Category: ピッケのつくるえほん

「ピッケのつくるえほん」in English @大井町


” PeKay in English “、ピッケの英語絵本づくりを、大人対象の研修会、子ども対象のワークショップとして、ハビック真由香さん(株式会社 MH International education 代表)と実施しました。テーマは “Where do you want to go?”。自分の声で録音するデジタル絵本と紙の絵本の両方をつくりました。

午前中は大人対象。小学生対象ワークショップと同内容を、指導ポイントの解説を交えながら体験いただきます。英語のお教室をなさっている方のみならず、教員をめざしている学生さんもご参加くださいました。
発音とリズムを大事にするハビックさんのリードで、チャンツのリズムにのって歌うように英語を話します。

思い思いに、自分の出かけたい一場面をつくり、表現したい内容の英文をハビックさんに相談しながら仕上げていきます。

午後は子どもたち。親子でご参加いただきました。

子どもたちの早いこと。あっという間に絵を仕上げ、英語の録音も、見本を何度も聞きながら、どんどん進めていきます。

録音、絵本の製本、発表会までたっぷり2時間半、自由につくり話す英語を楽しみました。

共催くださった株式会社イマージュさんの新しい学びの場「Playful Learning Center 大井町」を、なんとこけら落としとして利用させていただきました。前夜、iPad等の設定に伺った時には最終仕上げ中。朝来てみると、魔法のように片付きクリーニングも完了、プリンタもプロジェクタも全て接続動作テストまで済ませてくださっていて感激でした。渡邊くみ子さん、鎌苅さん、ありがとうございました。

イマージュさんは、この大井町の他に、六本木ヒルズ、ららぽーと富士見、千歳船橋など首都圏の各地でレゴスクールを運営なさっています(レゴスクール大井町のお教室は、今回お借りした会場と同じビルの1階)。「プログラミング スペシャル キャンプ」も大人気です。詳しくはこちら>>

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
※ iPadの言語設定が日本語のときは日本語版に、日本語以外の設定にすれば英語版 ” PeKay’s Little Author “になります。またiPadのキーボードの言語設定を変えていただくことで、お好きな国の言語で絵本がつくれます。
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ @ナレッジキャピタル(大阪)


7月さいごの週末、大阪市図書館さん、DNPさんとのコラボでワークショップをしました。ナレッジキャピタルが、学校や家庭以外の第三の学びの場として活用されることをめざし定期開催されているワークショップフェスの一環です。
当日は、ナレッジキャピタルに参画する大学や企業による様々なプログラムで大賑わいでした。

2日間ピッケの会場となったACTIVE Studioは、外の喧騒から隔てられた独立空間です。3年前にも使わせていただきました。

図書館さんによる絵本の読み聞かせから始まります。

続いて、ピッケの絵本づくり。小学1年生~4年生に加えて、付き添いで来ていた3歳の子も参加しました。

画面上でキャラクタやアイテムを並べてお話をつくります。図書館の皆さんもファシリテートに入ってくださいました。

録音。ボタン操作は、保護者の方にもお手伝いいただきました。

各人で製本をして

紙の絵本のできあがり。

発表会。

ピッケの絵本づくりワークショップの後は、別プログラムとして、ARを活用したアートタイムトリップワークショップも開催されました。

図書館さん、DNPさんとのコラボは、3年前の、子どもたちが未来の図書館を考えるワークショップから始まりました。その1年後、図書館にデジタルを導入するかの実証実験としてお招きいただき、さらに翌年、新設されたえほん図書館に講師としてお招きいただきました。
子どもたちに、絵本を読む/読んでもらう楽しさに加えて、自身で物語をつくり語る楽しさを届けたいです。図書館が、これまでの役割からさらに進んで、想像し創造できる場に、そして、地域の多世代多様な人が集い繋がる拠点になることを願っています。ピッケでお手伝いできれば幸せです。

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
最初のピッケ:「ピッケのおうち」15年以上昔につくったもので、iPadやスマホ上では動作しません。マウス操作のパソコンでのみピッケと遊べます。
ピッケに関するお知らせやレポート:  Facebookページ「ピッケ」
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3つの大学でゲスト講義


ここ1週間ほど、高校および3つの大学でゲスト講義が続きました。
愛知淑徳大学 人間情報学部(佐藤朝美先生)では、アプリ開発をなさる学生さんを対象に、ピッケをデザインの視点から語りました。

事前のオーダーは「学生さんたちが開発する際、自己満足や自己実現の閉じたものにとどまらずに、社会へ眼を向け、子どもを育む環境をつくる担い手となる意識をもてるように」とのこと。それを受けて、活動の動機やねらいに加え、次のように話しました。「ピッケのアプローチは、先にITありきではない。実現したいこと → そのための活動デザイン → ITが『創る』をエンパワーしてくれるので適所に取り入れる」この順序が逆さになっている事例を時折みかけるもので、今さらとは思いつつ。
あとは実践面。開発したアプリを、頭を初期化して、使う人目線で試すこと、日頃の生活の中でもデザインの眼や心を鍛えることできますよ、といった話をしました。

続く2校では、教育の視点から話しました。
青山学院大学 教育人間科学部3年生ゼミ(杉本卓先生)でのゲスト講義は、ありがたいことに今回で5回目です。ピッケが入ったiPad mini 30台が導入されているので、1人1台環境で実際に作ってもらえます。 >> 昨年の授業風景(学研キッズネット取材記事)
昨年は全員女子学生さんでしたが、今年は男子学生が4割ほど。子どものアクションを引き出す絵本を作ってもらいました。

相模女子大学 子ども教育学科(七海陽先生)は、大半が将来、保育士や幼稚園教諭になる学生さんです。すでに授業でピッケ絵本を作成しているので、90分フルを未就学児の話題を中心とした講話にしました。子どもの物語世界の豊かさや、年齢別の作品から読み取る子どもの発達を、movieを交えながら紹介しました。

学生さんたちと話すことは新鮮で楽しく、ピッケを複数の切り口(社会の中のデザインだったり、教育だったり)から客観視して言語化することは、私にとっても学びとなります。

さて、ゲスト講義ウィークを終え、次は子どもたちとの絵本づくり!
公募のある夏休みワークショプの予定はこちらです。

2017夏休みのピッケ


もうすぐ夏休み。
ピッケと一緒に出かけます。(写真は昨年の経産省「子どもデー」)

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○ 7月26日(水)@らるご総合教育スクール(愛知県豊橋市)
発達に困りごとのあるお子さんもどうぞご参加ください。
事前申込み要。
詳細>>

○ 7月29日(土)30(日)@大阪梅田ナレッジキャピタル
DNPさん、大阪市立図書館さんとのコラボワークショップ
詳細>>

○ 8月2日(水)3日(木)@経産省(東京 霞が関)
経産省「子どもデー」にお招きいただきました。今年で4年目です。
事前申込み要。抽選。参加無料。
詳細>>
3つタブが並んでいる内の真ん中「事前申込が必要」を選んでください。

○ 8月4日(金)@Playful Learning Center 大井町(東京)
午前は、PeKay in English 指導者向け 英語教育の研修会。ハビック真由香さんと。同日午後の小学生対象ワークショップと同内容を、指導ポイントの解説を交えながら実際に体験いただきます。
事前申込み要。先着順。
詳細>>

○ 8月4日(金)@Playful Learning Center 大井町(東京)
午後は、PeKay in English 子ども向け 英語えほんづくりワークショップ。ハビック真由香さんと。
事前申込み要。先着順。
詳細>>

○ 8月18日(金)21(月)22(火)23(水)@プロップ・ステーション(神戸)
中学、高校世代のチャレンジド(障がいをお持ちの方)対象 全6日間の連続講座の内、前半4日間を受け持ちます。将来の夢や目標を、物語のプレゼンテーションで家族や友だちに伝えましょう。
事前申込み要。抽選。参加無料。
詳細>>

※ プロップ・ステーションさんとの講習会のみ、Winソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」、他はiPadアプリ「ピッケのつくるえほん」を利用します。

( 豊橋市こども未来館ここにこでの開催は、今年は9月9日です。)
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他にも参加者公募のないワークショップがいくつか。
今週~来週は、名古屋と首都圏へ、大学や高校でのゲスト講義に出かけます。
各地で子どもたちやなつかしい人たちにお会いできることが楽しみです!

ピッケと一緒に楽しい学び(小学校編)


子どもたちに、創造表現活動、なかでも言葉と物語の「創る」喜びを届けたくて、ピッケをつくりました。自らの内発的動機で取り組むオープンエンドな「創る」活動には、あらゆる学びがつまっています。

ピッケを活用した 小学校での学びのモデルをご紹介します。
Windows環境 では「ピッケのつくるプレゼンテーション」をご利用ください。

17-06-26ピッケで楽しい学び@小学校_ページ_1

1年生では、生活知に近い物語づくりから始めましょう。楽しい学びの副次的効果として、言語能力、思考力・判断力・表現力が育成されます。
副教材として、Webサイト「ピッケのおうち」の紙工作や、NHK Eテレ「てれび絵本」でOAされた「ピッケとがーこ」シリーズもご利用いただけます。
17-06-26ピッケで楽しい学び@小学校_ページ_3s
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高学年になれば、調べ学習の発表に利用できます。
プログラミングは、抽象的思考力が育つ3年生くらいから。Scratchでピッケを使えます。
英語の学習にも有効です。例えば、日本語と概念の異なる前置詞は、絵での理解が早いです。先生がオリジナル教材を作ってもよいですし、児童が問題をつくり互いに解くのも楽しい学びです。

「ピッケのつくるプレゼンテーション」の作例をブログで紹介しています。こちら>>

iOS環境 でも、ほぼ同様にできます。「ピッケのつくるえほん for iPad」をご利用ください。プログラミングiPadアプリは、Pyonkeeになります。

17-06-26ピッケで楽しい学び@小学校_ページ_2

2009年2学期、立命館小学校1年生のロボティクス科でピッケを活用した授業が行われました。40分×13コマを、以下の3つのテーマに分けてデザインなさっていました。

前半) ものがうごくしくみ ~映像編~
 「ピッケのペパドルアニメーション制作」
中盤) 特別授業 物語をつくる
 「ピッケのつくるえほん」
後半) ものがうごくしくみ ~コンピュータ&モーター編~
 「クリケットを使ってピッケの『リズムのもり』の世界を表現しよう」

もう8年も前ですが、世界観をもった横断型カリキュラムデザインの参考になると思うので紹介します。

オープンエンドな「創る」活動は、自分で課題を見つけ工夫し解決へ向けて試行錯誤する自走式学習者を育てます。この時、しっかりした母国語の基盤の上でこそ、プログラミング教育や外国語教育が活きます。
カリキュラムをデザインする際には、先にICTありきではなく、子どもの発達段階に沿った「創る」で組み立てましょう。ICTは、発想を促し試行錯誤がとことんでき、共有や発信も得意ですので、一連の「創る」学びの適所に取り入れると効果的です。
ピッケをメディア(媒体)にした 物語づくりを核とする「創る」は、楽しい学びです。楽しい学びは身につきます。ぜひ子どもたちと体験してみてください。

学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション」は、フル機能を試していただけるライセンスキーを発行できます。問い合わせフォームよりご連絡ください。

PyonkeeやScratchでピッケを利用する方法は、ひとつ前のブログ記事をご覧ください。
YouTube に、子どもたち作のデジタル絵本作品をアップしています。再生リスト「小学生作の作品」

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学校向けWindowsソフト「ピッケのつくるプレゼンテーション:http://www.pekay.jp/pkp/
iPadアプリ「ピッケのつくるえほん for iPad」:http://www.pekay.jp/pkla/ipad
副教材としても活用できるWebサイト「ピッケのおうち」:http://www.pekay.jp/house/ ※ パソコン上でのみ動作
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デジタルえほんアワード デジタル教材賞 準グランプリ受賞


「ピッケのつくるえほん for iPad」が、第5回デジタルえほんアワード デジタル教材賞 準グランプリを受賞しました。
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これまで応援してくださった皆さん、いつもピッケと遊んでくれる子どもたち、ありがとうございました。

表彰式の会場は、5年前BEATセミナー「子どもとデジタル絵本」で登壇した同じ東大情報学環福武ホールでした。ワークショップも10回近くしていて、ピッケにとって思い出深い場所です。

未だパソコン版だった頃の記録movie(2009年1月@情報学環福武ホール):

ピッケをつくり始めてそろそろ17年、子どもたちとの絵本づくりも10年近くになります。これからも、お話をつくる楽しさを子どもたちへ届けます。

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受賞アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
最初のピッケ:「ピッケのおうち」15年以上昔につくったもので、iPadやスマホ上では動作しません。マウス操作のパソコンでのみピッケと遊べます。
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@森のアトリエ(神戸市)


GWの最終日、「森のアトリエ」(アトリエ空一級建築士事務所)開放日にあわせ、ピッケの絵本づくりをしました。
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最初にやってきたのは、お父さんに連れられて9歳と6歳の姉妹です。お母さんに贈る絵本を作りました。隣では、大人の女性が、こちらもお母さんに贈る絵本をつくっています。
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妹さんの作品「みんなはなにをしてるかな?」に姉妹で録音中。

こちらが完成作品。
「みんなはなにをしているかな?」こゆきちゃん(6歳)

「ともだちいっぱいたのしいな」こはなちゃん(9歳)

紙の絵本もできました。
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続いてやってきた4歳の男の子は、赤ちゃん(妹さん)のための絵本をつくりました。

新緑に包まれ、お茶飲みながら三々五々ゆるゆると。
のんびり幸せな1日でした。

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使用アプリ:  ピッケのつくるえほん for iPad
最初のピッケ:「ピッケのおうち」15年以上昔につくったもので、iPadやスマホ上では動作しません。マウス操作のパソコンでのみピッケと遊べます。
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「ピッケのつくるえほん」でおはなしづくり@せんりひじり幼稚園


3月24日、大阪府豊中市にあるせんりひじり幼稚園へ出かけてきました。
副園長のかえで先生と一緒に、言葉と物語に関わる「創る」遊びをしています。(1回目は帽子づくり、2回目はおはなし絵カードを使ったお話づくり)
卒園する年長さん8人とのさいごとなる今回は、ピッケの絵本づくりをしました。

場所は図書室です。(園の中、どこでも自由に使ってよいのです!)
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1時間半くらいのつもりでスタート。
最初に絵本の話を少しして、皆の親しんでいる絵本にはそれぞれ「作った人」がいることを知ってもらいました。
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使い方を説明しながら、顔の表情やポーズを変えてみせると、「おもしろい」「やりたーい」と既につくる気まんまんです。贈る相手もすぐに決まり、さっそく作り始めました。
せんりひじりの子たちはとても元気で、しかも自分たちのホームグラウンドで迎えるわけですから、最初からかなりのハイテンション、とても賑やかです。それが、つくり始めると、さっきまで走り回っていた子もみるみる夢中になって取り組んでいます。
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4見開きということで始めたのですが、「もっと作りたい!」という子が続出して、8人の内6人もが9見開き以上の大作をつくりました。
お話が長くなると録音もその分時間がかかってしまうので、通常のワークショップでしたら、予定時間内でおさめるために見開きの上限数を決めます。ここでは、臨機応変、発表会もできればするししなくてもいい、すべて、子どもたちの様子次第ゆるやかでよいので、思いのままにつくってもらいました。
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おやつの時間になっても「おやつ(あとで)いい」と、つくり続けています。
続いて録音をします。6歳児には自分でボタンを押しながらの操作は難しいので、お話をつくっている子の見守りはかえで先生にお任せして、できた子から順番に録音を手伝うことにしました。

Aちゃんの録音のとき、早く録音を終えたBちゃんが手伝ってあげました。ふたりで相談して、A:「ふたりは早起きで起きました」B:「おはよう!」という要領です。
これが気に入ったようで、Bちゃんが、自分の録音もやり直したいと言い始めました。気持ちわかります。でも「録音を未だ1回もしていない子がいるから待ってね」と言うと、理解してくれて、全員が終わるまで辛抱強く(でもずいぶんと待ち遠しそうな様子で)待ってくれました。そして、あらたに録音する子には、手伝ってほしいかを尋ねて、「いい」(断りの意)と言われれば、また図書室の中でグルグルしながら待ちます。

皆の録音が終わったので、ようやくBちゃんの番になりました。さっき手伝ってあげたAちゃんに加えて、Cちゃんも手伝うと申し出てくれて、3人で録音することになりました。Bちゃんが、セリフを考えて割り振りを決めて合図を出します。B:「はじめてともだちになりました」A:「はじめまして」C:「はじめまして」
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3人とも調子があがってきて、楽しくてしかたなくて、ぴょんぴょん飛び跳ねています。セリフを言うときだけは(音が入るので)跳ぶのを我慢。
「に・じ・き・れ・い・だ・ね」と1音ずつをAちゃん、Bちゃん、Cちゃんで順番に言うアイディアも思いついて、早速やってみます。
嬉しさ余ったAちゃんが、ひと場面録音できるたびに、図書室の中をぐるっと走りに行ってしまいます。それを2人が笑って待っています。面白くて楽しくて、終始3人でころころ笑いころげながら録音していました。
裏表紙は、「おしまい」は言いたくないそうで、元気な声をそろえて「行ってきます!」でした。

さて、おやつの時間をとうに過ぎて、お迎えのご父兄がいらしたところで、ようやくお開き。2時間40分もつくっていました。

子どもたちとさよならしてから、別室にあるプリンタで、かえで先生と印刷。できれば、後日になっても子どもたちに自身で製本までしてほしいところですが、登園日がもう翌日1日しかなく、その時間もとれないだろうということで、代わってふたりでせっせと製本しました。
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せんりひじり幼稚園では、ちょっとくらいお行儀が悪くたってOK、思いっきり子どもたちを遊ばせています。本気の遊びの中に深い学びがあるというのは、私も常々感じていることで、とても共感します。子どもたちも真剣に遊んでいて、かえで先生をはじめ先生方も、子どもがしたいことを存分にできる環境をできる限り整え、信じて任せるという姿勢に徹しておられます。
年数回、こうしてせんりひじり幼稚園の子どもたちと遊べることは幸せで、次は何して遊ぼうと思いを巡らせるのがとても楽しみです。

せんりひじり幼稚園の教育理念がよくわかる本:
「子どもに至る: 保育者主導保育からのビフォー&アフターと同僚性」
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「ピッケのつくるえほん」ワークショップ@札幌市えほん図書館(北海道)


3月19日日曜、昨年11月にオープンした札幌市えほん図書館でワークショップをしました。
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この図書館の新設にあたり、デジタル導入を検討する実証実験として札幌市中央図書館へお招きいただきワークショップをしたのは、おととし6月のことです。
どんな図書館になったのだろう、わくわくした気持ちで1年半ぶりの札幌へと向かいました。

えほん図書館は、地下鉄白石駅に直結の白石区複合庁舎の最上階にあります。
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その名のとおり絵本専門の図書館で、蔵書数は当初は15000冊、ゆくゆくは2万冊程になるそうです。デジタル絵本などのデジタルコンテンツも利用できます。
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館所有のiPadが3台あり「ピッケのつくるえほん」も入っています。

午前9時開館で、朝から親子連れでにぎわっていました。
陽が射しこみ床も書架も白木で全体に明るく、書架の高さが低く揃えてあるので見通しがよく広く感じます。入ってすぐのあかちゃん絵本のコーナーは、靴を脱いで入る丸く囲まれたスペースです。奥のテラス側にも、読み聞かせできるコーナーと木製家具でおままごとを楽しめるカーペット敷きコーナーが設けられていました。
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子ども用トイレ、多目的トイレや授乳室、水飲み場もあります。
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おはなし会などに使う「おひさま」「おつきさま」と名付けられた部屋があり、ピッケは、前日の事前講習会、日曜のワークショップとも、「おつきさま」を利用させていただきました。

さて当日。午前は4~6歳の親子、午後は小学1~4年生の子どもたちが参加してくれました。

絵本のお話を少しして、贈る相手を決めてつくり始めます。8人中6人はママへプレゼント、他は、妹へとパパへがそれぞれひとりずつでした。
未就学児の回は、保護者の方もお子さんの隣に座っていただいて、録音や文字入力の操作を必要に応じてお手伝いいただきます。でも実はこれは表向きの理由で、お話が生まれるその瞬間に立ちあわせてあげたいのです。皆さん一様に、お子さんの語る物語に驚かれます。ただし、くれぐれもお話づくりには口を挟まぬよう、良い聴き手であるようお願いしています。
4歳の女の子が、次々浮かぶお話をおしゃべりしています。お母さんは手を出さずにこやかに聞いていらして、女の子はますます自由に楽しんでいました。写真は録音中の様子です。
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続いて、印刷した展開図を製本しました。大好きな車がいっぱい登場するお気に入りの一冊ができました。4歳男の子。
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発表会。自分の作品が上映される時は、嬉しくて、でもちょっと照れくさい様子です。
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兄(6歳)と妹さん(4歳)は大の仲良し。お兄ちゃんは妹へ贈る絵本をつくりました。
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午後の小学生の回は、ご父兄の方には後部席から見学いただきました。録音時のみ、子どもたちからの希望があれば声の出演をしてもらいます。
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午前とは異なり、制作中はしーんと静かになりました。
IMG1703Sapporo_小学生回s

実証実験をするなど、数年をかけてじっくり検討し生まれた新しい図書館は、従来の、子どもたちが絵本を読む/読んでもらうことに加えて、想像+創造できることも志向する図書館となっていました。
とはいえ、創作できる場を平素から用意することは、通常業務だけでも多忙な、限られた人数の職員の方だけでは、なかなか難しいことでしょう。図書館が地域の核となり、地域の皆さんが気軽に集い、その中で子どもたちを見守ることができれば理想的です。
ピッケに限っていえば、見守る大人がひとり居てくれれば、操作方法等は子どもたちの教え合いで習得できることでしょう。もしまたいつか伺える機会がありましたら、子どもたちを支えるサポータを育てることもお手伝いさせてほしいと願っています。
デジタルも取り入れたこんなに素敵なえほん図書館ができて、そこでピッケも使っていただけるなんて、夢のようです。ありがとうございます。札幌がひょいと行ける距離でしたら、ときどきお手伝いに行きたい気持ちです。

自作のいちばんお気に入りの場面を開いた絵本作家さん8人。
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子どもたちの作品をmovieでご覧いただけます。
午前回(4~6歳)8作品

午後回(小学1~4年生)8作品

※ 8作品が順番に自動再生されます。うまく連続再生されない場合は、直接YouTubeの再生リストから個々の作品をご覧ください。
  午前回(4~6歳)の再生リスト 午後回(小学1~4年生)の再生リスト

写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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最初のピッケ:「ピッケのおうち」15年以上昔につくったもので、iPadやスマホ上では動作しません。マウス操作のパソコンでのみピッケと遊べます。
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「デジタルで創ろう!」キッズワークショップとシンポジウム in 豊橋@こども未来館ここにこ


2月11日、12日、こども未来館ここにこ(愛知県)で、豊橋市制施行110周年記念事業市民提案イベントとして「デジタルで創ろう!キッズワークショップとシンポジウム in 豊橋」(主催:らるご子ども教育研究所、共催:豊橋市、後援:豊橋市教育委員会)が開催されました。

子どもたちの生活にスマホやタブレットが急速に普及しています。ゲームで遊んだりムービーを見るなど消費者としての利用が多い中、デジタルで創ることの楽しさや拡がる可能性を伝えたくて、ゲームや絵本をつくる子ども向けワークショップと大人を対象にしたシンポジウムを実施しました。

初日午前はピッケの絵本づくりワークショップ、ここにこでのピッケは今回で5回目です。リピーターの兄妹は、おばっちシリーズの続編「おばっちの大冒険」をつくってくれました。
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6歳女の子作の物語は夜の光景から始まります。
きょうの動物園はもうおしまい。だんだん暗くなってきました。 (中略)
朝おきたら動物園はまっ白。みんなで雪合戦をしてあそびました。
IMG_作品_ゆきのひのどうぶつえん_ゆずきちゃん
録音をしてデジタル絵本、印刷して紙の絵本をつくり、さいごはデジタル絵本を上映しました。

午後は教育関係者や子どもの保護者を対象にシンポジウムを行いました。デジタルメディアを活用した創造表現活動による学びの方法や意味について共に考える場です。
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第一部は、佐野真一郎先生(豊橋創造大学)による司会進行のもと、プログラミング教育の第一人者である阿部和広先生(青山学院大学)、ピッケの開発者として朝倉、幼児×デジタルメディアの先駆的研究者である佐藤朝美先生(愛知淑徳大学)が登壇しました。
まず阿部先生から、プログラミング教育の最新動向についての解説があり、プログラミングは新しい表現手段、新しい学びとなり得ること、(小学校の義務教育等において)子どもたちと先生にとって取り組む価値がある と説明がありました。
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次に私からは、子どもの創る物語世界を紹介し「想像力と創造力は本来どの子どもにも備わるもの。私たち大人は、子どもの生来の力を信じて引出し伸ばすための支援をしましょう。そこにデジタルメディアは有効です」とお話ししました。
佐藤先生は、幼少期に身に付けた非認知スキル(社会情動的スキル)が将来の重要なキーとなること、レズニック氏の提唱する学びのスパイラル(想像→創造→実行→共有→省察…)で行うプログラミングや物語づくりといったデジタルメディアを活用したオープンエンドな創造表現活動は、非認知スキルの獲得を促すと学術的見地からお話し下さいました。
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続いて会場の皆さんによる自由討論、質疑応答のパネルディスカッションのあと、第二部は会場を移してハンズオンタイムとし、子ども向けワークショップで利用したプログラミング「ピョンキー」(ScratchベースのiPadアプリ)とおはなしづくり「ピッケのつくるえほん」を体験しつつ、活用方法など意見交換をしました。
シンポジウムには、豊橋のみならず、浜松や名古屋~岐阜から多数、大阪、奈良、東京、鹿児島からもご参加がありました。2020年度には、プログラミング教育が小学校で必修となる見込みです。まず教える先生に、その楽しさや面白さをぜひ知ってほしいです。参加された先生方が起点となって、「デジタルで創る」活動がよりよい形で広まることを登壇者一同願っています。

夕刻からは、阿部先生が講師となりプログラミングのファシリテータ講習を行いました。「ピョンキー」の操作指導とともに、ワークショップで子どもたちをファシリテートする際の留意点や場のつくり方、PCとタブレットの違いやその活かし方など、長年の実践からの貴重な知見を惜しげなくシェアしてくださいました。
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「野球で言うなら王貞治さんから直接指導うけるみたいなもの」という声も聞こえ、会場のあちこちで阿部先生にサインをもらったり記念撮影する様子が見られました。
学びは本来楽しいものであり、創ることにはあらゆる学びがつまっています。この日参加してくださった皆さんも、阿部先生の熱のこもった指導や実践に触れ、あらためて実感なさったのではないでしょうか。

2日目は、阿部先生講師で、ご自身も開発に携わった「ピョンキー」を使って子どもたちがオリジナルゲームづくりに挑戦しました。
前半は、基本的な操作を練習した後、iPadに内蔵された加速度センサーを利用しiPadを傾けるとキャラクターが動くといった高度なことまでやってみました。
後半は、3つのグループに分かれてゲームづくりです。まずは互いにジャンケンの手を撮影しあい、その3コマを高速ループ再生しボタンを押して停止させ、スロットの仕組みを理解します。
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そのあとグループ内で応用するアイディアを出し合います。絵を描いたり、自分たちでポーズをとって撮影しあったり、素材づくりから工夫してオリジナルゲームをつくりました。
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ゲームが完成すると、もう夢中で遊んでいます。全グループの完成を待って、テーブルを回って各グループの力作をお披露目しあいました。
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(後列は、大活躍してくれた創造大学の学生さんたちです)

午後回には地元のケーブルテレビの取材も入り、後日放映されました。

今回のイベントは、多くの方に支えていただき実現しました。なかでも豊橋創造大学の佐野先生と今井正文先生、学生さんたちには準備~当日の何から何までお世話になりました。おかげで充実の内容で無事終えることができました。
そして、終わりは始まりです。イベントだけの単発にとどめず、ここから輪を広げていきましょう。それができそうな手応えを感じました。
デジタルで創るのは楽しい!を、私自身も再認識できた2日間でした。
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写真を、Facebookページ「PeKay」でご覧いただけます。

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使用アプリ: ピョンキーピッケのつくるえほん for iPad
CoderDojo豊橋:初心者向けのプログラミング講座。創造大の今井ゼミにて毎週火曜に開催されています。Scratch、Pyonkee、Minecraft他いろいろ。希望すればピッケもできます。
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