Category: ピッケのつくるえほん

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@芦屋市精道こども園


芦屋市精道こども園の年長さん2クラスの合同で、絵本づくりをしました。

昨日は、保育士の先生方を対象にお話と操作体験の研修をさせていただき、今日はその先生方がファシリテータとして入ってくださいました。

3人一組のチームで、園生活での楽しかったこと嬉しかったことを物語にします。

最近みんなで出かけたという伊丹スカイパーク、夏のプール遊び、遠足で坂すべりをしたこと、運動会でリレーをがんばったこと、竹馬チャレンジなど、楽しさあふれるお話が12作品できました。録音の声も元気いっぱい。

終了後に先生方が、「子どもたちがここまでできることに驚いた。子どもたちの成長が嬉しい」と笑顔で話してくださいました。

近頃は、初等教育のみならず幼児教育でもICT導入のかけ声が高まっています。どうか教育委員会や現場の先生方には、ICT教育を単なる技術の習得ととらえず、子どもが幸せに生きられるよう、遊びと不可分の楽しい「創る」学びとして子どもたちへ届けてほしい、適所にICTを活用してほしいと願います。なかでも幼少期においては、人の礎となる言葉の「創る」である「物語づくり」を、ぜひ体験させてあげてください。
今回、芦屋市子育て推進課よりご依頼いただき、皆さんと協力して子どもたちへ良い場を届けることができました。子育て推進課の皆さんやこども園の先生方も深く理解、共感くださって、とても心強いです。2月には、先生方をサポートする立場でお手伝いさせていただけそうで、今から再訪が楽しみです。

追記)
芦屋市のWebで当日の様子が紹介されました。
>> 精道こども園での絵本づくり(ICTを活用した保育実践)

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おでかけピッケ@大阪府立病院機構大阪母子医療センター


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)保育士の井上さんと鈴木さん、ボランティアの筧さんと一緒に、大阪府立病院機構大阪母子医療センターへ出かけてきました。7回目の訪問です。今回も医療センターで長年活動を続けておられるボランティアグループ、スマイルパンプキンさんにお世話になりました。

4歳の女の子がつくったお話は、妹さんとご飯(カレーライス)を食べておやつを食べて2段ベッドで眠るお話。寝る時間は9時だそうです「おやすみなさい〜」。

録音までできました。

男の子たちも、ヨガでバトルをしたり、おさんぽするお話を、わいわい賑やかに完成。

小児病棟内は、時節柄、ハロウィンの飾り付けがいっぱいでした。

入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。2019年度の「おでかけピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


9月23日(月曜祝日)、豊橋市中央図書館の自主事業として、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって4回目、通算で7回目です。

午前の市営西部住宅、開始時刻になっても誰も来ません。いつも来てくれる3年生女児さえも。伊藤孝良 元図書館長が家まで様子を見に行くと、お母さんが仕事に出かけたので3歳の弟の面倒をみているとのこと。保護者の許可を得て、伊藤さんを真ん中に仲良く3人で手を繋いでやって来てくれました。他へも声がけし、子どもたちどおしの誘い合いで6人となりました。

今回のテーマは「○○のやくそく」。司書の田中さんが「やくそく」(ニコラ・デイビス 文、ローラ・カーリン 絵)を読み聞かせしてくれました。

弟くんも、かえるが飛び跳ねるお話をつくり、録音も「さんさい」「ぴょんぴょん」とお姉ちゃんと一緒にできました。

午後の県営岩田住宅は12人が参加してくれました。岩田での私のいちばんの気がかりは、ブラジルルーツの6歳の女の子。前回初めて日本語に挑戦し全身で喜んでいたのに、きっとがっかりさせてしまうだろうなと。というのは、名古屋大学小川研主催デジタル・ストーリーテリングの前回は、母語できるファシリテータが1人に1人ずつ付いてじっくり聴いて話しながら作れる環境でした。でも予算ゼロの図書館自主事業ではそれは難しいのです。なんとかひとりだけでも母語できるボランティアさんを探せないかと伊藤さんやフロンティアとよはしさんがあたってくださったのですが、大学生は授業、大人は勤務日等で見つけることができず。いつものように自治会の舛木さんが兄妹へ付いて通訳をしてくださいました。毎回必ず手伝ってくださりありがたいです。とはいえ、母語で弾むように1対1でやりとりできた前回とのギャップは大きく、女の子の顔がみるみる曇っていくのがわかります。録音をお兄ちゃんと一緒にしたことで少し元気になってくれて、上映は嬉しそうで、いくらかほっとしました。


10歳のお兄ちゃん(ブラジル人学校に在籍)も母語のみだったお話に日本語も併記し、録音も日本語でがんばりました。

嬉しいことに、女の子は、お兄ちゃんに付いて日本語教室へ通い出したそうです。自分から行きたいと望んで。

家族と一緒に日本へやって来てくれた子どもたちに「日本語できるようになりなさい、覚えなさい」とは言いたくないのです。母国の言葉や文化も大切にしながら、子どもたち自らが、日本語話すのは楽しい、覚えたいと感じてほしい。
そのために私たち大人ができるのは、機会と場を用意すること。今は「人」が足りなくて苦労しています。丁寧に見てあげれたら伸びるだろうという子が眼の前にいるのに手が足りません。もどかしいです。もし豊橋近辺の方で手伝ってくださる方あれば、ぜひお願いします。ポルトガル語かビサヤ語できる人も切望しています。子どもたちの物語が生まれる場に立ち会うのは楽しいですよ。そして、子どもたちから学ぶことも多いです。


豊橋市は、外国籍の子どものために、就学前の保育園(プレスクール)、集住地区の小学校には国際学級(プレクラス)や放課後子ども教室、中学生向け支援校があるなど、他の自治体に比べかなり手厚いです。また、NPOフロンティアとよはし、NPO外国人就労支援センターなど、長年活動を続ける市民団体も複数あります。
国策として外国人労働者の受け入れをすすめているのですから、本来であれば国が率先し手当てすべきところを、受け入れる地方自治体や市民が代わりに担っているのが現状かと思います。国の仕組みが整うのを待つ時間的猶予はありませんし、今後ますます日本の各地で家族とともに来日する外国人が増えてくることでしょう。

子どもは社会の宝です。日本人の子どもであろうと外国籍の子どもであろうと、皆で大切に育てていきたいです。

次回は10月19日土曜日、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です(フロンティアとよはし主催)。翌20日日曜日の午後は、岩田住宅でデジタル・ストーリーテリングのワークショップ(名大小川研主催)の2回目もあります。

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おでかけピッケ@京大附属病院


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)の井上さん(保育士さん)、鈴木さん(保育士さん)、川井さん(自立支援員さん)と、京都大学医学部附属病院へ出かけてきました。プレイルームへは5回目の訪問です。

小児科病棟内に、ピアノや絵本、おもちゃなどがあるプレイルーム(遊戯室)があります。このプレイルームで、ボランティアグループ「にこにこトマト(愛称:にこトマ)」さんが、入院中の子どもたちとご家族に「楽しく豊かな時間」を届けようと活動されています。患児ご家族が個人で始められた活動が基となり25年前に誕生し、今では2代目の代表 高谷さんをはじめ80人ものメンバーで運営されています。4年前はじめて訪問したとき展開図の印刷のために何度も走ってくださった松岡さんも来てくださいました。当時は看護師を目指す学生さんでしたがいよいよ卒業、勤務もこの病院になるそうです。

プレイルームでは、未就学の子どもたちが親子で参加してくれます。付添いのお母さんが患児や家で待つきょうだい児のために作られることもあります。

1歳の男の子は、おにぎりとリンゴの絵カードを小さな手にしっかり握っていました。別の男の子は、とにかく「並べる」のが楽しくて、好きな物をたくさん並べて絵本をつくりました。3歳女の子作「おかおさん」は、顔がいっぱいの6見開きもある長編。お母さんと一緒に録音、製本までがんばりました。


終わり頃に来てくださった付添いのお母さんは、息子さんが好きな汽車で旅するお話「○○(息子さんのお名前)のおでかけ」をわずか15分程で仕上げ、大急ぎで息子さんの待つ病室へ戻って行かれました。

プレイルームにはパソコンもプリンタもないのですが(初期は別フロアの事務所まで出力に走っていました)、今回もにこトマのメンバーの方が私物を手配くださったおかげで、紙の絵本もつくってもらうことができました。

入院中の子どもたちのところへチャイケモの方と一緒に伺います。ご希望ありましたらどうぞご連絡ください。

※ 本活動に、広島の教材販売会社の社長さん(有限会社ワキタ 脇田秀夫様、有限会社ヒロキョー 箱田博司様、有限会社サラダ文教社 皿田弘美様)がチャイケモへ寄付してくださった3台のiPadも活用させていただいております。2019年度の「おでかけピッケ」は、公益財団法人ノエビアグリーン財団の助成を受けています。
チャイルド・ケモ・ハウス(チャイケモ)
2013 年4月神戸に開設された国内初の小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。患児家族らにより設立、運営されている。医師のいる診療所と患児が家族とともに暮らせる住居がひとつの建物内にあり、家族一緒に暮らしながら治療を受けることができる。

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @札幌市中央図書館


8月31日土曜日、札幌市中央図書館でワークショップをしました。
以前、新設されるえほん図書館へのデジタル導入検討の実証実験としてお招き頂いたので(ブログ)、4年ぶり2度目の訪問です。オープンしたえほん図書館にも呼んで頂き(ブログ)、すっかり札幌の図書館に親しみを感じています。

えほん図書館でのワークショップは、その後も何度か図書館の皆さんによって行われ、今夏も私の訪問のちょうど1週間前に、未就学児親子を対象に実施されたそうです。
一方、今回の中央図書館での参加対象は小学3~6年生。低学年を含まない高学年のみはピッケのワークショップでは珍しく、せっかくなので、お題を出してみることにしました。「別世界へ行って帰ってくるお話」。移動や転換のきっかけを何にするかも肝です。
導入として、司書さんに用意して頂いた同じ組み立ての本や絵本を何冊か紹介しました。子どもたちがよく知っていたのは「おしいれのぼうけん」。あらすじも語ってくれました。

それぞれ着想が面白くて、お話を読むだけで、海や山、宇宙、ミクロの世界、雪だるまの国、時空のゆがみの中(?)、といろんな世界へ連れて行ってもらえます。

別世界へワープするきっかけも、花火の音、リンゴを食べたら、風船に運ばれて、マラカスを鳴らすと、虹を渡ると、本を開くと・・・など様々です。
太鼓を叩くと世界が逆さになったり、カスタネットを踏んだら額の中から雪だるまが出てきたり。箪笥に入って運ばれちゃうネコの話もありました。

思い思いの場所で録音をして

製本

さいごに、上映会もしました。

作品をいくつか紹介しますね。

4,5歳の子どもたちの語る物語世界も大好きですし、今回のような小学校高学年の物語も実に面白いです。柔らかい発想力を残しつつ、読み手を意識した物語を紡ぐ力もついてくる年頃で、読み応えのあるお話ばかりでした。
楽しかった~。参加してくれた子どもたち、お世話になった図書館の皆さん、ありがとうございました!

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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


8月24日土曜日、豊橋市中央図書館の自主事業として、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって3回目、通算で6回目です。

テーマは「○○のひみつ」。いつものように伊藤孝良 元図書館長の読み聞かせからスタート。司書の田中さんが揃えてくださった「ひみつ」絵本の中から、難易度や長さを考慮して「シロクマくんのひみつ」を。ここから着想を得た作品もありました。

小2女児は「おねえちゃんのひみつ」、友だちの家へ行くと偽って、弟の好きなオモチャを買いに出かけプレゼント。「どうぞ」「ありがと」。
小2男児は「おぉきなはんばーがー」、ドアの向こうに隠してあった巨大ハンバーガー(まあくんの大きさと比べてみてください↓ )。裏表紙では「あうっ!」とかぶりつく音を録りました。上手いです。

テキストも録音も母語のみになっている子について、キーワードだけでも日本語に挑戦してもらおう、というのが、今回の密かな目標でした。
継続参加してくれている10歳と6歳の兄妹は、お兄ちゃんはブラジル人学校、妹さんは未就園、家庭でも母語のみです。ふたりとも日本語はほとんど解さないので、いつも自治会の舛木さんの通訳に頼っています。今回お兄ちゃんがつくったのは「うっきーのドーナツ」。完成したポルトガル語のお話に、要所のみですが日本語も併記、録音も部分的に日本語でがんばりました。
美味しそうなまんねんさんのドーナツ。でも「食べないで!」。なぜなら、食べると小さくなってしまうのです。

過去2回は録音をしなかった6歳の妹さんも、母語ではあるものの初めて録音までできました。上映時も嬉しそう。

生まれるお話は基本的にはフィクションですが、実生活や本人の心情が覗き見えてくることもあります。

「あめのひのひみつ」3年生女児 (全9見開きからの抜粋)
雨がほんとは嫌いなのに、友だちに合わせて「ぼくも好き」と言ってしまった。「ごめんなさい、許して」と謝るが「考えとくね」と言われてしまう。裏表紙は「許してくれるかなぁ」。

毎回「(録音の再生ではなく)自分の声で発表したい」という4年生女児。今回もその姿勢を貫きライブで立派に発表しました。

午後の県営岩田住宅は、開始時刻の30分も前から集まってきてくれました。一方、午前の市営西部住宅は、今回も家庭教師状態。いちど途切れてしまった状態からどう立ち直すかは課題です。

翌25日は、名古屋大学大学院小川明子研究室によるデジタル・ストーリーテリング「メディア・コンテ」。初の試みです。通常は写真やビデオでするところを、今回はピッケで。場所は前日と同じ県営岩田住宅の集会所。前日も参加してくれた子が3人、はじめて来てくれた子が3人。
外国ルーツの方がファシリテータとなり、子ども1人に1人ずつ付きました。
お題カードをきっかけに話しつつ、その子の中の関心事を浮き彫りに。

そうして見つかった「話の種」からお話を紡ぎます。なので、いつものピッケとは異なりノンフィクションとなります。
私は、フィリピンルーツの4年生男児を担当しました。日本に来て未だ2年とのこと。他のファシリテータは母語と日本語ができるのに、私は日本語のみゆえ申し訳ない。通じない単語は、お互い絵に描いたりしながら。放課後の校庭でするバスケットボールが好き。回転ジャングルジムがあるK公園より、大勢の友だちと鬼ごっこができるT公園の方が好き、たとえお母さんの言いつけに背くことになろうとも。公園も学校も友だちがいっぱいいるから楽しい。ということで、題名は「ともだちいっぱい!」。

これまで母語のみになっていた前述のブラジルルーツの兄妹が、自らすすんで、文章も録音もすべて日本語でつくりました。
10歳のお兄ちゃんは、柔術で金メダルをとるおはなし。時々お手伝いしてくださるブラジルルーツの青年ブルーノさんが付いてくれました。
6歳の妹さんは、最初は日本語は無理と言っていたけれど、途中で「日本語で書きたい」と自分から申し出たそう。日本語をがんばったことを、小川明子先生にほめてもらったことが嬉しくて、そのことをお話にしました。作中、先生と手を繋いでいて、裏表紙では「せんせいだいすき!」。

初の日本語絵本を完成させた後も、もっと書きたくなって、お手本をなぞり書きしていました。

付いてくださったブラジルルーツの川崎さんは、ロールモデルとして語っていただく役割でお願いしたのですが、ファシリテータとしても抜群でした。小川さんも、明るく快活な全体進行をしつつ、子どもたちをどんどんほめます。おふたりとも、子どもの気持ちに寄り沿い、やる気を引き出してくれました。母語できるファシリテータは重要です。

この兄妹のことが、ずっと心にかかっていました。
母語のみになっている他の子たちは、岩田小学校へ通っているので、学校では日本語を使っているし、仲良しの同級生がいて、まだなんとかなります。しかし、この兄妹は学校もブラジル人学校なので(妹さんの進路は未定)兄妹で閉じてしまいがちですし、日本語を使う機会もほとんど無くて、はたしてどうやって日本語に親しんでもらおうかと。それが、小川さんや川崎さんのおかげで、日本語で書きたい気持ちと弾ける笑顔が引き出され、できた喜びに満ち溢れていました。ほんとによかった、私も嬉しい!

デジタル・ストーリーテリング「メディア・コンテ」(名古屋大学小川研主催)は、今年度あと2回開催の予定です。
定例ピッケの次回は9月23日(月曜、祝日)、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です。

きょうだい児さんたちとピッケ@チャイルド・ケモ・ハウス


チャイルド・ケモ・ハウス(愛称:チャイケモ)さんと小児病院を訪問する「おでかけピッケ」、スタートから6年あまりが経ちました。院内学級で実施の際は、初等部や中等部の子どもたちが対象となります。一方、京大病院や大阪府母子センターなどのプレイルームへ出かけると、小さい子どもたちに混じって、付添いのお母さんたちが、家で待つきょうだい児(闘病中の子どもたちの兄弟姉妹)のために夢中で絵本をつくる姿によく出会います。

8月3日土曜日、チャイケモで、きょうだい児対象の絵本づくりワークショップをしてきました。週末の一時滞在でご家族と一緒にハウスで過ごす患児さんも、体調をみながら参加してくれました。

ハウス中央に位置する広いプレイルームでは、きょうだい児さんお父さんお母さんたちが、絵本づくりを楽しまれました。ご家族ごとの小さな輪が、自然に生まれます。
感染が心配な患児さんは、それぞれハウス内の別のスペースで。チャイケモ職員の自立支援員さん、保育士さん、看護師さんに加え、ボランティアの皆さんも入ってくださったおかげで、万全の布陣でのぞめました。

プレイルームから見上げる大きな天窓には涼しげな水面のディスプレイ。夜は神戸の花火大会でした。

できあがった絵本を、それぞれの大切な兄弟姉妹や家族へ届けることができますように。

チャイケモのFacebookページ>>

「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@豊橋


7月20日土曜日、豊橋市中央図書館の自主事業として、外国ルーツのご家族が多く暮らす地区へ出かけてきました。今年度になって2回目、通算で5回目です。

前回6月8日には参加者ゼロだった午前の市営西部住宅は今回3人。ひとりは初参加。午後の県営岩田住宅は前回5人が今回は9人に。とはいえ、開始時間までに来てくれたリピーターは4人で、あとは外でサッカーしていた男児3人とバレーボールしていた女児2人への声がけです。3か月のブランクの後は、またイチから気長にぼちぼちという感じです。

今回のテーマは「○○のたからもの」としました。伊藤孝良元館長による読み聞かせは「うずらちゃんのたからもの」、司書の田中さんがテーマに合わせて用意してくださった絵本です。ちなみに、豊橋市はうずら卵の生産量日本一なのだそうです。成鳥を見たことがある子も何人かいますし、親しみを感じるようでした。

母語で生活し学校もブラジル人学校の兄妹、参加は3回目。いつも自治会の舛木さんが通訳についてくださいます。サッカー少年の3人も日本語は不得手で、ポルトガル語の絵本になりました。内ひとりはまだ日本へ来て日が浅く、見学を希望。少しやりかけてはみたけれど、途中で止めてしまいました。でも帰ってはしまわず最後まで参加していたので、もし次も来てくれたら、母語でかまわないので1作つくれるよう、丁寧にみてあげたいです。

6年生のふたりは、お昼ごはんを食べに戻ってから(ということが、ここではよくあります)30分遅れての参加。ふたりとも「家族が宝物」という絵本を完成させました。日本語に加えて、お母さんも読めるようにしたいからとタガログ語も併記しています。

母語のみの絵本になっている子に対しては、無理強いはしないけれど、その子にとっての良い時期に、キーワードだけでも日本語を入れるとしたいところです。放課後子ども教室や、参加者が少なかった前回はかろうじてできたのですが、今回は図書館の多忙期でもあり午後は私たちボランティアのみでの実施。手が足りず、細かな個別対応まではできませんでした。

さいごの発表会で、前へ出て自分で発表したいという申し出が、前回も今回もありました。10年以上ピッケのワークショプをしてきた中で、録音の再生ではなく自分の声で発表したいと子どもの側から申し出があったのは、この豊橋の外国ルーツの子どもたちだけです。しかも実に楽しそうに発表するのです。それを冷かしたり揶揄する声もおきません。自作の上映が始まると恥ずかしくて丸まってる子もいるし、自分で発表したい!という子もいる。どちらへも拍手。とてもいいなーと思います。

やんちゃな一群がいる一方、日本の同年代の子に比べて、とてもしっかり考えている子が何人かいます。名大の留学生 李さんが、参加の子どもたちにインタビューをしているのですが、それによると、彼女たちは、例えば食事の時間に家族でよく話し合うのだそうです。両親も今日仕事でこんなことがあった、子どもたちも学校でこんなことがあった、と家族全員がそれぞれ、良かったことも失敗したことも含めてたくさん話すそうです。日本では、食卓での会話といえば話すのはもっぱら子どもで、親が日々の仕事の話を子どもにするなどあまりなく、ずいぶん違うなと感じます。そういった環境が、自分の役目を果たそうとか、進学しようとか、両親への深い感謝といった心のもちようを育てる要因のひとつになっているのかもしれません。

初参加の子も、完成した絵本を大事に持ち帰りました。

次回は8月24日土曜日、午前は西部住宅、午後は岩田住宅です。翌25日日曜日の午後は「夏休みスペシャル!」として、岩田住宅でデジタル・ストーリーテリングのワークショップもします。

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放課後子ども教室でピッケ@豊橋市立岩田小学校


外国ルーツの児童対象放課後子ども教室で絵本づくりをお手伝いしてきました。豊橋市中央図書館のアウトリーチです。

短い日本語の入力に挑戦。なぜだかカタカナで入力したい子が多くて、「オウチヘカエリタイ」までもがカタカナ。土曜は集住地区で今年度2回目のワークショップします。

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女子大でゲスト講義


7月9日。相模女子大学 子ども教育学科(七海陽先生)3年生の授業でゲスト講義させていただきました。

保育士、幼稚園教諭をめざす学生さんたちです。社会人聴講生の方もおひとり。
子ども教育学科では、「ピッケのつくるえほん」iPad版リリース当初から、かれこれ7年間、3年生の授業として絵本を作ってくれています。

帰路、七海先生から速報メッセージ「(受講した)学生が『魂が震えた』と」。大げさであったとしても嬉しいです。制作中の絵本も、まもなくできあがるとのこと。完成作品を見るのが楽しみ!

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