちびサイズのピッケのまめぼん
1/26 発売の「AERA with Baby vol.4」で、ご紹介いただきました。
「ベビーとの暮らしを彩る7つのキーワード」というページの
1番目のキーワード「Baby meets internet」。
142ページ=ずーっと後ろの方、裏表紙から3枚目です。
同じ号に、小学校6年の1年間、図工を教えていただいた
東山明先生も登場なさっていて、なんだか嬉しいです!
ご専門の「子どもの絵の成長」について、具体例を示しながら
わかりやすく話されています。
当時から「信じて見守る」姿勢の、とっても優しい先生でした。
本屋さんで、ぜひ手にとってみてくださいね。
1/25 発行の「朝日ファミリー」でも、取り上げていただきました。
江口記者が、わざわざキッズプラザ大阪まで出かけて、
ピッケと遊ぶ女の子&パパの様子も撮ってきてくださいました。
「親子のコミュニケーションを深める今どきの遊びと子育てのヒント」
という ドンピシャの記事にまとめてくださっています。
ところで「朝日ファミリー」と聞いても、「?」な方も多いことでしょう。
私には親しみあるコミュニティー紙なのですが、
配布エリアが、神戸は東灘区のみ~阪神間~北摂 だけ
という、超ローカルなフリーペーパーなのでした。
(朝日新聞に折り込まれて届く。芦屋と西宮は全戸配布。)
掲載記事はこちら。
書院の特別公開展へ行ってきました。
会期中最終の日曜で、混雑覚悟だったのですが、
朝のうちはどこも空いていました。
(団体バスが着く10時頃からは大混雑)
朝8時の参道は、人影もまばら。
大門をくぐったところに、茶席のような日傘&床机が5つ、
女性がべっこう飴「加美代飴」を売っています。
「五人百姓」境内での営業許可を代々もつ特別な5家。
書院へ直行。
応挙の虎のちょっとユーモラスな顔、
山水の間の襖絵~庭への連なり、
白地に描かれた白い富士、次の間の裾野で狩をする絵との遠近、
若冲の緻密に美しい花たち…。
襖絵は襖絵として、天井画は天井画として、
庭を眺め、畳にすわって、ゆっくり観てきました。
切り取られ運ばれガラスケースに並べられた「展示」ではなく
そのもののあるべき場所で味わえる贅沢、
思い切って出かけてヨカッタです。
(撮影できないので画像がなくて、ごめんなさい)
白書院では、田窪恭治氏によって、椿の襖絵と障壁画が製作中。
3年後に完成予定。
しっくいの白壁と真っ白の襖で長く使われてきた白書院。
そこに、赤&緑の大胆な椿の絵を描くと決めた金刀比羅さんの勇気。
スゴイです。
庭先の椿はまだでしたが、椿らしからぬ大きな樹に育っていて
見事な花をつけるそうです。
その椿のタイルを内装に使ったのが、カフェ。
なんと、資生堂パーラーです。
庭の椿~白書院~この新茶所、大きな「椿」リンクの仕掛け。
洗面所には、金刀比羅さんと資生堂のコラボ商品(香水)の
テスターまで置いてありました。 その名も「琴娘」。
左は、WC入り口のサイン。
いきなり休憩してしまいましたが、いざ出発。
1368段を登りきりました。奥社着。まだ雪も残っています。
讃岐平野を一望できます。
おみくじ。
その昔、首に、お金や名前を書いたお札や入れた袋を下げて
飼い主の代理で旅したという犬がデザインされていて、可愛いです。
金壹百萬円、金弐百萬円、金参百萬円、、、。
並ぶ寄進の石碑を横目に、ひたすら下ります。
さすがに海運や漁業関連が多いです。あと個人。
幸福の黄色い3守りは、普通サイズとミニサイズとミニミニサイズのセット。
あらゆるポップは黄色で統一されています。
斬新な新社務所は村野藤吾賞受賞だそう。
高橋由一館の油彩画のコレクションも充実でした。
書院といい、収蔵品といい、お金にものをいわせやたらに
というのではなく、肥えた眼で斬新な取り組みをしてきた集積
という印象です。
江戸時代の応挙や若冲も、その時代の最先端、
現代の田窪氏の椿にしても、果敢な取り組み。
歴代の宮司さんの文化への造詣がとても深かったのでしょう。
金刀比羅さん、おそるべし!です。