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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@山梨


一般社団法人星つむぎの村のお招きで、山梨県の甲府市を訪ねました。「星を介して人と人をつなぎ、ともに幸せを作ろう」を合言葉に活動されています。4年前にもご一緒させていただきました。
今回の訪問先は2カ所。山梨大学医学部附属病院の院内学級と星の子クラブです。前日、入院中の子どもたちと星の子クラブの子どもたちが、ネットを介して同時に、ネット上のプラネタリウムを楽しみました。感染の心配から、兄弟姉妹であっても子どもは小児病棟に入れないので、闘病中の子どもたちにとって、同世代の友達とネットを介して同じ星空を楽しむというのは貴重な体験です。そのあと(今日)、それぞれがピッケ絵本をつくり、後日またネットを介して、両者で作品交流をしようという計画です。
さて当日、まず院内学級を訪問しました。

前日のプラネが、病院側のネット環境の問題で万全にはできなかったとのことで、最初に高橋真理子さんから星や宇宙のお話がありました。オーロラは緑色が多いのだとはじめて知りました。

初等部の子どもたちとおはなし絵カードで自己紹介やおはなしづくりで遊んだあと、中等部も合同で絵本づくりをしました。

お母さんや妹、家族へ贈る絵本を12人がそれぞれ思い思いにつくりました。院内学級にも数台のiPadがあるので、途中になった子は、後日自分のペースで完成させます。
夜は、公民館をお借りして「星の子クラブ」の子どもたちとピッケ。広い和室で寺子屋みたいです。

オリオン座などの星座を緻密に表現したり、満天の星空、流星群を描く子もいました。


どちらもとても良い時間でした。
後日行われる交流会、オンライン上とのことなので、私も参加します!

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女子大でゲスト講義


10月23日。相模女子大学 子ども教育学科(七海陽先生)でゲスト講義でした。「ICT好きじゃない、幼児教育に使いたくないと思ってた」という学生さんが今回はふたり。講義後、駅までの道ずっと荷物を持ってくれました。「小学校でICT教育始まるからって幼稚園で早めに始めるのは反対」って。そうだね。私も、先にICTありきは違うと思うし、園ではとことん遊ばせたい。「創る」楽しい遊び=学びの中で適所に配する。子どもが夢中で取り組める楽しい活動をデザインできる先生になってね。
まっすぐな気持ちよい学生さんでした。良い先生になるな、きっと。

(モバイルからの投稿)

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


10月19日土曜日、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました(午後はフロンティアとよはし主催)。今年度になって5回目、通算で8回目です。

午前は、参加人数が減ってしまっている市営西部住宅。豊橋祭りだし、今にも降り出しそうな空模様だし、来てくれる子あるだろうかと不安に思いながら集会所へ・・・。走りまわっている姿が見えます!3人も待ってくれていました。常連の3年生女児も3歳の弟と手を繋いで到着。当初の心配は杞憂におわり、6人の参加となりました。
子どもたちが設営も手伝ってくれたので、開始時刻まで未だずいぶんあります。おはなし絵カードでリレー式お話づくりをやってみました。

いちばん参加回数の多い女児が「見て見て」と持ってきてくれたのは、つくった絵本を大切に収めたミニファイル。

なんとスタンプカードも作ったそうです。裏表紙までそっくり。

雨が降り始めました。午後は県営岩田住宅へ。こちらは参加者数の心配はしていなかったのですが、いつもよりずいぶん少なくて5人。雨降る中をよく来てくれました。
今日のテーマは「○○のはっけん(発見)」。司書の田中さん準備の「発見」テーマ絵本の中から、元図書館長の伊藤さんが「いいもの みーつけた」(文・絵:レオ二ード・ゴア)を読んでくれました。

どちらの会場でも、教えてあう光景をよく目にします。

ブラジルルーツの兄妹。自治会の舛木さんとブルーノさん、はじめてご参加くださったお母さんのサポートで、日本語での録音もがんばりました。2人ともここへ来ることをとても楽しみにしているそうです。妹さんが自ら行きたいと通い始めた日本語教室も続いているとのこと。よかった。

これまでは見学のみ、今回はじめてつくった11歳女児。母語でとなったものの録音もできました。

発表会のあと、元館長の伊藤さんから図書館のサービスや利用方法などについて、お話がありました。豊橋市図書館には「司文庫」があり、たくさんの外国語絵本が所蔵されています。いつも会場へ持ってきているのは、そのほんの一部です。

翌20日日曜日は青空。

名古屋大学大学院小川明子研究室によるデジタル・ストーリーテリング「メディア・コンテ」の2回目です。通常は写真やビデオでするところを、初回に続き今回もピッケでします。講師は大学院生の李さん。

伊藤さんや私はファシリテータとして子どもたちに付きます。豊橋祭りの日なので、母語できるファシリテータが前回のようにはそろわず。コスタリカからの名古屋大学留学生ララさんがファシリテータとして入ってくれました。ポルトガル語はララさん母語のスペイン語と似ているそうで、子どもたちが話していることはなんとなくわかるのだそう。毎回お世話になっている舛木さんも、いつものように通訳や様々なサポートをしてくださいます。

前半では、やりたいこと、やってみたいことを、お題カードなどを使いながらどんどん出していきます。
私は、ブラジルルーツの5年生女児を担当しました。日本生まれだけれど、日本語を使うのは、授業中と日本人の友だちと話すときだけだそう。好きなことはバスケットボール、サッカーなど球技、歌うこととダンス。ポルトガル語、日本語、英語を話し、スペイン語とロシア語も少し話せます。大学ではスペイン語を勉強し、卒業したら小学校の英語の先生になりたいそう。理想とするモデルがいるのかなと「学校に好きな英語の先生がいるの?」と尋ねると「キャサリン先生!」と即答でした。結婚をし仕事を続けます。行きたいところとして、沢山の国名を挙げてくれました。まずアメリカ。これはNYのライブハウスへ行きたいから。オーストラリアはシドニー・オペラハウス(コアラも)、ロシアもインドも音楽にちなんだ理由です。両親、ふたりのお姉さん、可愛い3歳の弟、家族が大好き!ブラジルに住むおばあさんも大好きで会うのが楽しみ。もうひとりのおばあさんは亡くなってしまい、とても悲しいと話してくれました。

後半は、そのやってみたいことをピッケで絵本にします。10見開きの長編物語となったために、録音は途中で時間切れとなったものの、外国へ行ってステージに立つ、英語の先生になって教える場面等をつくりこみました。

次回はやや空いて、12月7日土曜日、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です。これはいつものピッケ(図書館主催)。翌8日日曜日は、岩田住宅でデジタル・ストーリーテリングのワークショップ(名大小川研主催)3回目もあります。「メディア・コンテ」の最終回となる次回は、ピッケではなく「メディア・コンテ」本来の手法である写真またはビデオで行います。 →2月に延期

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@芦屋市精道こども園


芦屋市精道こども園の年長さん2クラスの合同で、絵本づくりをしました。

昨日は、保育士の先生方を対象にお話と操作体験の研修をさせていただき、今日はその先生方がファシリテータとして入ってくださいました。

3人一組のチームで、園生活での楽しかったこと嬉しかったことを物語にします。

最近みんなで出かけたという伊丹スカイパーク、夏のプール遊び、遠足で坂すべりをしたこと、運動会でリレーをがんばったこと、竹馬チャレンジなど、楽しさあふれるお話が12作品できました。録音の声も元気いっぱい。

終了後に先生方が、「子どもたちがここまでできることに驚いた。子どもたちの成長が嬉しい」と笑顔で話してくださいました。

近頃は、初等教育のみならず幼児教育でもICT導入のかけ声が高まっています。どうか教育委員会や現場の先生方には、ICT教育を単なる技術の習得ととらえず、子どもが幸せに生きられるよう、遊びと不可分の楽しい「創る」学びとして子どもたちへ届けてほしい、適所にICTを活用してほしいと願います。なかでも幼少期においては、人の礎となる言葉の「創る」である「物語づくり」を、ぜひ体験させてあげてください。
今回、芦屋市子育て推進課よりご依頼いただき、皆さんと協力して子どもたちへ良い場を届けることができました。子育て推進課の皆さんやこども園の先生方も深く理解、共感くださって、とても心強いです。2月には、先生方をサポートする立場でお手伝いさせていただけそうで、今から再訪が楽しみです。

追記)
芦屋市のWebで当日の様子が紹介されました。
>> 精道こども園での絵本づくり(ICTを活用した保育実践)

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おでかけピッケ@大阪府立病院機構大阪母子医療センター


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)保育士の井上さんと鈴木さん、ボランティアの筧さんと一緒に、大阪府立病院機構大阪母子医療センターへ出かけてきました。7回目の訪問です。今回も医療センターで長年活動を続けておられるボランティアグループ、スマイルパンプキンさんにお世話になりました。

4歳の女の子がつくったお話は、妹さんとご飯(カレーライス)を食べておやつを食べて2段ベッドで眠るお話。寝る時間は9時だそうです「おやすみなさい〜」。

録音までできました。

男の子たちも、ヨガでバトルをしたり、おさんぽするお話を、わいわい賑やかに完成。

小児病棟内は、時節柄、ハロウィンの飾り付けがいっぱいでした。

入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。2019年度の「おでかけピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


9月23日(月曜祝日)、豊橋市中央図書館の自主事業として、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって4回目、通算で7回目です。

午前の市営西部住宅、開始時刻になっても誰も来ません。いつも来てくれる3年生女児さえも。伊藤孝良 元図書館長が家まで様子を見に行くと、お母さんが仕事に出かけたので3歳の弟の面倒をみているとのこと。保護者の許可を得て、伊藤さんを真ん中に仲良く3人で手を繋いでやって来てくれました。他へも声がけし、子どもたちどおしの誘い合いで6人となりました。

今回のテーマは「○○のやくそく」。司書の田中さんが「やくそく」(ニコラ・デイビス 文、ローラ・カーリン 絵)を読み聞かせしてくれました。

弟くんも、かえるが飛び跳ねるお話をつくり、録音も「さんさい」「ぴょんぴょん」とお姉ちゃんと一緒にできました。

午後の県営岩田住宅は12人が参加してくれました。岩田での私のいちばんの気がかりは、ブラジルルーツの6歳の女の子。前回初めて日本語に挑戦し全身で喜んでいたのに、きっとがっかりさせてしまうだろうなと。というのは、名古屋大学小川研主催デジタル・ストーリーテリングの前回は、母語できるファシリテータが1人に1人ずつ付いてじっくり聴いて話しながら作れる環境でした。でも予算ゼロの図書館自主事業ではそれは難しいのです。なんとかひとりだけでも母語できるボランティアさんを探せないかと伊藤さんやフロンティアとよはしさんがあたってくださったのですが、大学生は授業、大人は勤務日等で見つけることができず。いつものように自治会の舛木さんが兄妹へ付いて通訳をしてくださいました。毎回必ず手伝ってくださりありがたいです。とはいえ、母語で弾むように1対1でやりとりできた前回とのギャップは大きく、女の子の顔がみるみる曇っていくのがわかります。録音をお兄ちゃんと一緒にしたことで少し元気になってくれて、上映は嬉しそうで、いくらかほっとしました。


10歳のお兄ちゃん(ブラジル人学校に在籍)も母語のみだったお話に日本語も併記し、録音も日本語でがんばりました。

嬉しいことに、女の子は、お兄ちゃんに付いて日本語教室へ通い出したそうです。自分から行きたいと望んで。

家族と一緒に日本へやって来てくれた子どもたちに「日本語できるようになりなさい、覚えなさい」とは言いたくないのです。母国の言葉や文化も大切にしながら、子どもたち自らが、日本語話すのは楽しい、覚えたいと感じてほしい。
そのために私たち大人ができるのは、機会と場を用意すること。今は「人」が足りなくて苦労しています。丁寧に見てあげれたら伸びるだろうという子が眼の前にいるのに手が足りません。もどかしいです。もし豊橋近辺の方で手伝ってくださる方あれば、ぜひお願いします。ポルトガル語かビサヤ語できる人も切望しています。子どもたちの物語が生まれる場に立ち会うのは楽しいですよ。そして、子どもたちから学ぶことも多いです。


豊橋市は、外国籍の子どものために、就学前の保育園(プレスクール)、集住地区の小学校には国際学級(プレクラス)や放課後子ども教室、中学生向け支援校があるなど、他の自治体に比べかなり手厚いです。また、NPOフロンティアとよはし、NPO外国人就労支援センターなど、長年活動を続ける市民団体も複数あります。
国策として外国人労働者の受け入れをすすめているのですから、本来であれば国が率先し手当てすべきところを、受け入れる地方自治体や市民が代わりに担っているのが現状かと思います。国の仕組みが整うのを待つ時間的猶予はありませんし、今後ますます日本の各地で家族とともに来日する外国人が増えてくることでしょう。

子どもは社会の宝です。日本人の子どもであろうと外国籍の子どもであろうと、皆で大切に育てていきたいです。

次回は10月19日土曜日、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です(フロンティアとよはし主催)。翌20日日曜日の午後は、岩田住宅でデジタル・ストーリーテリングのワークショップ(名大小川研主催)の2回目もあります。

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おでかけピッケ@京大附属病院


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の井上さん(保育士さん)、鈴木さん(保育士さん)、川井さん(自立支援員さん)と、京都大学医学部附属病院へ出かけてきました。プレイルームへは5回目の訪問です。

小児科病棟内に、ピアノや絵本、おもちゃなどがあるプレイルーム(遊戯室)があります。このプレイルームで、ボランティアグループ「にこにこトマト(愛称:にこトマ)」さんが、入院中の子どもたちとご家族に「楽しく豊かな時間」を届けようと活動されています。患児ご家族が個人で始められた活動が基となり25年前に誕生し、今では2代目の代表 高谷さんをはじめ80人ものメンバーで運営されています。4年前はじめて訪問したとき展開図の印刷のために何度も走ってくださった松岡さんも来てくださいました。当時は看護師を目指す学生さんでしたがいよいよ卒業、勤務もこの病院になるそうです。

プレイルームでは、未就学の子どもたちが親子で参加してくれます。付添いのお母さんが患児や家で待つきょうだい児のために作られることもあります。

1歳の男の子は、おにぎりとリンゴの絵カードを小さな手にしっかり握っていました。別の男の子は、とにかく「並べる」のが楽しくて、好きな物をたくさん並べて絵本をつくりました。3歳女の子作「おかおさん」は、顔がいっぱいの6見開きもある長編。お母さんと一緒に録音、製本までがんばりました。


終わり頃に来てくださった付添いのお母さんは、息子さんが好きな汽車で旅するお話「○○(息子さんのお名前)のおでかけ」をわずか15分程で仕上げ、大急ぎで息子さんの待つ病室へ戻って行かれました。

プレイルームにはパソコンもプリンタもないのですが(初期は別フロアの事務所まで出力に走っていました)、今回もにこトマのメンバーの方が私物を手配くださったおかげで、紙の絵本もつくってもらうことができました。

入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。2019年度の「おでかけピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @札幌市中央図書館


8月31日土曜日、札幌市中央図書館でワークショップをしました。
以前、新設されるえほん図書館へのデジタル導入検討の実証実験としてお招き頂いたので(ブログ)、4年ぶり2度目の訪問です。オープンしたえほん図書館にも呼んで頂き(ブログ)、すっかり札幌の図書館に親しみを感じています。

えほん図書館でのワークショップは、その後も何度か図書館の皆さんによって行われ、今夏も私の訪問のちょうど1週間前に、未就学児親子を対象に実施されたそうです。
一方、今回の中央図書館での参加対象は小学3~6年生。低学年を含まない高学年のみはピッケのワークショップでは珍しく、せっかくなので、お題を出してみることにしました。「別世界へ行って帰ってくるお話」。移動や転換のきっかけを何にするかも肝です。
導入として、司書さんに用意して頂いた同じ組み立ての本や絵本を何冊か紹介しました。子どもたちがよく知っていたのは「おしいれのぼうけん」。あらすじも語ってくれました。

それぞれ着想が面白くて、お話を読むだけで、海や山、宇宙、ミクロの世界、雪だるまの国、時空のゆがみの中(?)、といろんな世界へ連れて行ってもらえます。

別世界へワープするきっかけも、花火の音、リンゴを食べたら、風船に運ばれて、マラカスを鳴らすと、虹を渡ると、本を開くと・・・など様々です。
太鼓を叩くと世界が逆さになったり、カスタネットを踏んだら額の中から雪だるまが出てきたり。箪笥に入って運ばれちゃうネコの話もありました。

思い思いの場所で録音をして

製本

さいごに、上映会もしました。

作品をいくつか紹介しますね。

4,5歳の子どもたちの語る物語世界も大好きですし、今回のような小学校高学年の物語も実に面白いです。柔らかい発想力を残しつつ、読み手を意識した物語を紡ぐ力もついてくる年頃で、読み応えのあるお話ばかりでした。
楽しかった~。参加してくれた子どもたち、お世話になった図書館の皆さん、ありがとうございました!

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


8月24日土曜日、豊橋市中央図書館の自主事業として、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって3回目、通算で6回目です。

テーマは「○○のひみつ」。いつものように伊藤孝良 元図書館長の読み聞かせからスタート。司書の田中さんが揃えてくださった「ひみつ」絵本の中から、難易度や長さを考慮して「シロクマくんのひみつ」を。ここから着想を得た作品もありました。

小2女児は「おねえちゃんのひみつ」、友だちの家へ行くと偽って、弟の好きなオモチャを買いに出かけプレゼント。「どうぞ」「ありがと」。
小2男児は「おぉきなはんばーがー」、ドアの向こうに隠してあった巨大ハンバーガー(まあくんの大きさと比べてみてください↓ )。裏表紙では「あうっ!」とかぶりつく音を録りました。上手いです。

テキストも録音も母語のみになっている子について、キーワードだけでも日本語に挑戦してもらおう、というのが、今回の密かな目標でした。
継続参加してくれている10歳と6歳の兄妹は、お兄ちゃんはブラジル人学校、妹さんは未就園、家庭でも母語のみです。ふたりとも日本語はほとんど解さないので、いつも自治会の舛木さんの通訳に頼っています。今回お兄ちゃんがつくったのは「うっきーのドーナツ」。完成したポルトガル語のお話に、要所のみですが日本語も併記、録音も部分的に日本語でがんばりました。
美味しそうなまんねんさんのドーナツ。でも「食べないで!」。なぜなら、食べると小さくなってしまうのです。

過去2回は録音をしなかった6歳の妹さんも、母語ではあるものの初めて録音までできました。上映時も嬉しそう。

生まれるお話は基本的にはフィクションですが、実生活や本人の心情が覗き見えてくることもあります。

「あめのひのひみつ」3年生女児 (全9見開きからの抜粋)
雨がほんとは嫌いなのに、友だちに合わせて「ぼくも好き」と言ってしまった。「ごめんなさい、許して」と謝るが「考えとくね」と言われてしまう。裏表紙は「許してくれるかなぁ」。

毎回「(録音の再生ではなく)自分の声で発表したい」という4年生女児。今回もその姿勢を貫きライブで立派に発表しました。

午後の県営岩田住宅は、開始時刻の30分も前から集まってきてくれました。一方、午前の市営西部住宅は、今回も家庭教師状態。いちど途切れてしまった状態からどう立ち直すかは課題です。

翌25日は、名古屋大学大学院小川明子研究室によるデジタル・ストーリーテリング「メディア・コンテ」。初の試みです。通常は写真やビデオでするところを、今回はピッケで。場所は前日と同じ県営岩田住宅の集会所。前日も参加してくれた子が3人、はじめて来てくれた子が3人。
外国ルーツの方がファシリテータとなり、子ども1人に1人ずつ付きました。
お題カードをきっかけに話しつつ、その子の中の関心事を浮き彫りに。

そうして見つかった「話の種」からお話を紡ぎます。なので、いつものピッケとは異なりノンフィクションとなります。
私は、フィリピンルーツの4年生男児を担当しました。日本に来て未だ2年とのこと。他のファシリテータは母語と日本語ができるのに、私は日本語のみゆえ申し訳ない。通じない単語は、お互い絵に描いたりしながら。放課後の校庭でするバスケットボールが好き。回転ジャングルジムがあるK公園より、大勢の友だちと鬼ごっこができるT公園の方が好き、たとえお母さんの言いつけに背くことになろうとも。公園も学校も友だちがいっぱいいるから楽しい。ということで、題名は「ともだちいっぱい!」。

これまで母語のみになっていた前述のブラジルルーツの兄妹が、自らすすんで、文章も録音もすべて日本語でつくりました。
10歳のお兄ちゃんは、柔術で金メダルをとるおはなし。時々お手伝いしてくださるブラジルルーツの青年ブルーノさんが付いてくれました。
6歳の妹さんは、最初は日本語は無理と言っていたけれど、途中で「日本語で書きたい」と自分から申し出たそう。日本語をがんばったことを、小川明子先生にほめてもらったことが嬉しくて、そのことをお話にしました。作中、先生と手を繋いでいて、裏表紙では「せんせいだいすき!」。

初の日本語絵本を完成させた後も、もっと書きたくなって、お手本をなぞり書きしていました。

付いてくださったブラジルルーツの川崎さんは、ロールモデルとして語っていただく役割でお願いしたのですが、ファシリテータとしても抜群でした。小川さんも、明るく快活な全体進行をしつつ、子どもたちをどんどんほめます。おふたりとも、子どもの気持ちに寄り沿い、やる気を引き出してくれました。母語できるファシリテータは重要です。

この兄妹のことが、ずっと心にかかっていました。
母語のみになっている他の子たちは、岩田小学校へ通っているので、学校では日本語を使っているし、仲良しの同級生がいて、まだなんとかなります。しかし、この兄妹は学校もブラジル人学校なので(妹さんの進路は未定)兄妹で閉じてしまいがちですし、日本語を使う機会もほとんど無くて、はたしてどうやって日本語に親しんでもらおうかと。それが、小川さんや川崎さんのおかげで、日本語で書きたい気持ちと弾ける笑顔が引き出され、できた喜びに満ち溢れていました。ほんとによかった、私も嬉しい!

デジタル・ストーリーテリング「メディア・コンテ」(名古屋大学小川研主催)は、今年度あと2回開催の予定です。
定例ピッケの次回は9月23日(月曜、祝日)、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です。

中学・高校世代向けチャレンジドICTスキルアップ夏期講習会@プロップ・ステーション


7月31日から8月7日までの土日を除く6日間、「中学・高校世代向けチャレンジドICTスキルアップ夏期講習会」(主催:神戸市、事業実施:社会福祉法人プロップ・ステーション)が開催されました。ICTを活用して障害のある方の就労支援をすることが目的です。「ピッケのつくるプレゼンテーション」を使った6日間のカリキュラムを作成し、講師を務めました(途中2日は代講)。

プロップ・ステーションは、竹中ナミさん(ナミねぇ)が設立された社会福祉法人です。障がいのある人を福祉の対象とみる施策や風潮を疑問に思い、意欲をもつ人がチャンスを得て社会を「支える側」に回れる世の中にしようと設立されました。ICTを活用して、チャレンジドの自立と社会参画、とくに就労の促進や雇用の創出を目的に活動されています。これからの時代はICTが重要になると先駆けて気付き(1991年に!)、実現には社会システムの構築が肝要と考え、産・官・学・民・メディアを巻き込みながら、長年続けてこられたナミねぇのパワー、愛、才覚 ほんとにスゴイです。実は、1991年は私にとっても転機の年。パソコン(AMIGA)で始めた3DCGが面白すぎて、脱サラして本格的に3DCG修行を始めた年なのです。ナミねぇとは、その10年後、プロップ・ステーションが入居する同じビルに小さな事務所を開いた2001年に出会いました。以来、微力ながら、ごくたまにですがお手伝いさせて頂いています。

初日。はじめての場所、はじめての人の中で、皆さぞ緊張していることでしょう。まずは、おはなし絵カードを使った自己紹介で、呼んでほしい名前(ニックネーム)を、ひとりずつ言ってもらいました。いちど声を出すことで緊張を和らげる目的も兼ねています。
次に、パソコン上で自己紹介として一場面をつくります。バスケを3年やってきたという男子生徒は、ダンクシュートをきめているところを描きました。キーボードで名前も入力。パソコンが初めてという生徒さんも、操作を覚えどんどんつくっています。画面上で発表したあと、小さく出力して2日目以降の名札にしました。

2日目は、初日の自己紹介で描いた現在の自分の好きなことや得意なことから発展させて、未来へ、自身の将来へと想いを馳せてもらいました。絵で4ページを目安につくります。3日目は、文章を入れて、題名のページを作成。土日のお休みをはさんで、4日目は、仲間からのアドバイスも参考にブラッシュアップ、メッセージページも追加しました。5日目は製本と予備日、最終日は発表です。

ソフトには録音機能もあるのですが、今回のテーマを考えると、「上映会」よりも、自身の声で発表するのがふさわしいと考え、録音は無しとしました。お母さん、妹やお兄ちゃんも見守る中、前へ出てきて発表。要所はポインターで指し示しながら、しっかり伝えます。

放課後デイサービスの先生、洋服のデザイナー、漫画家、ゲームクリエイター、金メダリスト、魚屋さん(釣ってきて料理もする)、電車をキレイにする人、警官、トリマー、カフェ経営、就きたい職業は様々です。
職業ではなく、どんな暮らしをしたいか、例えば、ひとり暮らしをしたい、本のたくさんある生活をしたい、を描いたり。お金を使い切ってしまい労働をしてたくさん稼いで良い暮らしをする、をユーモラスなストーリーにした作品もありました。
どんな人(心)になりたいかを物語にした子もいました。老人に席をゆずってあげられる人になりたいと。
2017年6月5日のカタールと中東諸国の国交断絶で、カタール航空の飛行機が突然飛ばなくなったことが衝撃の記憶として刻まれていて、それを克明に描く作品もありました。

製本した絵本は、お母さんへ贈呈しました。

みんな実に堂々として立派でした。どの発表にも、心からの賞賛の拍手が送られました。
生徒さんたちのこの豊かな発想や素晴らしい力が(従来の方法では)うまく外へ表せないために、知られず、活かされないのは、社会にとってもモッタイナイとつくづく感じます。
絵が得意、文章が得意、ユーモアがある、センスがある、人や事柄への眼差しが優しい、根気強い、エネルギーにあふれてる、それぞれに良い持ち味があります。そこを伸ばしましょう。就労も、既存組織への「就職」ばかりではなく、自身のニッチな得意を活かし、新しい仕事をつくる道もあります。ユニークであることは、これからの時代において強みです。
ご参加くださった生徒さんたちが、ICTを味方につけ、自分の得意を伸ばし、本領発揮して存分に羽ばたくことを願っています。

久元市長も駆けつけてくださり、皆で記念撮影。

「チャレンジド」とは、「障害のある人」を表す新しい米語「the Challenged」を語源とした、プロップ・ステーションが提唱する呼称です。障がいをマイナスとのみ捉えるのでなく、障がいを持つがゆえに体験する様々な事象を自分自身や社会のためにポジティブに生かしていこうという想いが込められています。

ナミねぇのブログでも紹介 >>「ナミねぇのブログ」
新聞記事はこちら>>
社会福祉法人 プロップ・ステーション >>Webサイト

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● 講座で利用したソフト: 「ピッケのつくるプレゼンテーション」
※ 学校向けWindowsソフトです。
● 類似のiPadアプリ: 「ピッケのつくるえほん for iPad 」
※ 個人でも学校でも App Store からダウンロードしてご利用いただけます(600円)。
● 最初のピッケ(Web):「ピッケのおうち」
※ マウス操作のパソコンでのみピッケと遊べます(無料)。プリンタ出力で楽しめる工作コーナーもあります。20年近く前につくったもので、iPadやスマホ上では動作しません。
● ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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